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【天然】♀メビウス萌え〜3【純真】

1 :名無しより愛をこめて:2007/01/23(火) 01:04:05 ID:dK9N5ym10
『ウルトラマンメビウス』の主人公、メビウスがもし女だったら?と空想して萌えるスレです。
【二人は】ミライ×リュウ【ラブラブ】スレから「メビたんは女の子だよ」派が分離したのが始まりです。

初代スレ http://tv9.2ch.net/test/read.cgi/sfx/1163818899/
前スレ  http://tv9.2ch.net/test/read.cgi/sfx/1167534080/

・ここは全年齢板です。エロネタ、グロネタなどの描写は避けましょう。
・様々なネタが投下できる雰囲気になるよう心掛けましょう。
・他スレへのネタの持ち出しは禁止です。
・次スレはレス番>>950か容量480KBあたりで宣言して立てて下さい。駄目なら駄目で報告を。
・メール欄には半角小文字で『sage』と入れましょう。こうするとスレッドが上に上がりません。(荒らし対策)
・まとめは>>2以降

2 :名無しより愛をこめて:2007/01/23(火) 01:04:38 ID:dK9N5ym10
まとめ倉庫
ttp://vaxim.80code.com/content/index.html
ユーザー mebius、パス infinity

避難所へのリンクもこちらに。

3 :4コマ ◆nL.tEAkRlc :2007/01/23(火) 01:10:39 ID:yL1cBOyQ0
おおお。新しい管理人さん!お疲れさまです。
ついでに、[No.53]お絵描き掲示板です。

4 :名無しより愛をこめて:2007/01/23(火) 01:19:04 ID:tGiUyCVU0
>>1乙!

>>3 まとめの管理人さんとは別だすよ

5 :4コマ ◆nL.tEAkRlc :2007/01/23(火) 01:24:55 ID:yL1cBOyQ0
4>そうですか!とにかく乙!でいい?w


6 :名無しより愛をこめて:2007/01/23(火) 01:26:43 ID:dK9N5ym10
>>3-5
違いますが、ありがとうございます。
管理人さんが見えられない場合は作品倉庫だけ考えないとならないかと…。


7 :名無しより愛をこめて:2007/01/23(火) 01:26:50 ID:w+d4PAnUO
>>1
乙かれさまです
>>3
スレ立てをした人は別にこのスレの管理人ってわけじゃないですよ

8 :4コマ ◆nL.tEAkRlc :2007/01/23(火) 01:30:26 ID:yL1cBOyQ0
とにかく面白いネタ考えて描いていきますよ。ssの間埋めるようなネタとかね。

9 :名無しより愛をこめて:2007/01/23(火) 01:33:18 ID:xBazj9+A0
 乙! ありがとう!


10 :名無しより愛を込めて:2007/01/23(火) 01:36:22 ID:rXFrnage0
スレ立て乙っす!!避難所でこのスレタイ提案した62です。
アホネタも切ない系も共存して仲良くやりたい、というので「天然」
入れたんですが、ほんとに決定しちゃって何かうれしいっす。
またおもしろくなるといいなあ。

11 :万能の神はいない23:2007/01/23(火) 01:36:46 ID:xBazj9+A0
 深川丼は掛け値なしに旨かった。
 味噌味ではなく、透明な醤油味のやつだった。
「本当は、春。貝は春が美味しいそうです。春にまた作りますね」
 にっこり笑う、ミライ。やっと先のことを口にするのに躊躇しなくなったミライ。
 絶対にあいつのせいで死ぬわけにはいかねぇ。

「なーんかヤダよな」
「凄ぉく嫌な感じです」
 イサナとツヅキ、両方から言われてリュウとしては反論を抑えざるを得ない。
「僕もこの二人に同感」
 サコミズにも言われてしまえば、尚だ。
 急にイサナが休暇で飛び込んできたのが、どうやらサコミズが裏で情報を流した所為
らしいと分っていささかリュウは憮然としている。(確かに、色々と切れるイサナに一枚
噛ませた方がいい、とはリュウにも分っている。)
「レトロといおうか、何というか」
 今時これは、という新聞の活字を切り抜いて貼り付けた脅迫文というのも。
『地上にウルトラマンをとどめている男 おとしめている男は許されない かくごしろ』
「これってね、君のこと言っていると思う」
「言わせていただきます。その、向こうの言っていることは事実にかすっていません」
「うん。ミライは自分の意思で地球にいる。自分の意思で君の側にいる。
でも人間は思い込みで生きるからねぇ。言いたくないけど『メビウス』が地球に戻った
理由は確かに君1人なんだ。こないだの博士たちといい、どこで情報が漏れているか
分らないけど、君を指している、と見て間違いない。君の正体まで突き止めているか、
まではこれじゃ全く分らないけど・・・」
「・・・博士たちといい?」
 イサナは言葉尻を捉え、サコミズの顔を見た。


12 :万能の神はいない24:2007/01/23(火) 01:38:22 ID:xBazj9+A0
「博士たちと別口、と思っていらっしゃいますか」
「・・・文面がね。博士たち――まぁ僕の恩師たちなんだけど、彼らの抗議内容は集約すると
『ウルトラマンを兵器とみなすのか』だったからね。あの人たちはまだ穏健派と言うか。
ウルトラマンをGUYSの下においている・兵器化しているのではないかという疑惑に
過敏に反応しているだけ。ウルトラマンの人権――という言い方は妙なんだけど、個人の
尊厳の侵害を嫌がったところがあるからね。これがガチガチに兵器を見なしているとか
脅威に見なしている面子と違うのは、基本的に彼らを『個』とみなしている。はっきり
言っちゃえばウルトラマンびいきの人たちだから。それにあの人たちは良くも悪くも
学術の人なんだよね。研究対象としての視点っていうのかな。醒めているんだよ。
今度のはね、違う。『おとしめる』って単語。主観がですぎ。感情的すぎる。これは対象を
祭り上げて――そう、崇拝している感じだ。確かにウルトラマンに対して強い思い入れは
感じるけどウルトラマンを戦力としか見なしていない軍事馬鹿と同類の臭いがする。
ウルトラマンを見ているけど、ウルトラマンの人格を見てない。いや、ウルトラマンすら
見ていないな。なんというか自分の願望を投影しているだけって言うか」
 ツヅキがなんとも言い難い表情を見せている。
 彼もまたウルトラマン――正確にはまだウルトラマンになる一歩手前――であるからだ。
 自分たちが一般の地球人にとってどう受けとめられ、捉えられているか。それを極端な
形で見せられた気分なのであろう。
 考えていれば、ツヅキが現在身をおいているGUYSチームにはウルトラマンに対する
同志のような親愛感はあっても、兵器、言い換えれば道具と見なす人間に接した事はない。
 同胞であるミライの配偶者であるリュウにしろ、またよく彼らをかまうイサナにしろ、
彼がウルトラの種族である事実は踏まえているが、構い方は単に経験不足の1人の若造、
頼りない弟分扱いだ。結局、ツヅキは今まで善意だけに接していたようなものなのである。
 ちょっと、また、今回もウルトラに対して、過保護だったかな、とサコミズは思う。


13 :万能の神はいない25:2007/01/23(火) 01:41:06 ID:xBazj9+A0
「だから、リュウ、注意して。情報流出の経路は今洗っているけどはっきりしない。
向こうが該当者を『男』としか分っていない可能性もあるけれど、こないだの戦いの後も
GUYSJAPANに残留し続けている人間なんて、そう多くないんだからね。一体何で
絞り込まれるかわからない。ま、速攻でカウンターはかけているけど」
「カウンター?」
「うん、僕って話で」
「僕・・・ってサコミズ総監!」
 顔色をはっきり変えたリュウにサコミズはむしろふざけた調子で口を開いた。
「別にぃ。だってねぇ。今だって僕はもう十分狙われたり叩かれたりしてるんだしぃ。
ここにまた1つまた僕を狙う相手が増えたって、あんまり現状は変わんないよぉ」
「だからって、無茶苦茶です!」
「うーん。でも都市伝説の類になっちゃうと思うよ。もう無茶苦茶言われてるじゃない。
ここに『ウルトラマンを繋ぎ止めている男』が加わってもねぇ。またか、だよ」
 かつてその総監の伝説に花を咲かせた1人としてリュウは黙るしかない。
 名うての戦闘機乗りで鮮やかなアクロバット飛行で怪獣を翻弄しウルトラマンの
ピンチを何度も救ったとか、戦友とたった二人で凶悪な宇宙人のいる惑星に降り立ち
相手を全滅させたとか、新人隊員を鍛えるためにジープで追い掛け回したとか。
それはもう、あることないこと、ではなく、ないことないこと(いや、怖ろしいことに
みな実話だそうだが全て本人のものではないことを明言しておく)に包まれているのだ、
この総監殿は。殆んど怪談のノリである。だが一番怪談なのは、噂に上らないサコミズ
ご当人のこの性格かも、と横でイサナは思っていた。
「ともかく、君に何かあったらね、僕がミライに顔向けできなくなるの」


14 :万能の神はいない26:2007/01/23(火) 01:43:25 ID:xBazj9+A0
「GUYSのウルトラマンの兵器化を危惧する面々でも大まかに分けると、こうなるのね。
穏健な一の宮博士たち『ウルトラマンの個人侵害ハンターイ』、
軍事的に『ぶっちゃけて、手元に欲しいの、ウルトラマン』な人たち、
あと『ウルトラマン排除論』・・・というか不要論、有毒論、麻薬論?
うへぇ、過激な内容だなぁ。流石にこれは超少数派らしいけど」
「そのふざけた言い方やめろ、イサナ」
「いや、ちょっと洒落にならんかもしれないと思うと、つい。空気が重くてさぁ。
でも確かに、おとしめる、って変な言い方だよな。貶める・・・見下げたり蔑んだり
・・・って全然してないよね、旦那。奥さんにメロメロだし」
「メロメロは余計だ」
「いや、さぁ。なーんか引っかかるんだよ。サコミズ総監に言われたからってわけじゃ
ないけど・・・留めているはともかくウルトラマンを貶めるって何だかなー。
確かに兵器と見なす考えそのものがウルトラマンを貶める、になるといえばなるか」
「・・・兵器として手元におきたい連中と排除・不要の主張をしている人間のもんじゃねぇ。
そうなると一番近いのはあの博士たちだろうけど、サコミズ総監の言い方だとどうも
違うみたいだしな」
「うん、研究者にあるまじき感情的過ぎって。確かに研究者は観察対象に肩入れしすぎる
と客観的事実が得られないしさ。これってむしろ・・・アイドルだ」
「なんだそれは」
「いや、ウルトラマンってアイドルと同じかなって今思ったのよ。ほら、あれよ、あれ。
ファンは実際の本人の実像じゃなくて虚像を愛しちゃってるわけ。凄いぜ、熱烈なファン。
中にはイっちゃってるって感じで、自分の中の完璧な彼女像を崇めちゃってさぁ。
僕の○○ちゃんをそこらの女と一緒にすんなー! とかもう見苦しいというか。
実際の彼女の真実を認めない。ま、あれも結局自己の欲求の投影なんだけど」
「それで、貶める、がどうつながる」
「正義の味方、すごいぞ僕らのウルトラマン! それを単なる兵器扱いにすんなー! 
ってとこじゃない?」
「お前の説明を聞いていると、話の次元が高いんだか低いんだか分かんなくなるぜ・・・」


15 :名無しより愛をこめて:2007/01/23(火) 01:47:19 ID:DtOMF1oy0
宇宙刑事シリーズ復活!?香辛料メーカーのGABANがスポンサーに
http://hobby9.2ch.net/test/read.cgi/occult/1169470479/

16 :万能の神はいない27:2007/01/23(火) 01:48:36 ID:xBazj9+A0
「ま、ともかく、これはナゾのX候補ということで」
 隊長同士が言葉を交わす中、いささかでかい図体をちぢこませるようにして待機していたツヅキが初めて声を上げた。
「Xですか?」
「うん。相手が個人か団体か、わかんないでしょ。あと下手に命名すると、思い込みで
正体見誤っちゃうかもしれないし。実は単に人騒がせな愉快犯かもしれないし」
「愉快犯だといいですね。正直、すごく腹立たしいけど、これ以上なにも起こらなければ
それでいいです」
「うん、いい子だね、ワンコ」
「だから僕はワンコじゃありません!」
「ツーヅーキー。そこでいちいち反応すんな。だからイサナが喜ぶんだ」
「すいません・・・」
 俯いたツヅキの肩に、からかっている当のイサナがぽんと手を置く。
「ともかく頼むよツヅキ。リュウの身辺は宜しく」
「GIG! イサナ隊長も引き続きご協力お願いします!」
「GIG。ミライには当分ナイショだよ」
「おい、俺は護衛の必要性は感じないぞ」
「俺たちは感じてる。常にツヅキを側に置いとけ。日常じゃボケボケのワンコだけど、
身体能力が半端じゃないじゃん」
「・・・確かに格闘技とか変に強いけどな。予測外の動きすっから不意打ち食らうっつーか。
ただツヅキに非常時モードのスイッチ入ると条件反射が働きすぎて逆にやべぇって思うぞ。
危なくて後ろに立てねぇ」
「言われてるなぁ、ワンコ。でも新人を引きずりまわしているのはいつもの事じゃん。
隊長の後ろにツヅキがくっついて回っているのも日常茶飯事、不自然じゃない光景だから
一緒に居ても説明不要。支障ないでしょ。自宅の送り迎えも、車の運転の訓練って言えば」
 ちらりと目をやった先で、じーっとこちらを伺って話を聞いている新人の姿。さながら
『おあずけ』を食らっている大型犬のようで思わずイサナは破顔する。
「俺とツヅキとサコミズ総監が安心するんだからさ、いいじゃん、少しの間ぐらい。な」

 今夜はここまででつ。実は本日激しく自爆発覚。
 一の宮博士、ゴルドキングで無念の死亡とされているという情報が・・・ごふっ
 これ、無視してくだせぇ・・・orz 畜生、もうちょっと早く分ってたら修正きいたのに・・・。

17 :名無しより愛をこめて:2007/01/23(火) 03:39:31 ID:rXFrnage0
新スレおめでとうございます。またよろしくお願いします。
鎖のつづきですが、相変わらず長いもんで、こちらに投下させて
いただきます。後半、完成しましたが、長くなったのでもう一回
分けます。てことで、四部構成に。今夜はその3を。

18 :美粧の鎖3 1/5:2007/01/23(火) 03:43:28 ID:rXFrnage0
スレ2の>>519−524の続きです。

**
リュウの連絡を受けて出撃したガンフェニックスは、疾走する星人を
空から確認し、攻撃を開始した。すでに暗くなった空の下、リュウと
ミライの乗った車は、極力町の中心を避け、やや郊外のだだっ広い駐屯地
をめざしている。執拗にそれを追う星人の、幾度となく繰り出された凶刃
によって、何本もの街路樹が無残に倒され、車道に沿った建物もところどころ
外壁をなぎ払われているが、ガイズによって近辺の区域の住人に外出禁止
命令が発令されたために、人身被害が出ていないのがまだしも幸いであった。

「都市伝説であったのよね、車追いかけて走るおばあさんの怪談。
上からあいつを見てるとなんだかそれみたい」
ガンフェニックスのコックピットで交わされるマリナとジョージの会話。
「それスペインでも聞いたことあるよ」
「だけど人間を真っ二つだなんて、趣味悪いわ。」
出撃前、例によって聞かされたテッペイの解説。…ツルク星人はドキュメント
MACに記録があります。それによると、彼は子供を守ろうとした父親や、
当時の防衛チームの隊員を真っ二つにして惨殺したようです。前回の
ときも防衛チームの車を執拗に追いかけてその凶刃のえじきにしようと
したそうなんです。…
「鎖帷子でも着込んでなきゃ、切り殺されちゃいそうだよな。」
「さすがの熱血馬鹿も危なかったわね。」
「まだ危険を回避したわけじゃない。…よし、一気に片付けるぜ。」


19 :美粧の鎖3 2/5:2007/01/23(火) 03:44:42 ID:rXFrnage0
一方で、走る車の中から、ミライとリュウも攻撃を続けていた。
ビジュアル的にはどう見てもむくつけき荒くれ男におしひしがれた可憐な
美少女という構図なのだが、(外出禁止命令で辺りに人っ子一人いないことに、
リュウはひそかに感謝した) ミライはやっぱりいつものミライで、どうにも
あたふたしてしまうリュウに、これはタオルでできた胸だから大丈夫ですよと
にっこりする。…メリハリがあるほうがいいって明日人さんが。ほんとは、少し
はずかしかったですけど。
 はにかんだ笑顔も、美少女モードでは刺激が強すぎた。リュウの目が三角に
血走ったのは言うまでもない。(…あんのやろう、ぶっ殺す!)勢いで放った
ショットはすさまじい熱線となって星人の額に命中した!
「やった、リュウさん!」ミライが快哉を叫ぶ。
しかしそれで終わりではなかった。むくむくと膨らむ赤黒い閃光が、星人を
押し包んだかと思うと、次の瞬間、彼奴は巨大化を遂げた。既に人型ではなく、
巨大な爬虫類を思わせる醜い獣の姿である。しかもツルク星人のトレードマー
クとも言うべき剣だけは依然として身に備え、ガンフェニックスに向けて
さらにまがまがしくなった凶刃をふるう。「何なのよ、これ!!」マリナの
悲鳴にも似た叫びがメモリーディスプレイから聞こえた。
「マリナさんたちが危ない!…リュウさん、僕は行きます!」
いつものように何のためらいもなく左腕を曲げてメビウスブレスを出現させ
るミライ(だが美少女)。リュウもまたいつものように「頼むぞ、ミライ!」
と送り出す。だがその心中はいささか複雑だった。(正直、こんな可愛えー
ミライはほかのやつには見せたくねえ!…ガイズの連中にもだ!あいつら
大喜びしやがるのは眼に見えてるし!…まあメビウスになっちまえばわかりゃ
しねえだろ…)
ともあれミライは変身!メビウスの登場だ!!


20 :美粧の鎖3 3/5:2007/01/23(火) 03:46:01 ID:rXFrnage0
「ミライ君!」心強い援軍の登場に喜びの声をあげたマリナだったが、
思わず息をのみ、その目をこする。「ジョージ、あれ…メビウス…よね…?」
「うん、そうなんだ…けど…」一瞬の後、この危機的状況にも関わらず二人が
思い思いに上げた感嘆の声が思いきりかぶった。
「グラシアス!」
「なんてきれいなの!」

同時刻のフェニックスネスト。モニタに映し出されたメビウスにガイズの
面々は呆気にとられてたたずんでいた。
「メビウス、可愛い」うっとりと見つめるコノミ。
「なんだか妖精のようですね…」ぼうぜんとして科学者らしからぬコメントを
発してしまうテッペイ。
「マル君、ウルトラマンにも冠婚葬祭とかがあるのかね?」「知るわけないでしょう、
私がそんなこと」いつものやりとりを交わしつつ、トリヤマの目もマルの目も
モニタに釘付けだった。
「素敵だわ…」にっこりと微笑むミサキ女史。
一人サコミズだけが、青くなったり赤くなったりしながら、事態の収拾をどう
つけるかに頭を悩ませていた。(…たくもう、やってくれるよな、獅子座の
おにいさんたち!)彼は飲み残した珈琲をぐいとあおると再びモニタをみつめた。
「美しいウルトラマン、か」(まいったな、でも本当にきれいだ、メビウス。
まるで女神のようだ)

「くそおっ、どんなカリスマ化粧師だよ!」地上では、リュウが罵声を飛ば
している。しかし、その目は夜空に飛翔するものを見つめたまま、寸分たり
とも動けないでいた。
 月天心。まさにそこから降り立った天女のように、真珠色のオーラに包まれて
夜空に浮かぶメビウス。いつもの銀と赤の姿態が真珠の光をまとって、今宵は、
銀白色と魅惑的にきらめく不思議な薄紅色に彩られ、群青の夜空に照り映えて
夢幻をさそう。おぼろにかすむオーラ越しに見える銀の面差しにも薄紅の影が
さして、息を呑むほどの美しさだ。…


21 :美粧の鎖3 4/5:2007/01/23(火) 03:47:03 ID:rXFrnage0
コンサート会場のレオ兄弟は、集団催眠から解けた人々を介抱し、事態を説明
して、安全な地下のホールへと誘導していたが、中に一人だけ、昏睡からさめない
少年がいるのに気づき、必死に呼びかけていた。「ぼうや! ぼうや!しっかりする
んだ!」小学校の低学年くらいの幼いその顔は、最初にミライに声をかけた少年
だった。ツルク星人の催眠音波は幼い脳にはきつすぎたのか、子供の瞳は閉じられ
たまま微動だにしない。…そのとき、窓からさしこむやわらかなパール・ピンクの
光。レオ兄弟が目を見合わせたとき、子供の目がぱちりと開いた。「あ、明日人だ!」
にっこりとした少年を思い切り抱きしめてから、駆けつけた父親の腕に彼を返して、
明日人は兄とともに会場の外へ出た。
「メビウスか…!…アストラ、お前いったいどんな化粧をあの子にしたんだ?」
いぶかしげな兄の問いかけに、明日人は感に堪えぬように首を振って夜空の妖精を
見つめた。「俺の力じゃないよ、レオ兄さん。…レディ自身の内なる輝きだ。
メイクは時としてそれを引き出す媒体にはなるけどな」
「美しいな。…まるで銀色の鳥のようだ」おおとり・ゲンはため息をついた。「真珠
色に輝いている」
「うん。まさに大宇宙の真珠だね。無垢で可憐で神秘的だ」おごそかに呟いてから、
明日人の顔に再び悪戯っぽい表情がもどる。「んで、まったく本人は気づいてない
とこがまたたまらないよね」こらえきれずクスクスと笑いがこぼれた。(レディ…
メビウス、君はほんとに最高だよ)


22 :美粧の鎖3 5/5:2007/01/23(火) 03:48:37 ID:rXFrnage0
明日人が指摘したとおり、メビウスは自身の変化にまったく気づいてはいなか
った。周囲の感嘆をよそに、軽やかに地上に降り立つと、真珠のオーラに包まれた
しなやかな肢体を自在にひらめかせて、歯切れのよい戦いを展開していく。一方、
気のせいか星人のほうはいまひとつ動きに精彩を欠いていた。後ずさりしながら
メビウスの攻撃に右往左往を繰り返してどんどん追い込まれていく。
「よし、いいぞ。この勢いで一気に行っちまえ!」リュウがこぶしを突き上げた。
(畜生…! きれいすぎてはらはらさせやがる…。こうなりゃミライに戻した
ほうがまだしも…いや、それはやっぱりまずいぜ…くそう…それどころじゃない
ってのに…ざけやがって明日人のやろう!)

「ツルク星人もやっぱりあの美しさに臆してるのかな?」機上でジョージが
ぽそりと呟く。「うん、そうかもね」マリナもぽそりと応じ返した。
「それにしても、何があったんだろう?」「さあ。…でもミライ君は自覚ない
みたいね。何だか、らしいわ」…熱血馬鹿はどんな顔してみてるのやら。
想像するとおかしくて仕方がないマリナであった。

優勢を保ったまま星人にメビュームブレードを突きつけるメビウス。女神の
聖剣の前で、追い詰められたツルク星人は、懇願するかのように左手を掲げる。
が…一転、その手から発せられた黒い念波が空に届いて邪悪な二つの光球を
呼び寄せた!中から現れたのは…。

***(つづく)

ここまでです。続きは明日にします。


23 :名無しより愛をこめて:2007/01/23(火) 11:26:50 ID:1lhwutTi0
鎖さま〜ご無体な〜(つд`)

24 :フォースインパクト45:2007/01/23(火) 12:02:54 ID:SWcozTSg0
今日も何事もなく過ぎていく。
新学期が始まって一ヶ月近くが経つ。今年の最上級生も真面目で素直な良い生徒ばかりだ。顔合わせ程度の一ヶ月の授業が終わり、
もう本隊との合同演習に入る。本格的な授業はそれが終わってからになる。
時折見かける新入生には無理して怪我を自力で治そうとする者もいないし、同じ顔に出くわしたことも無い。
タロウは極めて機械的に書類仕事をしていた。
コンコンと控えめなノックの音がする。
「どうぞ」
書類から顔を上げずに返事だけする。
「失礼します」
少しはにかんだ様な声に、タロウの手がぎくりと止まった。恐る恐る振り返る。
後ろ手に閉めたドアの前にメビウスがいた。
「め、メビウス・・・・何の用だ?」
自分でも予想外の冷たい声と口調に、タロウは顔を歪めた。
メビウスもその反応に少し戸惑ったのか、ちょっとだけ俯いて、それから顔をあげた。
「あの、僕この間、ペンを忘れてしまったので・・・・取りにきました。ありませんでしたか?」
ある。まだ机の上に、未練がましくお守りの様に置かれている。
「・・・・・・・・・忘れた・・・・?」
「はい。終了式の前の日に、忘れてきちゃって・・・・」
タロウは頼りない足取りで立ち上がり、メビウスの前に来た。
「忘れた、んだな?」
「はい」
「いらなくなった、んじゃ、ないんだ・・・・?」
「そんなことないです!」
今度はメビウスの方が自分の上げた声の大きさに吃驚した。取り繕う様にあたふたしてからタロウを見上げる。
「タロウ教官に貰った、僕の宝物です。
僕、タロウ教官が大好きです!」
タロウは視線を落としてメビウスを抱きしめた。
「私も、君の事が大好きだよ」

25 :フォースインパクト46:2007/01/23(火) 12:04:13 ID:SWcozTSg0
半年以上まともに見ていなかったメビウスは、成長期の最中で大分大きくなっていた。それを軽々抱えてソファに座る。
「怪我はもう大丈夫かい?」
「はい。全然大丈夫です!補習はアストラ師範代に見てもらっていましたし、マックスとゼノンも色々助けてくれたんです」
「私の所為で、悪かった」
思っていたよりもずっと自然にメビウスの目を見て謝る事ができる。それ以上に大人しく腕の中にある体温に離れがたさを感じてしまう。
「でもあれは怪獣が・・・・」
「その怪獣を発生させた原因を作ったのは私だ。もう少ししたら習うが、マイナスエネルギーというものがある。誰でも持っている『心』から生まれるものだ」
「僕や教官もですか?」
「そう。マイナスエネルギーが一定以上になると怪獣になる。自らが怪獣になる場合もあるけどね。
そのマイナスエネルギーを、私の生徒達が持ってしまった。持たせるようにしてしまったのが私だ。その結果、怪獣が出現してしまった」
メビウスは黙って話しを聞いていた。
「だから・・・・本当は凄く君の事が心配だったけど、そんなことをしてしまったから、嫌われたのかと思っていたよ」
「そんなことないです!会えないのは寂しかったです!それに、教官や先輩はお忙しかったのでしょう?」
「でも、今の話を聞いてどう思った?」
その質問にメビウスは困った様に首を傾げる。
「よくわかりません。でもタロウ教官の事、嫌いになったりしません。大好きです」
「・・・・ありがとう」
タロウはまたぎゅっとメビウスを抱きしめた。
「ああ、もうあんまりこういう事をしちゃいけないな。君は女の子なんだし」
「だったら男の子の方がいいです」
体を放すとメビウスの方から擦り寄ってくる。タロウは背中を撫でてやった。
「う〜ん、まあそれは私が悪かったんだけど・・・・どうして女の子だと言わなかったんだ?」
「はい、聞かれなかったからです」
あまりにもはっきりとした返事に、タロウの目が点になる。

26 :フォースインパクト47:2007/01/23(火) 12:05:01 ID:SWcozTSg0
「・・・・・いや、そうじゃなくて・・・・私が間違えた時、直せば良かったんじゃ・・・・」
「教官、怒ってたから・・・・」
「怪我も治さずに放っていたら怒りたくもなる。もうあんなことしてないな?」
「はい」
神妙に頷くメビウスに、タロウは軽く肩を叩いた。
「二年生になってどうだ?もう勉強は大変か?」
「まだ大丈夫です。あの、でも・・・・またわからない所があったら聞きに来ていいですか?
合同演習の間だけ・・・・」
「ああ。演習の間だけ、な」
どちらも自分に言い聞かせる様に言う。
「そうそう、今年もまたマックスとゼノンが隣の部屋で、嬉しかったです。二人共お休みの間に行ったところのお土産をくれたんです。
僕も海洋惑星に行ってきたんですよ」
メビウスはそう言うと自分の頭ぐらいのヌイグルミを取り出した。
「はい、教官にお土産です。ウイングホエールのヌイグルミです」
「ありがとう。可愛いお土産だな」
タロウはウイングホエールをひっくり返したりして暫く眺めると、自分の机の隣に飾った。
「マックスとゼノンはどんなお土産をくれ・・・・あれ?」
「どうしたんですか?」
「あ」

「あ」
突然声をあげたゾフィーに、データ入力をしていた秘書は顔をそちらに向けた。
「どうされました、隊長?」
「いや、なんでもない」
そう言うと再び書類にサインをする作業にかかる。
(そうかそうか、それのことか)

27 :フォースインパクト48:2007/01/23(火) 12:06:53 ID:SWcozTSg0
「マックスとゼノンが隣って、男子寮じゃないか!!」
叫ぶタロウに、メビウスは不思議そうに首を傾げた。
「そうですね」
「そうですねって、おかしいと思わなかったのか?!」
「女子寮がいっぱいなのかと・・・・」
「女子寮は定員割れ起こしている!すぐに舎監に連絡を・・・・」
慌てて通信器に手を伸ばすタロウに、メビウスは至極残念そうな視線を向けた。
「そんな、せっかく二人とまた一緒になれたのに・・・・」
「男子寮に女子が入っているんだぞ?!大問題だ!!」
「でも、去年は別に困りませんでしたよ?」
「困るんだよ!こっちが色々と!!」
「そうなんですか?」
「そうなんだよ!!」
なんかこんなやり取り、以前にやったような気がする・・・とタロウは多少疲れながらもメビウスを見下ろした。
二人と別れるのが寂しいのか、肩を降ろす姿は確かに女の子っぽい。
(ちょっと待て。確か80は最初からメビウスが女の子だと知っていたはず・・・・)
「・・・・当分使えるな」
「? 何がですか?」
突然勢いを落としたタロウにメビウスは顔をあげた。
「まあ、とにかく寮の事は後で連絡するから」
「はい。でもできればこのままがいいです」


28 :フォースインパクト49:2007/01/23(火) 12:07:41 ID:SWcozTSg0
それから二人はしばらく色々な話をした。やがてダークライトが灯るとメビウスが立ち上がる。
「それじゃあ教官、失礼します」
「うん。
ああ、そうだ。君のペンを返さないと」
タロウは机に戻るとメビウスのペンを手に取る。
「どうして忘れていったんだ?」
「それは、何時も僕が教官のばかり借りているから、悪いと思って。今度は僕が忘れたら取りにこれるかなって・・・・」
タロウはメビウスの言葉を背中で聞きながら、自分のペンも持った。
「それじゃあ、今日は私の番だな」
ドアの前にいるメビウスの元に行くと、二本のペンを差し出す。
「また返しにおいで」
「はい!」


                              〜〜Fin〜〜


29 :名無しより愛をこめて:2007/01/23(火) 12:22:05 ID:yIBZwwgw0
インパクトさんwwwwww
終わっちゃうの?終わっちゃうの?ほんとに終わっちゃうのーー?!
さびしすぎる、ずっとずっとずっと接していたい世界なのに。
タロウもメビも大好きだ!最高! 続編ありますよね?ね?ね?ね?


30 :名無しより愛をこめて:2007/01/23(火) 13:26:45 ID:SWcozTSg0
インパクトです。
新スレ乙です。
先にネタ投下しちゃいました。
一日一レスのSS,読んでくださった方々、ありがとうございます。
タロウがメビウスの事を女の子だと知って衝撃を受けるって話の「インパクト」なので、ここで終わりです。
タロウが小さいメビウスをぎゅっと抱きしめているようなふわふわした雰囲気が出せたらなと。
戦闘シーンとか書いちゃいましたが。バリエーションに富ませたつもりです。
後はこれの為に作った設定をあげてお終い?続きはネタが思いついたらということで・・・・。


31 :名無しより愛をこめて:2007/01/23(火) 13:41:46 ID:UH0orYB80
遅くなりましたがスレたて乙
>>24
お、終わりでつか?ガ━━(;゚Д゚)━━ン
そんなぁ、今日から昼休みの楽しみがああああ・・・ノД`)・゚・  
とりあえず長編お疲れ様でした。ありがとうございました。だがしかし・・・寂しいっす
>>18
真珠色のオーラに包まれて夜空に浮かぶメビウス、美しかろうなぁ(*´∀`)
>>11
う〜む、今までの防衛軍の隊長って・・・並べたらすごいことしてるなww
しかもそれ全部現総監がしたことにwww

32 :名無しより愛をこめて:2007/01/23(火) 14:09:15 ID:SWcozTSg0
>>万能の神 それってもしかして、ウルトラマンの旦那さんはサコミズ総監だと噂を流したのかーー?!
ツヅキに守られるのに不本意なリュウさん(笑)

>>鎖 リュウさん、ウルトラマンの姿のミライでさえ、人目にさらしたくないのね・・・・。

33 :4コマ ◆nL.tEAkRlc :2007/01/23(火) 14:32:17 ID:yL1cBOyQ0
鎖さん>マル君、ウルトラマンにも冠婚葬祭とかがあるのかね?わろた!

お疲れでした!インパクト。今後のss期待します。


34 :名無しより愛をこめて:2007/01/23(火) 16:09:13 ID:SWcozTSg0
インパクトでつ。
フィフストレーニングと、ラストイグニッションは考え中。


35 :4コマ ◆nL.tEAkRlc :2007/01/23(火) 16:13:20 ID:yL1cBOyQ0
[No.54]お絵描き掲示板です。

36 :名無しより愛をこめて:2007/01/23(火) 21:27:02 ID:Sphiefs00
 インパクト完結オメ! 寂しい気持ちもあるが、次もwktkしてるよ!


37 :名無しより愛を込めて:2007/01/23(火) 21:53:07 ID:yIBZwwgw0
4コマさんの最新作をみて、また寂しい気持ちになってしまう。
インパクトさん >>29で吠えているのは自分です。 でも次を期待して。
素敵な世界をありがとうっす!

さて、自分も今宵、鎖を完結の予定。
4コマさん、冠婚葬祭は、真珠メビウスのイメージがあのウェディング
ドレスのメビたんだからです。ウルトラマンを美人だと初めて思ったでつ。

38 :美粧の鎖4 1/6:2007/01/23(火) 21:56:12 ID:yIBZwwgw0
「ガロン、それにリットル!」愕然とするゲン。
「まいったねー。あいつらまで出てきちゃうか」考え込み眉根を寄せる明日人。
よみがえった兄弟怪獣は咆哮を上げて町を破壊し始める。ガンフェニックスが空から、
リュウが地上から、それぞれメビウスを援護するも、強気を取り戻したツルクによって
繰り出される狂刃の攻撃に翻弄されてしまう。星人は、さらに、怪獣たちの破壊行為を
やめさせようとするメビウスの右腕をぐいとつかみ、行かせるまいと引き倒しにかかる。
振りほどこうともがくメビウス。

「三対一というのは卑怯なんじゃない?おまけに相手はレディなのにさ」
「同感だ」
「それに俺はせっかくの作品を壊されたくないな。…近頃の傑作になりそうだもんね」
「理由はどうあれ、お前のことだ、行くと決めたら行くんだろう」
「ご明察!」
「俺は今回は表に出ない。会場の人たちのことはまかせておけ。行くんならさっさと行って来い。
メビウスの足手まといになるなよ」
「言っちゃってくれるねえ」少し鼻白むと、いたずら少年のように肩をすくめて、明日人はへへっと笑った。

…ねえ兄さん。
何だ。
俺がはじめて地球で戦った怪獣だ。
うん。
俺はあの時はじめて、この地球に来た。
うん。
会えてよかった。生きて会えて。
ああ。

俺、地球が好きだよ。
ああ、俺たちの故郷だ。
これからも、ずっと、よろしくな、レオ兄さん。
当たり前だ。生まれてから死ぬまで、俺たちはずっと二人だ。


39 :美粧の鎖4 2/6:2007/01/23(火) 21:58:48 ID:yIBZwwgw0
「じゃ、ちょっと行ってくる。お客さんのこと、頼むね」まるでそこまで
散歩に出るような気軽さで、明日人は軽く右手を上げてみせた。「ああ、
まかせておけ」ゲンもまた、自然な口調で弟を送り出す。穏やかに笑みを
かわしあうと、兄は建物の中へ、弟は燃え上がる街へと、互いに背を向けて
それぞれが駆け出していく。

一方、ようやくのことでツルクをふりほどき、果敢に二大怪獣への攻撃を
繰り出すメビウス。だが、ガロンと向き合っている間に後ろからリットルに
回りこまれ、羽交い絞めにされる。無防備にさらされたからだをめがけて
振り上げられるガロンの鋭い爪。ツルクもまた凶刃をその首筋に突きつける。
「ミライ君!」「ミライ!」ガンフェニックスの二人から悲愴な叫びがあがる。
そして地上からも。「ミライーっ!!畜生、卑怯な奴らめ!ミライから離れやがれ!」

「待ってろよ、マイ・フェア・レディ!」
焔の中を駆けていく明日人の右手の指にはめた、銀色に赤い石の指輪がきらめいた。



40 :美粧の鎖4 3/7:2007/01/23(火) 21:59:40 ID:yIBZwwgw0
**
バキバキバキッ!!!!
その赤い光がひらめいた刹那、轟音とともにツルクの凶刃は断ち折られていた。
閃光に目くらましを食った二大怪獣の隙をついて、スピーディに繰り出さ
れるスピンキック! 目にも留まらぬ速さの赤い影の動きにガイズは息を呑む。
「あれは…?」機上と地上とモニタ越しと、それぞれから発せられる声。
「あれは…」中でテッペイだけは、赤い影のはじに、からん、と不思議な音を
立てて、くるくる回りながら絡みついている銀の鎖が見えたような気がして
はっとする。「あれは…きっと…」
メビウスは、怪獣たちの囲繞から逃れるも、はずみを食ってよろめき、
バランスを崩して倒れ掛かる。その手をぐっとつかんで引き戻し、ふわりと
そのからだを持ち上げるたくましい赤い腕。次の瞬間、メビウスは、その華奢な
腰を力強く支えられ、抱えあげられるようにして夜の空に浮かんでいた。
「…しっかり、メビウス」ミライを驚かせた低い美声ではなく、光の国で発し
なれた暖かい響きのテレパシーで、後進の妹に呼びかける。「アストラ兄さん…!」

鎖をたなびかせた赤い勇姿と、真珠色の光をまとった銀色の鳥。群青の空に
浮かぶそれは、あたかも伝説の一場面を見ているように夢幻的で荘厳だった。
「あれが…アストラ…」ジョージが夢を見ているかのような表情で呟いた。
「マグマチックチェーンをつけたままのウルトラマン…」


41 :美粧の鎖4 4/7:2007/01/23(火) 22:01:10 ID:yIBZwwgw0
「さあ、行くぞ!」「…はい!」二人の戦士がゆっくり降りてくる。
体勢を立て直したメビウス。剣を失ったツルクはすでにメビウスの敵ではない。
傍らでアストラは、戦うメビウスを見守りつつ、重ねた両手の先から出す緑の
光線で、街を押し包もうとする炎を、鎮火していった。これにいきりかえった
兄弟怪獣は、さらに火を吐き、猛攻を開始したが、二人のウルトラマンは、
巧みに火炎をよけながら脇へと接近し、徹底抗戦する。真珠色のオーラと、
赤い獅子のオーラが交錯し、目くるめく動きで二大怪獣を惑乱する。
「よし、いまだ!」うなずき合う金と銀の瞳。合体した二つの光線は夜の闇の中に
美しく輝いて、二匹の怪獣と、折れた刃を引きずる暗殺宇宙人とを木っ端微塵
に吹っ飛ばした。
「やった!!」快哉を叫ぶ、ガイズ・クルー。
「やりやがった…」ひとり、真面目な顔で地上に立ち尽くすリュウ。「よかったな、
ミライ…」汗とほこりにまみれた無骨な顔に、ようやく安堵の笑顔が浮かんだ。



42 :美粧の鎖4 5/7:2007/01/23(火) 22:02:11 ID:yIBZwwgw0
二人のウルトラマンは、手をかざし、緑と薄紅のやわらかい光を放射して、
わずかにまだ勢いを残す焔を完全消火する。外出禁止命令が解け、夜の街に
人々の歓声があふれた。
「ありがとうございました、アストラ兄さん!」メビウスはアストラに歩み寄り、
援護してくれた礼を言った。いまだに、自らのからだの発する真珠の輝きには、
微塵も気のつく様子のない妹を、アストラは、可笑しそうに見やると、
ふいにテレパシーの声を低い美声に切り替えてささやきかけた。
「きれいだよ、レディ」
「え?」とまどうメビウスに、アストラは、手近のビルの、街の明かりを映し
出している鏡面化された外壁を指差して見せた。さっきまでは燃える炎の
黒煙に隠れて、戦いに夢中のメビウスの目には映っていなかったビルだった。
「!!」ようやく自らの姿に気づいて、驚愕するメビウス。「兄さん、これは…」
「言わなかったっけ、俺のメイクは宇宙一だって」アストラの金の目が、一瞬だけ
緑と青にはぜる。「今夜はみんな君に見とれてたんだよ、レディ。…それじゃ、また」
最後の挨拶はいつもの声に戻し、アストラは星の瞬く夜空へと飛び立っていく。
メビウスはしばらく呆然としていたが、やがて鳴り始めていたカラータイマーに
気づいてあわてて空へと飛び立った。


43 :美粧の鎖4 6/7:2007/01/23(火) 22:03:16 ID:yIBZwwgw0
(でも、ほんとの宇宙一は、君のまっすぐな心だよ、レディ)
にぎやかさを取り戻した夜の街の、人目を避けた路地の隅で、夜空を飛んでいく
メビウスを見送りながら、明日人はにっこりと微笑んだ。

…ただいま、兄さん。
お帰り、アストラ。
どうかしたの?
いや、戦いが済んで、お前が帰ってくるってのは、やっぱりいいもんだな。
そうだね。
(いつも、また宇宙の旅に出かけました、それが俺だった)
(だけどいまはここが、お前の帰ってくる場所になった)

「久しぶりに腕が振るえて楽しかったな。」明日人は大きく伸びをする。
「腕を振るうなら歌かメイクのほうにしろ。戦いは…なければないにこした
ことはない」少し憮然として、ゲンが呟くように言う。
「うん、そうだね」明日人は穏やかに兄の言葉に頷く。「しかしメビウスは
いじりがいがあったなー。またいろいろ試してみたいな、きっと似合う」
「調子に乗りすぎるなよ。…だけどたしかにきれいだったな」
「うん。きれいだった。最高のレディだね。…さて、夜の部の開演だ。」

「皆さん、今夜はどうもありがとう」ビブラートの利いた低い美声が満場の
オーディエンスを魅了する。「今宵は満天の星空で、おまけに素晴らしい月だ。
こんな夜に皆さんに会えて、俺はとてもうれしい。どうかさいごまでじっくり
楽しんでいってくれ」
…闇を越えた先に、こんなにもいとおしくて大切なものがあるということ。長い
ように見えても、短いように見えても、ただ一度しかないこの人生を、あとどの
くらい、一緒に過ごせるのか、それはわからないけど。…俺は大切に守って行き
たい、この地球でね。レディ、一途に、ひたすらまっすぐに歩み続ける宇宙一
のレディ。君の幸せを心から祈っているよ。


44 :美粧の鎖4 7/8:2007/01/23(火) 22:04:31 ID:yIBZwwgw0
首都東京の夜の賑わいが回復し、道路に車が流れ、通りに人があふれる。
そんな街角の一角で、無骨な目つきの悪い一人の男が、なかなか戻ってこない
相棒を待ちくたびれて、ドアのぶち切れた車の横に立ちつくし、ぼやいていた。
「ミライのやつ、なかなか帰って来ねえなあ…」
メビウスが飛び去って、結構な時間がたつのに、ミライがまだ戻ってこない。
リュウがいらいらしはじめたとき、メモリーディスプレイからその当人の声が
流れてきた。「リュウさん…!!」「ミライ、てめえ何やってやがる、早く帰って
きやがれ!」即座にがなりたてたリュウだったが、ミライの声が泣きそうなのに
気づいてあわててモニタ画像をオンにした。「どうかしたのか、ミライ?……あ!
ちっくしょう、しまったーーーーー!!!!!!」画面に映った美少女モードの
ミライの泣きそうな表情に、何が起きたのかを瞬時に悟ったリュウは、とるもの
もとりあえず車に飛び乗ると猛スピードで発車した。
「くっそおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!! 
ミライ、今すぐ行ってやっから待ってろよ! やろう、その辺の下衆なやつらには
ミライに指一本触れさしてたまるか!あんな泣き顔に困らせやがってどうなるか
覚悟しやがれ!」
ハンドルを握るリュウの脳裏に、ピンク・パールの甘い唇や、柔らかな胸に顔を
うずめたときの感触がよみがえる。(あの場合、タオルが入ってっかどうかなんて
のはとりあえず問題じゃねえし!……いや、そうじゃなくて! 
…あんな顔して見つめやがって…思い切り抱きしめやがって!…くそう、何で
こんなことばっかり思い出すんだ、俺は!…あいつ、必死で俺のこと守ろうと
しやがったのに…)


45 :美粧の鎖4 8/8:2007/01/23(火) 22:05:27 ID:yIBZwwgw0
道行く人々は、顔からも頭からも眼からも火を出しそうな勢いで半壊の車を
暴走させている男を恐ろしげに見つめていた。だが、男の頭の中はそれ以上の
暴走状態を呈していたのだった。(とにかあく!!今度は俺があいつを守る!
絶対に守ってやる!!)
「リュウさん!!」やわらかな茶色の髪に縁取られた白い小さな顔を上げて、緑の
ワンピース姿のミライが目前の路上に立ち、すがるような目でこちらを見つめて
いる。その周りにはさっきよりもヤバ度の高そうな男たちがニヤニヤしながら
取り巻いているのが見える。
(仮にもウルトラマンなんだから追っ払おうと思えば簡単なはずなのに、侵略者
じゃなく、ほかの人間への危害でもなく、自分に向かってくるだけの人間には、
絶対手出しができないんだよな、お前ってやつは…)リュウは仏頂面のまま車を
停め、つかつかとミライに歩み寄ってその手をとり、かかえあげるようにして
半壊の車へと押し込むと間をおかず車をスタートさせた。「ご苦労さん、ミライ」
「リュウさん…」「なんかうまいもんでも食いに行こうや」無骨な顔いっぱいに
不器用な笑顔が広がった。「…おごってやる」
「…はい」にっこりするその罪つくりな笑顔。ピンク・パールの唇を見ている
うちにまた腹が立ってきたリュウは心の中で叫んだ。(くそう!元凶はあいつだ!
今度会ったらただじゃおかねえからな!)

ステージの上。
「どうかしたか、明日人?」
「いや、なんでもない」(今なんか殺気を感じた…)

「はい、ガイズ本部。何ですって?ガイズの専用車で暴走していた挙動不審の男が
街中で美少女を堂々と拉致!?分かりました、すぐ身柄を確保します!」

                             オワリ


46 :名無しより愛を込めて:2007/01/23(火) 22:07:55 ID:yIBZwwgw0
鎖、おしまいです。途中は入り切らなくて、6回で終わるつもりが
7回になり8回にと変動しました。すいません。

ありがとうございました。

47 :名無しより愛をこめて:2007/01/23(火) 22:56:55 ID:47r9HwsY0
アストラかっちょえええ!ゲンのスタンスも、兄弟愛伝わってきてジーン。
獅子兄弟ファンとして「鎖」シリーズ楽しませていただきました!ありがとー!

48 :4コマ ◆nL.tEAkRlc :2007/01/23(火) 23:02:06 ID:yL1cBOyQ0
闇>最後のオチがわろた!テッペイ、ジョージがウルトラマン観て喜ぶ姿とか
キャラがそれぞれ想像以上に動いてくれて、おもしろかった!w

[No.56] お絵描き掲示板です。
久々にオリジナルです。。。orz


49 :名無しより愛をこめて:2007/01/23(火) 23:26:27 ID:0dMT+05I0
>>38>生まれてから死ぬまで、俺たちはずっと二人だ。
泣いた(つд`)
この兄弟が一つの画面の中に並んでいるだけで、すげー嬉しかった、子どもの頃を思い出した

>>47>挙動不審の男 ワロタ
このシリーズで、ぜひ!獅子兄弟とリュウさんの邂逅を見てみたいよ

50 :名無しより愛をこめて:2007/01/23(火) 23:39:04 ID:F+SQcexA0
 あー続けて終わっちまった、好きな作品。
 しし座兄弟好きだぁ。挙動不審なオトコもw


51 :名無しより愛を込めて:2007/01/24(水) 02:34:46 ID:OFaNt75w0
鎖&闇です。皆さんありがとうございました。
兄弟が一つの画面の中に並んでいるだけで>自分も同じっす。
挙動不審の男と獅子兄弟の邂逅、そのうち書いてみたいな。実は最後別バージョ
ンの落ちも考えててそれだと「邂逅」の布石っぽくなるんですが。。
とはいえ明日人書いてて楽しかった。そのうちまた動き出すかも 

52 :名無しより愛をこめて:2007/01/24(水) 07:24:27 ID:GRjgTAnH0
獅子座の双子は何度読んでも(・∀・)イイ!
朝起きて、また読んだよ
ありがとう

53 :名無しより愛をこめて:2007/01/24(水) 11:16:24 ID:qUuupb7n0
やっぱ獅子座兄弟はいいなあ〜ww
これから地球でのんびり暮らして欲しい。
たまに妹の面倒見に行って。結婚式のメイクは明日人にお任せでw
これも続いて欲しいシリーズです。

54 :インパクト設定1:2007/01/24(水) 11:18:28 ID:qUuupb7n0
メビウス 宇宙警備隊員養成所の一年生。のんびりとした光の国の住人の中でも更に天然の度が強い。
好奇心旺盛だが、ちょっぴり臆病な面もある。何度か面倒を見てもらったタロウに次第に懐いていく。
ちなみに担任の80よりもタロウに懐く理由は本人わかっていない。外見年齢は小4ぐらい。
多分7000歳ぐらいだろう。男の子によく間違えられるが、特に困ったことがないので放置している。
思春期はかなり遅く、地球に行ってから。胸の未発達具合も思春期が遅いのが原因らしい。

マックス メビウスの同級生で寮の隣部屋。外見年齢は小5ぐらい。元気な男の子らしい男の子。
メビウスの事は愛称で「メビ」と呼ぶ。
成績も体術も優秀だが、たまに信じられないような問題を引き起こしてしまうお陰で
所長に目をつけられた問題児。
鈍感の度合いもかなり強く、メビウスが女の子だとは全く気付いていない。

ゼノン 同じくメビウスの同級生。外見年齢は中1ぐらい。落ち着いた物腰と口調、無表情をしているが、
実際はマックスと同じぐらいに喜怒哀楽激しく、砕けた性格である。しかし伝達神経に問題があるらしく、
外にはそれが上手く伝わらない。体力はメビウスにも劣るので後方支援希望。ゾフィーを尊敬しており、
目の前に現れると感動の余り気絶する。ちなみに会話を成り立たせていた時本人は気絶しており、あれは
寝言だったとマックスが証言している。メビウスが女の子だと知っているが、全然気にしていない。

年少組 上記三人をまとめて言う。

タロウ ヤプール事件からセブンに代わって教官職についた、新米教師。嫌々ながら引き受けた教職だが、
同じく新入生のメビウスの面倒を見ているうちに次第に教師としての自覚が目覚めていく。
教官だが所属は警備隊なので、要請があれば現場に赴く。
斜め45°上の発想をするメビウスに振り回されつつ、だんだん惹かれていっている。しかしまだ保護欲
の方が上らしく、自分の気持ちには完全に気付いていない。

55 :インパクト設定2:2007/01/24(水) 11:19:48 ID:qUuupb7n0
レオ 養成所の非常勤講師。高学年の体術師範。普段は任務の方が多い。セブン仕込みのスパルタ方式
だが、不条理な程ではないので、一度やりとげるとハマる生徒続出。何時の間にやら舎弟が増えていた。
タロウとは歳が近い為か友人の様なポジション。セブンの事を未だに「隊長」と呼んでしまう。

アストラ レオの双子の弟。基礎学年の体術師範代。穏やかで優しい性格で、体操のお兄さんという感じ。
基礎学年の女子に人気がある。

80 常に生徒の事を考えている本当に本職の教員。履歴書や戦歴を見ると凄いの一言につきるのだが、
妙なステルス機能がついていて、誰もその凄さに気付いていない。王女ユリアンとは幼馴染の婚約カウントダウン。
タロウの就任で一番とばっちりを喰ったのはこの人。

ゾフィー ウルトラ兄弟長男。宇宙警備隊の隊長。軍で言うなら大将に当たる。
秘書や護衛がたくさんいるのだが、要請がなくても弟のピンチには赴く。最近は日本茶に凝っている。
そのうち紅茶、烏龍茶を経てコーヒーに行き着くかもしれない。駆け引きの多い地位なので脅迫手帳を所持。
筆者の頭の中ではバードマンみたいに喋っていて困る。

56 :インパクト設定3:2007/01/24(水) 11:29:19 ID:qUuupb7n0
マン ヤプール事件で地球に行ってしまっているので行方不明扱いの次男。
個人的にはハヤタに事情を話した上での再合体だと思う。
寿命をハヤタに合わせているので、近いうちに「定年退職」を申し出てやろうと目論んでいる。
同僚のクロードをベムラーに殺されており、そのクロードに似たエースを可愛がっている。

セブン タロウの従兄弟。前任の教官筆頭。あまりのスパルタ教育の為数々の苦情が来るも全て跳ね除ける。
現在は地球でUキラーザウルスを封印中。レオ宛てのお土産の9割は、試作品のチーズやヨーグルト。

ジャック ウルトラ兄弟4男。上記二人と同じく、地球に在住。マンと同様「定年退職」ry

エース 孤児だったところをゾフィーに拾われ、父と母にタロウと本当の兄弟の様に育った。
現在は地球でヤプールの封印をしつつ料理人として修行中。お土産は主に母宛てで送る。

57 :インパクト設定4:2007/01/24(水) 11:30:06 ID:qUuupb7n0
ウルトラの母 タロウの実母。普段はウルトラクリニックで働いている。タロウのことなら何でもお見通しの
強いママ。息子に思春期がやってきたと、少し喜んでいる。

ウルトラの父 タロウの実父。宇宙警備隊の大隊長。軍で言うなら元帥。この話では出番が少ない。
普段は本業をほっぽらかしてボランティア活動に性を出している。
タロウの一家は「ウルトラの国にはウルトラの父とウルトラの母とウルトラマンタロウがいました」
という感じだ。

所長 養成所の所長。セブンの後任を頼んだらタロウが来た。処遇に困り、タロウの仕出かしたことに困っている。
養成所の予算をぶんどってきてくれるのは所長なので、あまり怒らせない方がいいだろう。
ちなみに辞令を書いた人は「困ったねえ、マイナスエネルギーが発生するかもねえ」と言いつつエスプレッソを飲んでいる。

ヒカリ 当然出番はない。後に警備隊に入るも、未履修単位を取得する為に、せっせと授業を受けに通うハメになる。
ゾフィーに「ヒカリちゃん」と呼ばれてからかわれる。

58 :インパクト設定5:2007/01/24(水) 11:31:25 ID:qUuupb7n0
年齢 外見年齢は実年齢よりも精神年齢が反映される。長命な種族なので、進路を決めるのが遅い人も
かなり多く、メビウスと同じ外見の同期生でも2万歳越えはざらにいる。
メビウスがヒカリにあまり敬語を使わないのはこの辺りが起因している。
それでも80の八千歳で警備隊入りは異例のスピード。彼の精神年齢が高いのは、一説には王女のお守りの所為だという説もある。
大体5000歳〜になると学校に行き始める。

宇宙警備隊員養成所 基礎学年、高学年から成る光の国でもトップクラスの倍率を誇る学校。
敷地内には中央棟、実験棟、講義棟、情報棟、体育館、道場、図書館等、様々な施設がある。
卒業後は自動的に宇宙警備隊に入隊が確定する。入るのも困難、卒業するのも困難。
基礎学年終了後はアカデミー、カレッジへの編入が認められる。
セブン、ヒカリは養成所の基礎学年終了後、カレッジへと編入。

アカデミー 医療関係全般の資格を取ることができる養成所。銀十字軍の下位組織。同じく基礎学年、
高学年から成る。ちなみに治癒系の超能力は先天性の為、この能力を持つものは半強制的にアカデミーへと入れられる。
スカウトマンがいるらしい。
タロウはアカデミーの基礎学年終了後、養成所へと編入。

カレッジ 総合大学施設。広く一般教養を教える、官僚を目指している者が多くいる学校。
科学者もここの出身が多い。やはり基礎学年、高学年から成る。

59 :インパクト設定6:2007/01/24(水) 11:34:40 ID:qUuupb7n0
擬態 他の惑星の生物へと体を変化させること。セブンやレオは地球人に擬態して生活していた。
ちなみに隊長室で煎餅をバリバリ食っていたゾフィーとレオだが、これは半擬態と言って口や消化器官のみを擬態する。
擬態自体は基礎学年の三年生で習うが、半擬態は高学年の『応用擬態』を選択すると習うことができる。
レオのやヒカリの用に外部から推薦で入った者や、卒業後に出来た単位は後で履修することができる。

教官室 筆頭教官であるタロウの教官室は80他の教官に比べると倍は広い。場所は中央棟にある。
メビウス達基礎学年が居るのは講義棟。タロウが就任して最初にしたのは、教官室のリフォーム(キッチン作成)
この為、教官室は兄弟の溜まり場になっている。

プレート 金属でできたプレート。用途によりサイズは様々。小型のモバイルコンピューターの様なもので、
ROMタイプは本やDVDとして広く光の国で普及している。
文字や映像はプレートを触るとその上にフォログラフィーが浮かび上がる。
RAMタイプ(ノートやスケッチブック等)のものには専用のペンで書き込みをすることができる。

ペン プレートへの書き込みができるペンタブの様なもの。直接インクは出ない。
絵筆タイプの場合、レイヤ機能等はプレートが受け持っている。

60 :インパクト設定7:2007/01/24(水) 11:40:32 ID:qUuupb7n0
マイナスエネルギー 人々の負の感情から発生するエネルギー。
怪獣等を生み出してしまう外部型とツルギの様に自らが変わってしまう内部型がある。
内部型は警備隊における不祥事として以外に多く発生している。
この事もあってか、まだ生徒の内は被害が少ないと見て、所長はタロウの要求を飲んだ。
タロウの生徒が作り出した怪獣は各人の個性がタイラントの様なツギハギ型の怪獣になった。
深層領域で繋がっている為シンクロしてしまう。怪獣が発生している時は半覚醒状態でマイナスエネルギーを供給する。
揺らめいている状態は本人がマイナスエネルギーと戦っている状態。
怪獣が固着したのは、メビウスがタロウの名を口にしたから。

後遺症 スペシウムやメタリウム等の金属系光線技は、食らった時よりも数年後にアレルギー等の後遺症が発生する為、様子見が必要。
レオも一回診てもらった方がいい。

ウイングホエール 魚座にある海洋惑星(陸海比率1:100。原住民は水棲人。銀河連邦の加盟している)
に生息する、翼を持った大きな鯨。普段は空気を取り込み空中でのんびりしているが、餌をとる時は空気を抜いて、
ツバメの様に海へと急下降して魚を食べる。人懐こく大人しい上に食べても美味しいので、最近密漁が絶えない。

科学特捜隊 現在は地球防衛の機能をウルトラ警備隊〜GUYSに渡し、本来の警察組織へと縮小されて
存続している。ハヤタは暫くここで働いていたたが、ウルトラマンとの再度の接触、記憶を渡してもらう。
彼のお陰でダンや郷、北斗の新しい戸籍ができた。

リトルダーリン タロウとメビウスのイメージかなと、聴いていた曲。「愛の努力は続く〜」

61 :名無しより愛をこめて:2007/01/24(水) 11:48:41 ID:qUuupb7n0
読み辛くてすみません・・・・orz 
他にも分からないところがあったら補足します。

62 :名無しより愛をこめて:2007/01/24(水) 13:30:29 ID:VqZx9/Yy0
>>54
うわ、設定だけで軽くどんぶり飯3杯はいけるかとwww
>>レオも一回診てもらった方がいい
とろふわプリン吹いたwwww確かになあ

63 :名無しより愛をこめて:2007/01/24(水) 16:58:39 ID:F5XAkrUR0
読むだけでお腹いっぱいですよ。

64 :名無しより愛をこめて:2007/01/24(水) 17:59:02 ID:F5XAkrUR0
[No.57]お絵描き掲示板です。

65 :名無しより愛を込めて:2007/01/24(水) 21:18:14 ID:OFaNt75w0
うおっ。なんて豪勢なフルコースのメニューだ!このメニューの中から、
またまた美味しい料理が出て来るんですね。これからも楽しみっす。ワクテカw

>>56
ダンディ4、地球在住のせいもあって、このスレでは出番が少ないのがずっと
気になっていました。今後、何かのかたちで絡んでくると面白いですよね。
本編にあのカポーが出るという話だし。

66 :4コマ ◆nL.tEAkRlc :2007/01/25(木) 18:02:24 ID:WNsuuVxJ0
[No.60]お絵描き掲示板です。

67 :名無しより愛をこめて:2007/01/25(木) 19:05:36 ID:U6KnFi5R0
>>4コマ
いつも自分の想像を超えてる。特にアストラとメビのカットかっちょえ〜

68 :名無しより愛をこめて:2007/01/25(木) 19:18:08 ID:U6KnFi5R0
アンカーミス・・・ホーに踏まれてくるorz

69 :名無しより愛をこめて:2007/01/25(木) 20:54:41 ID:XJOXEJeZ0
>>66
かっわいいw

>>65
うーん、D4書くとなるとこちら向きではないかなぁと…。
ウルトラ体ならともかく、人間体で書くと多分我に返って罪悪感が...orzイマサラ

70 :名無しより愛を込めて:2007/01/25(木) 22:43:46 ID:sRuxrcoo0
>>69
回想形式で絡むと面白いかな、と思ったんですが スイマセン
某サイトで若かりし頃のD4にミライ君が囲まれてにっこりしてる絵があって
萌えたので(みんなそれぞれ美形)映画だとシブいからな。。


71 :名無しより愛をこめて:2007/01/25(木) 22:52:54 ID:WNsuuVxJ0
>>70
へ〜色々あるんですね。観てみたいが、余りネット知らないので。。
やっぱ絵師増えてほしい。。。

72 :4コマ ◆nL.tEAkRlc :2007/01/25(木) 23:49:07 ID:WNsuuVxJ0
[No.61]お絵描き掲示板です。

73 :名無しより愛を込めて:2007/01/26(金) 00:20:11 ID:G5+pr+jT0
>>71
アドレスさらせないからなあ。勇士の舞台を英語にしてぐぐってみて。
女の子にしてなくても純真天然はメビファンの共通認識のようっス。



74 :名無しより愛をこめて:2007/01/26(金) 10:56:38 ID:e8Kh936v0
若いD4>>ミライが30数年前のテンペラー星人事件の時にタイムスリップ〜ってネタなら思いついたが、
まとめが上手くできない。あそこの絵はチビウスも可愛い。映画の漫画もあったね。

「君は誰だい?」
「すみません、兄さんって呼んでしまって・・・・教官」
「教官?僕は教官じゃないよ」
「なるほど、事情はわかった。タロウ、おまえはしばらくこの子の面倒をみてあげないさい」
「兄さん達は、いつも僕にばかり押し付ける!」
(タロウ兄さん・・・・僕は、いらないんですか・・・?)
「すみませんでした!」
「あ、待つんだ!」
「あら?あなたどうしたの?」
「僕も手伝います」
「光太郎さんよりよっぽど気が利くじゃない」
(優しい人だな。でも、こんなに優しい人なのに、どうして嫌なんだろう。苦しいんだろう・・・・)

シーンぶつ切れしか思い浮かばない・・・・orz


75 :名無しより愛を込めて:2007/01/26(金) 12:11:23 ID:c+PptFk30
わーい、末っ子甘えん坊タロウだww
ミライはやくも涙目。試練がいっぱいだね。(森山嬢もいるし)
一番熱血なエース兄さんに、リュウさんを重ねてなついたりして。

>>74 うん、チビウス可愛いんだよな。

76 :名無しより愛をこめて:2007/01/26(金) 14:38:40 ID:qLs0pbOk0
あっ!見つけた!かわええ。

>>74 気になるssになってますよ!更新求む。

77 :名無しより愛を込めて:2007/01/27(土) 16:12:00 ID:7AQQ0eGU0
鎖の後始末。よくある話っぽい流れでスマソ。

78 :後刻の鎖 1/4:2007/01/27(土) 16:14:40 ID:7AQQ0eGU0
フェニックスネストをのぞむ、ある森の中。
「くそー、なんでこうなるわけ??」ぜいぜいと息を切らせる「挙動不審の男」。
「何か、すみません、リュウさん。僕のせいで…」傍らでうつむく「美少女」。
「べつにおまえのせいじゃねえよ」

「畜生、完全に包囲されてるぜ。もうそこに見えてやがるのに」
リュウはため息をつく。「とりあえず、車はどっかにおいて、裏口から潜り込む
しかねえな。クルーの奴らなら、説明すりゃわかってくれるだろうしな…。
ミライ、そのかっこでだいじょうぶか?」
「はい。…リュウさん」「うん?」「今日は…ありがとうございました。ほんとに、
助かりました」

「その台詞、まんまお前に返すぜ。」リュウは前を向いたまま、真面目な表情で
言った。「え?」「お前がいなかったら、俺は確実にやられてた。ミライ、ありがとな」
ミライはうつむいたままだ。「リュウさんに、何かあったら、僕のせいですから」
「何?」「明日人さん…いえ、アストラ兄さんが言ってたんです。ツルク星人は、
時空波に呼ばれて、僕を抹殺するために地球にやってきたのだと。僕を動揺させる
ために、僕の大切な人を狙ったのだと。リュウさんが狙われたのは、いいえ、今回
操られた人たちも、焼かれた町も、みんな僕のせいで巻き添えを食ったことになる。」
「それは違うぜ、ミライ」「え?」「時空波がお前を狙うのは、お前がこの地球を守っ
ているからだ。お前を倒して、それからこの地球を侵略しようとしているんだ。
お前がいようといまいと、時空波の目的は同じだ。お前も俺も、俺たちはみんな、
それをくい止めて必死でこの地球を守っている。巻き添えなんて言うな。俺たちの
地球を、俺たちが守る。俺たちの、俺たち自身の未来のためにな」「リュウさん」
「だからお前は、つまんないこと気にすんな」
「はい。ありがとうございます」


79 :後刻の鎖 2/4:2007/01/27(土) 16:15:31 ID:7AQQ0eGU0
「よし、突入するぞ!」「はい!」車を捨て、ガイズ本部の搬入口を窺うリュウと
ミライ。そこへ突然非常ベルが鳴り、ものものしい雰囲気のガイズ・クルーが駆
けつけてくる。「不審者の進入、確認」無表情に声を発するテッペイ。「確保!」
とジョージ。「GIG!」一斉に銃を構えるガイズの面々。あわてて前に飛び出すリュウ。
「お、おいみんな。俺だ、リュウだ!なんかしらんけど、誤解で追われてるんだ。」
「街中を暴走して美少女を拉致した挙動不審の男」冷ややかにマリナが照準を
リュウに合わせる。「は?そ、それは」後ずさるリュウをかばうように、美少女
モードのミライが走り出る。「みんな!誤解なんです!僕がこんなかっこうして
いるから、リュウさんに迷惑かけてしまったんです!」
 ガイズの面々は互いに顔を見合わせると、次の瞬間一斉に吹き出した。
「ふふふ。驚いたわね。モニタで見るより実物の方がずっときれいだわ。」
マリナが感嘆する。
「アミーゴ、俺だってくらくらしちまうよ、これじゃあ」
「ほんとに可愛い…」「素敵です、ミライ君」クルーのまなざしは、ミライに
釘付けだ。取り囲まんばかりにしてしげしげと、うっとりと、ぼうぜんと、
四方から見つめられて戸惑うミライ。「あ、あの…モニタって…?」
「大丈夫。ちょっと驚かしただけよ。モニタの映像で、熱血馬鹿と一緒にいる
のがミライ君だってことは、データ解析してすでに確認済みよ。あんまりきれい
だったから、びっくりしたけどね。」
「それに、通報の後、明日人さんの事務所から連絡があったの。」
「明日人さんが?」
「そうよ。ヒビノ隊員にコンサート会場をツルク星人から守ってもらったって、
感謝の電話がね。それで、脱出に際して明日人さんがヒビノ隊員を女装させた。
そのために誤解を招いたようで申し訳ないってね。」


80 :後刻の鎖 3/4:2007/01/27(土) 16:16:21 ID:7AQQ0eGU0
「ミライ君の制服も届けてくれたんですよ。」
「しかも、お礼だって、CDやDVDも一式ね。コンサートの無期限チケット
までもらっちゃって。」
「何か得した気分。これもミライ君のおかげね。」
「それにしても、明日人がメイクまでこんなに上手いとは驚きましたよ。」
「ミライ!早く着替えてこい。」はしゃぐクルーを後目に、一人ぶすっと腕を
組んだままのリュウが口を開く。
「あら、もったいない!」「そうですよ、こんなにきれいなのに。」
「ミライは疲れてんだよ、早く着替えさせてやれよ。」
「あら、車暴走させてつれ回したくせに。ねえ、ちょっとだけ、いいでしょ、
記念撮影。」「え、は、はい…」
「みんな、ほどほどにしてあげて。」クルーをなだめるように現れたのはサコ
ミズだ。「隊長!」「ミライ、お疲れさん。」「ご心配をおかけしました。」殊勝に
頭を下げるミライにサコミズの顔にも感嘆の表情が浮かんだ。「しかしまあ、
ほんとにかわいらしい。メビウスの時もきれいだったけどね。」
「そうか、ミライ君がこんなにきれいになってたから、メビウスも…」
テッペイが一人うなずく。「お化粧って不思議なものなんですね。」とコノミ。
「メイクはその人の内面の美しさを引き出す媒体になるというよ。ミライの、
メビウスの一生懸命な気持ちとメイクの力とが上手く響き合ったってところ
だろうね。」(これ以上説明できないよ、アストラ。ほんとなら始末書ものだぜ)
心の中のため息をおくびにも出さず、サコミズはさらりとクルーを制した。
「さて、写真は一枚にして。後でそれを焼き増せばいいだろう」「GIG!」
「で、僕にも是非一枚配信してくれ。」片目をつぶるサコミズに、リュウの目が
三角になる。「隊長!」
「いいじゃないか、美しいものはすべからく美しい。さ、みんな中へ入ろう」
(タロウがデータほしがって大変だよ…orz)
悩みは多いが決して表には出さないサコミズであった。


81 :後刻の鎖 4/4:2007/01/27(土) 16:17:07 ID:7AQQ0eGU0
写真撮影の後、自室で。
明日人が返してきた制服の包みを広げるミライ。「あれ?」
制服の下に、黒っぽい包みが入っている。それを広げるミライ。「!」
包みに挟み込まれたメモ。
「お疲れさま、メビウス。なんだか大騒ぎになってしまったようで大変だったね。
迷惑を掛けてしまって申し訳なかった。リュウ君にもお詫びを言っておいて。
だけど久しぶりに会えて楽しかったよ。同封のものは俺からのプレゼントだ。
いつか、きみの大切な人と出掛けるときに着ていって欲しい。もちろんメイクと
ヘアメイクは任せてくれ。今回は可愛く仕上げたけど、今度は少し大人っぽい
のを試してあげたいな。きみの王子様が悩殺されること請け合いのね。
それじゃ、近いうちにまた。サコミズさんによろしくね」
ミライの膝の上に広がったそれは、シックな黒いドレスだった。フード付きの
同色ケープがそえられていて、エレガントな中にも愛らしい。不思議そうに
それを眺めるミライの眉がふと曇り、あわてて部屋からかけ出していった。

「隊長!」
「どうしたんだ、ミライ?」
「化粧というのは不思議な力があるとさっきおっしゃいました」
「うん、それがどうかしたのかい?」
「その力で、誰かが悩んだり、誰かを殺したり、する事があるんでしょうか?!」
「へ?。。。。。(はっと思い当たって)ミライ、ちょっとこっちへ。(いい加減にしないと今度こそ始末書書かせるぞ、獅子座ツインズ!)」

                             オシマイ


82 :鎖より愛を込めて:2007/01/27(土) 16:26:42 ID:7AQQ0eGU0
ちょ、最後改行失敗したーー。
さて、80だ!見るぞーーー!!!

83 :名無しより愛をこめて:2007/01/27(土) 16:41:59 ID:ZmGbypfo0
ワロタwww
日本語は難しいねえ〜あ、英語でもkiller smale とか言うもんなあ。
黒頭巾ちゃんミライ妄想ちう〜

84 :名無しより愛をこめて:2007/01/27(土) 17:22:18 ID:CODK7tbX0
>>78-81
80祭り前にサンクス!!リュウ、結局美少女ミライ皆に見られちまったorzとか落ち込んでたりしてww
サコッチ、ほんといい味出してる。今日は80祭り&予告祭りかとww
さあ、正座で見るぞーーー

85 :名無しより愛をこめて:2007/01/27(土) 18:06:49 ID:uxOTXBtz0
>>78-81
GJ!!! 獅子座ツインズ最高だなぁ〜w
80祭りと予告祭り!最高でしたっ!何であんな泣かせるんだ!
今日はいい日だと思う。ほんとに。

86 :名無しより愛をこめて:2007/01/27(土) 18:12:39 ID:ZmGbypfo0
ごめり。smileだった。(^^;)

87 :兄さんの人形 1/2:2007/01/28(日) 00:02:39 ID:yPqY8OWe0
得意げに80ソフビを買ってきたリュウにちょっと萌えたのでありがち即席ネタ
(例によって萌えも燃えもオチもないですが…)

 同窓会に向かう矢的を見送った後。

ミライ「あ…リュウさん、言い忘れてましたけど80兄さんの人形ありがとうございました!」
リュウ「おう、気に入ったか♪」
ミライ「何だか、他の兄さんのも欲しくなっちゃいました!」
リュウ「おまえ、兄貴やたらいっぱいいるもんな…よっしゃ、今から買いに行こうか」

 玩具売り場でウルトラマンのソフビを物色するリュウとミライ。

リュウ「うおー、ウルトラマンてえれぇいっぱいいるんだなあ、見た事ねえヤツもいっぱい…
    で、どこまでがおまえのの兄さんなんだ?」
ミライ「えーと、これとこれとこれと…とりあえずボクが兄さんと呼んだのは…」
     >ゾフィー、マン、セブン、新マン、A(まとめて。個々にはまだ呼んでない)、
     >タロウ(脳内で)、
     >レオ、80(面と向かって)
リュウ「よーし、80の他の兄貴のも買ってやる!(給料日直後でちょっと太っ腹)」
ミライ「わー、ありがとうございます!」


88 :兄さんの人形 2/2:2007/01/28(日) 00:12:02 ID:1O1x3Sfv0
 その様子を光の国ビジョン(勝手に命名、例のテレパシー空間)で見守っている兄たち

アストラ「レオ兄さん…ボクの事スルーされちゃった…(爪д爪)」
レ オ「仕方ないだろ、お前地球でまだメビウスと共闘してないんだから」
マ ン「こらこら、なんで偽ウルトラマンと私を間違える!よーく見てみろ、目つきが…」
セブン「おいリュウとやら、それは私でなくセブン21だ!マニアックに間違うな!」
新マン「さすがに私のは間違えないよな…って、それ初代!俺は二重線でビキニ丈!
    バミューダじゃないぞ!」
エース「まさかエースロボットと間違うような事があれば…てオイ!ホントに間違ってんのか!?
    おのれ、ヤプールの仕業だ!メビウスたちの視覚が狂わされてるに違いない!」
ゾフィ「落ち着くんだエース…おや?タロウのソフビがないようだね。品切れか?」
タロウ(ふっふっふ…こんな事もあろうかと、先回りして私のソフビは全て買い占めて
    メビウスのもとへ送ってある…明日頃届く筈♪)

 翌日、フェニックスネスト

コノミ「うわー、ウルトラマンのお人形いっぱい〜!可愛い〜」
テッペ「…でもミライくん、何で偽ウルトラマンとかエースロボットとかマニアックなものを?
   (何だこの21って?アウトオブドキュメントにも記録がない…)」
ミライ「いや何となく、こっちの方が変わってて面白いかなと思って」←本当に何も深く考えてない
ジョー「流星キックのジャックがいないじゃないか…」
リュウ「んな事知るかよ、危うく全種類のソフビ買いそうな勢いだったんだぞミライのヤツ…
    (買ってやれない事もないが、さすがに親子連れの視線イタかったし…)」
マリナ「あっ隊長、エントランスにすっごく大きい段ボールの荷物が届いてるみたいですが…
    中身は…え?タロウの人形?…しかも送料着払い・商品代金引換で、『請求先』は
    サコミズ隊長・『受取人』はミライくんになってますけど」
サコミ「…受け取り拒否して(ウラー使えないからって私にたかるんじゃないぞタロウ…)」



89 :名無しより愛を込めて:2007/01/28(日) 00:54:12 ID:tJs4h6Fa0
ぎゃははははww 太っ腹リュウが可愛いっすww
アッちゃんかわいそー。そのうち本編でも出てくれるかなあ。

勝手に脳内補完**スマソ
ミライを基地に返してからこっそり玩具売場に戻ってくるリュウ。
リュウ「すいません、これ下さい、鎧着てるのと両方」
どっかの子ども「あ、あのお兄ちゃんが買ってるのこないだ戦ってくれた青い
ウルトラマンだーー」
リュウ「(自室に飾って)セリザワ隊長、元気かなー♪」
ヒカリ(セリザワ)「なんか二体並べられるとどちらかがババルウのようで複雑。。」



90 :名無しより愛をこめて:2007/01/28(日) 01:11:32 ID:URYhCsG20
すげ〜。ソフビの世界を知ってるウルトラマン達もおもしろいが!
タロウのキャラが。。。衰えてない!www
知識ある方羨ましいよ。ss読んでて、へ〜へ〜って感動するもの。
来週辺りで、サコミズ隊長のキャラが変わりそうな気もする。。。変わんないか!


91 :名無しより愛をこめて:2007/01/28(日) 15:36:17 ID:425ZoC9VO
投稿少ないのは、皆さん昨日の先生&劇場版の余韻に
浸ってるからでしょうか??
それともまた(嵐の前の静けさで)大作どかんどかんの
前触れなんでしょうか・・・

>>88
エースロボットや21が置いてあるおもちゃ屋スゴスw

92 :名無しより愛をこめて:2007/01/28(日) 15:59:30 ID:FsC+I6fo0
制作止まっててスマソ....orz
仕事佳境、モニタ不調で、ほぼROM専
DVD+80先生効果と、疲れ目で目が痛い

41話の80ソフビを買ってきたリュウに、自分も萌えた
ミライが喜ぶのが見られるぞーって期待と確信にワクワクしてた感じでw

93 :名無しより愛をこめて:2007/01/28(日) 17:14:43 ID:1O1x3Sfv0
>>89
そこへこっそりゾフィー人形を置いとくサコミズ

リュウ「あれ?ミライに買ってやったやつじゃねーか、何でここに?
    …こいつ、神戸でチラっとしか見た事ねーけど、セリザワ隊長とどーゆー
    関係があんだ?  ←フレッツ光未加入なので全然知らない;
    …いらねーや、ミライに返しとこ」

ゾフィ「M87光線10兆分の1ーーーーっ!」 ←ケロロネタ…ゴメンナイ
キング「これこれ、またにょた化されたいか」 ←スミマセン
ヒカリ「それだけは…」

ごめんなさい引っぱっちゃった;;

94 :名無しより愛をこめて:2007/01/28(日) 17:39:07 ID:vRLVOwe+0
10兆分の1だと、ほのかにあったかくてちょうどいいかも〜www
ヒカリ、なぜ止めるwww


95 :41.5話 1/2:2007/01/28(日) 20:22:00 ID:tgOyI/Vk0
 80先生でほろっと来たもんで。きっとあれっていつかミライも通る道・・・。

 特有の高エネルギーの反応が現れ、そして消える。
 ディレクションルームでは計器が捉えた事象を、ミライは感覚で見送った。
 もう陽も落ちてる・・・随分と長い間、彼らと話していたのだろう。
 だが、おそらく、きっと彼らにとっても兄にとっても、それでも短すぎる時間。
「80兄さんはすごいな、と思います」
「矢的猛か。フォーメーション・ヤマトのヤマトってあのお兄さんからきてんだって?」
「はい。80兄さんは教師と掛け持ちでUGMに所属していました。ただ・・・怪獣との対応に
追われて、教師として生徒たちとは一学期ぐらいしか接することが出来なかったと聞いて
います。長年それを兄さんはとても悔やんでいました。でもちゃんと、26年たっても彼ら
から慕われている」
「お兄さん、いい先生だったんだな」
 リュウの言葉にミライはうなづく。
「ええ。兄さんも彼らと過ごせた時間はかけがいのないものだって言っていました。
思い出って本当に大切なものなんですね・・・サコミズ隊長が言っていました」
「うん・・・?」
「出会い、別れ、喜び、悲しみ。時が来ればそれが思い出に変わる。思い出が何もない
ことが人間にとって一番悲しいことって」
「・・・そっか」
「戻りましょうか。食堂が閉まってしまいます。カレー残っているといいんですが」
 にっこりと笑う。そのミライにリュウは言った。


96 :41.5話 2/2:2007/01/28(日) 20:23:46 ID:tgOyI/Vk0
「今度、どっか行くか?」
「今度?」
「だから今度、休みの日でも」
「どっかってどこですか?」
「だから、どこでもいいんだよ。サンドイッチもってどっか行こう。二人っきりで」
 あ、と声が上がる。自分を見やるミライの視線に少々リュウは乱暴に視線をはずす。
 柄にもないことを言った、という自覚はある。
「はい。場所は――前のところはダメですね・・・あの公園でいいですか?」
「かまわねぇ」
「これ、仕切り直しですね」
 嬉しそうなミライの声に素直にうなづいてやる。
 インペライザーの出現で有耶無耶になってしまった最初のデート(リュウにはそんな
つもりはなかったがミライにとってはきっとそうだ)。最初があれでは悲しすぎる。
 それに、今のところ唯一ミライから実行に移した明確な計画だった。強引なぐらい。
自分が物を知らないことを自覚しているミライは殆んど自分からは提示しない。あの時、
ミライはデートとは何か必死に調べたに違いない(どっかずれていたのはご愛嬌だ)。
 それだけ、あん時は追い詰められていたんだよな、お前。
 だから、今度はちゃんとそんな必死なものではなく。
 悲愴な気持ちではなく、ごく気軽な普通な気持ちでいい。そんな思い出にしよう。
「ほれ、行くぞ。カレー残っているといいな」
「はい、リュウさん」


97 :名無しより愛をこめて:2007/01/28(日) 21:18:50 ID:URYhCsG20
ss良いですね。シンミリしました。結構、バックではそういう展開ありそうな気がする。

98 :名無しより愛を込めて:2007/01/28(日) 21:34:09 ID:tJs4h6Fa0
GJ!
いろいろな意味で、別れが近づいている。
イサナ隊長の「一期一会」にしてもサコミズの「思い出」についてのコメントにしても。
そして自分たち視聴者とメビウスの世界との別れも、刻一刻と近づいている。
そんなことを痛切に感じる今、
>>悲愴な気持ちではなく、ごく気軽な普通な気持ちでいい。そんな思い出にしよう。
の一節がぐっと来ます。リュウもミライもガイズの仲間も、大好きだ。

99 :名無しより愛を込めて:2007/01/28(日) 22:58:01 ID:tJs4h6Fa0
突入する前に書き上げるか、書き上げる前に突入するか。残り9話か。。。。

100 :名無しより愛をこめて:2007/01/28(日) 23:14:21 ID:tgOyI/Vk0
 投稿し始めちゃった自分はもう・・・orz
 来週以降がこわいっす。設定の齟齬とか・・・。

101 :名無しより愛をこめて:2007/01/28(日) 23:21:40 ID:CUW1hjVm0
んにゃ、別に気にしない気にしない。
ある意味でその時期、リアルタイムにしか書けない貴重な話なんだから。

102 :名無しより愛をこめて:2007/01/28(日) 23:50:51 ID:tJs4h6Fa0
うん、覚悟はしてたつもりなんだけど、いろいろ考えちゃって。
でも、そうだよね、今しか書けないのもほんと。なんかこう引き裂かれる感じ。
それも一期一会だと思ってぼちぼちと書いていくか。。。


103 :名無しより愛をこめて:2007/01/29(月) 01:59:56 ID:guunwHR50
前スレ、とうとう容量いっぱいのようですね。
最後まで面白いネタで埋まって楽しかったwwこんどはこっちで!

104 :名無しより愛をこめて:2007/01/29(月) 10:04:10 ID:guunwHR50
しつこく鎖外伝。メビたんあまり出てこないし、迷ったが投下することにする。
ただし、一連のにょた化シリーズと絡めたりしてるので苦手な人はスルーしてください。
にょた化がシリアス活劇化するのはちょっと、という方もスルーを。
全部で15レスくらい、何回かに分けます。

105 :星の伝説1 1/3:2007/01/29(月) 10:05:53 ID:guunwHR50
「明日人、お客さんだ」
その怪しげな客は、はじめから鼻についた。紫のスーツに赤いネクタイ。
「ちょい悪オヤジ」ふうにボサつかせた口ひげとあごひげ。カシス・レッド
の細い洒落たフレームのメガネをかけ、その奥から細い眼を光らせている。
もったいぶった服装が既に怪しいが、業界にはこういうタイプもいる。だが
この男については、垣間見せる表情や営業用の笑みが必要以上にいかがわし
く、妙にうさんくさいのだ。
「…どういう御用件ですか?」
地球は大好きだけど、この手の付き合いとかってやっぱりめんどくさいよな。
明日人はうんざりしながら、客の来意を問う。
「実は私どものコーポレーションで、ぜひ明日人様のお力をお貸しいただきたく…」
「CFソングの御依頼ですか?」
「いえ、そうではありません」客は奇妙な笑いを浮かべて明日人の表情を伺った。
「明日人様の、もう一つの能力をぜひお貸しいただきたいのです」
…何だ、こいつ? 明日人の警戒度数が急激に高まった。「お話がよく分りませんが」
「そんなに警戒なさらないでください」客は相変わらず薄ら笑いを浮かべている。
「私どもの事務所には、専属の女性タレントが十数名おります。数は多くありま
せんが、選り抜きの美貌とスタイル、そして能力を備えた者ばかりです。予備軍と
して登録されている者も含めて、最高の美女たちがそろっていると申し上げること
ができましょう」
「それで?」明日人はいらいらしながら聞き返した。「俺に何をしろとおっしゃる
んですか」
「あなたのすばらしい腕で、彼女たちをより磨き上げてやっていただきたいのです」
「はあ?」明日人の眉が不機嫌そうに寄せられた。
「あなたはすばらしい腕をお持ちだそうだ。メイクアップアーティストと
してもコーディネイターとしても、そのへんのカリスマがはだしで逃げる
ほどの技量だそうですね」
「どこでそんな話をお聞きになったのかは存じませんが」明日人は立ち上が
って肩をすくめた。「俺は今そういうお話を受けるつもりはまったくありませ
んね。申し訳ないが、スケジュールの都合があるのでお帰りいただきたい」


106 :星の伝説1 2./3:2007/01/29(月) 10:07:18 ID:guunwHR50
「そう硬いことを言わずに」悄然とうつむいてしまったかに見えた客が、急に
声の調子を変え、やや尊大な雰囲気になったかと思うと不満げに言葉を継いだ。
「少しだけ手伝ってくれればいいのだがの、アストラよ」あごひげをしごきな
がら見上げるメガネの奥の目が、フレームと同化したようなカシス・レッドの
光を放つ。しかし、凶悪な宇宙人の放つ不気味な赤色ではなく、明日人にとっ
ては、多少ならぬ恩もあれば懐かしさもある、気の置けない赤色であった。
「じっちゃん、何やってんだよ、こんなとこまで来て」明日人はにわかにくだ
けた口調でなかばあきれなかば当惑した眼をかの客に向ける。「じっちゃんの
乱行ぶりはこっちにまで聞こえてるぜ。ウルトラ兄弟にも、ヒカリにも、すっ
ごく迷惑かけてるらしいじゃないか。いい加減反省してるのかと思ったのに、
まだ懲りもしないでこんなモノ…」
明日人は机の上に置かれた営業パンフレットを摘み上げ、そこに載せられた
美女たちの肖像に軽く手をかざす。「俺の目はごまかせないぜ」
明日人の手の下で、美女たちの肖像は、たちまちその本来の姿――女体化した
ウルトラ戦士たちの、りりしくもなまめかしい姿へと変化した。
「しかもなんだって、俺にこの人たちをメイクアップしろだって?」
明日人はテーブルをどんとたたいた。
「アホも休み休みにしてくれ。いくら俺だってつきあってられないよ」


107 :星の伝説1 3/3:2007/01/29(月) 10:12:00 ID:guunwHR50
「まあ、そういうな、アストラ」<伝説の人>と呼ばれているはずの男は、俗臭
まるだしの厚顔ぶりで相好を崩し、胸ポケットからつやのいい茶色をしたパイプ
を取り出して口にくわえた。「こないだのメビウスはきれいじゃったのう」一服
吐き出してにんまりとする。「ああいうふうにやってほしいのじゃ」
「一応ここ禁煙なんだけど」明日人は腕組みをして、かつて一時ではあるが養い
親だった男の変貌振りを複雑な思いで眺める。…じっちゃん、どしちゃったんだ?
「レディ…メビウスの場合はそもそも逃亡用の非常手段としての措置だったんだ。
あんなにきれいになったのは、俺の力っていうより当人の資質によるものだし」
「そうそれじゃよ! 当人も気づかない内なる美を表に出させるのがメイクの力!
まさに神技じゃ」
「<神>は自分じゃん。…男だの女だのって本人の意図と関係なしに次から次へ
と染色体もてあそんじゃって。きいたぜ、メビウスにもずいぶんひどいことしたん
だってな。あんなピュアな子に、何やってんの」
だんだんと本気で腹が立ってくる明日人。
「ほお、お前もメビウスにいかれたかの。あれも罪な子じゃな」
「馬鹿らしい。…とにかくお断りだ。さっさと帰ってくれよ」


108 :鎖より愛をこめて:2007/01/29(月) 10:13:59 ID:guunwHR50
いったん終了。こんな感じなので、危険なにおいを感じた方はあとはスルーしてください。
しし座兄弟話ですが、世界観はつながってるのでごめんして。

109 :名無しより愛をこめて:2007/01/29(月) 10:44:34 ID:emJXoWj50
キングをじっちゃん呼ばわりするアストラ。最高だ!!
むしろこういう爺孫話、読みたいと思っていました!!

さて、自分もタイムスリップネタやら、タロウがダイナマイト封印した話とか
考えはしているけど、明らかに放映後も続きそうな長編シリアスに・・・・
(一日1レス運動続行中)

110 :フィフスオレーニング2-1:2007/01/29(月) 10:46:07 ID:emJXoWj50
アルコールランプの炎が揺らめき、フラスコの中の水を温めていく。やがて熱湯が上部のロートに上がり、
中に入っている黒い粉を浮かび上がらせる。
「うわ・・・・!」
「お、お!」
「あ、・・・・」
ヘラで粉をお湯に落とし、満遍なく浸らせながら攪拌。室内に香ばしい馨が漂いはじめる。
ランプの火を消すと、こげ茶色に染まった液体がロートから下のフラスコに落ちる。
それをメビウス、マックス、ゼノンの三人は、側に張り付いて眺めていた。タロウはその食いつき様を面白そうに眺めていた。
わざわざサイフォンを買ってきた甲斐があるというものだ。
「はい、できあがり。熱いから気をつけて」
タロウはマグカップにコーヒーを注ぐと、地球人の姿に擬態した三人の前に置いた。
今日は擬態がちゃんとできるようになったご褒美にと、タロウが年少の三人を招待したのだ。
「わあ・・・・」
三人は目を輝かせてカップを手に取った。
「えっと、確か・・・・『いただきます』?」
「そう」
メビウスがタロウやレオの飲む姿を思い出し、飲む前の言葉を言う。タロウはそれに頷いた。

111 :フィフスオレーニング2-2:2007/01/29(月) 10:48:27 ID:emJXoWj50
「「「いただきます」」」
声を揃えてカップに口をつけた。
「ぶっ?!」
「げほっ!」
「ごほっ!!」
が、盛大に噴き出した。
「な、なんですか、コレ?!」
「教官、何時もこんなものを?!」
マックスと、珍しくゼノンが渋い顔をして叫ぶ。メビウスも危うく叫びそうになったが、テーブルの上に何かが足りないことに気付いた。
「タロウ教官、これってもしかして・・・・」
メビウスがタロウを見上げると、タロウは壁の方を向いて肩を震わせている。どうやら笑っているらしい。
「もう、タロウ教官!!」
「っく・・・あはははは・・・・!! ごめん、ごめん!」
タロウはそう言うとポットを持ってきて、それぞれのマグカップの中にお湯を継ぎ足した。
「初心者にブラックはきつかったね。はい、こっちも入れて」
そう言うと、隠していた砂糖とミルクを出す。メビウスが足りないと思っていたものだった。
「あ、こっちの方がすんなり・・・・『飲める』?」
「そうだね、甘いから」
「『甘い』・・・・」
メビウスはカップの中のコーヒーをまじまじと見た。
「そっかー、こういうのが『甘い』のか。俺、甘いって好きだな!」
「うん、僕も!」
「好ましいな」
タロウは満足そうに頷くと、自分も余ったコーヒーをカップに入れて飲む。

112 :フィフスオレーニング2-3:2007/01/29(月) 10:52:01 ID:emJXoWj50
「教官、俺もコーヒー作ってみたい!いい?」
「ああ、いいよ。こういう場合は『淹れる』と言うんだ」
「へー。言い方が色々あるんだ」
タロウに言われて水を汲むマックスを見て、メビウスも慌ててタロウの側にひっついた。
「僕もコーヒー淹れたいです!」
「よし、じゃあマックスの次にな。ゼノンもやるかい?」
タロウはメビウスの頭を撫でてやると、一人まだ座っているゼノンに顔を向ける。
「はい」
ゼノンの表情が、これまた珍しく緩んだ。

メビウスは放課後、恒例となっているタロウの教官室へと赴いた。遊びに行けるのは最上級生が合同演習に出かけている間だけだ。
できるだけその短い期間に一緒に居たかった。最近はコーヒーや紅茶を一緒に飲める様になったのが、とても嬉しい。
「ああ、メビウス。ごめん、今日はこれから打ち合わせなんだ」
タロウは入ってきたメビウスにいきなり詫びた。
「でもすぐに戻ってくるよ。試験の時間を決めるだけだから」
「はい。それじゃ僕、紅茶の準備して待っていますね」
「頼んだよ」
タロウはメビウスの頭を撫でるとプレートとペンを持って出て行く。メビウスはそれを見送ると、早速掃除に取り掛かった。

113 :フィフスオレーニング2-4:2007/01/29(月) 10:58:48 ID:emJXoWj50
一通りの掃除が終わり、お湯を沸かそうか考えてた時だった。
「タロウ、コーヒーはないか?」
ノックもせずに入ってきた闖入者が横柄な言葉を発する。
「すみません、教官は今打ち合わせで・・・・・・ゾフィー隊長ーーーー?!!」
「おっと」
思わず落としかけたヤカンがふわりと浮き上がり、そのままコンロの上に乗っかった。
「騒ぐ必要はないだろう?君とは初対面ではないはずだ」
「あ、あうあう・・・す、すみません・・・・」
メビウスは慌てて敬礼を取った。叫んだのも恥ずかしかったし、以前に嘘をついてしまったこともあって、ゾフィーは苦手だった。
タロウの教官室に居れば数度は顔を合わせる事があったが、ゾフィーがタロウと話をしている間に本棚に隠れてしまえばいい。
だが、今は二人きりだ。
(ど、どうしよう?!どうしよう?!)
「タロウは打ち合わせか」
「は、はい・・・・」
ゾフィーはソファに座ると、背中を預け、長い脚を組んだ。
「そうか、ならば少し待つとしよう」
(ひいーーー!タロウ教官、早く帰ってきてぇーーーー!!)
どうしよう、間が持たない。まさか隊長を放って置くわけにもいかない。しかし自分が話し掛けることなど度が過ぎる。
(そうだ!)
「あ、あの!」
「ん?」
「その、コーヒーだったら、僕が・・・・・」
少なくとも、飲んでいる間は喋らずに済む筈だ。

114 :フィフスオレーニング2-5:2007/01/29(月) 11:03:08 ID:emJXoWj50
「ほう、君はもう擬態もできるのか?」
「あ、はい。タロウ教官のお陰で出来るようになりました」
ゾフィーは最近タロウの機嫌が何時にも増して良かったのを思い出す。
「それでは貰おうか」
「はい!」
メビウスはサイフォンを取り出すと、ゾフィーの目の前にセットする。
「それは?」
「はい、コーヒーを淹れる為の道具です」
ゾフィーはその言葉に眉間に微かな皺を寄せる。少なくとも、タロウはこんな面倒な装置を使ってみせたこともないし、
自分の隊長室にも持ってきたことがない。弟達が送ってきたのもインスタントの粉末だ。
メビウスはここ数日、タロウに教わった通りにコーヒーを淹れ始めた。
目の前で製作パフォーマンスを見るゾフィーの目が、次第に少年のそれへと変わり、食い入るように液体の流れを見つめている。
メビウスはそんなゾフィーの姿勢に、声を立てずに笑ってしまった。
(なんか、隊長って可愛い・・・・)
そのお陰で緊張が解けたのか、メビウスは上手くコーヒーを淹れることができた。カップも薄くて綺麗なものを選び、一滴も零さずにゾフィーの前に置く。
「香りが何時もと大分違うな」
「あ、はい。本当はこうやって淹れるらしいです。何時ものは手抜きだよって、教官が笑ってました」
「ほう、手抜きか」
ゾフィーの一言に、メビウスはしまったと背筋を凍らせた。
「あ、あのっ!でも教官は紅茶の方が好きだから、その、つい・・・・でも、お湯とかちゃんと気を使って沸かして・・・・」
「わかったわかった」
ゾフィーは軽く片手を上げて、訓練生の言葉を遮った。

115 :フィフスオレーニング2-6:2007/01/29(月) 11:04:23 ID:emJXoWj50
「あ・・す、すみません・・・・」
メビウスは頭を下げると、サイフォンをキッチンの方へと下げた。
(ああ・・・・また隊長の前でヘマしちゃったよ・・・・)
洗い物をしながら、メビウスは深く項垂れた。自分とゾフィーはとことん相性が悪いのだ。
自分は決して隊長が嫌いとかそういうわけではないのだが、隊長に嫌われる様な行動を取ってしまう。
(教官、早く帰ってきてください・・・・)
「今のコーヒーは何処にある?」
「ひゃあっ?!」
突然背後から掛けられた声に、またメビウスは手に持っていた物を落としそうになった。
「た、隊長?!」
見上げるメビウスの肩に手を置き、再び低めの声が響く。
「今のコーヒーは?それとフィルター」
「あ、は、はいっ!」
メビウスは慌てて手を拭くと、お茶っ葉等を収納している戸棚に向き直る。ゾフィーの手を振り払う形になったが、そんなことには構っていられない。
ゼノンが見たらどれだけ羨ましがるだろうか。
「これです!もう一杯淹れますか?」
「ああ。後で貰おう」
ゾフィーはそう言うと指をパチンと鳴らした。途端にメビウスの体が浮かび上がる。
「?!」
ふわふわとサイフォンや挽いたコーヒー、フィルターにゾフィーが使っていたコーヒーカップまでが、メビウスの側へと浮きながら集まってくる。
「今日は少々残業をしなくてはいけないのでな。私の部屋で淹れてくれ」

116 :名無しより愛をこめて:2007/01/29(月) 14:06:26 ID:emJXoWj50
トレイーニングがオレーニングになってる・・・orz

117 :4コマ ◆nL.tEAkRlc :2007/01/29(月) 16:10:56 ID:KzYizzQO0
おおお。キングでてきたっ!w 森繁久彌ぽく感じてる自分。
オレーニングw 久しぶりにss楽しく読ませてもらいました。
コーヒー飲みたくなった!w
また、色々楽しめそうです!

[No.69]お絵描き掲示板です。

118 :名無しより愛をこめて:2007/01/29(月) 19:27:17 ID:gOnBUqh90
>>110
光の国ではそーゆーのか?と納得しかけちまったwww「オレーニング」
で、「トレイーニング」どんなことするもんなんだ?www
・・・いやすまん、久々インパクト世界に浸れてうれしかったよ

119 :名無しより愛を込めて:2007/01/29(月) 21:10:23 ID:guunwHR50
いやっほう!!インパクト再来!!メビウスもタロウも可愛い!
でも一番可愛いのはゾフィー隊長!!これからまた毎日楽しめるのかーw

んで、こっちは不埒なものの続きをば。やっぱり「鎖」を入れたいのでタイトルを少し変更。

120 :星の伝説もしくは歌う鎖2 1/6:2007/01/29(月) 21:12:35 ID:guunwHR50
>>105-107の続きです。

**
しかし<神>は立ち上がろうとしなかった。ゆったりとパイプを片手に、煙を吐き
出しながら悠然としている。
「まあそうカリカリせんと、もう一回考えてみてくれんか」
「やだったらやだね」
「お前にはずいぶんいろいろとしてやったつもりじゃがの」
明日人はきっとなって叫ぶ。「ああ、じっちゃんには感謝している。ほんと
の親みたいに思ってるし、なれなれしくはさせてもらってるけど、人一倍の
敬意を俺はじっちゃんに払ってきたんだ。…あんまり情けないこといわない
でくれよ」
「最後まで、わしがお前の鎖をはずさなかったことを、恨んでおるのかな?」
「そんなことはない」明日人は冷静さを取り戻そうと努めながら言った。「今、
この鎖のおかげで地球で幸せに暮らしてる」
だが<神>は明日人の努力や感慨にもどこ吹く風だった。
「それじゃ、もう一つはめてみるかの?」
「いらねーよ、二つも!こぶとりじいさんじゃあるまいし」
明日人は完全にぶち切れた。…だめだ、まともに話なんかできない。じっちゃん
本気でどうかしちゃってるぜ。
「頼むから帰れよ!頭がおかしくなりそうだ!」


121 :星の伝説もしくは歌う鎖2 2/6:2007/01/29(月) 21:13:48 ID:guunwHR50
「どうしたんだ、明日人」怒鳴り声を聞きつけてゲンが入ってくる。(註:二人
だけのとき以外は「明日人」「ゲン兄さん」と呼びあっています)「こちらは?」
「おお、レオではないか、ずいぶん久しぶりじゃの」カシス・レッドの眼が
ひとときの厳かさをかもし出す。「あなたは…ウルトラマンキング。」歳月を
経ても、その生来の生真面目な気質をいささかも失うところのないゲンは、
過去の孤独な戦いの中で折々手を差し伸べてくれた<伝説の人>を前にして
威儀を正した。「お久しぶりです」
「兄のほうは礼儀正しいのう」
「ほっとけ!」
ゲンはふくれっつらの、というよりは激しい怒りを必死に抑えようとしている
弟の表情を見て、眉をひそめた。「弟が…何か?」
「おお、そうなんじゃ、レオからも言うてやってくれ。アストラがわしの
たっての頼みを聞こうとしないのじゃ」
「兄さん、じっちゃんの話を真に受けるな!」明日人が腹立たしげに叫ぶ。
「こんな色ボケのくそジジイ、俺はもう知らん!」
「おい、アストラ」
「じっちゃんが光の国で、次から次へとウルトラ戦士を女性化してるって話、
兄さんだって聞いてるだろ。ヒカリだって、メビウスだって酷い目にあって
る。それなのに、じっちゃんてば、俺にその片棒担いで女性化した戦士たちに
メイクをしろってんだぜ」明日人は兄の前に、キングの持参したパンフレット
を投げつける。「できるか、そんなこと」

「…何か、目的が?」ゲンはパンフレットを拾い上げて生真面目な表情のまま
キングに問う。カシス・レッドのフレームの奥で、<神>はいっそう眼を細くした。
「年寄りの楽しみじゃよ」
「それだけですか?」
「それだけじゃよ」


122 :星の伝説もしくは歌う鎖2 3/6:2007/01/29(月) 21:15:35 ID:guunwHR50
「でしたら、私も弟の意見を支持したいと思います。弟の技術は、長い間の
血の出るような努力の末に獲得したものですし、光の国で女性化された戦士
たちが、かなり重度の精神的衝撃を受けていることも聞いています。私は、
あなたのなさることですから、何かお考えがおありのことだと、ずっと考え
てきました。いえ、今でも本当のところは何か事情があるのではないかとの
考えを捨て切れません。ですが」
ゲンは気負うことなくまっすぐにキングの赤い瞳をみつめて言った。
「それが明らかにならない以上、弟が怒るのも、御依頼をお断りするのも、
無理のないことだと思います。どうぞ、お引き取りください」

キングは再びパイプをくゆらし、ゆったりと煙を吐いた。「相変わらずよの、レオ」
ゲンは黙ったままキングに目礼をしたが、次の瞬間己の目を疑った。「キング…!?」
「年を取ると頑固になるんでの」<神>は、不可思議な装置の発射口をレオ
兄弟に向けてにんまりと笑った。「化粧の件は最近耳にしたんじゃが、それ
以前からお前たち兄弟には目をつけとったんじゃ。神の手を持った化粧師を
連れ帰るか、美しい雌獅子を連れ帰るか、どちらも魅力的な土産じゃな」
耳障りな笑いをふりまきつつ、<神>は装置のスイッチを押した。
その発射口が、微妙にゲンのほうを向いているのに気づいた明日人が、刹那
に兄の前に躍り出る。「!!!!」 
発射された微粒子の筋が、明日人を直撃した。「アストラ!」
もんどりうって倒れこむ明日人。「ってえ…!」衝撃に耐えつつ起き上がる。
「ったく、やってくれるぜ、じっちゃん…」 
立ち上がった明日人を見て、ゲンは息を呑んだ。そこにいたのは、乱れた
黒髪をかき上げる、細身だが黒革のコスチュームがはちきれんばかりの
ボディを誇るオッド・アイの美女だった。黒革のパンツにくるまれた、むっちり
とした右の太ももには、銀の鎖が窮屈そうに嵌まっている。「ま、悪くないセンス
だから許すけど」ハスキー・ボイスの美女は両手を払い、己のスタイルを確認すると、
挑発的な眼でかつての養い親をにらみつけた。
「このへんにしといてくれないと、俺にだって考えがあるぜ」


123 :星の伝説もしくは歌う鎖2 4/6:2007/01/29(月) 21:16:56 ID:guunwHR50
「うほほほほ。これはまた、たまらんのう。想像以上じゃわい」<神>は、細く
した眼をこれ以上ないほどに細めて眼前の美女の妖艶な姿態に見入った。
「おい、アストラ…」ゲンは激しく動揺していた。「おまえ、えらいことに…」
美女はにっこりと微笑む。「心配ないよ、レオ兄さん」両の手を上へ伸ばし、
念じるようにして顔の前で組み合わせ、そのまま下へとおろす。と、アダルティ
な美女は一瞬にして、元の明日人の姿になってそこに立っていた。
「!!」
「俺はずいぶん擬態については研究したからね。女体バージョンも何度か試し
たことがある。大体のしくみが分ってるから、元にもどるのは簡単なんだよ。
…ただ、今のは遺伝子をいじくる機械なんだろうから、L77星人体にもどった
ときはしばらく女やってないとだめかもしれないな。…ま、当分そんな機会も
ないと思うし大丈夫だろう」
「なんじゃ、一瞬の夢であったか。もったいないのう。」ぶつぶつといいながら、
<神>はしかし、性懲りもなく手元の遺伝子変換装置をリスタートしはじめていた。
「じっちゃん…!まだやる気なの?」明日人はあきれたようにキングを見やった。
「そろそろ決着つけようよ。…ほんとに年寄りの楽しみだけが目的なんだったら
さ、俺が時々女体バージョンで遊びにいってやるから。だから、ほかの戦士たち
は元に戻してやってよ。その機械使えば戻せるんだろ?」
「お前は本当にいい子じゃの、昔から」<神>は明日人をちらと見やったが、
その手をとめることはしない。「だがそれでどうかなるというわけでもないこと
も知っておろうの」
「じっちゃん…何やってんの!」明日人は装填を済ませた<神>の装置の照準
が、はっきりと兄に向けられていることに気づいて愕然とする。「よせ!」


124 :星の伝説もしくは歌う鎖2 5/6:2007/01/29(月) 21:18:05 ID:guunwHR50
ゲンは目をしばしばさせて<伝説の人>の暴走ぶりをみつめる。「私を女性に?」
ややあってその満面に愉快そうな笑いが浮かんだ。「あんまり良いご趣味とは
思えませんね」
「今は地球年齢に合わせて枯れとるが、若い頃のおおとり君は美しい青年じゃっ
たよ。南国風で色の浅黒い、情熱的な美女になることうけあいじゃわい」
ゲンはこらえきれず笑いだす。「ふふふ…あっはっはっはっは」昔と変わらない
白いきれいな歯が笑顔からこぼれた。「…武道派の強面の地味な媼になるやも
しれませんよ」
「兄さん、笑ってる場合じゃないよ。じっちゃんの手に掛かったら、そんなの
思いのままなんだから」明日人があたふたと口を挟んだ。「ほんとにとびっきり
の美女にされてキング星ではべらされちゃうぜ」
「それも得難い経験かもな。」笑いすぎて目ににじんだ涙を拭い、ゲンは真面目
な表情に戻ると再び威儀を正した。「正直なところ、一生というのはご勘弁いた
だきたいですが、それでお気が済まれるなら、ご同道しても結構です」
「兄さんてば!」明日人は青くなった。「冗談じゃない、兄さんは俺のように
自在に擬態を変えられる訳じゃないんだぜ、言ってること分かってるの?」
「ただし」ゲンは澄んだ臆せぬまなざしを<神>に向けた。「さっきの装置の
作動によって弟の遺伝子その他が損なわれているのであれば、今すぐに修復し
ていただきたい」


125 :星の伝説もしくは歌う鎖2 6/6:2007/01/29(月) 21:19:29 ID:guunwHR50
<神>は肩をすくめる。「…そんなもったいないことはできぬの」
「拒否なさいますか」
「擬態状態は操れても、本体のほうはそうもいくまい。せっかく麗しい雌獅子が
見られるというのに惜しいではないか」<神>は嘯く。「何なら今ここで変身して
見ぬかの?」
「冗談」明日人は思い切り舌を出した。「じっちゃん、ほんとに性格悪すぎだぜ」
ゲンは表情を変えずに言った。「では、私もご同道できかねます」「…うん?」
一瞬の後、ゲンはキングの後ろに回りこみ、その屈強な腕で<神>のからだをかか
え込んでいた。武道で鍛えた抑えの技だ。<神>の手首の付け根を軽く押さえる、
しなやかな指。だが軽く見えるそれは、関節のポイントを的確に抑えて屈曲させ、
さしものキングにも寸分の身動きもゆるさない。
「モロボシ・ダン仕込じゃな」<神>は、からめとられたままぽつりと言うと、苦
笑いした。「なかなか見事じゃわい」
「恩人への失礼の段はお詫び申し上げる」ゲンは静かな口調で言った。「ですが」
「自分が女性になるのはかまわないが、弟が傷つくのは困る、そういうことじゃの」
「ええ」
キングは面白そうに笑った。「まったく、よく似た兄弟じゃな。見た目は違うが、
思考パターンはまるで鏡のようじゃわい」


126 :歌う鎖より愛を込めて:2007/01/29(月) 21:23:32 ID:guunwHR50
一旦休止。どうもスケベオヤジなキング(森繁?)でごめんなさい。
最後にはサプライズを考えていますが>神の真意
どうにもこうにも食えないキャラになってしまった。。orz

「オレーニング」って、レオっぽいw

127 :名無しより愛をこめて:2007/01/29(月) 22:09:56 ID:gOnBUqh90
昔のゲンがニョタ化しても、女ブルース・リーになりそうでそれはそれでちょっと・・・ww

128 :名無しより愛をこめて:2007/01/29(月) 22:41:43 ID:KzYizzQO0
ゲンさん、ニョタ化されたら、今までのウルトラマンより、かなり落ち込みそう。。。w

129 :名無しより愛をこめて:2007/01/29(月) 22:56:21 ID:1lK4kL1U0
「南国風で色の浅黒い、情熱的な美女」で、
アグネス・ラムが頭に浮かんだ俺はどうすればいいんだ!


130 :名無しより愛をこめて:2007/01/29(月) 22:59:57 ID:gOnBUqh90
>>129
古いぜ相棒www

131 :名無しより愛を込めて:2007/01/30(火) 01:22:14 ID:WO3yIr230
連続投下、スマソ
アグネス・ラムワロタw
まだ続く予定。

132 :星の伝説もしくは歌う鎖3 1/4:2007/01/30(火) 01:23:49 ID:WO3yIr230
「弟を元に戻していただきたい」ゲンの口調はあくまでも穏やかだ。しかし、
その声に押し殺した怒りの響きがあるのは誰の耳にも明らかだった。
「まずはそれからです」
「いやじゃというたら?」
<神>はいっこうに応えた様子もなく、細い目を楽しげに瞬く。
ゲンの眉がびくりと動き、返事の代わりに金色の短剣がキングに突きつけられる。
呆然としていた明日人が、思わず声を発した。「兄さん!よせ」
「地球の武器はわしには通用せんぞ」
「地球の武器ではありません」相も変わらず物言いだけは穏やかなままに、
ゲンは言葉を続ける。「あなたにいただいたものです」
「ほう、わしの武器でならわしを牽制できるというわけか」<神>はますます
楽しげに言った。「だが、わしの武器ならわしの意のままだとは思わんかの」
「あなたにいただいたままの状態ではありません」とゲン。「剣の先には石が
埋め込んである。獅子の瞳の原石です。この石はL77星人の意思しか受け
付けません。そして、この石が支配する剣によって貫かれないものはない。
…たとえあなたであってもです」
「不思議な男じゃの。そんなに弟が大切かな?」
「そんなことをあなたにきかれるとは思っていませんでした」
ゲンはため息をついた。「私はあなたが何を考えておいでなのかを知りたいと
思っていたんですが。しかし、どうでもよくなりました。…弟を戻しなさい」
「よし、わかった」<神>はようやく了承の語を発した。しかし一筋縄ではいか
ないカシス・アイがひそかにほくそ笑んだのを明日人はみのがさなかった。
「レオ兄さん、伏せろ!」


133 :星の伝説もしくは歌う鎖3 2/4:2007/01/30(火) 01:24:48 ID:WO3yIr230
いぶし銀の男は重厚な印象からは思いもつかない俊敏な動きで、腕に絡めた
<神>ごと身を翻すと、そのまま足元へとかがみ込む。遺伝子変換装置の発射
口が、いつの間にか再び向きを変え、ゲンに向かってまっすぐに照準を定め
ていたのだった。不気味な黒銀色の装置から吐き出された素粒子の筋は、
対象を逸して壁にぶつかり、そこから反射して天井の照明器具へとむかう。
電球にしがみついていた茶色い蛾が一瞬にしてあざやかなすみれ色の羽を
ゆらめかす雄体へと変化し、驚いたように鱗粉を振りまきながら窓の外へ
と飛び立っていった。
「残念じゃったのう」ゲンの体の下で、<神>が苦笑している。「自動始動に
しておいたんじゃが、命中させ損ねたわい」
さすがに毒気を抜かれたゲンが、再び大きくため息をつく。「俺にはあなた
のほうがよほど不思議だ。…いったい、何をお考えなんです、ほんとのとこ
ろは」
「何も。…美しいものを見たい。ただそれだけじゃよ。」キングは肩をすくめた。
ややあってよびかける。「レオよ」
「はい」
「これからも地球で暮らすのか」
「ええ。…警備隊の特別任務を申し受けないかぎりは、おおとり・ゲンとして、
この地球で生きていくつもりです」ゲンは、<神>を真正面からみつめて言葉を
続ける。「弟と一緒に」
「ずっとか」
「はい」
「アストラもかの」カシス・アイが明日人を見据える。「当然だろ」明日人も元
養い親を真剣な瞳でにらみ返す。「じっちゃんが一番分ってくれてると思って
たんだけどな」


134 :星の伝説もしくは歌う鎖3 3/4:2007/01/30(火) 01:26:47 ID:WO3yIr230
「ならば、そのままでおったらどうかの」<神>の目が再び細くなり、
不思議な光を放つ。「何だって?」明日人は耳を疑う。
「女体でおったらどうかと言っておるのじゃ」
「はあ?…ぜんぜんわかんねー。何考えてんの、じっちゃん」
<神>の真意を測りかねて、明日人はため息をつく。
「お前は色々非難するがの」<神>は弁解をはじめる。「わしが性別を
変えたことで、自身の本当の思いに気づいたものは結構おるのじゃよ。
ヒカリにしても、メビウスにしても然りじゃ。本人だけでなく周囲も
そうでの。まさに怪我の功名という奴よ。年寄りの楽しみも、これで
なかなか馬鹿にはならんものでの。…お前たち二人にしたところでも、
そこまで互いを思いやっておるからには、いっそ夫婦になって暮らすと
いうのも…」「じっちゃん!」明日人はキングの言葉をぴしゃりと遮って
怒りを露わにした。「俺たちは兄弟だぜ。二度とそんなこと言ったらただ
じゃおかないからな」
「おやおや、怖いことじゃの」キングはにやりと笑って肩をすくめた。
「ま、今のは冗談じゃ」
「当たり前だ」明日人は肩をゆすり、投げ出されたままの黒銀の装置を
拾い上げた。「コイツは撤収ね。…だいたい、<神>のくせに自己弁護
なんてみっともない」
「わかったわかった、戦意喪失じゃ。レオよ、そろそろわしのからだ
から下りてくれんかの」ゲンはキングを抱えたまま立ち上がった。
「わしとしては、おおとり君の美女体が見てみたかったんじゃが、まあ
よいわい」
「はあ」(←なんかもうすでに理解の域を超えている)



135 :星の伝説もしくは歌う鎖3 4/4:2007/01/30(火) 01:28:20 ID:WO3yIr230
「お前の本体の染色体は、出力3の放射でもとに戻ろうよ」ゲンに絡めとら
れたままの姿勢で、キングは一向動じることもない。「せっかくの変貌を見ら
れぬのはつくづく残念じゃがの」
「まあ、俺の方は本当のところしばらくほっててくれてもかまわないんだけど。
個人的に擬態化の研究材料になるしさ。俺、将来的には歌やめても服飾か美容
の方で仕事したいとは思ってるから」「さっさと戻るがよいわ。レオが恐ろしげ
な目で睨んでおるわい」肩をすくめる<神>。明日人は笑って装置を作動させる。
「擬態化レベルでよけりゃ、時々変身して敬老慰安に行ってやるよ」素粒子の筋
が明日人のからだを通過する。その指の銀獅子が頂く赤い石が一瞬間きらめき、
L77星人の赤い精悍な姿がたちまち現出した。しかし、その勇姿は次の瞬間に
幻のごとくに掻き消え、そこに立っているのは最前までといささかも変わるとこ
ろのない明日人の姿だった。「大丈夫みたいだぜ、レオ兄さん」
ゲンは静かにうなずき、キングのからだから手を離す。


136 :星の伝説もしくは歌う鎖3-2 1/2:2007/01/30(火) 01:34:08 ID:WO3yIr230
**分量大杉で切れた。もう2スレ分、失礼。**

**
「ところで」再びパイプを取り出して口にくわえた<神>が、未練がましい
目をゲンに向けた。「アストラを元に戻したからには、レオがわしの望みを
かなえてくれる約束は有効なわけだの」
「じっちゃん!」明日人の顔が再びこわばる。「いい加減にしてくれよ…」
ゲンは肩をすくめた。「私はかまわないですが。ただ、光の国での滞在に
ついては、あまり長くはご容赦いただきたいですね。…男であろうと女で
あろうと、私には弟とのこちらでの生活がありますから」
「おお、かまわぬぞ」あごひげを引っ張りながら<神>は淡々とうなずく。
「その間にアーカイヴをできるだけ作っておくとしようかの」
「どうもいまだによいご趣味とは思えませんが」ゲンは苦笑した。「約束は
約束ですから」
「レオ兄さん!!」
「アストラ?」噛みつかんばかりの形相で、黒髪をふりたてている明日人は、
ゲンの初めて見るものだった。怒りでつりあがった緑と青の目は、あたかも、
大気圏に突入して燃え上がる彗星のような光を放っている。茶目っ気たっぷり
でお調子者を気取るが、その実沈着冷静で、めったに語調を荒らげたりする
ことのない穏やかな弟の気質を知っているゲンには、意外な反応だった。


137 :星の伝説もしくは歌う鎖3-2 2/2:2007/01/30(火) 01:35:20 ID:WO3yIr230
さっきから真意の読めないキングに対して、時々牽制するような怒鳴り声を
上げはしても、実際のところそれが巧妙に相手との距離を測りながらの理性的
な対応であることは、ゲンにはよく分かっていた。むしろ理性的になれずにキ
ングの挑発に応じてしまい、過剰なまでの対応に持ち込んでしまったのは自分
である。好んで自らの姿態を変幻させ、相手をも自分自身をすらも煙に巻く
ような振る舞いに出る弟であるが、そこに至るまでにその心身が常に過酷な
変遷の試練を経てきたことを知る身としては、そこへ新たな負荷がかかる事態
など、断じて見過ごすごとはできなかったのだ。だが、自分はちがう。<神>の
戯れに一時付き合ったところで甚大な被害を受けるとは思えない。精神的衝撃
の可能性も低い、とゲンは思う。武道を修める者の精神は、男だろうと女だろ
うと、同じことだ。人間体を取るに当たって、どのような変化が生じるかは
未知数だが、いまさら恋人のいる身でもない。自分は弟のそばにいられれば
それでいいのだ。もしキングの言うように若い美女(?)の姿になってしまった
としたら(ゲンにはどうにもそういう自分は想像できなかったが)それはそれで
面白かろう。明日人の女性ファンを怒らせない工夫は必要かもしれないが。
…だから弟よ。そんなに心配しなくても、俺は大丈夫なんだぞ?

**(今宵はこれにて。明日また)

138 :万能の神はいない28:2007/01/30(火) 07:42:24 ID:y4fWLJY80
 うは、色々来てるー。しばらくぶりです。今回長々とメビが出てきませんorz

 時間が何事もなく過ぎ去った。
 総監に関する新しい噂が暫く周辺を騒がせた――ウルトラマンに心酔されている男、
というアレだ――確かにミライはサコミズを頼れる保護者兼上官として仰いでいたし、
今も大層懐いているので、これが総監にとって初の根も葉もある噂になるのだろう。
が、いかんせん世間一般の常識から踏み外しすぎたため、これまでの噂以上に馬鹿話の
類で収まっている――少なくとも一般の隊員たちにとってはだ。
 その噂が流れてからまた一の宮博士とその弟子たちが頻繁にサコミズのところを訪問
しているらしい。リュウも何度か小耳に挟むぐらいだから相当な回数だと思う。
「もう、いいかげんいいだろう」
「駄目です。サコミズ総監からもイサナ隊長からも解除命令がでていません」
「サコミズ総監はともかく、イサナはなんだ」
 リュウが文句をつけるとツヅキが困ったような顔をする。図体はでかいくせに実に情け
ない。さながら耳を垂れた大型犬だ。だからイサナにワンコと言われるんだ、とリュウは
内心毒づく。大人気ない、と思いつつ口にしたこともある。だが、ツヅキは決してリュウ
の周辺から離れようとしなかった。
 この新人にまとわりつかれている間、つくづく思ったのは、存外にこの新人が精悍な
顔立ちをしているということだ。そして普段はぽやぽやとした空気とどこか気弱な表情から
失念しがちだが、やはり戦う為に訓練をつんだ生き物だ。そして自分たちとは感覚の
レベルが違う。時折リュウには分らない音や気配を察知するのか、急にぴんと神経が張り
詰める。臨戦態勢ではない。しかし、一瞬収束するその気配、すがめる目、四肢の筋肉に
走る微細なパルス。こういうところは犬というよりは猫科の猛獣、野生の動物に思えた。
 この時も、先に部外者に気付いたのはツヅキの方だった。


139 :万能の神はいない29:2007/01/30(火) 07:43:32 ID:y4fWLJY80
 その向けられたツヅキの視線が僅かに細まったのを見て、リュウも視線を向ける。
「おや、アイハラ君じゃないか」
「博士。一の宮博士と本多博士は?」
「一の宮博士は今、サコミズ君と話しているよ。何か個人的な話に移ってきたから私は
逃走しちゃったよ。本多君は、一の宮博士から研究所を任せられている立場だからねぇ。
そうそう責任者が空けられないから、今回のおつきは暇な私1人だよ」
「博士もお忙しいのでは・・・」
「いや、全然。そろそろ退き際を考えて身辺を整理している以外は特にやることもなし」
 そう言って自販機を睨む。
「ところで、旨いコーヒーはどこか売ってないかね? ここのメーカーはイマイチなんだ」
「サコミズ総監はご自身で自分用のコーヒーメーカーを持ち込んでいましたが・・・」
 今は総監室のはずである。はた、と困っていると以外にも助け舟を出してきたのは、
日常では頼りない印象の抜けない新人だった。
「リョウスケさんが持ち込んでいましたよ。食堂に」
 部下の名前にリュウはやや唖然とした。
「あいつ、いつの間に・・・」
「人生で飲み食いできる回数は限られているから、飲むなら絶対美味しい方がいいって。
今は皆が勝手に豆を持ち寄っています」
 そんな状態ではサコミズのいれるコーヒーには及ばないだろうが、自販機よりましだ。
 急にうきうきしだした老人は、救いの手を差し出してくれた青年に尋ねた。
「そうだ、君の名は?」
「新人のツヅキです。アイハラ隊長の下についています」
「ツヅキ君か。食堂まで案内を頼めるかね」
「・・・俺もご一緒します」
 ちらりと自分をうかがった気配に、リュウは一拍を置いて言った。素直だが、同時に
変に融通の効かない新人だ。下手に「アイハラ隊長を護衛しているので離れられません!」
などと言われては説明が厄介だ。
 何より、過去の人物とは言えこの人を1人、ふらふらうろつかせるのも。


140 :万能の神はいない30:2007/01/30(火) 07:44:55 ID:y4fWLJY80
 時間がずれているせいか、食堂は閑散としていた。貸切状態だった。
「すまんね。老人につき合わせて。アイハラ君は最初セリザワ君の下にいたんだね」
「はい、あの方がいなければ今の俺はありません」
「で、その次がサコミズ君、と」
「はい、二人とも尊敬できる方です。俺は幸運だと思います」
 すると、急に老人は爆笑し、その反応にリュウは唖然とした。
「いや、すまん。あの問題児どもが、と思うと」
「問題児、ですか?」
「そりゃもう、あの時の候補生の中で飛びぬけて成績のいい二人ではあったがね。同時に
あれだけ飛びぬけて色々とやらかした二人、というのもまたいなくてね」
 くっくっくっ、とまだ笑いが止まらない――セリザワとサコミズがいかにこの老人に
目をかけられていたか、説明なしで分った気がした。
「年中、我々に対して仕掛けてきたもんさ。丁々発止、いちいち話を上げると
切りがないからその辺りは割愛するがね」
 小粋に片目をウィンクしてみせる。なかなか洒落っ気のある老人だ、と思う。
「セリザワ君は思い切りが良すぎて、サコミズ君は知恵が回りすぎて、まぁどっちも
エネルギーが有り余っていたんだろうなぁ」
「・・・可愛がっておられたんですね」
「うむ。あの二人は手のかかった馬鹿息子みたいなもんだ」
 馬鹿息子、とはすごい言い方もあったものである。だが、ふと顔に横切った暗い影。
 リュウはこの老人の孤独を感じた。老人の方もリュウに気付かれたことを察した。
「なぁ、アイハラ君。君らは大恋愛だったんだろう?」
 思わずリュウはコーヒーを盛大にむせた。
「ど、どこでそんな」
「ふむ、図星か。GUYS感謝祭の時、とても仲が良かったからね。熱々で羨ましい」
 見られていたのか。顔から火が出そうだ。老人はリュウのその反応にまた笑った。


141 :万能の神はいない31:2007/01/30(火) 07:46:16 ID:y4fWLJY80
「奥さん、宇宙暮らしが長いんだって?」
「はい――今も相当ですが、初めの頃はもう、まるで世間というか物を知らなくて」
 何も知らなかったミライ。ただ、自分に好意を与えることしか知らなかったミライ。
 自分がいつまでもここにいられない、ということを思い知っていたミライ。
「本当は――俺になんか引っかかる存在じゃねぇんです。地球に来たのも、ホントは
一時的な滞在で、帰ればあいつを大切にしてくれる兄弟がいて、優しい同胞がいて、
あいつが目指していた仕事にも就けたはずなんだ。今も俺があいつの夢を壊したんじゃ
ねぇかって・・・。あいつの兄弟も期待していた。地位も、たぶん名誉も用意されていた・・・」
「でも、君を選んだんだろ?」
「はい」
 だから――決めた。心に決めた。
 他にどんな代償を支払ってもいい。ミライに与えられるものは全て。
「俺を選んでくれたんです」
「羨ましいな」
「――え?」
「私にも昔、恋仲だった女性がいてね。側にいられるだけで天国だった。でも私は――
君の奥さんと逆だ。私は野心に燃えていた。その力があると、信じていた。地位も栄誉も
捨てられなかった。一族の期待も裏切れなかった。結局閨閥というやつに納まってね――
打算だな。主流派から外れた途端、別居された。今、こんなのも報いを受けたという奴だ。
今ももし、と思う。私がちゃんと自分の心に向き直っていたら、と」
 リュウが言葉を失っているのに気付いて、老人はややごまかすように笑った。
「すまん。柄にもない話をした」
「いえ」
「奥さんにとって、それだけ君の存在が大きいんだろうな。君が地球に留まるただ1つの
理由なんだな」
「・・・あいつには要らぬ苦労をさせていると思っています。慣れないことばかりで」
 冬は寒さが厳しいと言っていた。いまだ地球の常識を学ぶのに懸命だ。比べて自分は
何も失わずにいる――あいつに与えられるだけでなく、少しは返せているだろうか。


142 :万能の神はいない32:2007/01/30(火) 07:47:12 ID:y4fWLJY80
「話は変わるがね。・・・防衛隊不要論という話は聞いたことがあるかい?」
「・・・はい」
 眉が思わず寄ったのは、かなり不愉快な記憶にもつながるからだ。
 何度聞いたことあるだろう。ウルトラマンに守ってもらえばいい。
「ウルトラマンがいればいい。それは愚かな考えだと思う。自ら身を守る意志もなく、
のうのうと他者の力を頼る。実に嘆かわしい。助力を最初からあてにしているというのは、
自ら生存権を放棄しているに等しいと思う。例えばウルトラマンがその様子にあきれ返り、
庇護を与えなくなった時、それはないと人類は叫ぶのか。私は人類がそんな情けない生命
だと思いたくない。今は子供が巨人に礫を投げるに等しいとしても、防衛の意志を示す。
いつか来る一人立ちの日を目指して・・・その日がくるまで努力と気概を忘れてはいかん。
それが、人類がウルトラマンに示すせめてもの礼儀だと思う。意地、かもしれん」
「礼儀と意地ですか」
「そう。異郷で戦ってくれる彼らに対する礼、決して庇護に甘んじてたまるかという意地。
この二つを忘れてはお終いだと思う。我々がこうしてお邪魔している事を悪く思わないで
欲しい。・・・我々が危惧しているところは、もし噂どおりウルトラマンという切り札を得て
しまったというならば・・・GUYSが、自らの地力で戦うことをやめてしまうのではないか
という恐れが根底にある。そして、ウルトラマンを都合のいい兵器と見なしているのでは
ないかという恐れ・・・つまり悪しきミリタリズムだな」
「そんなことは・・・!」


143 :万能の神はいない33:2007/01/30(火) 07:48:39 ID:y4fWLJY80
「分かっている。サコミズ君はそんな男じゃない。だが、そういう恐れもあるという事を
理解して欲しい。腹立たしいが、人類の中にはウルトラマンを兵器としてしか見ない類の
人間がいるし、そういった人間が国政や軍事の中枢に現実として存在するんだ。何として
でもウルトラマンを、あの巨大な力を手元に置きたいと言う人間が。また危惧する者全員
がサコミズ君と面識があるわけじゃない。一の宮博士がここに来る、というのは一種の
デモンストレーションの意味もあるのだよ。まぁ要するに政治的な行為という奴なんだが。
あと、少し腹を立てている面もある」
「は・・・?」
「どうしてサコミズ君があんな噂の的になっているのか気になった。どうも意図的な匂い
がしてね。わざと攻撃の的になっているんじゃないかと」
 リュウはひやりとした。しかし幸いにも博士は違う話題に移っていった。
「ウルトラマンはなぜ人類の為に戦ってくれるのか、と君は考えたことがあるかね。
我々はつい、それが当たり前になって失念しているが、実は条理に適っていないのだよ。
人類にとってありがたいことなんだが・・・彼等は神ではない。別の星の住民なんだ。
彼らはなぜ、我々の為に戦ってくれるのか。異星である地球を守る為に戦ってくれるのか。
40年以上も私は自分に問いかけている。ウルトラマンは答えてくれないからね」
「人間が、地球が好きだから」
 それまで黙って聞いていたツヅキはそう口にし、リュウの咎めるような視線に気付いて
身を縮こませるようにして付け足した。
「・・・と思います」
「ふむ。明快だ。だが、研究者は簡単に片付けてはいかんのだよ。好きだから、で全てが
片付けられない。理詰めで空白を埋めなくてはならない。やっかいな人種でね」
「はぁ・・・」
「アイハラ君はどう思う?」
「俺ですか!?」
「君はあの1年間、メビウスと共に戦った。君の感じたことを聞きたい」


144 :万能の神はいない34:2007/01/30(火) 07:50:51 ID:y4fWLJY80
 リュウは正直往生した。リュウは直にその『答えてくれない』ウルトラマンから回答を
聞いていた人間だった。しかし、それを直裁に言うのはいくらなんでもまずい。
「力を、守るために行使する、という感じです」
「『高貴なる者の義務』か。他に何か感じないかね。例えば自分たちをどう見ている、とか」
「・・・自分たちと重ねて見ているような」
「ほう、どんな?」
「戻ることの出来ない、過去・・・とか」
 遡ることの叶わない昔。絶対戻ることが出来ない。かつて人間だった頃の彼らの星の光。
 それが今、地球に届いている。300万光年の過去の光が。そう言ったミライの遠い眼差し。
 望まぬ変貌を遂げた彼ら。その彼らが自分達に重ねたノスタルジア。
「戻ることの出来ない過去か。面白いな。ウルトラマンは人類に何を見ていると思うか、
という設問に、人類の可能性や人類の未来を見出している、と大概は答えるんだよ。
過去というのは君が初めてだ。まるでウルトラマン側の視点だね、君は」
 これがサコミズが言っていた研究者というものなのか。
 博士の視線になんとも居心地の悪さを覚えてリュウは身じろぐ。なぜか汗が出た。
「また、君とは話してみたい。・・・ああそろそろ戻った方がいいかな。ああ、いいよ。
案内不要。道順は分ったから。ところで何かあったのかね」
「いや、別に何も起きてはいませんが」
「そうかい? だったらいいんだが。隊長の君に護衛がつくなんて何事かと思ったんだよ」
 ぎょっとしたリュウとツヅキの目の前で博士はひらひらと手を動かし、立ち上がった。
「・・・アイハラ隊長。さっきのあれなんですけれど、僕達のこと先輩から聞いたんですか?」
「・・・ああ。ミライから聞いた」
 別の内容を口にしながら、二人は食堂を出て行く老人の背を呆然と見送った。

 今回はここまでです。

145 :フィフストレーニング2-7:2007/01/30(火) 10:07:33 ID:26va7qNz0
「そん・・・降ろして!降ろしてください!」
メビウスはじたばたと空中で暴れた。念力で体の重心だけ持ち上げられている。授業で念力自体は教わりはしたが、
まだかけられた際の解除の仕方は教わっていない。教わっていたとしても彼我の差は恒星間ぐらいありそうだが。
「ここから私の執務室まで結構あるぞ。歩くのは疲れるだろう」
「行きません!まだタロウ教官が帰ってきていません!待ってるって約束したんです!!」
ゾフィーは小型のプレートを取り出した。
「今日の打ち合わせは3時から4時。私がここに来たのが4時10分。今は5時20分」
「でも、話し合いなんて時間通りに終わる事なんて滅多に・・・・」
「会議にもならないような打ち合わせを定刻どおりに終わらせられないとは、まだまだ」
「隊長!」
ゾフィーはプレートを何処かへと隠して扉に向かうと、まるで自動ドアの様に扉が開いた。その後をふよふよとメビウスと食器が浮かびながらついていく。
「や、やめてください、隊長!!」
メビウスは半泣きで叫んだ。教官室から出ると、ドアはまた勝手に閉まった。
まだ人のたくさんいる校舎の中を、ゾフィーは堂々と歩いている。後ろに少々おかしなおまけをつけて。
「やめてください!降ろして!自分で歩けますから!!」
数人の奇異な視線に晒され、メビウスは居たたまれなくなった。不意に体の重心が引っ張られる。
「そうか。自分の意思で歩けるか」
すとんとゾフィーの隣に降ろされた。ゾフィーが機嫌を取るようにメビウスの方に手を伸ばしてきたが、メビウスはぷいっと顔を背けた、
(信じられない!隊長がこんなに酷い人だなんて思わなかった!!ゼノンは騙されてるよ!!)
「どうした、置いていくぞ」
身長もコンパスも違うタロウの義兄は、軽くメビウスを振り返った。明らかに笑っているその表情に、メビウスの中でふつふつと怒りが湧き上がる。
「行きますっ!!」

146 :名無しより愛をこめて:2007/01/30(火) 11:51:05 ID:26va7qNz0
>>鎖 ゲンは苦労している割に天然かーーーっ?!

>>万能の神 ワンコの汚名返上、できそうなできなさそうな気配。

147 :名無しより愛をこめて:2007/01/30(火) 12:01:57 ID:c4lmFXoO0
隊長酷いwww

148 :名無しより愛をこめて:2007/01/30(火) 13:20:38 ID:hiQB/f4E0
レオどうなっちゃうんでしょう。想像したら、わろた!

万能さん、ツヅキすこしワンコじゃない面がすこしづつ見えてきてる感じですね。
リュウも隊長ぽくしてきてるし。

ゾフィーいじわるやのお。けど、そういう性格なのが嫌じゃない。
ゾフィ〜♪ゾフィ〜♪怪しい歌を聞きながら読んでましたw


149 :名無しより愛をこめて:2007/01/30(火) 13:42:25 ID:bzoLL6F50
うはあ、久々の豊漁祭りか?wwww
どれもGJ!!ありがとうをタロウからきたソフビ並にダンボールにつめて送るぜ
・・・送り返すなよw

150 :名無しより愛を込めて:2007/01/30(火) 23:01:34 ID:WO3yIr230
>>万能 本編が終わっても、今週末のサコちゃん設定がたとえどうであっても、
このシリーズは確固としてあって、これからも楽しめそうだ。

>>トレーニング メビちゃん、かわええ。「ふよふよ」の表現がぴったり。
隊長、メチャクチャ状況楽しんでんなーー。



151 :4コマ ◆nL.tEAkRlc :2007/01/30(火) 23:05:20 ID:hiQB/f4E0
[No.73]お絵描きです。

152 :星の伝説もしくは歌う鎖4 1/5:2007/01/30(火) 23:08:59 ID:WO3yIr230
終盤へ向けて少しシリアスに。今回と次の5でケリが付くかと。
***********
「まあそうカッカするな。わずかのあいだだけのことじゃ。その後はちゃんと
元に戻して帰還させてやるわい」<神>は赤い瞳をじっと明日人に注ぐ。
「駄目だ」明日人は冷たく言い切った。「じっちゃん、これ以上兄貴をどうかし
ようというなら、俺は絶対にあんたを許さないからな。レオ兄さんが許しても、
俺は許さない!」
明日人の髪が逆立っている。オッド・アイの放つ光はさらに強くなっていた。
強力な磁場が発生し、ゲンは身動きが取れなくなっている自分に気づく。(ア
ストラ…?)
カシス・アイの<神>はさすがに動じてはいなかった。(落ち着け、アストラ)
(うるさい)
(落ち着かんとレオまで巻き添えになるぞ)
ほんの少しだけ磁場が和らいだ。ゲンは、明日人が<神>との会話をテレパシー
に移行させたのに気づく。だが、その中身は、奇妙なノイズにさえぎられて、
ゲンの耳には聞こえなかった。


153 :星の伝説もしくは歌う鎖4 2/5:2007/01/30(火) 23:09:49 ID:WO3yIr230
(じっちゃん。頼むから兄さんには手を出さないで。俺じっちゃんが好きだよ。
だけど、レオ兄さんを。誠実でまっすぐで情熱的で、この地球上で言うところ
の「漢」の美学ってものを、おそらくは地球上の誰よりも体現している、俺の
自慢の兄貴を。もしあんたが壊そうというのなら、容赦しない。できない。)
(そんな大仰なことではない。ただのデータ収集だ。バーチャルな楽しみくら
い、年寄りに許してくれてもよかろうに)
(いやだ!)
まるで子供のように、全身で表現する拒否。カシス色の瞳は思わずふと微笑んだ。
(じっちゃん。じっちゃんは知ってるはずだろう。レオ兄さんには知られたく
ないけど、俺の心には、けっこうすさまじいマイナス・エネルギーが蓄積され
てる。今は、地球で歌を歌うことで、俺はそれを浄化して発散させることがで
きているけど、俺が兄さんと地球にいられなかった理由の一つはそれだったこ
と、何よりじっちゃんが知ってるはずだろう? もしじっちゃんが兄さんにこ
れ以上何かしたら、俺は歌うのをやめて、俺の中にあるマイナス・エネルギー
の全てをじっちゃんにむけて放射するぜ。さっき兄さんが言ったように、俺た
ちの獅子の瞳には俺たちの意思を受けて作動する、王家の護身用武器としての
機能があるんだ。…俺はそれを使ってマイナス・エネルギーをあんたにぶつける
ことができる。そんなこと、できればしたくないけど)


154 :星の伝説もしくは歌う鎖4 3/5:2007/01/30(火) 23:10:53 ID:WO3yIr230
(そりゃこまる。いくらわしでも身が持たんわい)<神>は苦笑する。キングは
くわえたパイプを右手にとると、そのまま静かに前へかざした。と、ゲンの耳に
聞こえていた不可思議なノイズが消え、不意にキングの声が鮮明に部屋に響いた。
「わかった。わかったからもうそう怒るでない。わしは引き上げるとしよう」
明日人をなだめる<神>の表情に、ようやくかつて見慣れた柔和なものを見出
した気がして、ゲンは少しほっとする。「レオ、すまなんだの」「いえ」
だが、そのときゲンは、磁場がゆっくりと消滅していく振動の中で、ふとから
だに違和感を覚えた。「?」緩やかな波動が全身を押し包んだ気がして、立ちく
らみに似た感じが起こる。しかしそれはほんの一瞬のことだった。
気がつくとキングのパイプが目前に突き出されていた。「どうかしたかの?」
「いえ。少しくらっとしただけです」
ゲンは無意識のうちに自分の手を見ていた。別にどこといって変化もない。
地球年齢に合わせた五十がらみの、節くれ立った男の手だ。(まさかな)
「磁場をつくり出しよったわい」キングはそれまでとはまるで別人のような
温厚な笑みを浮かべ、つきだしたパイプを引っ込めて再び口にくわえた。
「心配はいらぬ。めったに怒らないやつが怒るとえてしてこういうことにな
るものでの。ちょっとからかいすぎたようじゃわい。レオよ、アストラを頼む」
「はい」「邪魔したの」
<神>が去り、磁場が完全に消滅した部屋で、ゲンはソファのかげに倒れこんでし
まっている明日人に気づいて駆け寄る。「アストラ!」
緑と青の瞳が力なく兄を見上げた。「ごめん、レオ兄さん」


155 :星の伝説もしくは歌う鎖4 4/5:2007/01/30(火) 23:11:54 ID:WO3yIr230
「大丈夫か?」「うん…」明日人は軽く頭を振って起き上がり、からだを払った。
「まったく、じっちゃんの思うままにふりまわされちゃった」
さっきまでの激しい感情の露出が嘘のように、穏やかに苦笑する弟に、ゲンは
戸惑う。「お前…」
「俺、怒ると止まんないみたいなんだよね。大丈夫だった?」
「ああ。気にするな。だが…」「どうしたの?」「いや、さっき、なんか少し
変な違和感があったんだ。磁場をくぐったせいかもしれないが」
「兄さん」明日人が顔色を変える。「もしかして…!」
「いや、それは大丈夫だ」ゲンは小さく右手をかざし、指の金獅子が頂く赤い
石をきらめかせると、たちまち雄雄しい赤の肢体の勇士の姿となった。精悍さ
は弟と双肩だが、連角を描く弟のそれとは似て非なる、連輪を描くプロテクター
と、王冠を思わせる、また翼を広げた銀の鷹とも見える頭部とが、その雄姿を
特徴付けている。
「特に変わったところはないと思うが。…アストラ?どうかしたか?どこか変か」
「いや…」心配そうに聞くレオにあわててかぶりを振って、明日人は兄の姿を
じっと見つめた。
「変わってないよ。もとのままのレオ兄さんだ」
(そうだ、とうさんと同じ。あのころと同じ。L77星人の本当の姿だ。…)
…俺が永遠に失ってしまった、遠い昔の、まぼろし。すべてが凝縮された、
そのなつかしい姿。(なくさずに、すんだ。ちゃんと、ここにある。…)
「そうか、よかった」レオは顔前で手を組むとゲンの姿に戻る。
刹那、垣間見た遠い日の幻影から唐突に引き戻され、明日人は軽い眩暈を
覚えてよろめいた。「アストラ…!大丈夫か?」あわてて支えるゲン。
「うん…大丈夫、ただなんかちょっと疲れた」ゲンは腕時計を見た。
「次の開演までまだ時間がある。…少し休め」


156 :星の伝説もしくは歌う鎖4 5/5:2007/01/30(火) 23:14:28 ID:WO3yIr230
落ち着く暇もなかった。緊張した面持ちで、新たに面会を求めてきた二人の
人物を見るなり、明日人は立ちあがり、応対しようとするゲンを押しとどめ
て事務所の外へと出て行く。
「明日人さん、その節は。でも今日は緊急の用件でうかがいました!」
真摯な瞳でみつめる、オレンジとグレイの制服に身を包んだ青年と、その
背後で難しい顔をしている茶色いコーデュロイのジャケットの男。「このあた
りで、かなり大きなマイナス・エネルギーの反応が確認されたんです。何か、
異常があったのではありませんか」
「やあ、メビウス。それに、80」明日人は努めて平静を装って二人に笑い
かけた。「まいっちゃったよ、<神>が現れて、すっかり翻弄されちゃった」
「<神>だって?…まさか、こんなところにまで現れたのか、あの爺さん」
矢的猛は苦虫を噛み潰した表情になって、空を見上げ、ため息をついた。
「で、大丈夫か、獅子座ツインズ」「ああ、なんとかな」
「ではこのマイナス・エネルギーは…」ミライが明日人の方を見る。
「うん、ちょっと切れちゃって、ぶっ放しちゃった、悪い」明日人は、抱え
ていた黒銀の遺伝子変換装置を猛に渡した。「<神>から撤収したぜ。光の国
で使ってくれ。」
「しょうがないな。何考えてるんだか、あの親爺。…おかげで私の仕事がまた
増える」装置を受け取って憮然とする猛。
「すまん、せっかく余韻に浸ってたさなかに」
「知ってたのか」猛が目を上げる。
「うん。…実は少しツテがあって、うちに手伝いに来てる女の子の知り合いに
こないだメイクした」明日人はにっこりした。「中学のときのニックネーム、
ファッションていうんだってさ」「!!」「きれいだったろ、矢的先生」
「ああ。…素敵だったな」猛は目を細めた。その顔いっぱいに暖かな笑みが広がる。…
明日人は真剣な顔になって言った。「80、メビウス、頼みがある。マイナス・
エネルギーのことは、レオ兄さんには伏せといてくれ」
不思議そうなミライ。何かを心得たような表情の猛が口を開く。「よし、わかった」
「サンキュ。恩にきるぜ。…いずれ、また」明日人は頭を下げ、事務所の方へ戻って行った。

**もう一回分、たぶん明日。

157 :名無しより愛をこめて:2007/01/30(火) 23:57:59 ID:bzoLL6F50
80先生まで登場とはGJ!!!
あと一回か・・・早く見たいような、もったいないような、だな

158 :名無しより愛をこめて:2007/01/31(水) 01:32:59 ID:tz+w8k1W0
前スレからの続きです、作品倉庫ないとスレ跨ぎはキツいかな;
えーと、カコの姿に擬態したミライとリュウの一日。
(「キョウ」というのはとっさにリュウが付けた名前です。)

159 :キョウ、13:2007/01/31(水) 01:33:36 ID:tz+w8k1W0
少年「地球人組も、ひょっとしたら当人も気付いてないっぽいけど、あれは
 お前そのまんまじゃないよなぁ。てか、なにそのグラサン?」
少女「うるさいっ、それでも似てるから関係者と思われるの嫌なのっ」
少年「ふっつーにデートだもんなぁ・・・なんであんなことになるんだ」

カコ(ぶー、とむくれている)

少年「で、なんでわざわざ見に行こうって言ったり、俺以外に内緒だったり、
 さっきから微妙に機嫌が悪かったりするわけかな?」
カコ「着いて来たのはそっちの勝手じゃない(つん)」

少年「お前だけを地球みたいな人口密集地に降ろすわけにもいかんだろう」
カコ「私がやられるって言うの?」
少年「正直、防衛隊をフルに敵に廻した時にも危ういよ。それに、」
カコ「あんなお人よしは怖くないわ、平然と通信取ってきたわよ」

少年「(くす)ふーん、じゃ、僕もグラサンを掛けることにするか」
カコ「なんでよっ」
少年「僕ら二人がやってりゃただの子どもの洒落で済むだろ?」


160 :キョウ、14:2007/01/31(水) 01:34:18 ID:tz+w8k1W0
少年「この星は結構好きだ」
カコ「そーいや、メビウスに仕掛けるように誘導してたよね」
少年「バレたか」
カコ「あんたが被害が少なくなるような選択してるのは皆知ってる。ただ、
 そっちのほうが楽しいから逆らわないだけ。なんでそうなるの?」
少年「大災害が起こった時に、誰も僕らをもう怒らない、憎むだけだ」
カコ「そうだね・・・、一回だけあったね、そういうこと」

少年「しっかしあっちはお前と同じ顔なのに妙にモテ・・・いだだだだ」
カコ「うるさいってば!!」

――

マリナ「でも手ぇつないでないとすぐ誰か寄ってくるよね、ホント」
ジョージ「そら、なんか付いてきてくれそうな雰囲気あるからだろ」
コノミ「えー、可愛いからですよぅ」
テッペイ(なるほど・・・コノミちゃんも気を抜くとすぐだしな;)


161 :キョウ、15:2007/01/31(水) 01:34:59 ID:tz+w8k1W0
キョ「(ぴくん)・・・あれ」
リュ「どうひた?(←ホットドックを食べてる)」
キョ「カコちゃんの声がしたかなー、と」
リュ「そら、今はお前の・・・声帯どうなってるんだ?」
キョ「なんか元の体との中間みたいな声が出るんですよ、完全じゃないの
 かなぁ、擬態は難しいのでよくわからないんです」

リュ「つーか、顔もなんか混ざってるって。カコのほうは覚えてないが、
 特にミライと似てたってこともなかったと思うぜ」
キョ「魂のコピー・・・」
リュ「ん?」
キョ「いえ、なんでもないんです、ただ兄さんの言ってたことを」
リュ「て、どの兄だよ、いっぱいいすぎてわかんねーぞ」

――

少年「ああ、気付いてるんだ」
カコ「て、なんの話っ、なんで地球人の唇の動きが読めるのよ、ずるい」


162 :キョウ、16:2007/01/31(水) 01:35:40 ID:tz+w8k1W0
マリ「――だって、なにか知ってる? テッペイ君(←聞こえてます)」
テペ「正直、その辺の会話はしたことが・・・擬態なんだ」
ジョ「なんで、聞きゃいいじゃん?」
テペ「ミライ君、聞いたら答えてくれないことないんです。でもそれって
 僕に必要なことなのか、好奇心だけなんじゃないかって・・・」
ジョ「それって駄目なことなのか」
テペ「簡単なんですよ、普通に置き換えて考えればいい。ジョージさん、
 過去とか無造作に聞かれて嬉しいですか?」
ジョ「・・・すまん、了解」

コノ(なんか、少しずつミライ君に戻ってくみたいだなぁ?)

――

少年「つーか、あの人たち知ってるんじゃないの?」
カコ「知らない顔してたいのになんで突っ込むのよ・・・」
少年「むしろ当事者たちの呑気さに感動してしまいそうだ(僕ら含め)」

163 :キョウ、17:2007/01/31(水) 01:36:31 ID:tz+w8k1W0
リュ「ふーん、食い物いらねぇのか(むぐむぐ)」
キョ「考えてみると不思議ですよね・・・僕らも生き物なのに」
リュ「いや、光合成してるからいいんじゃね?」
キョ「え、光合成・・・なのかな(悩」
リュ「(←聞いてない)でもお前は結構食うの好きだよなー。カレーとか」

キョ(なんかいつものまんまみたいだ・・・くすくす)

――

『“魂”というと少し霊魂みたいな気もするけど、本能と言えば近いのかな。
物を考える時の出発点というか、どうしても変えられないもの。
変えようがないもの』

 ――なんだか、ちょっと、怖くなりました・・・兄さん。

この人、騙せないんです、誤魔化せもしない。鋭いわけですらないのに。

164 :名無しより愛をこめて:2007/01/31(水) 01:37:45 ID:+gpPv+Na0
星の伝説って、好感もてるssだなぁ〜。本編の後だけに、想像力がまして楽しめました。

165 :名無しより愛をこめて:2007/01/31(水) 01:37:51 ID:tz+w8k1W0
と、ここまで...orz
かなり進行を適当にやっててすみません(;><)

>>152
最終日を楽しみにしてますww

166 :名無しより愛をこめて:2007/01/31(水) 02:37:53 ID:+gpPv+Na0
ここの進行具合だと、キョウのss久しぶりになるかもしれないですね。
でも、個人的にはこのタイミングの方がじっくり読めた気がします。
ほんわかして、どこかホッとする。

167 :フィフストレーニング2-8:2007/01/31(水) 11:17:02 ID:rMBbcqdO0
養成所と警備隊の本部は目と鼻の先にある。だが、メビウスがこの本部に入るのは、入学してからこれで二度目だった、
ゾフィーの歩調に合わせて小走りで追っていたメビウスは、正面玄関に来ると流石に速度を緩めた。
多くの人が出入りしているが、誰もがゾフィーの気配に気付くと、背中を向けていた者も居住いを正して敬礼した。
頬を膨らませて付いて来たメビウスだったが、次第に表情が強張ってきた。
(そうだ、隊長ってこんなに凄い人なんだ・・・・)
正隊員達の視線がゾフィーに向けているとは分かっていても、隣にいるだけで圧迫感を感じてしまう。
ゾフィーは涼しい顔で廊下を通り過ぎ、時折顔見知りに軽く手を上げたりしていた。
「どうした?こっちだ」
ゾフィーが廊下の角で立ち止まる。
「あ、はい・・・・」
メビウスが慌てて近寄ると、今まで念力で浮かせていたカップやサイフォンがすいっとメビウスの手に収まる。
「ここから先はセキュリティフィールドが敷かれていて、私でも能力が使えない。持っていてくれ」
「はい」
突き当たりの何も無い壁にゾフィーが手を翳すと、別の一面にエレベーターの扉が出現する。
ゾフィーはメビウスの背中を軽く押して促した。
窓のない無機質なエレベーターの中で、メビウスはゾフィーを見上げた。
「ん?どうした?」
「あ、いえ・・・何も・・・・」
ゾフィーにしてみたらどうかはわからないが、メビウスからしたら気まずい沈黙が続いた。やがてエレベーターが終点に着く。
「さて、もう少しだ」
わざと迷路めいて作られた廊下を通り、ようやく目当ての部屋の前に着く。ゾフィーの言葉ではないが、確かにかなり歩いた。
「さ、入りたまえ」
「失礼します」
メビウスが入って最初に目にしたのは、プレートの山だった。
タロウの教官室の更に十倍はあろうかというゾフィーの部屋は、手前側に秘書たちのデスク、正面奥にゾフィーの机がある。左右には更にドアが設けられていた。その部屋の右半分が、足の踏み場もない程プレートに占拠されていた。
「うーむ、ちょっと貯まりすぎたような気がするが・・・・」

168 :フィフストレーニング2-9:2007/01/31(水) 11:19:45 ID:rMBbcqdO0
「これ、全部・・・・」
「まだ手をつけていない書類だ。
ああ、そっちの左手のドアがキッチンに繋がっている。好きに使ってくれ」
ゾフィーはそう言うと、屈んでプレートを数十枚拾い上げ、机に向かった。
メビウスはタロウの部屋よりもデザインの整ったモダンキッチンに目を見張りながら、ゾフィーの仕事ぶりを眺めていた。
映像プレートは同時に複数開き、音声タイプは書類タイプにサインをしながら。通信機は開きっぱなし。
驚異的なスピードでそれらを処理すると、机の上のプレートを一旦まとめて部屋の空いているスペースに歩いて持っていった。
そのまま床にプレートを積み上げると、また雑多に重なっているプレートの方に廻り込んで、数枚を拾い上げて持ってくる。
「あの、分類とか、しないんですか?」
「私の知っている以上にセクションが分かれているようでな。明日秘書に任せるよ」
「その秘書の人達って・・・・」
「今日は全員定時」
また処理を終えると、席を立つ。階下ではあれだけ慕われている様な隊長が、少し寂しげに見えた。
メビウスはゾフィーの手元のプレートが半分ぐらいになると、処理済の方に手をかけた。
「これ、あっちの方に持って行くだけでいいんですよね?」

169 :名無しより愛をこめて:2007/01/31(水) 13:23:57 ID:rMBbcqdO0
星の伝説はもう・・・・獅子座の双子、互いに依存しあっているというか、
いやもう、してても全然いいよ。泣けてくるぜ、獅子座あああああ!!!

170 :名無しより愛をこめて:2007/01/31(水) 17:16:14 ID:xrKNGWIV0
>>167
仕事してるゾフィーって、理想の上司像かも。カッコヨス
出来る男から見るとタロウはやっぱまだまだ・・・「仕事しろ」って感じ?www

171 :名無しより愛を込めて。:2007/02/01(木) 00:21:40 ID:Fttgwzql0
歌う鎖最後行きます。:自分が言うことじゃないけど、お絵かき掲示板の動画。
80の部分、あの曲思い浮かべながら書いたっす。。。
後は種明かし、コミカライズ版が少し。ごめん。


172 :星の伝説もしくは歌う鎖5 1/4:2007/02/01(木) 00:23:37 ID:Fttgwzql0
明日人が去っていったあとで。…
「80兄さん、アストラ兄さんはどうしてあんなことを?」
「メビウス、きみには大切な人がいるかい?」「え?…はい」
「きみがもし、マイナスエネルギーを発生させるような心情になったとしたら」
猛はミライの眼をみつめた。「どうしようもないほど腹が立ったり、どうしよう
もないほど悲しかったり、苦しいくらいにさびしかったり、切ないほどに誰かを
憎くてたまらなかったり」ミライの脳裏に、さまざまな地球での出来事が、走馬
灯のように浮かんだ。「そこから逃れられない自分がつらくて、醜くて、おぞま
しくて、それでもそこから逃げられないとき」猛の目は穏やか過ぎるほど穏やか
だった。「それを、その人に知られたいと思うかい?」ミライは少し考え込む。
「わかりません。…知られたくない、と思います。でも、きっと、その人には、
知られてしまうかもしれないとも、思うんです」いつでも自分の胸の底を、暖か
なぬくもりで満たしてくれてやまない、無骨な笑顔が、こころにうかぶ。
「それはきっとすごくうれしいことだと思います。…ですけど」ミライの頬が
紅潮する。…同時にそれは、ひどく痛みを伴うことでもあって。
「…ぼくには、わかりません…」
猛が微笑んだ。「きみらしいな、メビウス。…そう、それでいいんだ。そういう
ことなんだよ」
「80兄さん?」
「そんな時、ひとは歌を歌うんだ。何も言わない代わりに、心を込めて、歌をね」

それぞれの耳に響く、さまざまの歌。

鎖のヴォーカリストは、今日も、歌い続ける。…
…幾千の星の記憶。失われたもの、生まれゆくもの、出会うもの、別れるもの、
伝えたかったこと、伝えそこねたこと、伝えきれないこと。そのすべてを、歌は
つないでゆく。


173 :星の伝説もしくは歌う鎖5 2/4:2007/02/01(木) 00:24:34 ID:Fttgwzql0
宇宙空間を飛翔する<神>に、いつか寄り添う不思議な光の影がある。そこを
通じて、超時空の果てから、聞こえてくる不思議な声は、<神>と呼ばれキング
と呼ばれる男に、はるか遠い昔の呼び名をそのままで、静かに語りかける。

なぜ、言わなかったんだ、ピコ。
何をじゃ。
光の念波となった獅子座の民からの陳情がお前を悩ませていることを。
別に悩んでなどおらんわい。
だったら、あの二人に伝えたらよいではないか。現し身としての肉体は失い、
国も文化も失われた、焦土となって闇に飲み込まれたL77星とその星の生命体
だったものたちの魂とが、たった二人生き残った双子の王子に望みを託して、星
を再建し、その遺伝子を伝えていくことを求めているのだと。あたらしい命をつ
なぎ、星の記憶を伝えていくために、二人にアダムとイブになることを求めてい
るのだと。
どうものう。現し身を失うてしもうた生命体の念波というやつはせっかちとい
うか、デリカシーに欠けるようになるというか、やりにくいわい。アーヴもそう
じゃったが。肉体を持っていた間は、あれほどまでに高雅な知的生命体であった
民どもが、それを失ったとたん、ストレートな思念や感情のままに動きよる。
でなければ、ヒカリに取り付いて復讐の鎧を構成したりはすまいよ。もちろん、
あの場合は、ヒカリがアーヴを心から愛しておったから、彼自身の憎しみや悲
しみがそれを増幅させてしまったのだがな。L77星でも同様じゃ。二人の王子が
生き残り、ようやくともに暮らせるようになった。あの二人は、互いを思いやり
必死に生きておる。しかし、あの二人の、兄弟としての思いや、一個体としての
ささやかな喜びや幸福への思いなんぞ、念波となった連中にはもはや理解できな
くなっておるようじゃの。星の摂理。宇宙の摂理。星の存続意志。そういうマキ
シマルなものばかり主張しよるわ。


174 :星の伝説もしくは歌う鎖5 3/4:2007/02/01(木) 00:25:29 ID:Fttgwzql0
しかたないじゃないか。L77星は、本来はまだこの宇宙に息づくはずの時間を、
不本意な攻撃によって奪われてしまったのだから。アーヴもそうだけど。星だっ
て生きている。
わしはの、トラン。あの二人には、しあわせになってもらいたいのじゃ。
この大宇宙に、一個体として生まれてきて味わう、ささやかな喜びも悲しみも、
切なさもいとしさも、情欲も、理想も、今度こそ思う存分知ってほしいのじゃ。
あの二人のことじゃから、真相を知れば、責任感からきっと星の民の要求にこた
えるじゃろうて。しかしそれではまた、あの二人は、自分自身の人生を捨てて
「星の再建」という大きなものを背負って歩く羽目になる。わしはそんなことを
あの二人にさせたくはないのじゃ。
 だから「ちょい悪オヤジ」だか「スケベジジイ」だかを装って、二人のデータ
を取りにいった?
 わしはアストラについては、既にかなりデータを把握しておる。しかしレオに
ついてはそれほど詳細に把握しておるわけではないからの。L77星人の遺伝子や
染色体の仕組みについて、アーカイヴをとっておけば、それを基にして星の民
たちを再生させることも不可能とは言わんわい。
 あの状況でよく取れたな。「装置」をおとりにしたわけだ。実際、お前ならば、
指をひとつ鳴らすだけで、簡単に遺伝子やら染色体やらの配列を変えることな
ど思いのままだろうからな。しかし、自分たちの知らないところで、勝手に
そんな操作をされて、クローンみたいな子孫ができていくなんてこと、却って
嫌がるんじゃないか。


175 :星の伝説もしくは歌う鎖5 4/4:2007/02/01(木) 00:28:41 ID:Fttgwzql0
アーカイヴはアーカイヴじゃよ、トラン。星の民がなんと思おうと、わしはそのデータから
早急にかの星を再建させようなどとは思わん。レオとアストラが、存分に自分の人生を生き
ていくのを見届けたい。その先、二人はそれぞれ一人を貫くかもしれんし、地球で恋をして
幸せな家庭を築くやもしれん。あるいは、ウルトラ族の女人と結ばれるのかもしれん。どの
ような人生であろうと、それは二人の人生じゃ。この宇宙でたった一度きりのかけがえのな
い人生じゃ。何万年かの先、それを見届けた先に、わしはこのアーカイヴの封印をとく。
レオ兄弟の面影とこころを受け継ぐ星の民が、このアーカイヴから新たに生まれるアダムと
イヴによって、新たにこの宇宙に命を受ける。そしての、トラン、わしは想像するのじゃ、
さらにその何万年か先に、新生L77星の若者と、遠い記憶として星の歌の心を譲り受けた、
地球か、ウルトラ族かの若者が、対面するその日をな。
 ピコ…。
 <神>と呼ばれるようになったわしじゃが、さすがにその頃には現し身をそなえておるか
どうかわからぬな。…何にせよ、宇宙をめぐる光波にとっては、ほんの一瞬の時間じゃよ。
お前、結構、味な真似をやるじゃないか。
まあの、いろいろと面白いんじゃよ。年寄りにはいろいろと楽しみも必要じゃて。若返りの
秘訣でもあるわけでの。
ピコ… やっぱりお前…(orz)。
おお、そうじゃ、トラン。わしの収集したデータによれば、レオの女性化予想像はの…。
…!!!これは!…
ほっほっほ。まあ、残念じゃが、データだけは揃うたし、これ以上アストラの奴を怒らせる
とえらいことになりそうじゃし、わしはこの辺でやめとくわい。

**
明日人の事務所で後日。
「なんか最近、妙な気配を感じるんだが」
「じっちゃんまだあきらめてないのかなあ」

(くそっ武人だけにまったく隙がない…)気をつけよう、暗い夜道とトランの執着。

                                了


176 :歌う鎖は。。:2007/02/01(木) 00:31:37 ID:Fttgwzql0
これにて終了。ありがとうございました。
トランとピコは「ウルトラ超伝説」(居村眞二)より。
キングと同等に話せる人をトランのほかに思いつかなかったので。すいません。

177 :名無しより愛をこめて:2007/02/01(木) 00:33:02 ID:n/Bgz3/m0
真面目か不真面目なのかどっちなんですか一体...lllorz
ちょっとエグいな、と思うところもあったんですが(いい意味で)、ラストきっちりと
オチが入りましたね、面白かったです。

178 :名無しより愛をこめて:2007/02/01(木) 00:33:45 ID:n/Bgz3/m0
あ、一行目は>キングじいちゃん宛で

179 :名無しより愛を込めて:2007/02/01(木) 00:49:41 ID:Fttgwzql0
キング>> 真面目不真面目、たぶん両方。食えない爺さん。
>>177 エグかったすか、ごめんなさい(汗)どのへん?




180 :名無しより愛をこめて:2007/02/01(木) 00:59:48 ID:n/Bgz3/m0
>>179
うーん、難しいんですが、表現。

意思を無視されるっていうか、一つの駒として扱われるというか。
さらっと流さずに結構細かく書いてらしたので。
ギャグ前提だと平気でもシリアスだと、投下前にも言ってらしたけど逆に
かなりキツい設定ですし。
でも悪い意味じゃないですよ。
最終話では神話のこと考えてしまいました。

181 :名無しより愛を込めて:2007/02/01(木) 01:00:50 ID:Fttgwzql0
>>159-163 このシリーズ、好きです。カコと少年がイイww
本編のこの話、昔のNHKの「謎の転校生」とかぽいカンジ、その雰囲気が続いて
る感じでGJ!リュウの「て、どの兄だよ!」に吹いた。。

>>トレーニング ゾフィカコええ!!
だが、24時間働けますかの時任三郎も連想した自分orz。。。


182 :名無しより愛をこめて:2007/02/01(木) 01:04:48 ID:0isH1BSj0
ゾフィやっぱり、やれば出来る子・・!

183 :名無しより愛を込めて:2007/02/01(木) 01:09:57 ID:Fttgwzql0
意思を無視されて駒扱い、うん、そうなんですよね。というか、
ウルトラ警備隊の一員として戦うことそのものにも時としてそういう苛酷さが
あると自分は内山まもるなんか読んでて思ったことがあって。
神話的ウルトラマンと人間的ウルトラマンの葛藤。てやつかなー。

184 :万能の神はいない35:2007/02/01(木) 07:55:35 ID:jOyhuyo90
あるひとがあるとき、私にむかって「あなたは天使だ」と言った。
その同じひとがまたほかのとき、「あなたは悪魔だ」と言った。
その言葉に矛盾はないと私は思う。同じ一人の人間が天使にもなれるし悪魔にもなれる。
                            谷川俊太郎「クレーの天使」

「懐かしいですか?」
「ああ、この間の感謝祭で、こいつは飛んでいなかったな・・・」
「ええ、不調が酷かったので安全性から見合わせたそうです。実に残念でした」
「こいつを作ってから随分たつからな・・・もう一度、雄姿を見てみたかったんだが」
「・・・どこか具合がよろしくないのですか?」
「そりゃぁ年を取れば、がたが来ないほうがおかしいもんだ」
 この時にはすでにこの人は『知って』いたのだ。そして動いていた。

「僕ってもてもて。イヤになっちゃう。いや、しかし、意外な所からラブレターが来たな」
「相も変わらず冷静なご意見、拝聴いたしました」
ふう、とミサキ代行は敬愛する自分の上官を仰いだ。
「いつもと変わらぬ態度は流石です。心強く思います。ですがその調子で出歩くのは
お控えください」
「それって今だってあんまり変わんないじゃないか」
「抜け出すのも絶対なしです。決して一人で行動なされないでください」
「もう、嬉しくって涙が出ちゃうね」
「なにかあるよりマシです。ここのところ先鋭化が激しいと報告が入っています」
「まぁ元から過激な意見が売りみたいなトコだったみたいだけどね」
「どこでも穏健な意見は淘汰されがちです」
「うん。こっちも他人事じゃないなぁ。わが身を省みないとねぇ・・・と話は横に置いといて」


185 :万能の神はいない36:2007/02/01(木) 07:56:38 ID:jOyhuyo90
「イミュニスト?」
「造語だよ。実は歴史があるんだけどね。immunue、影響されないとか、動じないとか、
免除・免疫とかの意味もあるか。そういう主義の人々のこと。ちょっとピンと来る上手い
直訳が見つからないんだけど・・・ぶっちゃけた話、ウルトラマン排除論を唱える人々の一部。
いささかショッキングな意見かな。ショッキングすぎちゃって共鳴者は少ないんだけど」
 総監直々にコーヒーを振舞われる栄誉も、いささか話題を和らげるには力不足だった。
「脅迫されたと」
 リュウは自分でも声がいつになく低くなっている、と思った。隣でツヅキがいつもより
小さくなってようが構いはしない。
「脅迫したって、なんかねぇ・・・変なんだ」
「変?」
「うん、まぁ、僕の個人的な感想。25年以上前の話だから彼らの中でも昔の意見として
聞いて。あくまで注意を喚起しているというか、問題提起的なものだった。まず意識を
向けて議論するための主張という面があって。当時、ウルトラマンに任せとけ、みたいな
考えが蔓延していた。確か80が全戦全勝っていうか、負けなしの頃だったから、そういう
危機意識も強く出たんだと思う。我々はウルトラマンに依存しすぎだって。地球は我々の
手で守らなければならないって」
 リュウとツヅキは顔を見合わせた。
「・・・意外と申しますか」
「・・・正論じゃねぇか」
「まともなこと言ってるでしょ? これ提唱したの当時UGMキャップのオオヤマさん」
「「ええっ!?」」
「ほんと。当時UGMでもウルトラマン80に対する依存が相当蔓延していて、対処に
苦労されたみたい。もっともその時の名称はウルトラマンからの自立論だったかな? 
基本的に何かとウルトラマン頼りになりがちな意識に対して警鐘を鳴らす、が目的。
オオヤマさん自身は80に対して戦友意識がある人だし、まったく過激な人じゃない。
最も25年以上もたてば提起した人の手から離れるだろうし、色々変わるもんだけど」
 短時間で調べられるだけ調べたのだろう。ふ、とサコミズは息をつく。


186 :万能の神はいない37:2007/02/01(木) 07:58:19 ID:jOyhuyo90
「有害だ、麻薬だ、人類から抵抗力を無くす、悪魔は天使の顔をしてやってくる、という
言い方までしているのは極少数。大部分はそこまで現実が見えていない人間じゃないよ。
将来はともかく、今の時点で継続的に人類のみで防衛するには、やっぱり彼らの協力は
不可欠だ、と分かっている。メテオール技術だってようやく目処が立ってきたってところ
でしょ。それだって1分間のリミッターつき。そのメテオールを開発しているGUYSを
脅してもねぇ」
「・・・でも全員じゃねぇんですよね」
「うん・・・。一部先鋭化しているらしい。妙な話になってきたというかきな臭いというか。
議論だけで納まらなくなってきたって。オオトリさんもかなり困惑してた。オオトリさん
が初めに意図したところと別な方向に転がっているみたいだって。・・・意外と研究者とか
若い学生とか、知的エリート層が構成しているらしい。現場を知らない人間というか。
変に活発化、というか急にここ1,2ヶ月で行動的になってきた原因はまだ不明でね」
「しかし、なんでまた」
「メテオールがどうやら自信を付けたみたい。あと、本人が凹むけど、素では際立って
強くなかったでしょ、メビウス。強くなる時も特殊って言うか、条件が要るって言うか。
ちょっとシャーマンっぽいところがあった。モードチェンジとかさ。自分に寄せられた
皆の思念を取り込んだり、兄弟の力を集中させる器になったり。君らとの信頼関係も
あったけど、その特徴のせいもあって一貫してメビウスはGUYSと協調して戦っていた。
それもあって今までになく共同戦線をとっていた防衛隊――GUYSの戦力が際立って
見えた。歴代の防衛隊に比べて貢献率は高かったのは大変喜ばしい現象だけど」
 そして何時になく真剣な面持ちでサコミズは話を続けた。


187 :万能の神はいない38:2007/02/01(木) 08:01:59 ID:jOyhuyo90
「・・・さっきリュウは正論って言ったけど、こういう時、正論って怖いんだよ。都合のよい
一部だけ切り取って正論で武装する。この手の人間はね、自分たちの正義のために現実を
無視して行動する。彼らは決して悪を行うつもりは毛頭ない。彼らはあくまでも正義の為
に剣を振るう。それを正しいと信じ善意で行動する。だから何かしでかす時、躊躇しない。
僕に言われると自覚のある悪人の方がやることの方がよほど可愛いね。はっきり言えば
僕には彼らの方が天使の顔を装っているように見える。ウルトラマンについて自分達を
守ってくれる、一見良い事をしているように見えるが結果的には自分たちから戦う気力を
自分たちから奪う。天使の顔をした悪魔に等しい、なんて言ってくれるけどね。それは
確かに真実の一面を言い当てているかもしれない。けれど、それは一面なんだ。第一、
それは甘えてしまう僕ら側の意識の問題であってウルトラマン側の問題じゃない。
まぁそういうわけだから、ツヅキ、これまで以上にリュウの身辺に気をつけて」
「はい」
「脅迫されたのはサコミズ総監です。むしろサコミズ総監のほうにツヅキを」
「僕だったらそれこそ陰日向、姿の見えるのから見えないのまでごまんと護衛がつくよ。
名目だって立つ。メビウスを手元に置いている、という噂を真に受けた馬鹿が脅迫して
きましたってね。でも君の場合どんな名目が立つの。実はメビウスを嫁さんにしてます、
何て公言できないじゃない」
「今回は俺が脅迫されたわけじゃねぇです」


188 :万能の神はいない39:2007/02/01(木) 08:02:53 ID:jOyhuyo90
「コレはね。別にGUYSJAPANの総監を指名したわけじゃない。本当はメビウスを
地球に留めている人間を脅迫してきたんだよ。だけどさっき言ったとおり、表だって君に
護衛をつける名目がたたない。事情を知る上層部が君に護衛をつけたいと思っているのは
僕以上だと思う。君は公式にはGUYSJAPAN隊長だけど、非公式には最重要人物だ。
君には嫌な話だろうけど、君がいるからミライが地球に留まっている。それがGUYSの
上層部の認識だし・・・事実だよね。それにね、忘れないで欲しい。ミライにとってアイハラ・
リュウの代わりになる人間はこの世界のどこにだって存在しないってこと。正直、こんな
ことで君の身に万が一のことが起きたら、僕は絶対に一生後悔する。だから、引き続き
ツヅキを側に置いてくれるかい。現状ではツヅキ以上の護衛はいないと思う」
「・・・はい」
「本当にね・・・こんなことは注文をつけるもんじゃない。言ってどうとなるもんじゃない。
それは僕だって分かっている。だけど言わせて欲しい。ミライのせいで君が死ぬ、という
事態だけは絶対にやめてくれ。あの子にとってそれが心の致命傷になりかねない」
「分かっています。それは肝に命じています」
 それはミライが戻ってきた時に密かに誓ったことだ。
 あいつのせいで俺は絶対に死ぬ訳にはいかねぇ。
 例え、他にどんな無様な死に様を晒しても。



189 :万能の神はいない40:2007/02/01(木) 08:03:54 ID:jOyhuyo90
「あの・・・アイハラ隊長」
「なんだ」
「天使と悪魔ってなんですか?」
 ツヅキの質問にたっぷり30秒以上も沈黙したのは、思いっきり失念していたからだ。
そうだ、こいつは必ずしも俺たちの常識を知っているわけじゃない。
「・・・お前らには宗教って考えあるか?」
「しゅうきょう・・・」
 今ひらがなで言いやがったな、と分ってリュウは内心頭を抱えた。この分だと神という
概念から話さなければならないのか。はっきりいってそこまでいくとリュウの手にあまる。
「今の話では大まかに言って、天使は善い存在、悪魔は悪い存在ってこった。でも実際に
いるってわけじゃねぇぞ」
「いないんですか?」
「想像上の存在だ。天使は人間を善い方へ導いたり守ってくれる、悪魔は悪い方へ行く
ように誘惑したり落としこもうとする。そんな存在が人間の生き方に関わる、という考え
が地球にはある。だいたいそんなもんか? 俺だって詳しく話せって言われても困るぜ。
そういうもんがいる、という考えが小さい頃から身についちまっているんだからな」
「・・・ウルトラマンって人間を悪いほうに導くってことがあるんですか?」
「・・・勝手に人間がウルトラマンに依存しちまうってだけだ。それを人間が一方的にお前ら
に責任転換していることまで背負い込む必要はねぇぞ。地球はまず自分たちの手で守る、
という基本を忘れなきゃいい話だ。お前らは別に天使でも悪魔でもねぇ。単に守りたい
もんが、俺たちにとってありがてぇことに、地球と人間だったってそんだけの話だろう」
「・・・そうですが」
「勝手に投影しといて何言ってやがる、って話だ。正直、俺はなにかと天使だ悪魔だって
言っている人間は好かねぇ。自分が選択したことは自分で責任持ちやがれってんだ。この
世に天使も悪魔もいねぇ。いるのは俺たち人間だ。良い事も悪い事も人間がやることだ」
「人間がやること・・・」
「そうだ。人間が自分でやることだ。だからお前が責任を感じる必要なんかねぇんだ」


190 :万能の神はいない:2007/02/01(木) 08:04:34 ID:jOyhuyo90
 今回はここまででつ。

191 :名無しより愛をこめて:2007/02/01(木) 10:43:47 ID:Fttgwzql0
すごい。どんどん緊迫感が高まっていくというか。。
天使と悪魔、オオヤマキャップ、いろいろなかたちで本編へのオマージュが
ちりばめられているのもGJ  職人さんのウルトラ満干や人間観も伝わってくる。
ほんと、読み応えがあります!

192 :名無しより愛をこめて:2007/02/01(木) 10:53:38 ID:DTQoL7Qf0
すみません、トレーニングのデータが消えてしまっていたので、明日まとめて投下します・・・orz

>>キョウ メビたんはリュウさんを試したくて別の姿になったのか?

>>鎖 完結乙です。ピコとか元ネタがよくわからないんで、キング分離?とか少々混乱気味でしたがまあなんとか。
セイバーマリオネットJ思い出した。

>>万能の神 神を知らないツヅキ。ミライの映画でハヤタに「我々は神ではない」と言われていたけど、実は知らなかったのかな?
サコミズ総監が相変わらず素敵だ。

193 :名無しより愛をこめて:2007/02/01(木) 11:22:15 ID:Fttgwzql0
うわ、もったいない!!明日楽しみしています。

>>192 漫画の「超伝説」で、過去のウルトラ世界というのが描かれてトランは
アンドロ超戦士として戦い最後は時空にかなたに飲み込まれてしまいます。
トランの幼馴染がピコで、後のキングだという話でした。。。ピコとトランを
キーワードでぐぐるといろいろ出てきます。  でも、「分離」というか、
キングの心の声で考えていただいてもいいのかもしれません。キングという神に対する、
更なる「デウス・エクス・マキナ」を出したかったんです。マイナーネタで失礼。

(ギャグバージョンではキングがトランにいさめられ、罰として自分もにょた化、しかも
ババルウそっくりになってしまって獅子座兄弟に目を背けられる、という落ちでしたが、
流れでシリアスになってしもたんです。タイトルつけたときはすでに。)



194 :名無しより愛をこめて:2007/02/01(木) 19:11:52 ID:BSKNDMdR0
>>172
オチが深くて考えさせられた。正直キング爺さんフザケンナオイ!って感じだったんで納得!!GJ!
・・・しかしギャグバージョンのキングも見たいような怖いようなwww
>>184
オオヤマキャップ!なんか名前出ただけで感激しました。あの人かっこいいんだよな。
・・・他の隊員が頼りないだけに(特に一話。怠けすぎww)

195 :4コマ ◆nL.tEAkRlc :2007/02/01(木) 21:34:02 ID:tZPLe3IU0
[No.75]お絵描き掲示板です。

196 :名無しより愛を込めて:2007/02/01(木) 22:33:03 ID:Fttgwzql0
蒸し返されるわけはないと思うが、放映日が当日なので、ちょいとアホネタ。

**
ミライ:今日はちゃんと買ってきました!これで良いんですよね、隊長。
サコミズ;う・・・いや、まあその。あのね、ミライ、今日はふつうの豆の方で良かったんだよ。
ミライ:そうなんですかorz・・・
サコミズ:地球では、というより日本では、今日は節分といってね、豆をまいて福を招き、厄を
追い払う日なんだよ。
ミライ:ふくとやく?
サコミズ:福はよいできごと、厄はよくないできごとというかんじかな。その厄を日本の文化では
鬼というモンスターのかたちで表してきたんだ。前に豆を買ってきてくれたときにおまけにもらっ
たお面、まだきみの部屋にあるだろ、あれが鬼だよ。まあ、あれはずいぶん可愛い顔をしてたけどね。

ミライ;(自席で鬼の面を眺めて)こんなに可愛いのに、「鬼は外!」って追い払われちゃうのか・・
なんかかわいそう(TT)
リュウ;どしたんだ、ミライ。
ミライ;鬼は外、じゃなくて。鬼も中に入れて友達になってあげるんじゃ、だめでしょうか?
リュウ;お前なあ・・・
テッペイ:でも鬼というのは、元々迫害された人たちを表したものだという説もあるんです。
ミライ君の言うとおり、厄を押しつけて追い払うんじゃなくて、歩み寄れればいいですね。
メイツ星人の時みたいに。・・そういえば、鬼の姿の宇宙人てあったなあ、ドキュメントZATに。

如月星人:ううっ・・あのこしゃくなウルトラの末っ子の教え子が地球に来ておるときいて、
30年ぶりで来てみたが、なんていい娘じゃ・・


197 :名無しより愛をこめて:2007/02/01(木) 22:53:43 ID:lUO0vCpY0
オニバンバネタ、自分も書きかけてたwあいつ、第二段階が怖かったよ〜

198 :名無しより愛をこめて:2007/02/01(木) 23:00:16 ID:tZPLe3IU0
オニバンバ、画像観てこのSS読むと、大爆笑www
また、ネタ楽しみにしています。

199 :名無しより愛を込めて:2007/02/01(木) 23:03:59 ID:Fttgwzql0
>>198
ごめ、かぶっちゃった?良かったらうpしてください。読みたいでーす!!


200 :名無しより愛を込めて:2007/02/01(木) 23:07:26 ID:Fttgwzql0
orz
>>197 でした。逝ってくる・・・

201 :節分:2007/02/02(金) 01:05:00 ID:qX8X7QZj0
>>199
萌え要素が皆無(いつもの事ですが;)なので養成所にでも落そうかと思ってましたが
後にどなたか続いてくださる事を期待して…つか、浅いアホしか書けんorz

 〔節分の日。GUYSは美山保育園の豆まきに特別参加する事に。〕

リュウ「ミライ、お前は知らねえだろーが、日本には豆撒きっつー風習があって…」
ミライ「知ってますよリュウさん!隊長の誕生日にテッペイさんから懇々と教わりました!」
リュウ「そ、そっか」 ←教え役奪われてちょっとショボン
ミライ「それに、光の国でもタロウ兄さんと、豆を使っての戦闘シミュレーション訓練やった事
ありますから!」

〜回想シーン〜

メ ビ「セァッ(豆投げる)」
タロウ「メビウス!そんな豆鉄砲では敵を倒すどころか、豆にされて食われてしまうぞ!
    もっと振りかぶって!肘と手首もっと使って!投げ込み1000球、いや10000粒!」
メ ビ「はいっ教官!」
タロウ「豆撒きの次は、金棒を使って敵を宇宙にぶっ飛ばす特訓だ!素振り1000回〜!」
メ ビ「はいっ教官!」

 (この特訓のおかげで後に光の国野球部にスカウトされたメビウスは、地球においても  
 横浜スタジアムで120km/hストレートを披露し喝采を浴びる事に←覚えてます?)


202 :節分2/2:2007/02/02(金) 01:08:13 ID:qX8X7QZj0
ナンバリング忘れてた…上のは1/2で。

コノミ「はいはい皆さーん、今回は手作りのお面で『鬼』の役をやってもらうんですからぁ〜♪
   鬼のお面、作って来ましたか〜?」
マリナ「えっと…絵とかあんまし得意じゃないけど」

ジョージ…ありがちな赤鬼の面(無難)
マリナ…ラムちゃんみたいな可愛いおにゃのこ鬼の面
リュウ…ガキ大将ぽい顔の鬼の面(何となくリュウに似てる)
テッペイ…エースに出て来たオニデビルを忠実に描いた面

コノミ「さーてミライくんのは…えーっ!やだぁ怖い〜」
マリナ「あちゃー、これ…無理よね…」
ジョー「アミーゴ…こいつはやめとこうぜ、子供がトラウマになっちまう」
ミライ「え?鬼っていうから、ボクの知ってる鬼描いてみたんですけど…」
  >すっごーく写実的に描かれたオニバンバ第二形態の恐ろしい面
    (タロウとの戦闘訓練でこの形態を仮想敵に使用)

テッペ「(ボソ)せめて怪獣型の第三形態顔なら、子供にも許容範囲だったんですけどね…」

結局、隊長の誕生日のお使いでもらったお土産お面を使う事になりましたとさ
       
                               (おわり)

さあ!豆まきの次は「はじめての恵方巻」だ!
誰か書いてください(自分で書こうとしたら何かスレ抵触描写になりそうに←想像してください

203 :4コマ ◆nL.tEAkRlc :2007/02/02(金) 01:25:47 ID:rkI1MvZI0
[No.76]お絵描き掲示板です。

豆まきがこういう展開になるとは!心、和ませていただきましたw
120km/hのストレートの話は初めて聞きました。
途中参戦だし、本編も途中から観てるから。。。よく知らないorz

204 :名無しより愛をこめて:2007/02/02(金) 02:31:03 ID:v8bHtXz80
>>201-202 豆まきGJ!光の国で「セァッ」って豆投げるメビに萌え〜
横浜スタジアム、ガチでは見られんかったけど、うわさにはかねがね。
節分に裃つけて生駒か成田山かで豆まいてくれんかなー
ミライ君、絵もうまいんだね。(たしかに怖かった第二形態^^;)         

205 :名無しより愛をこめて:2007/02/02(金) 08:54:19 ID:/ulX3Owz0
メビウスの始球式は、本当は放送開始の4月8日のはずが、
雨で流れて4月22日に順延になって、たまたま巨人戦に重なり、
うちは巨人ファンだったんで、偶然その日のチケット買ってたからスタジアムで見ましたよ。

ウルトラマンと記念撮影もできたし、メビウスの剛速球を生で見た興奮といい、
我が家ではいまだに語り草になってます。

206 :フィフストレーニング2-10:2007/02/02(金) 10:02:14 ID:z6f82kXF0
ゾフィーは書類から一瞬だけ顔を上げると、「落とさないように」とだけ言って再び書類に視線を落とした。
「はい」
メビウスは小走りで部屋の隅にプレートを持って行くと、ゾフィーの積み上げたプレートの隣に置いた。
「ついでに未処理の分を持ってきてくれ」
「はい。どれをですか?」
「どれでもいい」
メビウスは床を覆っているプレートから、今置いてきたのと同じ数だけ拾い上げてゾフィーの机に持って行った。
もう残りの半分も終わりかけている。未処理の分をゾフィーの左手側に置くと、右手側にある処理済を持ってまた走った。
(あわわ、急がないと!)
その後もプレートを持って何度も往復したが、機械的なその作業が苦にはならなかった。
(隊長、凄く仕事速い!それに、なんだか不思議・・・・)
「そろそろコーヒーを飲んでもいい頃だな」
メビウスが未処理のプレートを持ってくると、ゾフィーがぽつりとそれだけ言う。催促された事が嬉しくなって、
「はい!」
と思わず笑顔で返事をした。

207 :フィフストレーニング2-11:2007/02/02(金) 10:02:56 ID:z6f82kXF0
お湯が沸く様子を、ゾフィーが手を休めて眺めている。それだけでメビウスは先程彼の所為で膨れっ面になっていたのも忘れてしまう。
「隊長は、コーヒーがお好きなんですか?」
「コーヒーに、とは限っていないな。今はこの装置の方に興味がある。簡単な化学だが、見た目というのも大事だ。
近い事をタロウは行っていなかったか?」
「はい。コーヒーは『作る』んじゃなくて『淹れる』とか、『いただきます』と『ごちそうさま』とか」
「そうだ。それがわかるのは『良い』ことだ」
ゾフィーに褒められた気がして、メビウスは笑った。コーヒーの香りが柔らかく漂う。カップにサイフォンの中身を移すと、ゾフィーは
手近な椅子を引き寄せ、メビウスにも座る様促した。砂糖とミルクをたっぷり入れたカップをメビウスが吹き冷ましている前で、
ゾフィーは脚を組んで何も入れないカップに口をつける。
「隊長、そのままじゃ苦いですよ?!」
「ん・・・・そうだな。だがこちらの方が香りがいい。どうせ休むのだ。苦くても少しずつ飲んだ方が楽しめるだろう?」
椅子の肘掛に頬杖をついて笑う姿に、メビウスは両手で傾けたカップ越しに見入った。
(こーゆーの、大人の人って言うんだろうな・・・・・)
さっき意地悪してきたのとは全然違う。ゼノンが言うのも分かるほど、格好良い。
「しかしそろそろタロウが迎えに来そうなものだが・・・・」
ゾフィーはまた小型のプレートを取り出した。
「ふん、そういうことか」
タロウの事を言われ、メビウスは気が急いてきた。待っていると約束したのに、今はゾフィーの仕事を手伝って、コーヒーまで一緒に飲んでいるのだ。
百万人の上に立つ隊長はそわそわし始めた訓練生の姿を見て、軽く笑った。
「では、君が飲み終わったら仕事の再開といこう」

208 :フィフストレーニング2-12:2007/02/02(金) 10:05:21 ID:z6f82kXF0
タロウは警備隊の本部へと飛び込んだ。その姿を見た者達が即座に取り押さえようと身構えるが、タロウの姿を認識すると慌てて敬礼する。
(ゾフィー兄さんは何考えてるんだ?!メビウスを訓練所から連れ出すだなんて!!)
しかもあれだけ人目につくような形で。あれはメビウスではなく、自分をからかっているのだとすぐにわかった。
セキュリティーフロアからエレベーターに飛び乗り、隊長室のある階に着くとまた走る。
扉を見ると叩き壊したくなったが、監視カメラの手前とフロア全体の反撃システムを思い出して深呼吸する。
ゾフィーが先にこちらに気付いたのか、扉が勝手に開いた。
「メビウス、大丈夫か?!」
叫ぶのと同時に飛び込み、メビウスを探す。
「タロウ教官!」
嬉しそうな声のする方に視線を向けると、メビウスが仕事をしているゾフィーの隣でプレートを抱えていた。
「随分と時間がかかったな。生徒の容態はもういいのか?」
「こっちにも用事があっ・・・・なんで知っているんですか?!」
「おまえがなかなか来ないから心配していたんだよ」
嘘をつくな、とタロウはゾフィーを睨みつけた。
「生徒の容態って、教官、何が?」
「光線技の課題をしていた生徒達が怪我をしたんだ。建物も破損して、結構騒ぎになっちゃって」
タロウは二人に歩み寄りながら説明する。
「一通りの処理を済ませてきたらメビウスが兄さんに連行されたっていうから・・・・」
メビウスは先程の事を思い出し、顔を赤くした。

209 :フィフストレーニング2-13:2007/02/02(金) 10:06:04 ID:z6f82kXF0
「兄さん、何だってメビウスを連れ出したりしたんですかっ!」
「見ての通り、私の秘書たちが全員定時で上がってしまってね。おまえが居ない間この子が寂しそうだったから、
仕事を手伝ってもらおうと思ったのだよ」
よくもいけしゃあしゃあと・・・とタロウは口にこそ出さないが表情に思いっきり出して隊長を見た。
宇宙警備隊隊長秘書室と言えば、後方勤務の花形だ。大隊長付きよりも競争率が激しい。
あの有能と勤勉が忠誠の服を着ている様な連中が、隊長を放っぽって定時に帰るわけがないのだ。絶対、無理矢理帰らせたに違いない。
「手伝うって、訓練生に何をさせていたんですっ!ここにあるのは全部!機密レベルAAA<トリプルA>じゃないですかっ!!」
「と、AAA?!」
メビウスは無造作に抱えていたプレートを見た。国家機密レベルだ。それが腕の中に10枚以上。
部屋の隅に数百枚。床の上に・・・・。眩暈がしてくる。
「そんな大仰なものばかりじゃない。AもBもある。
ああ、緊張しなくていい。君が持っているのは、今日の銀河連邦政府の議題だ」
メビウスの体が完全に硬直する。連邦政府まで絡む様な大事など、自分からは縁遠いと思っていたのに。
「れ、連邦政府の・・・・・」
震え始めた腕の中でプレートがかちゃかちゃと音を立てた。
「こんなもの、下ろしていい」
タロウがメビウスの腕の中からプレートを取り上げる。
「ま、待ってください!」
メビウスが叫ぶと、残っていたプレートが数枚、床に落ちて起動した。
「あっ・・・・」
「あ・・・・」
「はい、失格」

210 :名無しより愛をこめて:2007/02/02(金) 11:17:59 ID:z6f82kXF0
節分色々>なんかこういう単発ネタ久々に見た気が。
萌えはなくとも楽しいので、嬉しいですww

始球式は噂にだけ聞いたことがあります。流石ウルトラマン!!
野球部、あるのか光の国。楽しそうだな。

211 :名無しより愛をこめて:2007/02/02(金) 12:36:07 ID:z6f82kXF0
本スレ(Part83)の 208 に、吹いたww

212 :名無しより愛をこめて:2007/02/02(金) 13:03:07 ID:/ulX3Owz0
そういえば、以前>>74さんがテンペラー星人のときにタイムスリップっていうネタの話をしてたけど、
ウルトラコックピットのタロウ編がもろその話でした。

ウルトラゾーンでの時空波に歪みが生じてどうのこうのという設定で、
それを調べにいったミライが歪みに飲み込まれて、っていう感じで。

タロウがミライに向かって「君はいったい…?」って言われても、
明るく「メビウスです!タロウ教官!」と答えるミライの天然ぶりはかわいい。

213 :名無しより愛をこめて:2007/02/02(金) 13:24:34 ID:z6f82kXF0
そのコックピットのストーリー、教えて欲しい〜〜!!!
ダメ?


214 :名無しより愛をこめて:2007/02/02(金) 15:18:13 ID:/ulX3Owz0
>>213
ストーリーというのか、基本的にはウルトラマンが負けてしまうと未来が代わってしまう、
電王じゃないけど、タイムパラドックスみたいなのが根底にあるみたいで、
ミライと体験入隊の新入り(プレイヤー)が、がんばって兄さんたちを助けるという話です。
マンからタロウまでそれぞれあって、タロウはここで書かれたテンペラー星人だったし、
微妙に似ている台詞まであるし、74さんは預言者!?と思ってしまいました。

他の兄さんたちと違い、タロウ編は兄弟も出るから豪華な感じです。
それと、ミライは、最初からずっと「タロウ教官」と呼んでますが、
最後、元の世界に戻るときには「タロウ兄さん」って呼びかけに変わるのが、
このスレの読者的にはぐっと来ます。

215 :名無しより愛をこめて:2007/02/02(金) 16:46:14 ID:/VerfGr00
>>208
取り押さえかけられるタロウ教官の勢いと熱さに笑いました。
後々、語りぐさでしょうね。(隊長と筆頭教官で小さなかわいい女の子を取り
合ってる。とか←タロ・メビの結婚式のスピーチなんかで80辺りに語られると
なお良い。)


216 :名無しより愛をこめて:2007/02/02(金) 18:12:47 ID:mREc9PpTO
ウルトラコクピット欲しい・・・
しかしウチのPS2は古すぎて規格外なのが判明・・・orz
DVDプレイヤー買うしかないかな。

217 :名無しより愛をこめて:2007/02/02(金) 18:37:16 ID:rkI1MvZI0
ゾフィーとタロウでメビさんを奪い合う訳かw
長い戦いになりそうw

218 :4コマ ◆nL.tEAkRlc :2007/02/02(金) 21:43:35 ID:rkI1MvZI0
[No.77] お絵描き掲示板です。

219 :名無しより愛をこめて:2007/02/02(金) 22:10:29 ID:G8L5Hx3D0
コクピット、ネット予約してたところが遅延との連絡がきて焦った。
早速キャンセルしてザラスへ今日走ってきた。息子が欲しいといったのはもちろん口実だがww
ついでに娘にも本三冊を買わされ万札が飛んで行った。だが後悔はしていないww
まだガイズ編しかしていないが、自分が新入隊員になってガイズクルーとガンフェニックスに乗り込むので
このスレ的にワンコになった気がしてすげー気分良かったww
ウルトラゾーン編は明日やるつもり。おもちゃの操作は三歳児向けだが、映像はなかなかだと思う。
隊長が思いっきりカメラ目線で「よくやった」とか言うところがツボだった。
チラ裏スマソ

220 :名無しより愛を込めて:2007/02/02(金) 23:02:04 ID:R3yFPILU0
>トレーニング ゾフィーがからかいたいのはやはりタロウなんだろうかな。。?
メビにしてもタロウにしてもからかいがいがあるもんね。
       4コマさんのメビはどんどん美人になるなあ。

息子や甥っ子口実、じぶんもよくやるす。。(^^;)
タイムスリップネタ面白いな、エースだったらゼミストラーの回がイイ

ミライ:タロウ教官!(若い! だけじゃなく何か雰囲気も違う・・)
篠田一郎:馬鹿野郎、俺は太郎じゃなく一郎だ!
ミライ:(こ、こわい・・)この船を動かすのなら、僕、手伝います!
一郎:わからんやつだなあ。この船は俺が動かすんだ。そのときまで絶対に動かないんだ。
オイ、北斗星、コイツ、お前の弟か?
北斗:まあ、そのなんというか・・

一郎:俺はこの船が動く瞬間に賭けたんだ。その瞬間だけは信じられる。
俺は今、誰にも邪魔されず全てを賭けられるものを見つけたんだ!
ミライ:(こわいけど、熱くてかっこいい・・リュウさんみたい・・)


221 :名無しより愛をこめて:2007/02/03(土) 00:58:59 ID:f9oTO+QX0
>鎖
今更なネタで恐縮だけど、明日人VS風間大介のメイク対決てのも見てみたいキガス

明日人「それっていわゆるひとつの・・・ひとつの・・・」
ゲン「コラボレーション」
明日人「そうそれ」


明日人「兄さん・・その役割はちょっと・・・orz」
ゲン「おゝとりゴンと呼んでくれ」

222 :名無しより愛をこめて:2007/02/03(土) 01:39:53 ID:RGGpFCgG0
>>221
うむむ。。風間大介、仮面ライダードレイクっすね!
ゴンちゃんとのコンビは好きだったけど、ライダー物についてはウルトラに
比べて知識がないので、ちょっと宿題にさせてちょw
明日人は子供好きなんで、ウカがらみよりゴンがらみかなー

それにしても「ゴン」という字面で、ドレイクよりゴレンジャー
の総司令を連想してしまう世代なのだわ、自分。。。orz

223 :名無しより愛をこめて:2007/02/03(土) 01:41:14 ID:zWWH/EOU0
>>221 吹いた。

本日の放送に戦々恐々しつつ、投稿しまつ。しかしミライがでてねーorz。


224 :万能の神はいない41:2007/02/03(土) 01:43:25 ID:zWWH/EOU0
 今日は当たりだ、と彼は思った。飛び切りの可愛い女の子が自分に微笑みかけてくれる。
 数あわせで呼び出された合コンだったが、超ラッキーだ。
 彼女も数あわせで呼ばれたのだという。はにかむように笑う。清楚で純情そうなところも
気に入った。耳に輝く青いピアス、首に金色のチェーン。その先に揺れる青。
「青が好きなの? それスワロスキー? ベネチアガラス?」
「違うわ」
彼女は深い笑みを浮かべ、両手で包み込むようにそっと胸元の青い球体に触れた。
「これはね、――よ」

「アヒル?」
 電話口でリュウは間抜け面をさらした。
「アヒルって、あのアヒルかよ」
「そう、アヒルのおもちゃ。お風呂に浮かべるあの黄色いの」
「なんでそんなけったいなもんが」
「笑わずにいてくれてありがとう。俺だったらその単語が出た時点で腹抱えて笑ってるぜ。
嵐でコンテナがぶっ壊れたんだ。それで30,000個のアヒルの玩具が海流に乗って大旅行中。
よりにもよって、そのアヒルの中にとんでもないもん詰め込まれていたらしいって匿名の
垂れ込みが来たんだよ」
「それでオーシャンが嵐治まらぬ中、総出で当たったのかよ。アヒルの回収に」
「いや、アヒル自体が漂流しだしたのは1992年。もう今頃になって何よそれ、って言うか。
そりゃ、合成とはいえ宇宙ケシの抽出物がはいっているなんて通報がきたらガゼネタでも
すっ飛ばさない訳には行かないでしょ。生態系にどんな影響が出るか分らないし、いずれ
海岸に漂着した場合、拾い上げた人間に影響がでたらマジ洒落になんねぇよ」
「しかし、宇宙ケシなんざ・・・何年前の話だよ。ありゃ」
「えーと、ドキュメントUGか。タバコに混入した時は北川町でエライ騒ぎになったやつ。
もう40年以上前だな」


225 :万能の神はいない42:2007/02/03(土) 01:44:59 ID:zWWH/EOU0
「・・・それで出たのか?」
「マジ。でたよ、1体。それでもう上がエライ騒ぎになった」
「3万の中に1体か?」
「・・・まだ1万匹ぐらいが氷河に閉じ込められてる。それに全部調査が終わってない。いま
各国のGUYSの研究所で手分けして捜査中だ。日本に割当てたアヒルから1個出てきた
もんだから、外の国も再度調査やり直し。混じっている確立は少ないって言っても、
ものが超危険物だしな。ただいま各国に通知が行ってるはずだぜ。お風呂用のアヒルの
おもちゃが海岸に漂着した場合は取扱注意って。もうてんやわんや」
「何処がやりやがったのか分かってんのか」
「・・・特定は難しいよ。製造と出航は中国で、アメリカに出荷予定だったアヒルだったけど。
宇宙ケシをそれこそ軍事的に利用できないか裏で研究していたのは1国2国じゃない。
中国も含め、その周辺だけで怪しさ満載の国がごろごろいるんだぜ? 北川町の騒ぎ
だって混入されたタバコは全部回収できたか不明だろ。その後、各国がしのぎを削って
いたって話は確からしいし。アレに敵味方の認識とか命令遂行の技術がつけば敵を殲滅
する人の形をした都合のいい『兵器』が作り出せるんだしさ。何しろ摂取した途端記憶が
なくなるわけでしょ? 証拠残さないわけだし。旧共産圏とか、崩壊した時に合成技術を
持った頭脳流出になったわけよ。核技術ほど話題にはなんなかったけど。以前、女子高で
急に生徒が切れまくって傷害事件が続出した時も、その改良版じゃないかって噂出たしな。
あれは、どっかの独裁国家から流出したんじゃないかって、かなり政治的に不穏な話に
なったんだぜ。結局政治的判断ってやつなのか、表立っては流入経路不明だったけど」
「胸糞悪い」


226 :万能の神はいない43:2007/02/03(土) 01:46:47 ID:zWWH/EOU0
「別口で胸が悪くなる話もあるぜ。日本じゃ大きい騒ぎは起こってないけど、アメリカや
南米でマフィアやギャングの抗争があった時、無関係な人間に投与してさ。それを敵対側
に放り込んで、結果とんでもない無差別多量殺人になったケースもある」
「ミライやツヅキには絶対聞かせたくねぇ・・・」
「まぁね。・・・でもいずれ直面するぜ。特にミライ。一時滞在のワンコと違って、完璧に
長期滞在だろ。お前が生きている限りずっとお前の側にいるわけだし、極普通に生活して
いれば地球で今何が起こっているか、ニュースを遮断するわけにはいかない」
「・・・分かってる」
「それで話は戻すけど、今回はなまじ殆どオリジナルってタイプだから尚のこと流出源の
特定が難しいことになっているらしい。おまけにアヒル自体の製造が随分前ってのも問題
でさ。製造元はなくなっている、輸入先の会社にも殆ど当時の人間がいない。今、情報部
が動いているって噂らしいけど、当時の社長は亡くなっているし、会社の経営権は移って
いる、で、難儀しているらしいよ」
「ったく、怪獣がでねぇってのに人間が一体何してやがる」
「これも侵略者の遺産ってやつかねぇ。人間って本当にウルトラマンに守ってもらう価値
があるのかって時々思っちゃうよ」
「おい」
「分かってるって。愚痴だよ愚痴。こういうことがあるとね。・・・まぁそんなわけで、当分
取り込んでいるからそっちに遊びにいけないってミライには謝っといてくれる?」
「ああ。分かった」
「それとワンコに、引き続いて護衛宜しくって。聞いたよ、ウルトラマンの不要論者から
脅迫が来たって」
「お蔭さんで俺はまったくなんもねぇぞ。むしろサコミズ総監の方が厄介じゃねぇか」
「俺たちの安心料だと思って頂戴。まったく、ある意味厄介なんだよ、お前らって。
守られ慣れてねぇってか。お前もミライも守る側の人間なんだもんなぁ」


227 :万能の神はいない44:2007/02/03(土) 01:49:11 ID:zWWH/EOU0
 こめかみを軽く押さえる。肉体的、というよりは精神的な疲労だ。
 宇宙ケシ騒ぎも加わってGUYSJAPANもぴりぴりしている時期にも関わらず、無理やり
接触してくる相手には辟易する。
「・・・この調子だと本部にも相当いっているかな。向こうの方が遥かに食えない人だけど」
「サコミズ総監・・・」
 気遣わしげなミサキにサコミズは微笑を作る。
「僕は大丈夫。第一こんなもん、ミライやリュウを矢面に出すのに比べたら気楽」
 テレビ電話の会話であっただけ、まだマシだった。直接話していたらこの程度の不快感
ですまなかっただろう。
 ウルトラマンを単に強力な『戦力』と見ない男。この手の権力者や悪い意味で典型的な
軍人と話すのはいつまでも心地よさと対極だ。以前からメテオール技術に対しても難癖を
つけていた(つまり欲しいからこちらにその技術を寄越せ、というわけだ。嫌なこった)。
 そこに、ウルトラマンまでGUYSが抱えている、という噂に目の色を変えている。
 彼らには『メビウス』もメテオールも同じ。GUYSが独占するスーパーテクノロジー、
極めて優れた強力な威力をもつ兵器、一国が独占して保有すればミリタリーバランスを
ひっくり返すことが出来る力でしかない。あんな連中にミライやリュウのことがバレたら
どんなことになるか。メビウスが、ミライが、唯1人の男の側にいる為に地球にいるのだ
と知られたら。何が何でもリュウを確保しようとするだろう。想像するだけでぞっとする。
 ウルトラマンを排除しようとする人間もいれば、手に入れようとする人間もいる。
どちらにも共通しているのは『あの子』個人を見ていないということ。
 ――守ると決めたのだ。義務だからでもなく、頼まれたからでもなく。
 献身に報われることなど考えたこともない、この馬鹿な子供の本質が分った時に。
 例え人類が及ばぬ強大な力を持っていようとも。自分より遥かに長く生き、これからも
遥かに長く生きる存在と分っていても。それ故にか自分を二の次にしがちなこの子供へ、
寄せてきてくれる全幅の信頼と好意以上に愛情を注ごうと自分は決めたのだ。


228 :万能の神はいない:2007/02/03(土) 01:52:22 ID:zWWH/EOU0
 今回はここまででつ。次回こそミライを出したいorz

 ちなみにアヒルの大航海はマジ実話。
 亀とかカエルもいれて29,000個らしいが。

229 :名無しより愛をこめて:2007/02/03(土) 02:09:13 ID:RGGpFCgG0
万能さんだ!深夜の自分のまなかいに宇宙ケシのアヒルが大行進。。
なんてシュールな!!ちょっとマックスっぽいビジュアル。

相変わらずサコミズが良いな。明日(もう今日だが)の放映がどうであれ、
この世界はきっと揺るがない。愛読させていただきまつとも、これからも。

**で、ゾフィー祭りが刻々と近づく今宵。自分も後先考えずにネタを投下することにした。
てか、前スレが落ちる風前の灯なので、前スレから継続してるののつなぎを書いておきたいなと。
自分のほうは設定が揺らぐこともあろうけども、まあそれはそれ。

というわけで「闇の呼び声」再開。

230 :闇の呼び声4 1/7:2007/02/03(土) 02:12:48 ID:RGGpFCgG0
前スレ>>367-372のつづき。時空波に呼ばれたミライの危機。
**
「つまり俺があんたの「イレモノ」になるって訳だな」
タロウとサコミズから、ミライを救うための「方法」を聞かされたリュウは、
憮然とした面持ちで事態を確認する。ガイズ・クルーの面々は、「方法」の
あまりの意外さと、予想される負荷の―リュウが背負うことになるであろう
負荷の、あまりの重さとに圧倒されて声を発することもできずに三人を遠巻きに
する形で立ち尽くしていた。…ミライが陥っているこの事態をともに共有し、
ミライの心と肉体が臨んでいる戦いに参戦する。しかしそのために、今の
ミライと同じだけの時空波の衝撃を、リュウも受けることになる。メビウス
であるミライでさえ、これほどのダメージを受けるものを、リュウもともに
味わう覚悟が要求されているのだ。そしてそれを補佐し、人間であるリュウの
肉体を補強するために、タロウがリュウと一体化するという。…ウルトラマン
と一体化する。すでにセリザワとヒカリの一体化をつぶさに目にしてきたガイズ・
ジャパンの面々にとって、そのこと自体はそれなりにありうることとして認識
できる現象になっている。しかし、その現象によって、一体化した地球人と
ウルトラマンとが、どのように意識や肉体を分け合い、共存していくのかに
ついては、まったく想像もつかない。セリザワの場合、地球人・セリザワをよく
知るのはサコミズを除けばリュウだけだ。他のクルーは、ヒカリと一体化した
セリザワしか知らない。もちろん、ヒカリというウルトラマンが、一体化した
セリザワの意識の影響で、攻撃的でかたくなに見えた性質を次第に和らげて
行ったのは知っている。しかし、後に再び地球を訪れたセリザワは、自分は
セリザワであってセリザワではないのだと、すでにヒカリと一体化して、
新たな存在となっているのだというようなことを、リュウに告げていた。


231 :闇の呼び声4 2/7:2007/02/03(土) 02:15:22 ID:RGGpFCgG0
クルーは、そのときのリュウの、なんともいえないさびしげな表情を覚えて
いる。…ヒカリ、と名づけた当の本人であるくせに、リュウは、ウルトラマン
ヒカリを眼にしても、「セリザワ隊長」としかいわない。それは、ミライが
メビウスであることが分かってから、クルーの誰もが、メビウスに変身した
状態でも、傍らに第三者がいない場合には常に彼を「ミライ君」としか呼ばない
のと同じだ。しかし、ミライの場合は、ミライという地球人はそこに存在して
おらず、姿かたちが変わっているだけで、間違いなくメビウスとミライは同一の
存在であるわけだが、セリザワとヒカリの場合は、本当は違う。ヒカリの中に
セリザワがいる。セリザワの中にヒカリがいる。二人はもともとまったく違う
二つの存在だったのだ。それが混在しているウルトラマン・ヒカリ=セリザワと
いう存在の不思議さ。
もし、タロウがリュウと一体化するのだとしたら、とクルーは思う。それは
どういう存在になるのだろう。変身しているときはタロウ、人間体のときは
リュウでいいのだろうか。それとも、セリザワがそうであるように、
リュウも、人間体のときでさえも、もうもとのリュウではなくなるのだろうか。
(熱血馬鹿は熱血馬鹿でなくなっちゃうの?)…なんだか、それは恐ろしいような
気がする。それとも、サーペント星人に乗り移られながら最後は意識の主導権を
取り返したヒノデサユリのように、リュウはやっぱりリュウのままで、ただ身体
能力だけがタロウのように強靭なものに変化するのだろうか。
 

232 :闇の呼び声4 3/7:2007/02/03(土) 02:17:17 ID:RGGpFCgG0
 リュウの使った「イレモノ」という言葉は、最初に、まだセリザワの意識を
完全に封印した状態で人間体の姿のみ利用しようとしていたころのヒカリ=ツルギ
によって発せられた言葉だということを、クルーは知っていた。リュウが、その
言葉にどれほど反発し、傷つき、悲しんだかを、クルーは後になって知った。
ミライをメビウスだと知り、ウルトラマンの一族が地球にかける思いをも知り、
今は「ともに戦う」同志としてウルトラマンという存在を認識しているけれども、
それでも、リュウの心のどこかに、ミライ=メビウス以外のウルトラ族に対して
構えてしまうところがあるのを、クルーは知っている。というよりも、クルーの
面々自体がそうなのだ。ウルトラマン、というものに対して敬意を払っている。
友愛の気持ちも持っている。けれども、それはどこかで畏敬とでも言うべき恐れの
気持ちとつながっている。ミライは別だ。かけがえのない仲間だ。人間体をとって
自分たちの前に現れたウルトラマンたち、レオや80も、話してみれば人間くさかった。
人間として地球を愛し、友や恋人や教え子に慕われていた。それはわかるのだ。
けれども、やはり、光の超人であるウルトラ族という存在に、どこかでまだ距離を
置いている自分たちがいる。(…それがもし、メイツ星人と対したときの、あの恐れと
どこかでつながっているのだとしたら、僕たちは、まだまだ未熟な種族なんだろうな)
テッペイは自嘲気味に心の中でつぶやいた。(でも、しかたがないことだ。それとむき
あって、少しずつ克服していくしかないんだ。…それなのに、いきなり、一体化なんて
こと、できるものだろうか?)セリザワやサユリは、「一体化」現象を体験したとき、
臨死状態にあった。ひとつの生命を、ふたりが分け合う。そのような奇妙な事態は、
一方が生命反応を失おうとしていたからこそ可能だったとも言える。逆に言えば、
そのような状態で肉体を他の生命体に貸し与えたにもかかわらず、後に主体としての
意識を取り戻したということは、いかにこの二人が強靭な精神を持っていたのかと
いうことを証明するものでもあるのだろう。リュウの場合は、どうなるのか?


233 :闇の呼び声4 4/7:2007/02/03(土) 02:18:44 ID:RGGpFCgG0
クルーは知らない。ガイズのドキュメントには記録されていないが、かつて
ウルトラマンたちが、地球に滞在したとき、ミライのように、当人が姿を変えて
人間に変身するよりも、臨死状態に陥った人間―往々にして当時の防衛チームの
一人―に一体化していた例のほうが多かったということを。しかし、もし知って
いたとしても、クルーの懸念があながち杞憂だとも言い切れなかったかもしれない。
戦いが終わって、一体化していた地球人が「分離」された例もある。だが、その
間にあった記憶はもちろん残らなかった。記憶を消されただけだったのか、実際
は意識を封印されて主体ごとウルトラ族にからだを貸していたのか、それは分か
らない。そして「分離」せずに「一体化」したままで、地球を離れ、セリザワと
同様にウルトラ族としての人生を生きていった例もあった。そうした例の中で、
最終的には「分離」を果たしたとはいえ、戦いの終わりを見届けて、「一体化」し
たままで、むしろ地球人東光太郎としての人生をともに生きていくことを選んだ
ウルトラマンタロウが、ある意味例外的な存在であることも、もちろん、クルー
の面々の知るところではない。

 リュウの脳裏にひらめいたのは、ヤプールに憑依されたときの体験だった。
その間のことはまったく記憶にない。だが、あとでミライが教えてくれたのは、
自分の無意識は、完全に封印されたのではなく、きちんとミライに語りかける
ことができていたということだ。しかし、自分はそれを覚えていない。操られ
ていたときの自分は、まさに「イレモノ」だったのだろうと悔しい思いをした。
今度もそうなるのかな?教え子を助けに行こうとするウルトラ族の教官の
「イレモノ」として、ミライのあとを追う。姿かたちは自分でも、意思はこの
タロウのものなのだろうか。一体化しているときはそれなりに無意識の力で
憑依するタロウや、目の前にいるミライに訴えかけることができるとしても、
後でその記憶は消えてしまうんだろうか。…それでも、かまやしねえや。
ミライをそれで助けられるんなら、俺は別にかまわない。からだなんか
いくらでも貸してやらあ。


234 :闇の呼び声4 5/7:2007/02/03(土) 02:20:18 ID:RGGpFCgG0
挑戦的な目で、見据えてくるリュウに、タロウは穏やかに言葉をつないだ。
「そんな言い方をするな。一体化といっても一時的なものだ。行動の際の
意志決定も、感情や思考の主体も、きみのものだ。むしろ私のほうがきみの
肉体を強化する「イレモノ」に徹する」金色の目が静かな光をリュウに注ぐ。
「ツルギとセリザワ君の場合とはちがう」
リュウは目を見開く。
「君たちにとって、一体化のイメージとして一番強烈な例だろうからな。
だけど、一体化、というのは決して稀な現象ではない。むしろ、一時的な
融合はわれわれの世界ではよくあることなんだ。そんな短い期間で、融合
した存在と、分かちがたいほど同化してしまうことのほうが、稀だ。
侵略者が対象とする星の住人のからだをを利用するとき、相手の意識を
封鎖したり消滅させたりするのは、そのほうが仕事がしやすいからだ。
彼らは、時には、封鎖した相手の意識の中身に土足で踏み込んでスキャン
し、勝手に持ち出したり悪用したりさえする。われわれも、相手の意識を封鎖
することがあるが、その場合は、そのほうが相手の主体を結果的に侵食する
度合いが低いということがある。憑依されるほうにとっては同じかもしれない
がな。だが短期間の融合ならそのほうが影響が少ないことが多いのだ。
…しかし、今回は、少し事情が違う。私は、むしろ自分の意識を封鎖する
形で君との一体化を果たすつもりだ。君がよほどの緊急状態に陥って私を呼び
出さない限りは、私の意識は閉じられた状態になる。しかし、君の肉体は私の
からだと融合することで、メビウスと同様の、いや、それ以上の強靭なものに
なるはずだ。したがって、時空波によるダメージも、当座はメビウスほどの
衝撃を受けずにすむはずだ。…リュウ君、君はその強靭な肉体を駆使して、
ミライの幻覚世界へ飛び込み、そこにとらわれそうになっているミライを救い
出してくれ。ミライを呼んでいるものの正体を突き止めて、そいつを倒して
くれ。これからの行動の判断の主体は、すべて君のものだ。きみが、ミライ
を、メビウスを救うんだ。」


235 :闇の呼び声4 6/7:2007/02/03(土) 02:22:03 ID:RGGpFCgG0
「なぜだ?何もそこまでしなくてもいいじゃねえか」リュウは赤い超人を
見つめた。挑発的な色は消え、真正面からその真意を問おうとするまなざしに
なっている。「それじゃ、融合している間、あんた自身の意思は、どうなる?」
「無意識のようなものは潜在的に残っているかもしれないが」タロウは苦笑する。
「基本的に私自身の意識は残さない。そのほうが君もやりやすいだろうしな」
…そう、今回はこころを封鎖する。メビウスを助けたい、その思いは君と同じ
だと、信じているから。私個人のこころは今は閉じて、ただひたすら戦う細胞の
鎧となる。そして君に賭ける、リュウ君。


236 :闇の呼び声4 7/7:2007/02/03(土) 02:23:21 ID:RGGpFCgG0
「ただし、それは融合してから20時間の間だけだ。20時間の間、私は自分の意識を
眠らせる。ひたすら細胞レベルでの、きみの肉体の増強に全力を注ぐ。」
「20時間?」「そうだ。メビウスの体力の限界はあとわずかだ。延べ一日、あと24
時間あればいいほうだと思う。」「そんな!」
「だからその間に、君はメビウスの幻覚世界で彼を見つけ出し、彼を呼ぶものを
たたいて彼を連れ戻さなければならん。大仕事だ。」「わかった」
「もうひとつ、20時間というのは、君の限界でもある。」「俺の?」「そうだ。
時空波の衝撃は強烈だ。私が力を貸したところで、ダメージは回避しようがない。
いいか、リュウ君。20時間たったら、状況がどうであろうと、私は君を分離して
こちら側へ戻す。また、別の事情が生じて、肉体的に君の限界を細胞レベルで感知
したら、即座に分離して戻す。でなければ、君の心身は破壊されてしまうからだ」
「そんな!ぎりぎりまで時間をくれ。」
「だめだ。メビウスを限界ぎりぎりまで苦しめる気か?仕事は早くしろ。」
リュウは唇を噛む。「分かってる。だけど、万一のときは、おれがどうなっても、
あいつをそれで救える可能性があるなら、最後までやらせてくれ」「だめだ」「なぜだ?」
「きみにはわからないのか?もしメビウスが時空波から解放されても、君を失っ
たら、君がもとのままのきみでなかったら、同じことだ。あの子は別の心の闇の
中に引き込まれて帰ってこれないだろう」リュウは言葉を失う。
「命がけで戦うのは、笑顔で仲間に会うためだ」タロウは言った。「メビウスは
インペライザーとの戦いで、そう私に言った。大切な人が、教えてくれました、
とそういってね」
それは君の事なのだろう?リュウ君。「君は、限られた時間の中で、最大限に力を
尽くせ。そして必ずメビウスを救うんだ。…大丈夫、君ならできる。」

**今回ここまで。後は祭りが終わって。。どうなるやら。。

237 :4コマ ◆nL.tEAkRlc :2007/02/03(土) 02:49:03 ID:5D5G88bw0
村下○造「ひだまり」を聴きながらss読んでたんだけど、
ss職人さんの展開のおもしろさに再生止めてしまった!
宇宙ケシのこと今から調べてみる。たぶん笑える?。。。orz
闇さんタロウ登場!こっちのタロウさんは、大人だねえw



238 :名無しより愛をこめて:2007/02/03(土) 08:19:34 ID:Hkkb30Pb0
>>230-236
久々闇キター!!!タロウかっこえーーー!!そして泣かせる・・・
>>224-227
ミライでてこなくとも堪能してる、GJ!
・・・しかし今日の放送で設定に・・・?orz・・・まあ気にすんな、アミーゴ。

239 :名無しより愛をこめて:2007/02/03(土) 13:55:01 ID:FNUAVngA0
闇待ってたよー!緊迫感がひしひしで、ホント引き込まれます。
出来れば、もう少し改行がスムーズだともっと読みやすいかなと思います。
(自分も人の事言えないんですが;)

>>220 スナック・ゴン…同世代かもw
おかげで幼少の頃「スナック」=「子供も入れる普通の喫茶店」と思い込んでた。

240 :名無しより愛をこめて:2007/02/03(土) 13:58:05 ID:FNUAVngA0
安価間違った…上のは>>222 宛で。スミマセヌ

241 :4コマ ◆nL.tEAkRlc :2007/02/03(土) 17:10:47 ID:5D5G88bw0
[No.78]お絵描き掲示板です。
きらきら〜花びらの舞う〜春の午後には〜♪(意味不明)

やってきます!ゾフィー祭り!ww 後、25分後です。

242 :恵方巻たびた。1/2:2007/02/03(土) 19:19:34 ID:FNUAVngA0
祭りの余韻冷めぬ中、空気読めてないネタ投下。時節ネタなんで…

〔ディレクションルームにて。豆まきを終えて帰還したクルーたちの前に、太巻の大皿〕

リュウ「うぉ、恵方巻か!すげえ、こんなにいっぱい!」
ミライ「えほー…まき?」  ←「ぱえー…りあ?」のイントネーションで
サコミ「日之出さんが、特別に差し入れで作ってくれたんだよ」
テッペ「…まさか、トマトは入ってません…よね?」
マリナ「すごいわあ、海苔に『GUYS』ってロゴまで入ってる」 ←ラーメン屋でよく見ます
ジョー「マードレ、粋な事を…グラシァス!」
コノミ「じゃあ、あたしお茶いれて来ますね」
ミライ「あ、ボクが行って来ます!皆さんお腹すいたでしょうから、先に食べててください!」

 しかしすぐ戻るつもりが、給湯器の故障やらお茶の葉切れやら自販機も売切れやらで思わぬ時間をくう

ミライ「(うわー遅くなっちゃった;リュウさん喉に詰めたりしてないかな;)…すみません!
   食堂までお茶もらいに行って、日之出さんにお礼言ったりしてたんで遅くなりました!」

  しかし反応がない。ミライに完全に背を向け、ミライの声など聞えていないかのように
  黙々と太巻を頬張り続ける一行の姿。

ミライ「(あれ…無視されてる?お茶持ってくるのに20分もかかったから?それとも豆まきの時、
   つい楽しくてリュウさんにいっぱい豆ぶつけちゃったから?)あのー、リュウさん…」

リュウ「・・・・・・(バカっ、今話しかけんな!モグモグ)」
ジョー「・・・・・・(だからもう少し待とうって言ったのに…モグモグ)」
マリナ「・・・・・・(熱血バカが腹減った腹減ったって騒ぐから…モグモグ)」
テッペ「・・・・・・(しかもこの恵方巻、かなりデカくて…モグモグ)」
コノミ「・・・・・・(ゴメンねミライくん、もうちょっと時間かかりそう…モグモグ)」
サコミ「・・・・・・(誰も恵方巻の作法ミライに教えてなかったのか…モグモグ)」


243 :恵方巻たびた。2/2:2007/02/03(土) 19:20:54 ID:FNUAVngA0
ミライ「(涙目)…ごめんなさいごめんなさい!お茶遅くなっちゃって、豆いっぱいぶつけちゃって、
   ついでに年の数だけ豆食べようとして皆の分まで食べようとしちゃってごめんなさい!
   他にもたくさんいつもいつも迷惑とか心配とかかけちゃってごめんなさい!だから、
   だから…今まで通り仲良くしてください!嫌わないでください〜!(ダム決壊涙)」
リュウ「ぶほっ(盛大に噴く)ゲホゲホ…ブゎカ、そんなんじゃなくてっ!あーあ、あともうちょっとで
   食い切るとこだったのにっ!」
ミライ「わー、またリュウさん怒った〜!ごめんなさい〜゚・*:.。. .。.:*・゚゚・つД`)・゚・ ホントニボクハワルイコデス」 タタタッ
リュウ「おっおいミライっどこ行くっ!待てよっ!」
サコミ「(何とか食べきった…ぎりぎりセーフ)リュウ、追いかけるならこれも一緒にね」
リュウ「え、…2本も?(つか、この人ちゃっかり食い終わってるし)」
サコミ「もう一度やり直してきたら?さっきのはノーカウントで、今度はミライにもちゃんと食べ方教えて、ね」
リュウ「隊長…GIG!」

…そして二人、無言で願掛けながら美味しく恵方巻食べている頃。
 ミライのいつもながらの潔すぎる謝りっぷりにむせまくり、完食間近で声を発してしまった他のクルーも、
 2本目を食べてたりします、多分。           (終わり)


244 :名無しより愛を込めて:2007/02/03(土) 20:27:46 ID:RGGpFCgG0
本編、面白かった!いろいろつながってくなー。今日はコクピットの台詞にみんな気をつけてましたね。

>>恵方巻き、楽しませていただきました!ミライ可愛すぎ。。「願掛け」の中身が激しく知りたいw
自分は今日恵方巻きを食べ損ねたが、後で豆だけは食べよう。。orz

245 :名無しより愛を込めて:2007/02/03(土) 20:39:24 ID:RGGpFCgG0
>>239 改行、気をつけるようにします、ありがとう!自分でも読んでて目がチカチカする。。

何かものすごくスレが下がってるんですけど、大丈夫なのかなあ?とりあえずこのレスはsage進行にしますが。。

246 :名無しより愛をこめて:2007/02/03(土) 21:26:59 ID:5D5G88bw0
恵方巻きネタ、題名の「〜たびた(マリナ隊員ブログでお馴染み)」でいきなしツボ!www
ホノボノして良いですね。今日も良い日だ!

247 :名無しより愛をこめて:2007/02/03(土) 21:56:49 ID:Hkkb30Pb0
>>245
下がってても大丈夫だから。だから無理にageないようにまったり行こうぜ、アミーゴ

248 :名無しより愛を込めて:2007/02/03(土) 22:45:00 ID:RGGpFCgG0
>>247 GIG! ありがとう。

249 :闇の呼び声5 1/7:2007/02/04(日) 00:57:54 ID:JvXfSDDL0
連夜で失礼。これを入れたら次は週明け後半かもう少し後になるかと。改行難しい。。
**
タロウは、てきぱきとした態度で、リュウに向かって「方法」の手順を説明していく。
「まずメビウスの神経の状態をスキャンする。それから、君と融合する。融合したら
直ちに神経と脳波をメビウスのそれにあわせて拡張する。そうすると、神経と脳波の
シンクロナイズによって、君はメビウスと同じ世界を見ることができる。
だが、いきなりメビウスに会えるわけではない。幻覚世界の深奥にすでにあの子は
近づいてしまっているからな。君はその世界のどこかでさまよっているはずのメビウスを探して、引き込まれるのを阻止し、あの子を呼んでいるものを倒す。メテオールで映像化した、メビウスの幻覚世界とあわせて、君の見る幻覚世界もこちらで映像化再現できる」
赤い超人は、いまだに表情の硬いガイズ・クルーのほうにも眼をやる。
「二つの光景が一致すれば、それは幻覚世界で二人が出会えたことをあらわしていると
考えてくれ」
クルーは壁に映し出されているものを見やった。ミライの様子が安定してから、
その幻覚世界を映し出しているとされる映像は、穏やかなセピア色の色調が主体に
なっていた。
「今ミライは、あちらの世界で少しばかりうたた寝でもしている、そんな感じだろうな」サコミズがつぶやくように言った。「だが、眼が覚めればまた幻覚世界のつづきだ。
少し体力はもどったかもしれないけど、時空波の呼び声が続くかぎり、また消耗が始まる」


250 :闇の呼び声5 2/7:2007/02/04(日) 00:59:35 ID:JvXfSDDL0
 その消耗と、時空波の牽引への必死の抵抗が、こちら側のミライの肉体を襲う
あの激しい苦悶なのだろう。ミライはどこかで、今見ているのが幻覚なのだと、
分っているのかもしれない。引き込まれてはならないと、必死に戦っていると
いうことなのだろう。クルーは改めて、さっきサコミズが入ってきたときに
説明したことを実感した。

「私との融合によって、リュウ君はいくつかの超能力を得ることになる。
まずはテレパシーだ。君はそれを使ってメビウスに呼びかけることができる。
それから、完全とはいえないにせよ、こちらの世界との通信もできるはずだ。
ただその対象は、ひとつに絞ったほうがいい。この場合、サコミズ君を受容体と
して念じるのが一番いいと思う。」タロウが意味ありげな眼でサコミズを見る。
サコミズは肩をすくめてうなずく。「まあ、司令塔だからね」
「あと、ちょっとした透視能力も身につく。それから通常の視力や聴力も、
普段よりもずっと鋭くなると思う。…リュウ君の銃には、異次元空間閉鎖に使った
メテオールを装填しておく。敵を確認したら、それを使え。敵を粉砕するだけではなく、
メビウスを飲み込もうとする異空間の磁力を弱めるのにも有効なはずだ」


251 :闇の呼び声5 3/7:2007/02/04(日) 01:00:36 ID:JvXfSDDL0
一通りの説明を終えると、赤い超人は、静かに、眠っているミライのほうに
近づいていった。リライヴ光線の効力で、さいぜんまでの苦しみからひと時
解放されて、静かな寝息を立てているミライの体の上に、タロウは手をかざす。
ミライが、眠ったまま、上半身を起こした。その頭上に、さらにタロウが手を
かざす。不思議な光がミライのからだから放射され、タロウの赤い手の先へ
と吸い込まれていく。
(ああして、神経と脳波をスキャンしているのか)テッペイはその不思議な
光景に魅せられる。
「う…ん…」不意にミライが声を発した。目を覚ましたわけではない。その
瞼は依然として堅く閉じられたままだ。再びうなされ始めたのか、それとも
寝言のようなものなのか、心配する周囲をよそに、ミライの口元はかすかに
ひらいて、ひとつの言葉を発した。「タ…ロウ…教…官…」

 赤い超人は、はっとしたように、スキャンを続けていた手を一瞬止めかけ、
ミライの顔を見つめた。だが、それ以上、ミライの唇が言葉を発することは
なかった。そのまま超人はスキャンを終え、起こしていたミライの上半身を
元のとおり横たわらせるべく、かざしていた手の向きを変えかけたが、次の
瞬間、かれは、ふいに激しく頭を振ったかと思うと、白い光に包まれて眠った
まま身を起こしているミライのからだを、思い切りその腕に抱きしめた。
赤い腕が、背中が、ぶるぶると震えながら、生死をさまよう愛するものの
魂を、けして離さぬと叫ばんばかりにかき抱いている。ホーンをりりしく
押し立てた銀色のマスクが、胸に挿しつけたミライの髪に、いとおしそう
にうずめられている。それは、見ているものも胸が痛くなるような、切ない、
だが不思議な光景だった。


252 :闇の呼び声5 4/7:2007/02/04(日) 01:01:47 ID:JvXfSDDL0
(ドキュメントで見た…)テッペイは思う。(バードンが現れてタロウが一度
命を落としたときのゾフィーだ…そしてそのあと、ゾフィーが死んでしまった
ときにウルトラの母がやっぱりあんなふうに…)
(やっぱりだ…)コノミは思う。(タロウ、ミライ君のこと、ほんとに大切に
思ってる。タロウにとって、ミライ君は、ものすごく大切な、かけがえのない
教え子なんだ)保育園の子供たちの、一人ひとりの顔が、コノミの脳裏に浮かぶ。
(おんなじだ…俺たちとまったく同じなんだ、大切な誰かを思う気持ち)
ウルトラマンという存在への、子供のころからの畏敬と憧れが、また新たな形で
昇華していくことに気づくジョージ。(やっぱり最高だ、最高のアミーゴなんだ、
俺たちにとって、ウルトラマンは)
(熱血馬鹿…あんたが一体化しようとしてるウルトラマンって、もしかしたら
ものすごく強力なあんたのライバルなのかもよ。…ううん、きっとそう。でも、
きっと、だからこそ、間違いなくあんたは、あんたたちは、ミライ君を助ける
ことに成功する、間違いなく、きっと!)目じりににじむ塩辛いものをこすり
こすりしながら、マリナは花のような笑顔を、リュウのほうに向ける。(リュウ…?)


253 :闇の呼び声5 5/7:2007/02/04(日) 01:02:52 ID:JvXfSDDL0
リュウは、赤い超人がミライをかき抱く姿を、黙って見つめていた。われを忘れた
かのような一瞬間ののち、タロウはミライをその腕から放し、再び手をかざして
そのからだを元通り横たわらせると、静かにクルーのほうへと戻ってくる。
「メビウスの神経と脳波をスキャンし終えた。リュウ君、次はわれわれの番だ」
リュウは眉を上げて射すくめるようなまなざしをタロウに向けた。「待てよ」
「何だ」
「融合しちまう前に、確認しておきたいことがある」
「手短かに頼む。あまり時間はない」
クルーははらはらしてリュウの様子を見守った。さっきのタロウの行動に、
リュウはもしかすると嫉妬して腹を立てているのか。融合について、拒否を
申し出るのか。


254 :闇の呼び声5 6/7:2007/02/04(日) 01:04:06 ID:JvXfSDDL0
「あんたは俺との融合に際して、あんた自身の意識を封鎖するといった」
「ああ。そのほうが君にとってやりやすいと思うからだ」
「やめろ」「何?」
「封鎖するな」「何を言う」
「意識を封鎖なんかするな。…セリザワ隊長とヒカリのように、意識を共有
して一緒に行こうぜ」リュウは、無骨な面だちに驚くほど暖かさに満ちた笑み
を浮かべた。「なあ、タロウ教官」
「リュウ君…」
「俺たちは、どっちがイレモノでもない。どっちが中身でもない。一心同体と
いうやつだろ?…心を封鎖なんかするなよ。一緒にミライに呼びかけようぜ。
一緒にミライを探そうぜ。そのほうが、きっとあいつ、俺たちに気づきやがる」
リュウはまっすぐにタロウの金色の瞳を見る。「あんたが俺を補強してくれるようには、
俺はあんたに何もできない。超能力もない、ただの人間だからな。だけど、あんたが
俺を選んでくれたのは」
「私が君を選んだ理由は、君の力こそがメビウスを救うのに必要だからだ。
あの子は君を求めている。その声が私には聞こえた」
「だったら俺たち同等じゃねえか。あいつ、あんたのことも呼んでたぜ、ちゃんと。
なあ、あいつを探すときに、あいつのこと、話しながら行こうぜ。あいつの好きなもんや、
あいつの嫌いなもんのこと。……一緒に行こう、タロウ教官」
リュウは右手を差し伸べる。「しばらくの間、よろしくな」
タロウはしばらく黙ったあと、改めてリュウの目を真正面から見つめなおしてうなずいた。
「ああ。こちらこそよろしく、リュウ」
赤い手と無骨な手とが重なった。 


255 :闇の呼び声5 7/7:2007/02/04(日) 01:09:02 ID:JvXfSDDL0
サコミズがクルーの面々を振り返った。「実際に幻覚世界へ参入するのはリュウ
だが、われわれにもこちらでできることがある。テッペイ、君は時空波の波長と
周波数の観測を続けてくれ。こちらのスコープでミライとリュウの脳波とのシン
クロ具合を確認しながら、二人の生物学的数値が危険になったらすぐに対応して
くれ」「はい」
タロウが緑色の発光体キューブをテッペイに渡す。「さっきのリライヴと同じ効果
がある。状況に応じて照射してくれ」「ありがとうございます!」
「ジョージとマリナは、ガン・フェニックスで出動の準備を」「え!?」当惑し顔
を見合わせる二人。「ミライのいるこの幻覚世界は、こちら側の世界の記憶映像を
素材にしながら形成されている。時空波の衝撃によって、ミライの記憶やイメー
ジにある風景が増幅されたりゆがめられたりして作り出された心象風景なんだ。
だから、われわれは、こちら側の世界でその素材となっているものの手がかりを
探る。それによって、ミライをおびき出しているものが、ミライの心の何につけ
こもうとしているのかを知ることができるかもしれない、…二人はミライがよく
行く場所や、ガイズの出動にあたって赴いた場所を調査してほしい。コノミは、
過去の出動データから二人に場所を指示して。」「はい!」「この幻覚世界の映像は
フェニックスの機内でも視聴可能だ。ノイズがひどいが、もし何か聞こえたら
マリナ、すぐ報告して」「GIG!」
「…ミライ君、がんばってよ!」「ミライ、おれたちが必ず見つけ出してやるからな」
マリナとジョージは、堅く目を閉じたままのミライに声をかけ、メットを手にする。
「あんたもしっかりね」リュウを見やるマリナ。「アミーゴ、たのむぜ」ジョージの
かざした手にリュウが自分の手をぱしりとぶつけた。「おう、まかせとけ!」「んじゃ
行って来る」
 サコミズとタロウとに、威儀を正した黙礼をしてから、あわただしく二人は出て行った。


256 :名無しより愛を込めて:2007/02/04(日) 01:12:02 ID:JvXfSDDL0
ここまででつ。しばらくまた調整しまつ。

257 :名無しより愛をこめて:2007/02/04(日) 04:33:56 ID:VuKeVDW80
>>249-255
連投トンクス!!今夜も激しくGJ!!タロウ教官・・・(つд`)アレ、メカラナニカ


258 :名無しより愛をこめて:2007/02/04(日) 10:30:24 ID:9xYHbHna0
hosyu

259 :名無しより愛をこめて:2007/02/04(日) 19:22:49 ID:SnC665+D0
[No.80]お絵描き掲示板です。

260 :名無しより愛をこめて:2007/02/04(日) 21:31:05 ID:VuKeVDW80
このスレを見ている人はこんなスレも見ています。(ver 0.20)
ゲゲゲの鬼太郎の同人 [同人]
・・・他にも見てるスレくらいあるだろーよ、なのになんでこれだけorz
チラ裏スマソwww

261 :名無しより愛をこめて:2007/02/04(日) 22:33:09 ID:VrUM1HTL0
スレ違いだが、実写鬼太郎は面白そうだと思ってます。

>闇 リュウも男前やの〜。。

262 :名無しより愛をこめて:2007/02/04(日) 23:59:32 ID:ZG6QEG1D0
IEで見ると残るんだよ

263 :名無しより愛をこめて:2007/02/05(月) 00:45:22 ID:UTdJv9Po0
専ブラの人が殆どって事か

264 :The Hanged Man.01:2007/02/05(月) 01:17:48 ID:nJ9YNYnK0
えーと、新シリーズ行きます。
正直、長めの話で萌えは話の終盤にしかないんですが;
訓練所時代、ちょいと特殊なキャラクタがちょこちょこ出ます。


80「メビウスですか、強いんですけどね、あの子」
タロ「まー、確かに。ホログラム機なんかが相手だとヒット・アンド・ランで
 ほぼノーダメージだしな。潜在能力も高そうだしぃ」
80「(なんか妙な語尾が)なにか不満でも?」
タロ「教え方がわからん。タイプが違いすぎる」
80「そうですね、少し打たれ弱いところがあるので組み手を優先に」
タロ「しかし他の訓練生では逃げられて組めない」
80「ああそういえば・・・それなら貴方では?」
タロ「組めることは組めるんだが、どうも細すぎて壊しそうで」
80「足も長いしなー、新世代なのかなー」

タロ「そういう話がしたいんじゃなくてだな、80」

80「メビウス熱心じゃないですか、なにが不満なんですか」
タロ「なんのための強さなんだろう」
80「まあ、でも訓練生は皆そんな感じだと思いますけど?」


265 :The Hanged Man.02:2007/02/05(月) 01:18:54 ID:nJ9YNYnK0
レオ「メビウスですか。倒すことは出来ますが、組むのは正直難しいですね」
タロ「教官職にシルバー族がいないしなぁ・・・80は戦闘訓練嫌だと言うし」
レオ「どちらかというと訓練生にも今はレッド族が多いんですよね」
タロ「時々偏るね、突出したのはシルバー族とコンスタントに出続けるけど」
レオ「そういえば、メビウスってどちらでしたっけ?」
タロ「当人にもよくわかってないらしい、僕と同じく混血らしいが」
レオ「意外とタロウにもシルバーの特徴がありますよね」

タロ「そんなもんかなぁー・・・」
レオ「なんだかだれてませんか?」
タロ「レオさんさぁ、地球に帰りたいって思うことない?」

レオ「なんですかいきなり」
タロ「ほぼ同じ立場なのって君しかいないしー」
レオ「・・・なんか喋り方が妙ですよ」


266 :The Hanged Man.03:2007/02/05(月) 01:19:57 ID:nJ9YNYnK0
メビ「よっと!」
訓練生A「だぁぁぁ、また負けたーっ」
訓B「おっかしいなぁ、なんで3対1でも勝てないの?」
訓C「力は同等なんだけど掴めないのがどうにもならんー...orz 疲れた」

訓D「おっつかれー、どしたの、メビウス?」
メビ「いえ、なんか・・・」


ゾフ「ふぅん、当人が気付いてはいるのか」
タロ「それが救いというかなんというか」
ゾフ「そうか? なかなかすごいと思うが、要するに相手の動きを把握するのが
 早いのだなあの子は。我々のスタイルには役に立たないが、損もなかろう」
タロ「てか、なんで兄さんまでメビウスを見に来てるんですか」
ゾフ「お前がやけに気に掛けていると聞いて、かな?」


今日はここまで。

267 :名無しより愛をこめて:2007/02/05(月) 01:59:56 ID:/EYO9Amb0
おお!新しい連載が!楽しみっすw
タロウ、バーニングアウトかよーーww

268 :フィフストレーニング2-14:2007/02/05(月) 10:34:08 ID:tpqmGCyF0
ゾフィーは席から立ち上がってプレートを拾うと、ちゃんと動くか数回起動させた。そしてメビウスの方を見る。
「落とすな、と言ったはずだな?」
「あ・・・・あ・・・・」
「余計な事を言って落とす様に仕向けたのは誰ですかっ!!」
タロウはメビウスの腕から取り上げたプレートを机に叩きつけると、ショックで呆然としているメビウスの肩を抱き寄せる。
「乱暴に扱うな。おまえは感情的になると物をぞんざいに扱う。
だが」
ゾフィーは手に持っていたプレートを再度起動させ、タロウに向けた。
「こんな金属の板きれ一枚でも、100億の命が救える」
その言葉に、メビウスは弾かれた様に顔をあげた。タロウはメビウスの肩に乗せている指先にぎゅっと力を篭める。
ゾフィーは再びメビウスへと視線を落とした。
「たった一言で動揺することは戦場でもある。気をつけるんだ」
そういうと再び席につき、二人などまるで存在しないかの様に仕事を再開する。
タロウはしばらくゾフィーを睨みつけていたが、メビウスを抱える様にして回れ右をする。
「サイフォンが残っているぞ」
「いりませんよ!」
乱暴な音を立ててドアが閉まると、ゾフィーは椅子に背を預けて大きく溜息をついた。
「やれやれ・・・・」
しばらく瞠目していたが、ノックの音に顔をあげた。
「失礼します」
「隊長、長時間休憩、終了いたしました」
勝手に中に入ってきたのは、数時間前に帰した秘書たちだ。これには流石のゾフィーも開いた口が塞がらなかった。
「おまえ達、今日は定時に帰れと命令したはずだが・・・・」
「そうでしたか」
「申し訳ありません、伝達ミスが生じた様です」
「これより業務に復帰いたします」
席につく部下達に、ゾフィーは別の意味でまた溜息を吐いた。
「全く良くできた部下だよ、おまえ達は・・・・」

269 :フィフストレーニング2-15:2007/02/05(月) 10:35:42 ID:tpqmGCyF0
タロウは怒りに任せて大股で歩いていた。
「まったく、あの人は・・・・!」
人を散々からかった挙句に説教までする。しかもメビウスの目の前で。
タロウの場合、地球でいうなら「おねしょの数まで知っている」間柄だ。放って置いたらどんな過去のことまで引っ張り出して恥をかかせるかわかったものではない。
「メビウス、あんなの気にしなくていいからな!」
だが、腕の中の重さが不意に増した。肩を抱いていたメビウスが立ち止まったのだ。
「メビウス?」
慌ててタロウは体を屈めてメビウスを覗き込んだ。呆然と見開いたままの瞳から、不意に大粒の涙が零れ落ちた。
「め、メビウス?!ああ、いい!泣かなくていいんだ!気にしなくても・・・・」
「で、でも・・・ぼ、僕・・・ゾ、ゾフィ、たいちょ、に・・・き、嫌われ、ちゃった・・・の、か・・・な・・・」
しゃくりあげた自分の声に、泣いていることを認識したのか、しきりに溢れてくる涙を両手で拭う。
「大丈夫だ。兄さんは君の事を嫌ってなんかいないよ。本当だ」
タロウはメビウスを抱き寄せ、何度も頭を背中を撫でる。時折ぱたぱたと涙がタロウの肩口を濡らした。
「で、でも・・・ちょっと、だけ、仲良く・・・なれた、と、思った、のに・・・ぼ、僕が落とした、から・・・・」
「あれは私だって落とした。怒られたのも一緒だ。だから、もう泣かなくていい」
「う、うえ・・・・ひっく・・・ひっく・・・・」
なかなか泣き止まないメビウスに、タロウは近くにある会議室を勝手に拝借した。椅子に座るとメビウスを自分の膝の上に乗せる。
「大体あの人は意地が悪いんだ。すぐに人をからかうし、何かっていうと『兄の命令は絶対だ』とか言って人に物事を押し付けるし。
今日のだって、絶対にあれは私に嫌がらせをする為なんだ。だからごめん」
「そ、そんな!」
メビウスは泣き顔のままタロウを見上げる。
「教官が謝るなんてこと・・・・」
「いや、兄の不始末ってヤツだよ」
タロウが悪戯っぽい表情で笑うと、メビウスもつられて少し笑った。

270 :フィフストレーニング2-15:2007/02/05(月) 10:40:57 ID:tpqmGCyF0
タロウはケープを外すと、涙でべたべたに汚れたメビウスの顔を拭ってやる。
「弟なんて大変なんだぞ。兄の命令だって押し付けられるし、聞かないと怒られるし、助けてくれないし、来ても役に立たなかったりしてさあ。
だから私は弟ができたら、絶対に優しくて便りになる兄になろうって思ったんだ」
「そうなんですか」
今度はメビウスの手を取ると、乾き始めた涙を拭いた。
「でも、レオとアストラは本当の兄弟だから、あんまり邪魔しちゃ悪いし、80はなんだか僕よりも成績良くて強いというか、こう・・・
あーー・・・上手くいかないよな」
砕けた口調のタロウと、レオとアストラ、80の姿が目に浮かんで、メビウスは笑った。
「お、やっと笑ったな?」
「あ、あの、ごめんなさい!」
「いいから。そうやって謝らなくていいから。私が恥を偲んだのを無駄にするのかい?」
「・・・・はい」
メビウスはこてんとタロウの胸にもたれかかる。

271 :フィフストレーニング2-16:2007/02/05(月) 10:44:55 ID:tpqmGCyF0
「教官」
「ん?」
「タロウ教官に弟が欲しかったら、僕がなりますね。
僕だったらまだ弱いから、教官にいっぱい助けてもらわなくちゃいけないし、言いつけられてもちゃんとその通りにしますから」
不意にメビウスの背を撫でるタロウの動きが止まった。
「タロウ教官?」
「君の場合は弟じゃなくて妹だろう?それに」
タロウはメビウスを起こすと、正面から瞳を見据える。それは先程のゾフィーと同じ視線だった。
「私の弟になるということは、ウルトラ兄弟になるということだ。宇宙警備隊の中でも、更に上を目指す。そういうことだ」
「あ・・・・」
ただの訓練生から見たら、途方もない話だ。だがメビウスは目の前でタロウもレオもアストラも80も見てきた。
そして今日ゾフィーに正面から会った。
「なります。僕、ウルトラ兄弟に入ります」
「そうか」
そう言ってからタロウの表情が柔らかくなった。
「楽しみに待っているよ」
「はい!」
タロウはメビウスを立たせると、自分も椅子から立ち上がった。
「それじゃ、大分遅くなったけど戻ろうか。舎監の先生には私が話しておくから」
「はい。ありがとうございます。
あの、汚しちゃってすみません・・・・」
「また洗えばいい。気にするな」

272 :名無しより愛をこめて:2007/02/05(月) 10:57:28 ID:/EYO9Amb0
可愛えwwなんて可愛ええんだ、メビもタロウも!!もう禿萌ーーー!
>>レオとアストラは本当の兄弟だから邪魔しちゃ悪いし
タロウ、気を使ってたんだね (つА`)

273 :名無しより愛をこめて:2007/02/05(月) 11:05:18 ID:tpqmGCyF0
しまった!タロウにまで「弟」と呼ばせてしまった・・・orz
しかしおかしいなあ。今回でほっぺにちゅーぐらいさせるつもりだったのに、タロウは何をやっているんだろう?

>>闇 もうね、タロウが、タロウが・・・・しかし、リュウの男前っぷりは見事だ。

>>Hanged Man タロウ、ダレえる。レオに親しげ。良し。

一番下で頑張っている前スレがッ・・・・!



274 :名無しより愛をこめて:2007/02/05(月) 11:23:33 ID:tpqmGCyF0
すみません、明日はトレーニングお休みします。

275 :名無しより愛をこめて:2007/02/05(月) 12:22:01 ID:AjYTtCdk0
おお。新シリーズ、期待します。

トレいいのお〜。ゾフィー兄、あんな性格の人いるよな。。。

276 :万能の神はいない:2007/02/05(月) 23:38:21 ID:nuWeyiDB0
 おおー新連載ー。
 闇もさくさく進んでいますなー。

 現在サコっちの設定がorz セリザワと同期にしちまってる・・・。
 サコっちの帰還は逆算すると25年前から18年前。
 科特隊勤務時、20台半ば(最年少キャップ?)だとして。
 ウラシマ効果で殆んど老化せず、怪獣頻出期がすぎた後にゾフィと遭遇して帰還。
 浦島太郎状態の知識をやり直すために今一度大学へ。
 そこでセリザワが同期。イマイチ周囲から浮いているサコっちの世話を焼いて友人に。
 それから20年弱(今外見40前後)。
 いや、タケナカさんが生まれ年、同じなのよね。タケナカさんが今何歳なんだか・・・。
 ウルトラマンがいるから大丈夫、って言ってたよなぁ(これさえなきゃウルトラマンが
来る前に行っちゃった、で年齢につじつまが合わせられるんだけど。しょーがないから、
ウルトラマンがいる、は何度目かの地球帰還の時ってことにしようかしらorz)

 これで大丈夫だといいんだけど(後でまたテレビでひっくり返されたりしそう)

277 :万能の神はいない45:2007/02/05(月) 23:41:14 ID:nuWeyiDB0
「管理人さーん」
 耳慣れた声に緑川は作業中の手を止めた。
 ピンセットでつまんでいたふわふわした風合いの和紙をそっと傍らに置き、立ち上がる。
「何かあったかね、桃山さん」
「単なるおすそ分けなんですけどね」
「ああ、すいませんね。どうぞ上がんなさい。お茶でも入れよう」
 ごく普通に聞こえるやり取りの後、緑川に引き続いて入ってきた初老の婦人はそれまで
のおっとりした動きが嘘のように素早くドアを閉める。
「指示は?」
「監視対象の、一層の護衛強化。お茶は入れてくれないの?」
「茶菓子はないぞ」
「ミライちゃんにはちゃんと出してやるくせにねぇ。まぁいいわ、コレあるし」
 ちゃぶ台に向かい合って座る初老の男と、初老の女。
「で、おさしいれ。タケナカ最高総議長から」
 持ち込んだ最中をひとつ、取り上げると二つに割る。
「・・・山吹色の饅頭でなかっただけましというべきか?」
「そなたもワルよのぉ越後屋・・・と、まぁ冗談は置いといて。さて」
 取り出したカプセルから折りたたんだ紙を取り上げる。
 大層原始的だが、電子通信といった最新技術より、意外とこういうセコイ手段の方が
存外に機密を守れるものなのだ。最も、最高総議長のお遊びも否定できないが。
 水に溶けるメモ帳なんぞ一体今時の情報部員が使うか、と突っ込みたくなる。
 最もこういう茶目っ気がある人だから色物戦隊(和訳)なんぞ妙なミッションコードが
つけられる訳だが。
「・・・臭うな」
「やっぱり? 次から和菓子は避けてもらおうかしら。わざわざニューヨークから和菓子
というのも何だしね」
 別に餡子のにおいと言う訳ではない。互いとはこのコード名より遥かに長い付き合いだ。
「アイハラ・リュウには相変わらずヒビノ・ツヅキが警護中。警戒は継続、と判断したのね」
「カウンターを流した辺りから矛先はサコミズ総監に向かっているようだ。が該当者を
絞りきれていない…。イミュニストの脅迫の前にきた脅迫者もある」
「イミュニストにしても・・・急に動きが活発になったのよね。サコミズ総監も気になさって
いるみたいだけど、ここ数ヶ月。まぁ脅迫だけで今のところ動きないんだけど」

278 :万能の神はいない46:2007/02/05(月) 23:43:41 ID:nuWeyiDB0
「・・・しかし妙な感じだな」
「そうね・・・でも情報が少なすぎるわね。情報部も今、宇宙ケシで人手を取られているのよ。
たださえ忙しい師走に」
「混入されたのが1992年か・・・何かあったか?」
「ロス暴動があったわね。ボスニア紛争」
「何か早すぎないか? ソ連崩壊は91年12月25日。技術者流出が全く起こっていない
とは言わないが、まだ顕著じゃないだろう」
「改良型だったらもう少し判断に材料が出たんだろうけどね。北川町で出た原型タイプとなると、基本的に生成すれば出来るから基礎知識さえあればできるし、否定できないわ」
「・・・宇宙ケシは俺たちの任務外だが」
「血の気が騒ぐ?」
「それはお前だろ。科学特捜隊で暴れ回っていたくせに。その前は『万条目』とさんざ
駆けずり回ってたなぁ、『由利子』君」
「あいつも総最高議長とは偉くなったものねぇ・・・。て、昔のコード名を引っ張り出さない
でよ。私の『後輩』だったこともあったくせに」
「今も随分怖い『先輩』だな。しかし今頃一の宮博士たちの名が出てくるとはまったく
思わなかっただろう?」
「・・・そうね。あの当時から素敵なおじいちゃんだったけど、まだご健在なのね」
「会いたいか?」
「・・・江戸川由利子は現実にはいない女よ。あの人が会っていたのは『偽り』なのに」
 つかの間、沈黙が落ちた。柔らかく、諦念に満ちた空気は彼らの元を訪れる常連だった。
「・・・あの子への思い入れは程ほどにね。後で自分がつらいわよ」
「分っているさ」
 緑川は手に届くところにあった詩集をなでた。

 ほほえむことができるから/ほほえみで人をあざむく

279 :万能の神はいない47:2007/02/05(月) 23:44:54 ID:nuWeyiDB0
「ウルトラマンのこと、お好きですかぁ?」
 それはよくある会話のひとつ。ウルトラマンを嫌いな人間なんてそういるもんじゃない。

「テッペイさん、お久しぶりです」
「お久しぶり。ミライ君、何か変わったことある?」
「特にないです」
 にこにこと自分の目の前に座っている患者にテッペイは苦笑する。こうして1月に1度、
自分の元に診療にくる友人は至って健康優良だ。
 それでもここに顔を出してくるのは他愛のない世間話と半ば義務付けられた定期健診。
「ジョージさん、足の具合いいんですか?」
「うん。父さんが言うには全く問題ないって。コノミちゃんはどう? 元気でやってる?」
「はい、元気です。子供達に風邪がはやって大変だって。そういえばマリナさん、この間
世界GPで勝ちましたよね」
「うん、調子いいよね」
「若先生」
 遠慮がちに声をかけられる。
「ああ、すまないね、鳩羽さん」
 男性の看護士に礼を言って、検査結果を受け取る。
「全然、変化ないでしょう?」
「ま、それで安心している人間がいるんだからいいんじゃない?」
 数値を見る限り人間と変わりない。そこまで擬態が完璧なのか、数値がそうなるように
ミライが出しているのかまでテッペイは知らないし、知ろうとは思わない。このことに
関して、テッペイだって腹に据えかねている部分があるのだ。


280 :万能の神はいない48:2007/02/05(月) 23:46:58 ID:nuWeyiDB0
 ミライは定期的な検査を要請されてただそれに付き合っているだけだし、テッペイの方
もミライの体調不良等な予兆に直結するならともかく、学術的(ウルトラマンの!)検査
に血道を上げる気はない。ただ名目がたつよう、基本的な検査はするだけだ。
 会計上は検査料等をGUYSから滞りなく支払われているからミライにも病院にも金銭的
な負担はない。少々税金の無駄遣いという気がしないでもない。が、向こう側にとって
安心料なのだろう。
 こっちとしてはミライが平穏に暮らせるための『手間』が楽なようにするだけだ。
 事前にサコミズからの苦りきった、申し訳なさそうな電話が来た時に、彼も止めようと
したが抑え切れなかった勢力があることを知った。案外GUYSの本部の方の要請であった
のかもしれない。GUYS内部にも外部からは伺えない主導権争いの動きはあるのだろう。
 それにしても、単なる民間、それもテッペイのようなぺーぺーに(しかも最初は研修医
だった頃からだ)こんなある意味最重要機密を委任されている理由なんて明らかだった。
 テッペイがミライの友人だからだ。
 メビウスの機嫌を出来るだけ損ねないように、しかしデーターは欲しい。
 思い当たった瞬間の、あの苦々しさ。それでも承諾した。
 自分が拒否すれば別の知らない人間に話が行く。ミライはきっと拒まないだろう。
 テッペイは知らない人間の手でミライを検査させたくなかった。この優しく純朴な存在
を、ただ異星に生まれついただけの友人を、よく知りもしないで興味だけはある無神経な
人間の視線に晒したくなかった。
 だから内心は不快なこの立場を引き受けた。父親には事情を明かさざるを得なかった
けれど、自分が大病院の医院長の息子でよかったとこの時ばかりは思う。
 そして、ミライは今、にこにことテッペイの前にいる。

281 :万能の神はいない49:2007/02/05(月) 23:48:09 ID:nuWeyiDB0
 人間は天使でもなければ獣でもない。
 しかし不幸なことには、人間は天使の様に行動しようと欲しながらも、
 獣のように行動してしまう。                  パスカル『パンセ』

「78番さーん。会計窓口に来てくださーい」
 支払いが0円でも会計窓口には呼ばれる。
 緑川から借りていた絵本を閉じて、ミライは急いで立ち上がった。
「はい、アイハラさん。お待たせしました」
 にっこりと可愛らしく微笑み返される。ふとその白衣の胸元に揺れる紺碧に目が止まる。
「キレイですね」
「あ、これでしょう? とてもキレイでしょ? 私達のお守りなんです」
 両手で青い球体のペンダントヘッドを包み込み、うふふ、と看護士は無邪気に笑う。
 思わずつられて笑い返したミライに彼女は、こう聞いてきた。
「アイハラさん、ウルトラマンのこと、お好きですかぁ?」
 虚を突かれた感じでミライは相手の顔を見直すと、彼女の熱のある輝く目とかち当たる。
 ウルトラマンに対する好意を隠そうとせずミライの顔を笑顔で真正面から覗き込んでいた。
「ウルトラマンってずっと昔から私たちを守ってくれたんですよねぇ。素晴らしい話だと
思いません?」
 別にミライがメビウスだ、と勘付いて彼女は言った訳ではないらしい。が、その勢いに
ミライはなぜか腰が引けた。そのミライの様子を見て取ったのだろう。通りすがりの男性
が声をかけた。


282 :万能の神はいない50:2007/02/05(月) 23:49:14 ID:nuWeyiDB0
「渋谷さん。勤務中に何を話されているんですか。私語は程ほどに、って院長に怒られた
ばかりでしょ?」
 ぺろり、と渋谷と呼ばれた看護士は舌を出し、すぐに業務に取り掛かった。
「診察券のお返しです」
 返されたカードを受け取り、ミライは助け舟を出してくれた人物を振り返った。
「・・・鳩羽、さん?」
「ああ、若先生の患者さんですね」
 今でも珍しい男性看護士はにっこりと爽やかな笑顔を見せた。誘導するように鳩羽が
すっと移動するのに続いてミライも動く。確かにここで立ち止まっていては後から会計を
行う患者の邪魔だ。
「同僚が申し訳ございません。もとから仕事には熱心で、明るく、真面目な子なのですが、
話が合うといったん思うと止まらなくなるみたいで。最近はことウルトラマンの事になる
と妙にハイテンションなんですよ」
 苦笑混じりの鳩羽に、いいえ、とミライは笑顔を見せた。
「ウルトラマンを好きな人と出会えて、よかったです」
「アイハラさん」
 声を低めて、鳩羽はミライに囁いた。
「あまり、人の好意を鵜呑みにしない方がいいですよ。あなたは、そう、素直すぎます。
人の好意というものは、時に押し付けになることもあるんです。好意を装った利己的で
勝手な要求だってあるんです。この場合、本人はそれを好意だと信じきっていますけどね。
当人の気持ちも関係なく、向こう側の願望に無条件で従うことを突きつけられることも
あるんですよ」



283 :万能の神はいない:2007/02/05(月) 23:52:31 ID:nuWeyiDB0
 ひとまずここまでー。orz

284 :名無しより愛を込めて:2007/02/05(月) 23:59:43 ID:/EYO9Amb0
さりげないのにこのせつなさはなんだ。。。ミライ、きみは本当に罪作り。
ウルトラQシリーズの裏事情。つまり緑川は一平なのか。フジ隊員はどうなる?
ところでテッペイが診てるミライは女性体ですかーー?

285 :名無しより愛をこめて:2007/02/06(火) 00:23:02 ID:5HFmc3250
>>284
リュウの嫁さん。

万能 いや、なかなか先が読めませんなw
しかし、あの人たちだったのか…。

メイン設定はともかく、脇設定系はあとから読むために注釈入れたいいかなとか
結構迷いますね。

286 :名無しより愛をこめて:2007/02/06(火) 13:57:36 ID:kP9JV8h40
>>262,263
亀だがこんな事を想像したのは内緒だww

タロウ「専ブラ・・(メビ)専(用)ブラ・・・(ボソッ)スポブラ・・」 ボタッ←また鼻血か、兄さん

 ドゲシッ、ヘヤーーーッツ!!

メビウス「ひどいっ、あんまりです、教官!!・・・ウワアアアン・・・ノД`)・゚・ 」

タロウ「(ウウッ)・・・(お前の事だなんてまだ言ってないじゃないか・・・)」

今では後悔している、だが私は謝らな(ry)

287 :名無しより愛をこめて:2007/02/06(火) 14:39:24 ID:iIZ97S+60
メビウス専用ブラってどんなのだろう…。
やはりオーダーメイドなんだろうか。

288 :名無しより愛をこめて:2007/02/06(火) 18:45:31 ID:4MER0oAY0
万能ss、最後のあたり文章が結構、ぐさっときました。
謎は、ジワジワ溶けてく感じですね。

289 :4コマ ◆nL.tEAkRlc :2007/02/06(火) 18:53:06 ID:4MER0oAY0
[No.84] お絵描き掲示板です。

290 :名無しより愛を込めて:2007/02/06(火) 20:28:56 ID:Otf3a+jT0
公式ページの予告を見て、ミライがアヤとデート、っていうのに何となく
ショックを受けてる自分がいる・・・orz
やっぱりリュウとかタロウとかとくっついて欲しい・・・んだよな スマソ、ミライ  
DVDが届かないのでまだ映画を見てないけど、映画の中でもそういう関係なのか?

291 :名無しより愛をこめて:2007/02/06(火) 21:48:45 ID:KgHnevHC0
>>290
劇場で見たときは、アヤのことを途中まで存在すっかり忘れてた。
DVD見てもらえれば分かると思いますが、とても色恋沙汰が絡むような展開でないです。

でも、映画でアヤに化けたザラブ星人から勧められたコーヒーを飲んで、ぶっ倒れるミライを見て、
テンペラー星人が乗り移ったさゆりが勧めたお茶飲んで、捕まった光太郎を思い出した。
なんか、似たような手に引っかかってるよね、この師弟。

292 :名無しより愛をこめて:2007/02/06(火) 21:50:56 ID:ObKwsMDh0
>>290
ここではミライは女の子ですけど、他では違いますよ
3行目は、公式の(男の)ミライがリュウとかタロウとか…って意味ですか?
それならスレ違い・板違いだと思いますが

293 :名無しより愛をこめて:2007/02/06(火) 22:46:48 ID:Fzkx5y//0
無粋な質問なんですが。

万能SSって結婚後何年ぐらいの設定なんでしょうか?

それから、結婚した年齢て、本編終了2ヵ月後くらいでOK?
で行くと、リュウ21〜22歳 ミライ(人間体設定年齢)19〜20歳
でよろしいんでしょーか?


294 :名無しより愛を込めて:2007/02/06(火) 22:46:54 ID:Otf3a+jT0
>>292 もちろん公式でリュウだのタロウだのって思ってないよ
ただ、ここの住人的にはミライ君美少女だなって思っちゃうもんでさ(^^;)
公式の話でも、あんまりミライの恋愛話(ノーマルな)ってなかったでしょう
だからなんとなく。ミライも大人の男になるのだよね、いつかは、てなカンジかな
おさわがせ、ごめん。   

前スレ、落ちたね。

295 :名無しより愛を込めて:2007/02/06(火) 23:03:05 ID:Otf3a+jT0
>>291
情報ありがとう。何かほっとしたりする。あくまでミライには「天然」で
いて欲しいなー。

思いついた:実は「別れの日」のサンドイッチのことをミライに教えたのはアヤ。
アヤは「大切な人」(=ミライ)と過ごすときは、という意味で言ったのに、
ミライはそれをリュウに「応用」してしまった。。。で、アヤちゃんポカーン

296 :名無しより愛をこめて:2007/02/06(火) 23:38:45 ID:KgHnevHC0
>>295
今のミライというかメビウスでは、色恋沙汰に関心が向かうにはあと3万年くらいかかりそうだ。

297 :名無しより愛をこめて:2007/02/06(火) 23:45:54 ID:5HFmc3250
>>296
父より年上になってしまいますがなw

スレ違いではあるが正直、アヤとのデートには疑問あるけどね。
憑依体なら構わんけど、擬態タイプの「恋人」はきちっと描写して欲しいんだよな。
コノミだったら歓迎するんだけどなぁ…、でもなんか違う。

298 :名無しより愛をこめて:2007/02/07(水) 01:07:55 ID:KiwPiBSC0
遅まきながら、「万能の神はいない」の補足を。
>>284
女性体でつ。
バン船長の前に最初にあった時だけ男性体、
サコっちに引き取られて「女の子なんだって?」と言われて、以後女性体。
江戸川由利子→フジ隊員(本名:弟出てたし)→情報部にまた戻る、みたいな設定。

>>293
イサナが「もう新妻じゃないか」とほざいたとおり、結構年数、たってまつ
(最低限テッペイが医者になっているぐらいは。最短でもテッペイは24歳なので、今19?として
最低5〜6年経過。イヤ、流石にこの世界でも医者になるのに大学合格から6年はかかろうて)
怪獣の脅威から時間がたって、ウルトラマン不要論が表に出てくると。
(流石に頻繁に来襲してる時期や直後は声がでかくないと思う>ウルトラマン不要論)

ミライが戻ってきたのは本編終了後、数ヵ月後ぐらい(神は惜しみなく〜)、
準備やらなんやらで結婚は秋ぐらい(なので293の推測通りの年齢になります)。

ちなみにNothinngHurtのラストあたりでちょろっと出ていますが、
あの時「若くない」と言われてれば、微妙にむっとするラインの年齢です、リュウ。
あの時のテスト飛行の事故を今回(万能)の前にするか後にするかでびみょーに何年後か変わりますがw
(暴露すると、当初、ラストはリュウが老衰で死ぬ間際の会話にしよーかと・・・重くなるんで止めました)

そもそも何歳ぐらいで若くないと言われてむっと来るか
・・・自分の時は覚えてねぇorz エエ、モウワカクナイデツ

299 :The Hanged Man.04:2007/02/07(水) 01:19:48 ID:8FpZdAux0
タロ「ホログラム機相手もあんな感じなんですよね。ルーティンが得意というか
 とにかく呑み込みが早いんですよ、すぐにパターンを覚えてしまう」
ゾフ「それで体力腕力は現時点で人並みより上か、有望だな、それに面白い」
タロ「けれど・・・」
ゾフ「なにを引っ掛かっている? 珍しいな」
タロ「そういうことではなくて、」
ゾフ「そういうことだよ、違うなら訓練生ひとりに拘ってはいけない。君が」

タロ「そんな言い方を・・・」
ゾフ「自覚がなくても君はもとからそうだ」

タロ「・・・」
ゾフ「あの子が、本当になにかしらの重大な欠点を有しているというのならば
 訓練から外しても構わないんだよ? 君の役目は80とは違う、欠点を直し
 平均値にして欲しいなんて望んでいないんだ」
タロ「・・・はい」


300 :The Hanged Man.05:2007/02/07(水) 01:20:49 ID:8FpZdAux0
レオ「なんだか今日は膨れてるな」
80「構っちゃ駄目ですよ、レオ。貴方甘いんだから」
レオ「いや立場が逆ではないかと・・・」
80「タロウが甘やかす側になるんですか? 想像付きませんよ」
レオ「なんとなく複雑な気分なんだが(´・ω・`)」
80「私は末っ子なんて嫌です」

タロ(仲良くていいなぁ。地球に帰りたいな・・・寂しい)

――

ゼノ「あり、タロウ教官寝てるじゃん」
マッ「ホントだー、いつも気ぃ張ってるのに珍しー」
メビ「お疲れなんでしょうか、大変です」

80「クラス別けされてから三人って珍しいですね、レオはどうですか?」
レオ「当人の前でさくっと聞くか普通」


301 :The Hanged Man.06:2007/02/07(水) 01:21:50 ID:8FpZdAux0
ゼノ「や、なんちゅーか、やりやすい、ですね正直」
マッ「僕はタロウ教官の時のスタイルが性に合ってたかな? でも新しい経験に
 なるので純粋にありがたいですねー」

ゼノ「マックスは元が元だから相手が天才タイプでも支障ないしな。てかおい、
 かなり褒めてるのになんで殴る!」
マッ「え、あ、ごめん、ホントだ。あれー、ごめん」
メビ「ゼノンは普段の行いが悪いんじゃない?(くすくす)」
ゼノ「なんでメビウスは俺にだけ結構言うんじゃあっ」

80「しかしメビウスは喧嘩とかしないね」
マッ「あー、見たことないです、したことある?」
メビ(きょとん)

ゼノ「言い返すみたいのはありますけどね、喧嘩にまではなんないよなぁ」
レオ「いいことだな、それは。若いのに」
80「貴方はいまだに血の気が少々多めですし、見習われては」
レオ「80...orz」


302 :名無しより愛をこめて:2007/02/07(水) 01:22:53 ID:8FpZdAux0
ここまでで。
これのあと、妙な客が「来訪」します。このスレでは初、かな?

>>298
そろそろ単純まとめサイトじゃなくて、シリーズのまとめ欲しいですね。
(まとめサイトさんも止まってらっしゃいますが。)
検索避けってのがわからなくて手が出せません…。

303 :名無しより愛をこめて:2007/02/07(水) 08:23:06 ID:AN/sNR3l0
>>299-302
もしかして、ふわふわの職人さん?
・・・いや、なんとなく行間を読むふいんき(なぜか変換できねw)が似てる気が

304 :名無しより愛をこめて:2007/02/07(水) 09:47:53 ID:hxgAlojk0
>>298

解説ありがとうございます。

テッペイが「若先生」と言われてるぐらいだから、本編終了後10年位あたり?
リュウが30歳を過ぎたあたりなので「もう若くない」といわれて、
チョイむかつくご年齢(笑)かも。

今後の展開がすっごい楽しみっす!

ほかの皆様の作品も楽しみにしてま〜す!!

>>302

同感です。


305 :フィフストレーニング2-17:2007/02/07(水) 10:06:03 ID:S3ep+XGY0
タロウに手を引いてもらって、寮(まだ男子寮)にまで送り届けてもらうと、メビウスの部屋の前に人だかりができていた。
「どうしたの?」
「あ、メビ!」
マックスを皮切りに、寮生達があっという間にメビウスを取り囲んだ。
「な、何?!何?!どうしたの?!」
「メビ、おまえゾフィー隊長に愉快な方法で拉致られたんだって?!」
「ゆ、愉快な方法って・・・・マックス!」
ゴン!
「痛って・・・」
「メビウス、君がゾフィー隊長と同行したというのは本当か?」
「おまえ今思いっきり殴ったろ?!」
ゼノンはマックスの叫びを無視して、メビウスを真っ直ぐに見据えている。他の寮生達も、ワクワクと楽しそうにメビウスの動向を見守っていた。
「あ、その・・・うん・・・・」
「すっげー!」
「どんなだったんだよ!」
「教えろ、教えろ!!」
好奇心いっぱいの寮生(上級生や下級生も混じっている)に気圧され、メビウスはしどろもどろながらなんとか話し始める。
「えっと、隊長の部屋に連れていかれて・・・・」
「本部のか?!」
「う、うん」
ここでまたわっと周りが顔を見合わせ、輝かせて騒いだ。
「何処だよ、何処?!」
「隊長の部屋ってセキュリティかかってて通常のエレベーターとか窓とかないんだろ?!」
「秘密の部屋なんだよな?!」
「わ、わかんないよ!」
「いいから早く続き話せ!」
期待に満ちた眼差しに、メビウスはゾフィーとの会話を思い出した。『愉快に拉致』された時のだ。
あの前までは、多分ゼノンやマックスがゾフィーに連行されていたら、きっと同じ様に聞きたがったに違いない。
「続きって言われても、隊長が部屋で仕事してたから、使ったプレートを移動させたり、これからの持って来たりしただけで・・・・」
「いーじゃんか!すげーよ!」
そこで不意にメビウスは表情を消した。「失格」と言われたショックを受けて、一番最初に聞こえた言葉


306 :フィフストレーニング2-18:2007/02/07(水) 11:40:28 ID:S3ep+XGY0
「それで、凄く重い言葉言われた。『こんな金属の板切れ一枚でも100億の命が救える』って」
多分、あれは本当はメビウスに聞かせるつもりで隊長室に連れて行ったのだろう。
メビウスの言葉に、全員がシン・・・・となる。
ややあって「流石隊長だ」とゼノンが大きく頷いた。その声に、静まり返っていた場が再びがやがやと騒ぎ出す。
「そうだよな、難民救助とかも仕事であるんだろ?」
「バカ、それ以前に惑星破壊するような極悪な怪獣や星人がいっぱい居るんだぞ」
自分を放って騒ぎ始めた周りに、メビウスはほっと息を吐いた。
「まさかこんなになるなんて・・・・」
「仕方あるまい。我々がゾフィー隊長に遭遇できる確立は非常に低い。君は運が良い」
無表情だが、若干羨ましそうな感じがしないでもないゼノンに、メビウスは微苦笑した。
「おまえ達!もう消灯だというのに何を騒いでいるんだ?!」
「げっ!」
「やばっ!」
寮長の声に、皆慌てて逃げようとする。マックスとメビウスも自分の部屋のドアノブに手をかけたが、
寮長の念力で取り押さえられた。
「寮長」
「なんだ」
固まった現場で、ゼノンだけが平素と同じ声を発する。こちらは逃げようとする素振りすら見せていない。
「寮長もゾフィー隊長と御同行されたと聞きました。できれば是非お話をお伺いしたいと思います」
「え」
「うそっ?」
全員の強烈な視線に、金縛りが解ける。
「ま、まあ・・・そうだが・・・・」
寮長は照れた様に顔を赤くした。
「どうだったんですかー?!」
「教えてください!!」
「寮長、凄いです!」
メビウスはゼノンの肘をつついた。
「そうなの?」
「他にも数人の先輩が隊長と同行している」
「まあ、私の場合は、隊長が直々の光線技の稽古をつけてくださったんだが・・・・」
周りがまたウオー!と叫んだ。

307 :名無しより愛をこめて:2007/02/07(水) 13:02:43 ID:S3ep+XGY0
>>303 「ふんいき」で、おk 

308 :名無しより愛をこめて:2007/02/07(水) 13:46:52 ID:ev9ed7Q20
>>307
志村ー、お約束、お約束!

309 :名無しより愛をこめて:2007/02/07(水) 15:22:23 ID:KbCeS+T70
保守!

310 :名無しより愛をこめて:2007/02/07(水) 18:33:04 ID:V0Yf5cWo0
ageなくても落ちないから…OTL

311 :名無しより愛をこめて:2007/02/07(水) 18:59:07 ID:5Kyl8Uq90
トレ、みんなゾフィー隊長、尊敬してんだな。そこが何だかうれしいお話。

312 :名無しより愛をこめて:2007/02/07(水) 21:02:15 ID:8FpZdAux0
しばらく投下は見合わせたほうがいいかな;

313 :名無しより愛をこめて:2007/02/07(水) 21:19:22 ID:xKbuRni90
 えー、そんな殺生な。
 投稿を楽しみにしてるのにー。

314 :名無しより愛を込めて:2007/02/07(水) 21:56:03 ID:EkIdSOAC0
スレッド数でカウントするんじゃなくて、書き込み数でカウントする場合、
書き込みの最終日で見るから、書き込みがある限りは落ちないってきいたんだけど。
もしそうならどんどんかきこむほうがよくない?

・・・て掲示板見たら真ん中辺に戻ってるーー!!良かったw

315 :名無しより愛をこめて:2007/02/07(水) 22:01:13 ID:m9haZYRV0
sageでどんどん書き込めば良し

316 :名無しより愛をこめて:2007/02/07(水) 22:14:44 ID:zq4QMT8J0
だいぶ下がってきましたね。
あともうちょっと・・・

317 :名無しより愛をこめて:2007/02/07(水) 22:39:25 ID:ZjXSWfyUO
いや、ageで上がる事はあっても、sageで下がることは無いから…。
他が上がるから相対的に沈むだけで。

318 :名無しより愛をこめて:2007/02/07(水) 23:05:52 ID:AN/sNR3l0
養成所スレの792-793の流れに茶噴いたwww
スレちスマソ

319 :名無しより愛をこめて:2007/02/08(木) 00:02:40 ID:0TAhUzhD0
そろそろ甘いイベントが近いですよ、皆さんwww

320 :名無しより愛を込めて:2007/02/08(木) 00:11:22 ID:HWZZmciR0
ミライのチョコレートは誰のもの?
なんかめいっぱい誤解してめっちゃくちゃ甘いのをリュウに・・

リ:俺は甘い物苦手なんだよっ でもせっかくだから食ってやっか

321 :名無しより愛をこめて:2007/02/08(木) 00:18:08 ID:pCvwrOZ30
皆に配る。しかもちょっと物量作戦気味…というネタにどうしてもなる...orz


322 :名無しより愛をこめて:2007/02/08(木) 10:00:52 ID:Xu/Loiha0
今は義理チョコ、本チョコ、友チョコ、マブチョコ、パパチョコとあるらしいぞ。

323 :フィフストレーニング2-19:2007/02/08(木) 10:05:16 ID:Xu/Loiha0
「ああ、それ私もやられましたよ。ゾフィー兄さんに」
サイフォンは昨日ゾフィーの所に置いてきたので、紅茶の香りがタロウの教官室に漂う。80はメビウスの淹れた紅茶に満足した。
「そうなのか?!」
「ええ。ふらっと養成所に来ては、適当に生徒を選んで稽古させたり仕事を教えたりしています」
「へー」
「そんな話、聞いたことないぞ」
「まあ、メビウスみたいに大勢のいる目の前で連れて行きはしませんからねえ」
80は苦笑してメビウスを見た。メビウスも顔を赤くする。
「昨日は本当に恥ずかしかったです・・・・」
「可哀想に、メビウス・・・・」
タロウがメビウスを撫でた。
「でも、寮に帰ったら80先生が言ったみたいに、寮長とか他の人も隊長に会っているみたいでした。
ゼノンが皆に話しを聞いて回ったんです」
「へー」
「なんだか地球の学校にあるような、幽霊話と似ているなあ・・・・」
80がカップとソーサーを持ったまま苦笑する。

324 :フィフストレーニング2-20:2007/02/08(木) 10:06:54 ID:Xu/Loiha0
「会ったら良いことあるんなら座敷童じゃないか?ほら、民話とかに出てくる」
「レオ兄さん、座敷童って?」
「幽霊ってなんですか?」
アストラとメビウスに小首を傾げられ、レオはタロウや80を見ながら、なんとか説明する。
「座敷童っていうのは古い家にいる子供の幽霊。会うと良いことがあるって言われている。
幽霊は死んだ人が生前の姿で見えるもの、かな?見える人と見えない人がいるらしいけど」
「ゾフィー隊長、死んでませんよ?」
「いやまあ、なんというか・・・・」
「見れたらラッキー、その程度だよ。でも、そうは思えないけどなー」
「そりゃあタロウ兄さんは見慣れていますから」
80はふと昔を懐かしむように紅茶の水面を眺めた。
「私の時は隊長に助けられましたよ」
「試験前に勉強でも教えてもらったのか?」
「いいえ。隊長室で秘書のアルバイトさせられました」
ぶはっ!
「あ、アルバイト〜??!」
一斉に吹き出したタロウ、レオ、アストラに、メビウスは慌ててタオルを差し出す。
「ええ。奨学金を貰っていたので、本当に助かりましたね」
「80先生は隊長の秘書をしていたんですか?!」
「三ヶ月ぐらいね」
「そういうの考えて生徒を選んでいるんでしょうね」
「いや、それはない。絶対無い。選んでから後で調べるタイプだから、あの人」
タロウは顔の前で手を左右に振った。
「そうですか?」
「かなり行き当たりバッタリで適当。そんなに褒め称える程の事じゃないって」
「ん〜〜??」
レオ達は訝しげな視線をタロウに向ける。
「タロウ教官?あの、どうしたんですか?機嫌、悪そうですけど・・・・」

325 :名無しより愛をこめて:2007/02/08(木) 12:35:46 ID:Xu/Loiha0
もし新たにまとめスレ作るなら、wiki形式がいいかなーと。
こんな感じで
ttp://wiki.livedoor.jp/arte5/d/FrontPage

326 :名無しより愛をこめて:2007/02/08(木) 14:06:18 ID:d94ryHse0
フィフス>80先生の昔を知れたのが、すこし嬉しかった!

まとめサイト更新されてないようなので、誰かしてくださるとうれしいかもです。
今のまとめサイトは、madupできたり、お絵描き掲示板とか、便利ではあるんですけど。

327 :名無しより愛をこめて:2007/02/08(木) 17:51:45 ID:SRGPW7Zb0
やはり此処は言い出しっぺが……って、言い出しっぺ誰?>まとめ欲しい

328 :名無しより愛をこめて:2007/02/08(木) 17:56:59 ID:pCvwrOZ30
えーと、今の流れだと私かな?>>302
時間の取れる時と取れない時の差が激しいのでちょっと難しいんですが…。
wikiにするのなら複数管理ってのもありかなと。

ただ、検索避けってのがなにかわからないので勉強からになりますが...orz


329 :名無しより愛をこめて:2007/02/08(木) 18:37:20 ID:7GeFZ+b60
>>322
マブチョコって何?
ググっても解らんかった…orz

>>320
>リ:俺は甘い物苦手なんだよっ
ミライ「って、前に聞いたので、リュウさんのためにこれを選びました♪」
つ カカオ99%

330 :名無しより愛をこめて:2007/02/08(木) 18:43:22 ID:d94ryHse0
328さん>長く更新が開かなければ、wikiしてください。
動画やイラストは、今のまとめサイトに任せたら良い気がします。

331 :名無しより愛をこめて:2007/02/08(木) 19:14:27 ID:mYpDA+190
>>329
つ カカオ99%
・・・単なるいやがらせだとオモwwwあれゼッテー食えねー。薬より苦いチョコなんてありえねーっつーの!!

332 :sage:2007/02/08(木) 19:23:17 ID:Z4gIDFssO
マブチョコ》マブダチにあげるらしい。
リュウさんにはこれだな!

333 :名無しより愛をこめて:2007/02/08(木) 19:42:28 ID:mYpDA+190
>>332
sageは名前に書くのではなく、メール欄にうつべし!・・・また潜行するまで職人さん休みかもorz

334 :名無しより愛をこめて:2007/02/08(木) 19:48:35 ID:8+eZSHzX0
>>331
ミライ「これは、カカオマスポリフェノールがたくさん含まれていて、健康にいいそうです。
それに、良薬口に苦し、ってテッペイさんが言ってました」
大まじめに言いそう…
すでにバレンタインデートは関係ないな

>>332 dクス!
リュウさんの場合、パパチョコ以外どれでも当てはまるような気がする

335 :名無しより愛をこめて:2007/02/08(木) 19:50:37 ID:8+eZSHzX0
×バレンタインデートは関係ないな
○バレンタインデーとは関係ないな      スマソ

336 :名無しより愛をこめて:2007/02/08(木) 20:14:54 ID:hwoDXm/V0
カカオ88%まで平気な俺、参上!

337 :名無しより愛をこめて:2007/02/08(木) 20:20:54 ID:8+eZSHzX0
ダメだった俺から、336に勇者の称号をあげよう

338 :名無しより愛をこめて:2007/02/08(木) 20:27:19 ID:cWkMLjKz0
>>332
最近リュウはミライの保護者チックなので、パパチョコでも違和感ないなと思う自分…
違う意味のパパだったらうわなにをするやめ(ry
>>336
電王乙w

339 :名無しより愛をこめて:2007/02/08(木) 21:41:33 ID:mYpDA+190
バレンタインデートwww
このスレ的にオケだろww。これで職人さんに書いてもらいたいくらいのいい間違いだ

340 :万能の神はいない51:2007/02/08(木) 21:56:16 ID:ZuQw0HIH0
 純真すぎると思った。
 その正体から連想する強さと共に、むしろ真逆の繊細で純朴な感性。
 どんな覚悟で今ここにいるか。生まれも育ちも、その生きる時間の尺度さえ違う相手と
一緒にいる為に、何の代償を支払ったのか。思いやることは出来ても、全てを理解する
ことは自分には出来ない。
 ならばせめて。
「私たちはあの子に隠し事をしているのよ」
「それは一時たりとも忘れたことなどない。私の真実をあの子は一生知らずに生きる。
あの子に対して、私は常に偽りを見せている。何一つ本当のことは言えないさ。なら、
たとえ偽善でも、あの子にとって優しいフィクションであってもかまわんだろう」
「・・・ミライ君には決して本当のあなたを見せられないのに?」
「それがどうした? 例えその花の名を知らなくても、人はその花の美しさを知っている。
俺はそういう人生も、まんざら悪いもんじゃないと思っている」
 ウルトラマンもそんなもんじゃないのか。大半の人間はあの子の真実を知らない。
 ウルトラマンを神様かなにかのようだと無邪気に思っている。
 どれほどの責任を背負い、戦ってきたか。我々を守ってきたか。
 だがあの子は別にその献身について人々に知ってもらおうとは思ってもいない。
 別に賞賛など欲していない。
「ハードボイルドねぇ」
「・・・俺は年甲斐もなく青臭い、と思っているんだが」


341 :万能の神はいない52:2007/02/08(木) 22:03:32 ID:ZuQw0HIH0

「日々、励みなさい。日々、誤りを正しなさい。誰も悪を持って悪に報いないように気を
つけなさい。お互いの間で、また全ての人に対して、いつも善を行うよう務めなさい」

 祝福させたまえ、その運命を。
 信じさせたまえ、その意味を。     V・E・フランクル

 サコミズも反応に困ったと思う。ようようリュウは口を開いた。
「・・・なんだそりゃ」
「半纏です」
 にこにことミライは答える。
「・・・そうじゃなくてな、その半纏にした布のことなんだがな」
「コノミさんが見つけてきました。保育園のみんなにも好評だったんです」
「これ、教官ですよね」
 ミライから送られた半纏に袖を通しつつツヅキが、にこにことプリント柄に目を落とす。
 やはりその柔らかなひよこ色に散らばる図柄に目をやりながら、リュウは思った。
 青いのはやっぱり「ヒカリ」なんだろうか。
 ちまっ、と実に愛くるしく図案化されたウルトラマンのプリントにきゃっきゃと声を
上げている二人を微笑ましいと思うべきか、それとも突っ込むべきか。
「リュウさんとサコミズさんにもお作りしますけれど?」
 微妙にサコミズともども視線を浮かせてしまったのは、やはり成人した男として正常な
反応だろう。保育園児たちにはそりゃ好評だろうが。
 ミライには悪気はない。嫌だと言い返せないリュウに代わってサコミズが
「君達ほど僕らは寒がりじゃないからね。半纏はなくても大丈夫」
 と上手くかわした。

 ごめん、なんかエラー。あせったら連打すんな、ってでた。
 のこり3つはちょっと時間たってから。


342 :万能の神はいない53:2007/02/08(木) 22:50:45 ID:ZuQw0HIH0
 夕飯は極めて普通の鍋だった。白菜、白滝、舞茸、豆腐、鱈、牡蠣と鶏肉。
ウルトラマン二人にGUYSJAPANの総監と隊長。4人でひとつ鍋を囲み、コタツに足を
突っ込んで鍋をつついている。言葉面だけだと結構シュールかもね、とサコミズは思う。
 実際は目にすればごく平凡な食卓だ。
 仲睦まじく牡蠣を取ってやったり、ポン酢を渡したり。口に放り込んだ時に火傷したり。
 そのうちの二人は変な半纏なんか着ているし、ちょっと間抜け。
 例え、マンション自体がセキュリティの塊で、この一室以外は情報部が詰めていても。
 マンションの入口で、サコミズの為のSPが張り付き、その周囲を巡回しているとしても。
 でもこれもれっきとした団欒ってやつだ。
「うどんをやって、それからおじやにいきますね」
 二段重ねの〆は、鍋が初めてのツヅキに対するレクチャーも兼ねているらしい。
 楽しげなミライの顔を見て、来てよかったと思う。うっかりリュウかツヅキが(多分、
両方とサコミズは睨んでいる)サコミズがろくに息抜きも出来ない状況を洩らしてしまい、
ミライが慰労を兼ねた鍋パーティを発起したわけだ。
 これがごく普通の鍋になったのは、恐らく地球に着たばかりのミライがサコミズの元で
過ごした日々が影響していたのだろう。
 サコミズもあの時は誰かと、つまり仕事以外で誰かと食べる、『食卓を囲む』という行為
は随分とご無沙汰だった。まだサコミズにも家族と呼べる存在がいた頃以来だったのだ。
食事は殆んど外食だよりだった中で例外が材料を突っ込めばなんとなる鍋もどきだった。
季節外れだったが、ミライが外食よりよほど気に入った事もあって、頻繁にやっていた
ような気がする。つまりこの子の中にある家でする食事の原風景にしてしまったんだな、
と思う。
 だが、正直サコミズは躊躇していたのも確かだった。なにせ今のところは周辺で全くと
言ってよいほど動きはなくともサコミズは現在進行形で色々と脅迫を受けている男である。
 それがのこのこと人様の家庭に顔を出すのも、という考えもあったのだ。
が、結局自分はこの子に甘いな、とサコミズは自嘲する。ミライが楽しみにしている、
と言われると建前を放り出してしまう。ミライと会えるのはサコミズにも楽しい事だった。


343 :万能の神はいない54:2007/02/08(木) 22:53:17 ID:ZuQw0HIH0
「おや、今日は保育園に行く日かね? 送って行こう」
「わざわざいいです」
 よほど世間知らずと思われているのか、緑川はミライに対してやたら過保護だ。
「いや、いかん。最近物騒なんだ」
「管理人さん、車出すんですかぁ?」
 ミライと緑川が話していると赤塚の奥方がひょこんと割り込んだ。
「私もご一緒していいですかぁ? お稽古事があってぇ」
「ああ。構わんよ。さ、君も乗った」
「ミライ君、帰りぃ、一緒にお買い物しません? 黒澤さんが新しい可愛い服のお店を
教えてくれたんですよぉ」
「大荷物になるんじゃないか? 出迎えに行こう」
「わー。助かりますぅ、管理人さん話せますぅ」
 ミライを横においてとっとと会話が進んでしまう。時々このように強引な面もあるが、
何かと世話を焼いてくれるマンションの住人をミライは好きだった。
「今度ぉ、クリスマスの料理の予行練習しましょうねぇ。管理人さんにも、お差し入れ
しますよぉ」
「なるほど、私は旦那に食わせる前の毒見か」
「そんなことありません!」
「そんなことないですぅ!」
 ミライと赤塚の言葉がハモるのに、緑川が爆笑した。
「あの、まだ緑川さんから本をかりっぱなしなんですが・・・」
「かまわないよ。ああ、そこの袋に入っている本も。絵本になっているんだが、これまた
なかなかいい」
「すいません」
 ぺこり、と頭を下げて、車を降りるミライを緑川と赤塚――より正確に記すなら緑川M
と赤塚Fはちゃんと建物の中へ無事に入っていくまで見届けた。


344 :万能の神はいない55:2007/02/08(木) 22:55:54 ID:ZuQw0HIH0
「緑川Mさぁ。ミライ君にぃ、すっかり懐かれちゃってぇ」
「思い入れは程ほどに、というなら他でもないお前の口からだけは言われたくないぞ」
「私のはぁ、もうボスも諦めてますぅ。可愛いものに対する私の悪癖だしぃ。今更ぁ? 
でも緑川Mはぁ、今までそんなことなかったからぁ。確かにぃ、ミライ君てぇ、一人じゃ
危ないというかぁ、ほっとけないというかぁ。でもそれだけじゃないでしょぉ」
「・・・ローマ皇帝で、哲学者と呼ばれた男がこうほざいた」
「あはん?」
「見せかけの微笑みを見せたり、心に仮面をかぶったりしない真心の篭った、裸のままの
親切には、人は決して抵抗できない。もしこちらがあくまで親切を続ければ、例え良心の
ひと欠片もない人間でも必ず受け入れてくれるだろう。・・・随分と甘い考えだ。実際は人の
親切など受けて当然、平然と踏みつける人間はどこにもいるもんだ」
「そう言っておいてぇ、抵抗できなくなっている緑川Mの口からでても説得力半減ですぅ。
気持ちはとっても分かりますけどぉ。ミライ君とその周りの人たちを見ているとぉ、心が
ほこほこするっていうかぁ、人間も満更捨てたもんじゃないって気がしますぅ」
 情報部に所属していればそういう幸運な事例にぶち当たるなど、本来無きに等しい。
むしろ、逆の事例の症例見本のオンパレードだ。その結果、情報部はまず人間を疑って
かかる人間の量産が盛んになってしまうのだ。
「さっきの言葉なんですけどぉ、ミライ君の場合ぃ、むしろぉ好意とか愛とか献身とかぁ?
それも天然でぇ。いっつもぉ、人間好き好き、すっごく大好きって光線がでているしぃ」
「あの子の最大の必殺技かも知れんなぁ」
「真っ向から打たれたらぁ、太刀打ちできませーん。・・・でもね、緑川M」
急にいつもの口調を改めて、赤塚Fはこの年長の男に言った。
「私たちはあの子に隠し事をしているのよ」

 今回はここまででつ。

345 :名無しより愛をこめて:2007/02/09(金) 03:36:16 ID:i+ayBp8F0
>>340-344
>ウルトラマン二人にGUYSJAPANの総監と隊長。4人でひとつ鍋を囲み、コタツに足を突っ込んで鍋をつついている。
まじでシュールだwww・・・だがTVとかだと、こんな心和む場面のあとには心凍る事態が起こるんだよな・・・

346 :闇の呼び声6 1/4:2007/02/09(金) 04:30:17 ID:xz7RWE9c0
はあ・・こんな時間に投下。しかも、あまり進展なしですが、つづき。
***
銃の装填を済ませて、リュウはミライの隣に横たわった。
「融合後、メビウスとリュウのからだを光のバリアでコーティングする。
このコーティングは二人のからだをベッドの上に固定する働きをするが、
治療は普通にできるから心配は要らない。いわゆる「拘束具」の代わりとも
いえるが、枷のように体の自由を奪ってしまうようなものでもない。
まあ、光の蒲団のようなものかな」タロウは首をかしげる。
「随分日本的な説明だがな」
テッペイとコノミがにっこりする。「よくわかります」
「じゃあ、後はよろしく頼む」赤い超人は、サコミズのほうをちらと見やる。
サコミズもそれに目で答える。そのまま、タロウは、リュウのほうへ歩み寄り、
やや硬い表情で横たわったまま自分を見上げる無骨な面差しに金色の目を落とす。
「緊張しているのか?」
「ああ、少しな」リュウは赤い男を見上げてかすかに笑む。
「大丈夫だ、すぐに済む」赤い男はゆっくりとリュウの体の上に手をかざす。
リュウは思わず目を閉じる。
(セリザワ隊長…。あんたもツルギが入ったとき、こんな光の中にいたのか?
…畜生…まぶしすぎてなにがなんだかわからねえぜ…身体に、力が入らねえ…)
テッペイとコノミは、赤い超人が虹色の光になってリュウを包み込み、
その体の中に入り込んでいくのを見る。瞬間、リュウの身体は虹色の光の塊へと
変化し、再びもとにもどった!かっと眼を見開くリュウ。
(いるんだ…俺のなかに…ウルトラマン…)
それは不思議な感慨だった。力がひしひしとみなぎってくる。胸の中が熱い。
その熱い胸の中に、じかに語りかけてくる頼もしい声。
(そうだ、君の中に私が、私の中に君がいる。これが融合した状態だ。
…では、行くぞ。もう一時の猶予もならない)
(よっしゃ!)


347 :闇の呼び声6 2/4:2007/02/09(金) 04:33:39 ID:xz7RWE9c0
リュウ=タロウは横たわったまま腕を胸の前でクロスさせ、己の体とミライの
からだを、不思議な青い光で包み込んだ。その光の中で、脳波と神経の拡張が始まる。
「うあ!!」覚悟はしていたが、その苦痛は予想以上だった。頭が割れそうだ。
全身のありとあらゆる神経がぴりぴりとうなりをあげて変形していく。
しかしリュウは歯を食いしばった。…畜生、第一関門で音を上げてたまるかよ。
ミライはこれにずっと耐えてるんだからな。

 地獄の焔をくぐるのもかくやと思われるような数分が過ぎ、リュウ=タロウと
ミライの脳波及び神経が完全に一致したことが、計器上でも認められた。
「シンクロナイズ完了」眼前のすさまじい光景に圧倒されたテッペイが、
かすれた声で確認の合図をする。
「リュウさん!」コノミが悲鳴のような声を上げる。リュウは、力尽きた
ようにぐったりと目を閉じていた。胸の前でクロスしていた腕も、力なく
そのからだの両脇に垂れている。しかし、そのからだとミライのからだとは、
依然として神秘的な青い光のコーティングに包まれている。
「大丈夫、コノミ」サコミズがコノミの肩に軽く手を置く。
「リュウは神経の拡張を終えて、ミライと同じ幻覚世界に参入したんだ。
今二人は同じ世界にいる。われわれも彼らを見守りながら、こちらでできる
ことをしなければ」
涙ぐみそうな自分をようやくのことで抑えて、コノミはうなずいた。
「第二モニタ、確認します」
壁面に、ミライのそれと並んで、もう一つの巨大スクリーンが出現する。
映し出された映像は、ミライのそれよりも、やや鮮明で、ノイズも少ない。
ぼやけたセピア色の画面が映し出す光景は、路地ではなく、どこかの公園の
ように見えた。ベンチと東屋。高台から見下ろされるさらにぼやけた光景。
「これって、リュウさんがよく行く…あの丘の上の公園じゃ…」
顔を見合わせるテッペイとコノミ。
「おそらくここが、幻覚世界のそもそもの出発地点なんだろう」とサコミズ。
「あの公園、ミライもよく行ってたよな。…コノミ、ジョージとマリナに、連絡を」「GIG!」


348 :闇の呼び声6 3/4:2007/02/09(金) 04:39:13 ID:xz7RWE9c0

**

リュウは、薄い霧の中にいた。激しい神経と脳波とのシンクロの余波なのか、
頭の芯がしびれている。からだも、自分のからだではないようだ。皮膚の
あちこちがぴりぴりする。耳鳴りもする。胃がむかむかして、吐き気もする。
(タロウと融合していてさえ、これだもんな…)
人間としての自分は、ミライの危機に対していかに無力であるのかを、
思い知らされた気がした。
(落ち込んでいる暇なんかないぞ、リュウ)
「分かってるさ」リュウは、気を取り直してあたりの景色を眺めた。そして、当惑する。
「ここは…」
(知っている場所か?)
「ああ。フェニックスネストの近くにある、丘の上の公園だ。…ミライと
初めて会ったのも、この場所だったな」
丘の上から見下ろす街は、ミニアチュ−ルのように身を寄せ合って
ひしめいている。そのどこかに、ミライはいるのか。
ややあって、タロウがリュウに問いかける。
(リュウ、きみはよくここから町を見下ろしていたのか)
(セリザワ隊長と、ここでよく話したからな。ウルトラ五つの誓いを教わった
のもここだった。あの誓いをここで暗誦してたら、それに唱和しやがったやつ
がいて、そいつがミライだったんだ。…なあ、タロウ教官。ミライもこの場所
を通っていったんだろうか。あいつも、よくここへ来ていた)
(そうだと思うよ。この場所は見晴らしがいい。空も仰げる。光の国を地球から
臨もうとすればよい場所だ。だからこの場所はきっと、メビウスにとっても
くつろげる場所だったんだろう)
(そっか。あいつ、ここでふるさとの星のこと、考えてたんだな)


349 :闇の呼び声:2007/02/09(金) 04:40:47 ID:xz7RWE9c0
高台から下の町へと、ミライがさまよう路地を求めて、リュウは坂の斜面に
沿って設けられた小さな階段を、蛇行を繰り返しながら降りていく。
その左腕に、いつの間にか、金色に輝く不思議なバッジが装着されている
ことに、リュウはまだ気づかない。
(ふるさとか。…なあ、ウルトラマンにも、家族っているのか)
(そりゃ、まあ、ね)タロウの声が苦笑している。
(そっか、あんたには立派な両親がいるんだっけ)
いつかテッペイにドキュメントで見せられた、ウルトラの母。
ジャシュライン戦の際に姿を見せたウルトラの父。
その二人が、タロウの実の両親だといわれていると、テッペイは
得意気に説明していた。そのときは、へえ、と思っただけだったが。
(ミライの家族は、どうなんだ)
タロウの声がやや硬くなる。(あの子は…小さいときに両親を失っている)
(そう…なのか)
(あの気性だから、みんなに愛されて育ってきたけどね)
万能コンピューターが教育係を兼ねていた時期があって、そのせいかどうも
日常の肝心要の部分がずれてるんだよな。…リュウの心が、痛ましさでしめつけ
られたが、その一方で、妙に納得して可笑しくなる自分自身もいた。
…何だよ、ミライ。お前、天然なのは、故郷の星でも一緒だったのかよ。
泣き笑いの感情が、融合した二つの心を一つに共鳴させる。
(ほっとけない。まっすぐで一生懸命で。一途で純粋で。…
どこにいるんだ、ミライ。どこにいるんだ、メビウス。
一緒に帰ろう。必ずお前を見つけ出す。必ずお前をつれて帰る。)

リュウ=タロウは足元に渦巻くセピア色の町に向かって、そのどこかに
いるはずのミライに向かって、ひたすらにテレパシーを送り続ける。
呼びかけ続ける。…


350 :闇より愛をこめて:2007/02/09(金) 04:47:31 ID:xz7RWE9c0
ここまででつ。ゆっくり進みまつ。

いっぱい面白い小ネタや、新シリーズ、トレーニングや報告さんやで狂喜乱舞。甘い祭りが
近いせいか、明るい話が多いところへ、どんどん暗くなりそうでスマソ

THE HANGED MAN>> 来訪者が激しく気になります
トレーニング>> ゾフィーって生徒たちの伝説の人なんだね。すごくかっこいい。
       タロウとレオが日本の民話伝説に詳しいのにワロタ 考えてみたらどちらにも「民話シリーズ」あったっけ
報告>>どおしてこう食べ物がおいしそうなんだ、この世界はwサコちゃんも天涯孤独っぽいのでこういうのうれしいんだろうな

351 :名無しより愛をこめて:2007/02/09(金) 06:06:58 ID:i+ayBp8F0
>>346-350
とうとう突入!!wktk
ところで、リュウ=タロウて、そのまま読むと「リュウタロウ」・・・どっかの主役みたいな名前になるなwww


352 :フィフストレーニング2-21:2007/02/09(金) 10:30:37 ID:EtEIt00P0
「別に悪くなんてないよ」
そうは言っているものの、苦虫を噛み潰した様な表情はなかなか収まらない。
アストラはタロウの姿に少しだけ笑みを漏らした。
「心配ないよメビウス。タロウ兄さんは僕たちがあんまりゾフィー兄さんの事を褒めるから拗ねているんだよ」
「ちょっ、拗ねるって、アストラ?!!」
「僕にも経験があるからわかりますよ。あんまりレオ兄さんばかり褒められてたから、取られてしまいそうで拗ねちゃって」
「無い無い無い!それ絶対無い!ありえない!!」
必死に否定するタロウの声がレオとアストラの間を素通りする。
「そうか?おまえの方がたくさん褒められていたじゃないか。
俺なんか『お兄ちゃんなんだから我慢しなさい』ってしょっちゅう怒られていたぞ」
「僕だって『弟なんだからお兄ちゃんに譲りなさい』って良く言われていたよ」
「お兄さんも弟も大変なんですか?」
「そうだよ」
「人の話聞いてないだろ、おまえら」
獅子座の方に身を乗り出すメビウスを、さり気なく引き寄せて漏らしたタロウの独り言に、80は横を向いてこっそり笑った。
(自分も褒めてもらいたい弟、だな)
「けどまあ、大変だけど嬉しい事の方が多いさ。兄弟って多い方が楽しいよ。
それを考えたら、ゾフィー兄さんも寂しいよな」
「何処が」
「何処がって・・・・」
飲もうとしていたカップが空になっていたので、レオは一旦ソーサーに置いた。メビウスはすぐにカップに紅茶を注いぐ。
「ありがとう。
そりゃ寂しいさ。いきなりすぐ下からごっそり4人いなくなったんだ。タロウ兄さんを構うのだってそういうことだろ?」

353 :名無しより愛をこめて:2007/02/09(金) 11:30:22 ID:EtEIt00P0
>>報告 母が掃除機かけてキングが新聞読んでる、ファミコンのCM思い出したww

>>闇 タロウとリュウの二人が互いにメビを想う気持ちがシンクロしていってますね。
メビウスの小さい頃で、アンドロメロスが父だったというwebマンガ見たのを思い出しました。
おくるみに包まれてる可愛い赤ちゃんメビと、メビ母が美人さんww

354 :名無しより愛をこめて:2007/02/09(金) 14:49:00 ID:eOhGTZY20
>>闇、がんばってますね!今後の展開に期待。

アンドロメロスの件、何かすげえ〜。メビウスの生い立ち、本編では語られてませんね。
もしかしたら、今後、本編で近い話がでてきたりするのでは?

355 :最強バカッポー・完結編 1/3:2007/02/09(金) 19:43:49 ID:PYE/QyAg0
またしても、ヒカリにょた&ゾフィーのアホSSです。苦手な方はスルー願います。

特訓の甲斐あって、ようやく擬態が安定してきたヒカリは、久々に外宇宙での任務に就いた。
といっても、宇宙警備隊員としてではなく、科学局の委託調査員としてであるが。
某惑星で特殊な菌類が異常繁殖しているとの報告があったので、
その状況と危険度を判定するのが目的である。

問題の惑星に到着すると、すでに先客がいた。しかも聞き覚えのあるひどい宇宙訛りの・・・
「あ〜ヒカリになったツルギあるね。久しぶりあるね。ザムシャー来たあるか?」 
ファントン星人だった。
食料調達のために銀河中を飛び回っている彼らは、大食漢であるばかりではなく、
実は大変な事情通&情報通なのである。
今回もどこからか「巨大菌類」のことを聞きつけて、早速「試食調査」にやって来たのである。
「これうまいある。ヒカリも食べるある」
といわれても、全高10数メートルのベニテングダケ風きのこにはそそられない。
しかし、ファントン星人たちはすでに伐採を開始していた。
(ソリチュラ系だったらどうするんだ・・・)という心配には及ばないようだ。
巨大きのこは片っ端から笠と竺とに解体され、サイズごとに仕分けられていく。


356 :最強バカッポー・完結編 2/3:2007/02/09(金) 19:45:20 ID:PYE/QyAg0
異常繁殖の範囲とその原因を調査していると、ファントン星人から通信が入った。
「コンテナもお腹もいっぱいになったある。帰るある。また来るある」
しばらくして、巨大な輸送船が浮上し、ゆっくりと上空を旋回し始めたその時、
突然、惑星上空の時空に歪みが生じた。その中心部分から、禍々しい唸り声が聞こえた。
「あれは・・・まさか・・・」 しかしファントン星人の宇宙船は進路を変更しようとしない。
彼らは食後に昼寝をする習慣がある、おそらく自動操縦モードにしたまま眠りこけているのだ。
輸送船の前方の時空に穴が開いた。そこからあらわれたのは・・・
高次元捕食体ボガールの亜種、ソリチュラの天敵でもある草食性のベジ・ボガールだった。
食べ物の臭いを嗅ぎ付けて、時空を越えてやってきたベジ・ボガールは、
餌場を荒らしたファントン星人に向かって、怒りの光球を投げつけようとしていた。
(危ない!)
光球が輸送船を直撃するかと思われたその時、周囲が眩しい光に包まれた。
空を覆う閃光がおさまった時、輸送船の舳先に青い勇者の姿があった。
その白銀の装甲でベジ・ボガールの攻撃を跳ね返したツルギ=ヒカリは、
ゆっくりとその右腕を頭上へと差し上げた。その手から虚空へと走るプラズマの輝きは・・・
はっとして時空の穴へ戻ろうとするベジ・ボガールに向かって、
青白い冴えた輝きを放つ、ナイトシュートが打ち込まれた。爆裂飛散するベジ・ボガール。
交差した腕をゆっくりと戻したツルギ=ヒカリの背後に、何かが迫りつつあった。


357 :最強バカッポー・完結編 3/3:2007/02/09(金) 19:47:33 ID:PYE/QyAg0
それは懐かしくも暖かな輝きを放つ、赤い光球だった。
それを見た途端、ツルギ=ヒカリの全身がオーロラ状の光波に包まれた。
その輝きの中で、白銀の勇者がゆっくりとあでやかな美女へと変貌していく。
「ヒカリ!何があった?!」 「ゾフィー・・・!」
「ただの調査だと聞いていたのに、ツルギの波動が感知されるとは・・・大丈夫か?!」
微笑みながらうなづく美女。そしてその姿に固まる宇宙警備隊長ゾフィー。
絡み合う視線と流れる沈黙・・・二人だけの世界・・・もう何も見えない、聞こえない。

彼らは、その様子をつぶさに観察している存在には全く気がついていなかった。
先発隊と入れ替わる形で超特大のコンテナ輸送船団を送り込んできた彼らによって、
宇宙警備隊長の恋と、お相手の青い男装の麗人についての噂は、
スターマーク同士の最強ゴージャスバカッポーとして、
瞬く間に全宇宙にあまねく流布されたのであった。

〜完〜


358 :名無しより愛をこめて:2007/02/09(金) 20:02:09 ID:Gdcg9dJx0
>>355-357
GJ! GJ!! GJ!!!

>瞬く間に全宇宙にあまねく流布されたのであった。
GUYSでも受信されて、リュウさんが泡吹いてぶっ倒れるというスンポーwww
スターマーク同士の最強ゴージャスバカッポーは、絵描板No.85よりもダメージでかいな

4コマさん、バラしてスマソ...OTL(面白かったから、あっちだけじゃ勿体なくて)

359 :名無しより愛を込めて:2007/02/09(金) 21:23:37 ID:xz7RWE9c0
トレーニング>>今日も獅子座兄弟に萌えたっ!二人の世界作ってるしw
>>353 わいるど7ですな。読みましたえ。確かに似てるし。ドラマの方で
出てくるかどうかはともかく、企画段階のデザイン上は間違いなく「父」と
言って良いのではと思ふ。

最強バカッポー>>ファントン、ボガール、ソリチュランの競演が嬉しい。
それにしてもなんとなやましくあでやかなマドモアゼル・ヒカリたん。。失神ものでつw

360 :名無しより愛をこめて:2007/02/09(金) 21:48:32 ID:i+ayBp8F0
>>355-357
ツルギの波動が感知されただけですぐさますっ飛んでくる長兄・・・どこかで見たようなwww
相手が弟でも美女でも、全く態度が変わってないのは、見事だwww


361 :名無しより愛を込めて:2007/02/09(金) 22:35:41 ID:xz7RWE9c0
養成所スレの815-816に吹いたwwもー最高 スレ違いスマソ


362 :名無しより愛をこめて:2007/02/09(金) 22:54:19 ID:eOhGTZY20
養成所スレって、魅力的なんだね。ここ馬鹿にされてるとばかり思ってました。
後で見直してみます。

363 :名無しより愛をこめて:2007/02/09(金) 22:59:20 ID:XJrPH9eq0
他スレの話は…
つか、あっちで感想落とせばいいじゃん

364 :名無しより愛をこめて:2007/02/09(金) 23:46:46 ID:FwLFvjdCO
ここのことを馬鹿にした養成所スレの住民なんかいなかったし、そもそもここの話題なんか出たことはなかったと思うぞ
というか基本的に類似スレでもないかぎりネタスレ同士は不干渉なんじゃないか
他スレへのネタの持ち出しは当然禁止だけど、他スレからのネタの持ち込みも禁止にするか?

365 :名無しより愛をこめて:2007/02/09(金) 23:49:32 ID:07VZAwdb0
>>364
注意されて逆ギレしてる相手にするみたいなレスをする必要はない。

正直「このスレの見方」をされるのが不快な人はいるだろうし、感心はしない。
ただ、養成所に関しては余所で触れられることは多い。
本スレでも極たまにだが話題に出るのだから今更だろう。

366 :名無しより愛を込めて:2007/02/09(金) 23:50:54 ID:xz7RWE9c0
ごめん、最初にふったの自分。養成所ネタでここっぽいのがあったんで
つい書いちゃった。馬鹿にされてると思ったことは自分もないし、
結構読みあってるよね。でも、今後は気をつけるわ。すいません。。

367 :名無しより愛をこめて:2007/02/09(金) 23:53:16 ID:mOylXolS0
>他スレからのネタの持ち込みも禁止
明記しなきゃならないとは情けない気もするが、度々他スレの話がある事に
雰囲気が壊れるのも嫌だから、仕方ないか

368 :名無しより愛をこめて:2007/02/09(金) 23:55:29 ID:07VZAwdb0
しつこい。

369 :名無しより愛をこめて:2007/02/09(金) 23:57:30 ID:mOylXolS0
リロしなかった、スマン

370 :金的の鎖1 1/4:2007/02/10(土) 00:38:45 ID:IHBGH2r90
フィフスの楽しいコーヒーブレイク見てたら勝手に動き出しやがった
(闇が暗くなる一方なのでその反動もあるが)闇の合間に気ままに投下しまつ

>>78-81の続きと思って下さい。あと、>>220のリクにもこの流のどっかで。
**
明日人さんへ。この間はありがとうございました。ガイズのみんなも、
CDやDVDや、コンサートのチケットまで頂いて、とても喜んでいます。
それから、プレゼント、ありがとうございました。着かたがよく分から
ないので、ガイズの女性上官のミサキさんに教えてもらいました。
ミサキさんはほめてくれましたが、サコミズ隊長は、すごくにあうけど、
当分その服はしまっておいたほうがいいんじゃない、といいました。
どうしてかわからないけど、隊長はお風呂に入ったあとみたいに赤くなって、
ミサキさんにからかわれていました。ころあいをみはからって、その服を
着るのにふさわしい機会があったら、教えてあげるから、それまでその服は
大切にしまっておきなさい、と隊長は言って、そのあとはいつもの倍以上に
コーヒーを苦くして飲んでいました。なので、フェニックスネストのぼくの
部屋のクローゼットにその服はしまってあります。もしサコミズ隊長がその服を
着るといい日というのを教えてくれたら、明日人さんに連絡しますね。


371 :金的の鎖1 2/4:2007/02/10(土) 00:40:43 ID:IHBGH2r90
「楽しそうだな、明日人」コーヒーをなみなみとたたえたサイフォンを片手に、
居間に入ってきたゲンは、ガイズの社内用箋に書かれた手紙を読みながら、
涙をこぼさんばかりに笑いこけている明日人に声をかけた。「ミライ君からの手紙か」
「うん。サコミズさん、苦労してるなあ。…まあ、その苦労を俺たちが増やしちゃって
るわけだけど」明日人はいったん手紙をテーブルの上において、兄を見上げた。
「申し訳ない話だよな」
「俺は知らん。悪乗りしてるのは主にお前だろう」
ゲンは肩をすくめてサイフォンを脇に置き、サイドボードからカップを二つ取り出す。
「こういうのは連帯責任なんじゃない、ゾフィー隊長から見れば」
明日人は強い香りに恍惚としながらカップを受け取り、こぽこぽと音を立てている
サイフォンから湯気の立つ黒い液体を注ぎ込む。「…あの獅子座ツインズが!って
おかんむりだろうね、きっと」くすくす笑いながら啜って「美味い!サコミズさんも
随分コーヒー好きらしいけど、よく分かるな、その気持ち」
「ゾフィー兄さんのコーヒー好きは光の国にいたときからだからな」
「へえ!誰かが地球みやげで持って帰ったんだね。だけど、あんまり苦くしすぎると
胃に悪いんじゃないかな」
「その片棒を担がないように、悪乗りは控えろよ。…で、ミライ君はなんて?」
「うん、先日の一件についての礼状みたいだけど…待てよ、まだ続きがある」


372 :金的の鎖1 3/4:2007/02/10(土) 00:42:33 ID:IHBGH2r90
ところで、そのこととは別に、明日人さんにお願いがあります。ガイズの同僚の
コノミさんに、メイクをしてもらえませんか。コノミさんには、スザキさんという
お友達がいます。子供のとき、いじめられっ子だったコノミさんを励まして勇気
づけてくれた、大切な人なのです。俳優さんなのですが、一時はスランプで少し
荒れた生活をしていたようです。でも、その後の努力が報われて、今度、大きな
仕事をもらえることが決まったのだそうです。それで、みんなでそのお祝いの会を
開こうということになりました。そして、コノミさんを「ドレスアップ」してあげ
たい、とみんなで相談しました。(「ドレスアップ」って何ですかと聞いたら、きれ
いにしてあげることだと教わりました)  
でも、ただの「ドレスアップ」ではだめなんです。前に、コノミさんがスザキさん
に会ったときも、みんなで着ていく服とか考えて送り出したのですが、そのときは
スザキさんが荒れていて、コノミさんの真心がうまく通じませんでした。こんどは
だいじょうぶだとおもいますが、前のときのように失敗しないように、コノミさん
の一番コノミさんらしい魅力を生かせる「ドレスアップ」にしてあげたいと思うの
です。このあいだの明日人さんのメイクがあんまりすごくて、みんなびっくりして
いたので、もし明日人さんがコノミさんにメイクをしてあげたら、すごく素敵な
「ドレスアップ」ができると思います。

「レディ、一生懸命だな」明日人の顔に、今度は穏やかで暖かい笑みが浮かぶ。
「こういうところ、たまらないなぁ」
「引き受けるのか、明日人」熱いコーヒーを啜りながら、明日人から受け取った
手紙に目を通したゲンが目を上げる。


373 :金的の鎖1 4/4:2007/02/10(土) 00:44:54 ID:IHBGH2r90
「こんな可愛らしいリクエストを受けちゃね。ガイズの諸君にももう一度会って
みたかったし、今度の土曜日に皆さんをここへご招待したいと思うんだけど、
どうだろう兄さん」
「今度の土曜日は、午後からラジオの収録があったんじゃないか」
ゲンは壁のカレンダーに目をやる。「朝も二本、取材が入ってるぞ」
「二本目、キャンセル」明日人は眉をしかめた。「あのヒルカワって男、しつこくて
どうも好きになれん」
「なら、昼食を一緒にってことで一、二時間は取れるんじゃないか。そのスザキと
いう人の祝賀会は土曜日にあるのか」「土曜日の四時からだってさ。ちょうどいいね」
明日人は手紙をたたんで封筒に戻し、少しばかり考え込んだ。
「どうした?」
「いや、スザキってさ、スザキ・ジュンのことかなって」
ソファに長い足が投げ出され、右太ももに食いついた鎖がじゃらんと音を立てる。
「今度、ヒーロー物のリメイクで、高名な監督が撮り下ろすって評判の映画に主演が
決まった役者がいただろ。…監督の急逝で、実質的に遺作になってしまったわけだけれど」
「ああ、あの映画か。しかしあれは主演は女性だったんじゃないか」
「もともとは男性が変身する話を女性にリメイクしたのさ。スザキ・ジュンは、
そのヒロインの秘密を探りつつ心ひかれる探偵の役だよ」
明日人は頭の後ろで手を組んで、そのままソファに横になった。「なんかレディと
王子様みたいだな」
「ミライ君がメビウスだということは、彼らの間ではもはや公然の秘密だろう」
「そうみたいだね。…でも、あの王子様は、…レディもだけど、自分の気持ちを
まだはっきり認識してないんだよな。それは、あの二人にとって、レディがメビ
ウスだってこと以上に素敵な、これから明らかになるはずのトップ・シークレット
だと思うよ」

**
こんなかんじで。まったりつづきます。

374 :名無しより愛を込めて:2007/02/10(土) 00:52:15 ID:IHBGH2r90
ごめん!
>>370のは>>221のリクエスト、の間違いっすorz

375 :名無しより愛をこめて:2007/02/10(土) 00:59:37 ID:DovmjDo30
>>374
ごめん、ごつい想像してたw
それにしても、どんな服だったんだろう…?

376 :名無しより愛を込めて:2007/02/10(土) 01:05:46 ID:IHBGH2r90
>>375 >>81のラストに出てくるヤツです。

377 :4コマ ◆nL.tEAkRlc :2007/02/10(土) 13:51:40 ID:NP5nDluE0
バカッポーGJ! こういう展開になるなんてねw
4コマ描きとしては、うれしかった!w

金的、本当アストラは人のよいお兄さんですね。

378 :名無しより愛をこめて:2007/02/10(土) 14:14:55 ID:Ev60LSKU0
「金的」という単語に思わず下腹に力入った(失礼)
もしかして銀假面ともクロスオーバー?

379 :名無しより愛を込めて:2007/02/10(土) 15:28:46 ID:IHBGH2r90
そうか、「金的」って漢字だといろいろ想起させちゃうわけですな(汗)
ゴールデン・ターゲットという意味で使ってますが、まあ、ギャグなんで
このまま行きます
>>378銀假面 あたりっす。wikiで内容見てぶっ飛んだ〜
でもクロスオーバーというほどのこともなくorz、改めて追悼。

380 :名無しより愛を込めて:2007/02/11(日) 00:31:47 ID:fnb95PcL0
今日の本編でパラレルが確定したような気もするけど、めげずに続けるっす。
ヤプールならこういうのもやりそうだしな。。
それでもまだ、SSのラストが今日の本編の話の直前に食い込む形になると
いいなと思っておりますが。。(^^;)
**
余韻さめやらぬ時に投下スマソ。


381 :闇の呼び声7 1/8:2007/02/11(日) 00:32:50 ID:fnb95PcL0

ミライはよろよろと路地を歩いている。もうどのくらい歩いたのかもよく分からない。相変わらず、ひどい頭痛がする。眉間がきりきりと締め付けられるように痛む。
こめかみの方も、きついベルトか何かで締め付けられているような感覚が付き纏う。
それなのに、ミライの歩みは途切れる気配がない。まるで、自動人形のように、
ぎこちなく、おぼつかなく、何かに引き寄せられるように、足がふらふらと前に
出てしまう。
(このままじゃ、だめだ)ミライは、必死に、自分のからだの主導権を自分に
取り戻そうとする。(考えなくては。ここはどこなのか。どうして、ぼくはこんな
ところをずっと歩いているのか。…何があったのか、思い出さなくては。)
しかし、考えようとすると、思い出そうとすると、頭痛はいっそう激しくなる。
胃がきしむように痛み、吐き気を催す。(だけど、思い出さなくちゃ。…あれ?
この感覚、前にも…)
ミライは、少しだけ思い出した。フェニックスネストの自室で、サコミズ隊長が、
自分に尋ねたのだ、何かかわったことはなかったか、思い出してごらん、と。
そのときも、思い出そうとするとひどく頭が痛くなった。そして、それから…。
 突然、ミライはぶるっと身震いした。そのあとで、なにかすごく恐ろしいことが
起きたような気がする。それがなんだか覚えていない。ただ、激しい恐怖の念だけが、
ミライの心に植えつけられていた。ミライは自分の手の甲を眺めた。恐怖でそそけだ
っている。体中が冷たかった。(何なんだろう、この怖さは…)自分で自分を抱きしめる
ようにして、体の震えを止めようとする。心臓が激しく脈を打っている。息苦しい。…


382 :闇の呼び声7 2/8:2007/02/11(日) 00:33:57 ID:fnb95PcL0
ミライは不意に、自分がガイズの制服姿ではなく、初めて地球に降り立ったときの、
Gジャンにコットンパンツの私服姿であることに気づく。
(どうして…?さっきは確かに、ガイズの制服を、ぼくは着て…)
自分は確かに、何かに翻弄されている。(そうだ、サコミズ隊長…が、ぼくを…)
ミライは、邪悪な姿に変化したサコミズの、冷たい手の感触を思い出した。それは、
まるで、自分の一番奥にある、固く封印されたなにものかを、つるりと無機質な手に
よって探り出され、明るみに出されてしまうような違和感。
(でも、あれはきっと隊長じゃない。…隊長の姿を借りた何か。隊長は、ぼくが封印
してるものを、あんなふうにさぐったりはしない)
そこまで考えて、ミライははっとする。
(封印…?封印てなんだ?ぼくは何か心に封印してるってことなのか?)
ミライはぶるぶると頭を振った。…やっぱり、何かがぼくを翻弄している。
どこかで、嗤ってる。

 その間も、ミライのからだは、ふらふらと前に進んでいく。何かに引きずられる
ように、歩みを止めようとしない、自分の足。ミライは、それをとどめようと、
ぐっと踏ん張った。渾身の力をこめて膝をつくと、バランスを失ったからだが
前のめりに倒れる。石畳の地面に思うさまたたきつけられて、ミライはうめいたが、
その痛みが、一種の暗示状態に陥っていたそのからだを解放した。
 「リュウさん…」切れた唇からにじむ血を、唾とともに飲み込みながら、
ミライは「大切な人」の名を口にする。心細さが、ほんの少し薄らいだ。ミライは表情を
引き締めると、ゆっくりと立ち上がる。…さっきより感覚が戻ってる。ぼくの手も、
ぼくの足も、ぼく自身の意思で動く。…だいじょうぶ。さあ、しっかりするんだ。
状況を見極めて、ここから脱出する方法を考えなくては。


383 :闇の呼び声7 3/8:2007/02/11(日) 00:34:56 ID:fnb95PcL0
そこは薄暗い路地だった。ほこりっぽいコンクリートの建物のかげに、狭い小道が
入り組んで独特の雰囲気をかもし出している。空気がよどんでいるのに、かさかさ
した肌触りのいやな風が吹く。
(そうだ、ぼくは、もともと、黒い服の男を追って、ここへ来たんだ。)
ミライは周囲を見回した。黒い服の男。そいつが、サコミズ隊長の姿を借りて、
自分を混乱させたのだ。…あれは、どこまでが現実で、どこまでが幻覚だった
のだろう。隊長は、ぼくが何か薬を打たれている、といった。あれは現実? 
だとすると、ここは薬が作り出した幻覚の世界なのか。…ぼんやりと、切れ切れに
浮かぶフェニックスネストでの光景。パニックに陥った自分と、困惑するガイズ・
クルー。そして、自分をしっかりと抱え込んでくれた力強い腕。…
ミライはジャケットのポケットを探った。私服であっても、これだけは自分は
決して手放さないはずだ。ガイズ・クルーの一員として。それ以上に、「俺たちの絆」
の証として。…そしてそれはそこにあった。金色の炎が描かれた、メモリーディスプレイ。
ミライの顔がほころぶ。…リュウさん。みんな。
 クルーの笑顔がまなかいにうかぶ。…ミライ。ミライ君。早く帰っておいで。
みんな待ってるよ。みんな、君を待ってる。
 その一番後ろから、無骨な――だが、ミライにとってはこの上なく暖かい――笑顔を
浮かべて、手をさしのべる男。…おいミライ。なにぐずぐずしてやがる。早く戻って来い。


384 :闇の呼び声7 4/8:2007/02/11(日) 00:36:07 ID:fnb95PcL0
…リュウさん!
ミライはその手に自分の手を預けようとして、はっとする。頭の中に、ささやき
かけるような、訴えかけるような、それでいて、誰に向かってでもなく、ただひとり
述懐を繰り返してでもいるような一つの声が、切なく響いてくる。
(そうだ、それだけじゃなかった。誰かが、ぼくを呼んでいたんだ。黒い服の男じゃ
ない。とても悲しい声で、ずっと、ずっとぼくを呼んでいたんだ。ぼくは、それを
ほっとけなかった)ミライは息をすい込む。かさかさした風の音に混じって、その
声は今もミライの耳に響いている。
 眼前のリュウが、厳しい表情になって、ミライに向かって首を横に振る。その唇の
動きは、「行くな」といっているようにも「だめだ」といっているようにも見えたが、
その声は、ミライの頭の中を渡る風のように鋭く貫いていく「呼び声」にかき消されて
もう聞こえない。声にならない怒鳴り声をもどかしげに発しながら、リュウの幻が
消えていく。…
(でも、リュウさん)ミライの心は引き裂かれる。…大声ではない。怒号でもない。
それは、むしろさみしげなつぶやきにも似て、大仰なそぶりなど微塵もないのに、
ただただ切なくて悲しくて、ミライの胸はしめつけられそうになるのだった。
その切なさが増せば増すほどに、ミライには、どうしても、その声が邪悪なものだ
とは思えない。


385 :闇の呼び声7 5/8:2007/02/11(日) 00:38:18 ID:fnb95PcL0
「甘いねえ、相変わらず」
ふいに真後ろから声がして、ミライはぎくりとして振り向いた。「きみは…!」
そこにいたのは、髪を二つ分けにして、短いチェックのスカートに同色のリボンタイを
結び、ブラウスの上に白いベストを合わせた、制服姿の女子中学生。スカートから
すんなり伸びた、ハイソックスに赤茶のローファーの小さな足を高飛車に組み、
雑居ビルの裏窓にもたれかかるようにして手すりに腰掛けている。無表情な白い顔に、
切れ長の細い目で、ミライを射すくめるように見つめながら、吐き出すように言葉を
続ける。「馬鹿じゃないの、あんた」
「カコちゃん…?」ミライは突然現れた、かつての「妹」に戸惑う。サイコキノ星人の
少女は、小悪魔的な笑みを浮かべると、「兄」に近づく。「そうよ、『ミライ』の妹の
『カコ』。ご無沙汰ね、オニイチャン」ふわりとまっすぐな髪が、ミライの鼻先を掠める。「中身はオネエチャン、よね」白い指がミライの唇をなでた。「それなのに、顔にケガ
なんかしちゃってさ」
「たいしたことないよ」ミライは、まだ血のにじんでいる唇を手の甲でぬぐった。
「それより、きみはどうしてこんなところにいるの?…まさか、きみも黒い服の男に?」
「ほんとに馬鹿ね」カコはいらだたしさをあらわにして、ミライを睨みつけた。「お人よしもたいがいにしたら。今ならまだ戻れるわよ。…さっさと帰ればいいじゃん」
「帰るといっても」ミライは困惑する。「ここがいったいどこなのか、それさえぼくには
よくわからないのに」


386 :闇の呼び声7 6/8:2007/02/11(日) 00:39:29 ID:fnb95PcL0
「ここはあんたの幻覚世界よ。だから、本当のところは、行くも帰るも、あんたの
意志しだいなの。あんたが、あんたを呼んでいるものを無視して鼻も引っ掛けなければ、あっちだってどうしようもないってこと」カコは腕を組み、冷ややかにミライを見上げた。
「確かにあんたは、今、呼び声に最大限反応するようにからだをいじられてるけどね」
「薬を…打たれてるってこと?」
「まあ、そんなもんね」カコは皮肉っぽい笑みを浮かべてミライの胸元をつついた。
「…感度良好ってわけよ、オネエサマ」
「やめろ」ミライは顔を赤らめてカコの指先から身をかわす。
「冗談はさておき」カコは無表情さを取り戻す。だが、その瞳が放つ光は、真剣
そのものだった。「早くここから帰りなさい。呼び声がどんな泣き言を言おうと、
乗ってはだめ。どんなに切なく聞こえても、無視すんのよ。聞こえないふりすんの。
…そういうの、自分の身を守るためには、時として必要なのよ」
「そんなこと…」
「できないってわけ?いい子ちゃんぶったって、だめよ」カコはきつい目でミライを
見据える。「この世には、どうしようもないことがあるのよ。どんなに手を尽くしても、
どうしようもないことが」


387 :闇の呼び声7 7/8:2007/02/11(日) 00:41:29 ID:fnb95PcL0
「ここはぼくの幻覚世界だってきみは言ったけど」ミライはカコに問いかける。
「だったらなぜきみはここにいるの?きみもぼくの幻覚なんだろうか?」
「どうだかね」カコは肩をすくめた。
「あんたをここから取り戻したがってるのは結構いる。あたしは、そういう連中の
思念をちょっと借りて、あんたに話しかけてる。…でもそれは半分だけ」
「半分だけ?」
「そうよ、だってあたしはもともとあいつに刺客として呼び寄せられた側の存在だもの」「あいつ?」
「そう、あんたを破滅させようとしているやつ」
「それって、例の時空波…」
じゃあ、ぼくを呼んでいるのは時空波?ミライはかぶりをふる。違う、そうじゃない。
あれは、そんな邪悪なものじゃない、絶対に。
「時空波そのものだろうと、おとりだろうと」カコは言葉を続ける。「呼び声に答えたら
オシマイよ」その声に心なし悲しげな響きが混じる。「あんたを挑発するふりをして、
あんたがみすみす呼び声に乗せられるのを止めに来たのよ。悪いことは言わない、早く
帰んなさい、だってあんたを呼んでいるのは……」
「カコちゃん…?」


388 :闇の呼び声7 8/8:2007/02/11(日) 00:42:45 ID:fnb95PcL0
ミライは目を疑った。たった今まで目の前で話していた、皮肉混じりな表情の
少女は、それこそ幻のごとくにかき消え、代わりにミライの足元には、小さな人形が
一つ、転がっている。拾い上げるとそれは、オルゴールのついた、マイセン陶器の
少女だった。赤い花を手に持ち、赤い靴を履いた少女は、白くつめたく、無表情だ。
ミライは、黙ったまま、何かに導かれるように、人形のねじを巻いた。陶器の少女の
目から、小さな涙が一滴、流れ落ちる。オルゴールが、きしきしと曲を鳴らし始める。

…赤い靴はいてた 女の子 異人さんにつれられて行っちゃった

 ゆっくりと、そのフレーズだけを歌うと、人形はミライの手の中で、粉々になって
崩れ、風にとばされて消えていった。茫然とするミライの手の中に、小さな赤い靴だけが、たった一つ残されている。
(どうして…) 慟哭するミライ。(こころが…こころがばらばらになって、ちぎれて
しまいそうだ…)


***
今回ここまで。


389 :名無しより愛をこめて:2007/02/11(日) 00:58:34 ID:rbxSLkL10
>>381-388
うわあああ、なんなんだこの緊迫感は!!!
・・・リュウタロウ(続けて書くなw)早く追いつけよおおおおおお

390 :4コマ ◆nL.tEAkRlc :2007/02/11(日) 01:48:31 ID:dHFCi/5G0
闇の呼び声 本編の怒濤のラストさながら、盛り上がってまいりましたっ!w

391 :The Hanged Man.07:2007/02/11(日) 02:26:43 ID:LxX/Z+Lr0
マッ「タロウ教官寝てたね、どうしよっか、また来る?」
ゼノ「てか、メビウス本当に移るのか? レベル均等化が目的らしいんだし、
 難しいのと違うかなぁ」
マッ「なんでゼノンって妙に事情に詳しいんだよ、普通知らないだろ」

メビ「でも、なんか張り合いなくて」
ゼノ「いやいやいや、まあ、うーん、釣り合い取れる相手はいないけどさ」
マッ「ふーん、そんなものなのかなぁ」
ゼノ「お前とは逆にメビウスと組まなきゃ対戦出来ないしなぁ、レオ代行は結構
 組み手以外にも項目があるから楽しいけどね」
マッ「細かくて面倒い」
ゼノ「はいはいはいはい、天才はいいよねっ」
マッ「でも教官職なのに自ら相手してくれるのがいいよね」
ゼノ「お前以外ずたぼろだよっ、なんでそんなに戦闘馬鹿なんだ、ったく」

メビ「ゼノン、マックスさん聞いてない(あんまり)」
ゼノ「うんまあ・・・いつものことだから(しくしく)」


392 :The Hanged Man.08:2007/02/11(日) 02:27:47 ID:LxX/Z+Lr0
メビ「あれ、雨が」
マッ「本当だ、おかしいな、降らすって聞いてないのに」
ゼノ「まー、俺らは室内だから問題ないだろう、予定変わったのかな」

マッ「じゃあね、また後でね」


 「なにを見ている?」

メビ「え、あ、はい、雨が止まないなぁって。どちら様ですか?」
ノア「わたしはノアというのだよ。M78の住人は雨が珍しいのか」
メビ「あの、都市機能の洗浄のためにしか降らさないんです」
ノア「妙なことを・・・でもないか、確かに必要か」

メビ「こんなに降り続けたら水がもったいないなぁ」
ノア(人工の星の子どもはこういうことを言うのか・・・)


393 :The Hanged Man.09:2007/02/11(日) 02:31:29 ID:LxX/Z+Lr0
ゾフ「ノア! なんだこの雨は!」
ノア「待たせるのが悪い、何様のつもりだ」
ゾフ「こっちの台詞だ! なんで唐突に来るんだ、前後事情を考えろ!!」
ノア「つまり時空を読めと?」
ゾフ「そういうことを言ってるわけ・・・まあそうか、だが普通に待ってくれ」

メビ「あの、隊長?(声荒げるの始めて見たなー)」
ゾフ「ああああ、訓練生に声を掛けるなと」
ノア「別になんにもしていない」
ゾフ「今回は、だろうが!」

メビ「え、どうかなさったんですか?」
ゾフ「あー、こちらの世界におけるキングみたいな存在だ、まあ気にするな;」
メビ「え?」
ノア「キングって本当にいるの?」
ゾフ「頼むからお前だけは言うな・・・実在してますよ」


394 :名無しより愛をこめて:2007/02/11(日) 02:33:45 ID:LxX/Z+Lr0
本スレに誤爆しました、申し訳ない、本気ですみません...orz

すみません、次の投下以降オリトラ出ます。
万能さんのツヅキがすでにいるし大丈夫かとも思いますが、駄目な方は
タイトルでNG登録お願いします。むしろメインに近いです。

>>303
あ、一応、同時に書いてたものです、辻褄合いませんが...orzアハハ

>>381
カコがいい味出してますね。続きが気になります。

395 :名無しより愛をこめて:2007/02/11(日) 08:24:07 ID:+yQWp9tf0
>>394
 どんまい。
 しかし、来客ってノアか!



396 :名無しより愛をこめて:2007/02/11(日) 12:14:04 ID:dHFCi/5G0
すごい方でてきましたね。
で、色々すんだねw ここのキングみたいにw

397 :名無しより愛をこめて:2007/02/11(日) 14:07:37 ID:N71IQSZS0
ノア、名前だけなら前々スレあたりであったけど、本格参戦は初ですね。
…ふと思ってた事(ノアで思い出した)。「万能…」のss、メビウスの話、っていうより
ネクサスの憐篇っぽい雰囲気を感じてしまって、時々胸が痛くなる…
色物戦隊の方々がメモリーポリスっぽく見えてきて…深読みしすぎ?

398 :名無しより愛をこめて:2007/02/11(日) 14:49:08 ID:6lQPbwmv0
 どっちかてゆーとサトラレ対策委員会に近いかも(保護対象に入れ込みすぎたり)。
 まぁ確かにスパイ道具や武器保持していたりするんですが、流石に記憶消去までは。

399 :4コマ ◆nL.tEAkRlc :2007/02/11(日) 19:29:11 ID:dHFCi/5G0
>>394
オリトラ楽しみにしています。

お絵描き[No.90]です。

400 :劇団M78特別公演 1/2 :2007/02/12(月) 01:16:35 ID:XX3jd3w50
「奇跡の(超)人」(日々の未来ver.) 

注:ガラスの仮面わからない方はスルーしてください、わけわからんと思うので(汗)

〔配役〕
北島マヤ(ヘレン)…ヒビノ・ミライ    姫川歌子(サリバン)…サコミズ・シンゴ
ヘレンの父…バン・テツロウ        ヘレンの姉…ミサキ・ユキ
姫川亜弓…バン・ヒロト          桜小路優…アイハラ・リュウ
月影千草…ゾフィー            速水真澄…タロウ

バン父「キャプテンサコミズ…いや、今はサリバン先生。この子です…私の手には負えなくて…」
サコミ「まだ人間になりきれないという子ですね…わかりました、私が責任を持って教育します」
ミライ「なにか、いけないこと、したんでしょうか、ぼく(棒読み)」

〜〜〜第×幕〜〜〜

サコミ「へレンっ、何度言ったらわかるの!スプーンは物を食べる時に使う物なのよ、
    決して変身の為に使う物ではないの!一体誰に聞いたのっ!?」
ミライ「うー!しゅわっち!」
ミサキ「サリバン先生、この子は宇宙人なんですからいきなりそんな事教えても…」
サコミ「そうやって甘やかすと、この子はいつまでたっても天然ボケボケ不思議ちゃんのままです!
    ヘレン、ここは畳の間よ、そんな座り方じゃダメ!きちんと正座して…こら、痺れたからって
    すぐそんな風に足崩さない!畳のへりは踏まないの!…あなたは、この星では
    人間として生きていかなきゃならないのよ…(涙)」


401 :劇団M78特別公演 2/2 :2007/02/12(月) 01:18:52 ID:XX3jd3w50
〜〜〜最終幕〜〜〜

ミライ「一つ!他人の力を頼りにしない事!」
サコミ「へレン!やっと…わかってくれたのね!」
バン父「これで、人間として生きていける…この子の日々の未来に、幸多からん事を…」
サコミ「さあメビウス、カーテンコールですよ。お客様にご挨拶なさい」
ミライ「ぼくはもう、同じ悲しみを繰り返さない!」 パチパチパチ… >幕

ゾフィ「キャプテンサコミズ、貴方にあの子を預けて正解だったようですね…それにメビウス、
   私には始めからわかっていましたよ…あなたは地球担当候補にふさわしい、って…」
ヒロト「オリジナルに拘る事なく、独自のキャラクターを作り上げている…メビウス、なんて
   恐ろしい子なの!」
リュウ「ミライ…お前はどんどん俺から遠くなっていくんだな…」
タロウ「(紫のバラの花束持って)おちびちゃん…何だこの感情は…まさか、あんな少女に
   この私が魅かれているとでもいうのか…?」

  
  何だかガラスの仮面ファンまで敵に回したような気がする; スミマセンモウシマセン

402 :名無しより愛をこめて:2007/02/12(月) 01:26:13 ID:Ducnr2UY0
配役のところ読んだ時点でコーヒー吹いたwww

403 :名無しより愛をこめて:2007/02/12(月) 01:27:30 ID:wuF5mFdj0
>>401
ガラカメ・・・この手でくるとは思わなかった!
いや気に入ったぞGJGJGJ!!!!

404 :名無しより愛をこめて:2007/02/12(月) 01:32:52 ID:TJMDgT6Y0
てか、確かにガラカメ薄っすらとでも知らないとわからないなこれw

405 :名無しより愛をこめて:2007/02/12(月) 01:53:45 ID:ZBfcO7iX0
劇団、おもしろかったです。意外にやさしいサリバン先生w

406 :名無しより愛をこめて:2007/02/12(月) 10:20:02 ID:bxwhE2M70
紫の人のタロウが。。。最高!サコミズサリバンほんとご苦労さまっす。
(てか、ほんとにこういう苦労してそーだ)GJ!!

407 :名無しより愛をこめて:2007/02/12(月) 14:25:42 ID:jc3KE9Zj0
確かまえーに、安達祐美がやってたよな・・・

408 :万能の神はいない56:2007/02/12(月) 16:14:19 ID:4qynFoUE0
 初めは小学校の兎。次いで鶏、鳩。幼稚園や小学校の飼育小屋の小動物が殺された。
 凄惨さに皆騒然となった。
 快楽殺人はその前兆に動物の虐殺をする、と注意を即すコメンタリーもいた。
 以前小学校に侵入して兎を惨殺した高校生の話から弱いものへ矛先を向ける最近の若者、
という話が週刊誌にセンセーショナルに載った。
 確かに模倣犯もいた。だが犯人が捕まらなかったケースもあった。
 一匹、あるいは一羽。その一体だけが血まみれで生き残っていることが多かった。

 今日は、風邪がはやっていたために園児の殆んどお休みだった。
 登校していた園児はたった二人で、教室の片隅でクッションブロックを積み上げながら
何かを作っている。話している内容だと、何かお城を作っているつもりのようだ。
 後輩の山吹が面倒を見ている間、コノミとミライは大型カッターナイフでダンボールと
格闘中だった。
 型紙どおりに切り抜き、黒く塗り、そこにセロファンを張る。
 これを何枚も組み合わせると窓一杯が綺麗なステンドグラスのようになる。
「去年は聖母マリアと幼子イエスでしたよね」
「うん。今年は、受胎告知」
「・・・じゅたいこくち」
「えーとね。聖母マリア様が天使から『おめでとうマリア、あなたは神の子を産む』と
告げられる場面のことなの」
 拡大する前の原画となったイラストをコノミは見せる。
「こちらがマリア様、羽が生えた人が天使ガブリエル」
「天使・・・神の使い、ですよね」
「うん、まぁ、神と人の中間というか、橋渡しというか。日本人一般的にはそんな感じ?
あとは純粋無垢な人とか、優しい人とか、いたわりに満ちた人の代名詞みたいな感じに
なっているかな。元々日本人って宗教的にはゆるゆるだし」
「ゆるゆる?」
「でなかったら、クリスマスの日がウルトラの父降臨祭とごっちゃになんかならないって」


409 :万能の神はいない57:2007/02/12(月) 16:16:09 ID:4qynFoUE0
    「人間として」ウルトラマンの思いに答えたい
    肩をならべて痛み苦しみ喜びをわかちあいたい

 ぽかん、とした様子でツヅキはPCの中の画像を見ていた。
「・・・これが天使」
「あんまり一般的なもんじゃねぇと思うぞ」
 リュウも口ごもったのはそれがむしろ怪物のような姿であったからだ。
 人間・獅子・雄牛・鷲の4つの顔、4枚の翼。
「ケルビム・・・エデンの園の入口を炎の剣と共に守っている天使だそうです。観念として、
今一般で通用している天使とは違うタイプですね」
「・・・お前、この前は宗教が分んなかっただろう」
「調べました。宗教に該当する思想・制度・社会様式ならば僕も知っています」
「ホントに分ってんのか?」
「宇宙には、確かに宗教を持たない種族もいますが、持つ種族もいます。宗教が***だ
とは分らなかっただけで、僕らに未知のものではありません」
 発音が聞き取れなかったのは、どうやら地球の言語ではない単語だったらしい。
「ただ、分らないことも多いです。僕らと価値観が違って・・・運命とか」
「運命がわかんねぇのか?」
「似たような考えは、別の文化圏でもあります。でも、なぜ、最初から定められていた、
と考えるのでしょうか。理解し難いです。・・・好みでもありません」
「運命って言葉は好きじゃねぇんだ」
「僕は命令受けて地球に実習に来ました。でも、それは僕が宇宙警備隊員を目指した結果、
うけた命令です。僕が選択した末のことです。宇宙警備隊員になると選択したのは僕自身
です。何かによって定められていたという理念の下ではその僕の行いは全て運命の管理下
にあることになります。僕の意思決定も選択も、すべて『運命』の筋書き通りになります。
こういう考えは好きではありません。全て自分の意思で決められるとは思っていませんし、
予想のつかない事は起こる、我々の意思ではどうにもならない事はある、と知っています。
それでも自分の意思と選択があり、別の要因が合わさった結果として今の僕があります」


410 :万能の神はいない58:2007/02/12(月) 16:23:13 ID:4qynFoUE0
 かなり意外な面持ちでリュウは図体のでかい、けれどミライとは別の意味で未熟な印象
の抜けない部下の顔を見た。そしてふと思いあたった。
「お前たちはみんな・・・ミライもそう思っているのか?」
「運命という観念をどう受け取るかは個人の感想だと思います。でも未来を選択するのは
僕ら自身という考えは共通だと思います。僕らの先祖が太陽を失った時にも」
「太陽を失ったぁ?」
「・・・先輩からお聞きになっていませんか? 本来の太陽が消滅したんです」
「いや。昔人間だった、それが望まずに今のようになった、とは聞いたこたぁあるが」
「その原因の話です。この時、他にも選択がありました。全員は無理だとしても一部だけ
でも故郷を捨てて新天地を求める、そのままの全て諦めて滅ぶと言う道もあった。でも、
苦難末に人工太陽を作り故郷に留まった。それが僕らの歴史です。その時に変わった環境
が僕らを人間から違う現在の我々に変えてしまった。決して望んだことではありません。
ですが、それも人工太陽を作り故郷に留まった選択の結果です。そしてそこから先、どの
ように生きるか、を決めたのは僕たち種族です。他の何に指図されたわけではありません」
 明確に言葉には出来なかったが、なんとなくリュウは腑に落ちた。
 かつてミライが何かとメンバーの為に動いてきた事――例えば意固地なまでにジョージ
に食いついてきた事など。ミライは何より自分自身が許せなかったのだろう。自分が動く
こと動かずにいたこと・・・その結果どうなるか。
 馬鹿か、と思う。同時に泣きたくなるような胸が締め付けられるような何かが突き上げ
てくる。いつも結局、全部自分で引っかぶりやがって。誰も彼も必死で助けようとする。
 神様じゃねぇんだからよ。
 だが、この調子だとウルトラマンに神頼みという感覚はないのだろう。だったら、本当
にどうにもならない時に、苦しい時に、彼等は自分自身だけで絶望に耐えるのだろうか。
 それはリュウの想像を超えていた。
「アイハラ隊長?」
 ?を飛ばす部下になんでもねぇ、と答えてリュウは改めて思った。せめて地球にいる間、
ミライに、彼らにとって支えとなるようにならねばならない。


411 :万能の神はいない59:2007/02/12(月) 16:25:03 ID:4qynFoUE0

 問題は、我々がみんな似たようなものであることを信じないところにある。
                                モリス・シュワルツ

「さーむーいーでーすー」
 がまんしろ、とむげに言えないのは本当に寒さに弱い生き物だ、と知っているからだ。
 僕より酷いんですよ、とミライが言うぐらいだから相当だろう。あの半纏をコートの下
に着てくるのは流石に阻止した。何せ寮の私室で愛用しているまま、うっかり廊下に出た
ツヅキが同僚たちの爆笑をかったのは昨日のことである。裏にぎっちり使い捨てカイロを
突っ込めるということもあり、ツヅキとしては手放せない逸品らしいのだが、あの図柄が
いかんせん悪すぎる。
 マフラー、帽子、及び明らかに着膨れしていると言うのが一目瞭然のもこもこした姿は
はっきり言って格好がつかないこと夥しい。が、いかんせんこうでもしないとこの新人は
外出もままならない。
「そんな苦労してまでついてこなくてもいいだろう。今日は私用だぞ」
「そういうわけにはいきません」
 本屋は本来リュウには縁のない代物だったのだが、ミライが意外な読書家であること
から何かと贈り物に迷うと立ち寄るようになった。本棚の前で唸っているリュウの後ろで、
ツヅキは興味なさげに立っている。書籍を手に取ることを好むミライとは異なり、ツヅキ
は必要な情報は必要な分だけを検索して手早く読み取ることができるネットを好んでいた。
ミライは本から予想外の知識が飛び込んでくるのが面白いらしいのだが、ツヅキにはそこ
まで魅力を感じるものではないらしい。
 同じウルトラマンでも個性が出るんだな、とリュウは思う。ツヅキもかなり好奇心が
強いのだが、ミライほどにはあちこちに飛び火しない。
 結局、最近ミライが興味を示している詩人の本を買った。


412 :万能の神はいない60:2007/02/12(月) 16:33:48 ID:4qynFoUE0
「青信号になったら道の向こうに渡ってください。そしてまたこちら側に戻ります」
 店で会計が終わるなり、小声で告げられ面食らう。だが、その目がいつになく鋭いのに
気づいて、リュウは意図が分らないまま、素直に部下に従う。
 端から見たら奇妙な行動を取った。男二人、すたすたと横断歩道を渡りきり、信号機が
変わる寸前にまた渡ってもとの場所に戻る。
「つけてます」
「ビンゴかよ」
 車道の向こうで狼狽した男数人を目に留めて、リュウは舌打ちする。今の今まで、全く
サコミズやイサナの心配など歯牙にもかけなかったが。
「まだいます」
 複数、しかも別方向から。しかしツヅキの方は冷静だった。
「次、角曲がってください」
 裏道から裏道、その角を曲がる。
「失礼します!」
 後から追いついた複数の男たちは角を曲がり、狼狽と驚愕をあらわにした。
 ビルに囲まれた行き止まり。だが追跡対象はおろか猫の仔一匹存在していない。
 しばらく周囲を見回していた男たちは結局周りを探しながら散っていった。
 彼らの会話に聞き耳を立てていたツヅキが静かに告げる。
「田端、上野、新橋、神田・・・あと、二人いましたが会話に名前がでませんでした」
「おい」
 ぺしん、とリュウはツヅキの腕を叩く。
「いいかげん、おろせ」
「あ、すいません」
 脇の下と膝下に腕を通された体勢から――つまり俗に言うお姫様抱っこだ――解放され
床に足を着ける時、リュウはかなり慎重になった。何しろ最低限5階建て以上あるビル
屋上の、さらに手すりの外だ。掴んだ手すりの強度を確かめてから下を覗き込む。


413 :万能の神はいない61:2007/02/12(月) 16:38:59 ID:4qynFoUE0
「・・・ほとぼりが冷めてから降りた方が無難か」
 リュウは溜息をついた。これは報告しないわけには行かない。ファイアーパターンを
ペイントした――今もミライは同じものを特例として支給されている――メモリーディス
プレイを取り出す。
 まずミサキに連絡を取り、軽く事情を話しサコミズにつなげてもらう。ともかく6人、
あるいはそれ以上につけられていたこと。現在撒いたことを告げる。
 しかし、我ながら感心した。いきなりツヅキに抱きかかえられたあの瞬間からその後、
よくまぁ声を上げずにすんだ。
 実際は1分もかかっていなかっただろう。リュウを抱え込んでから向かい合った2つの
ビルの壁面を交互に数度、蹴り上げただけでツヅキはこの屋上まで飛び上がったのだ。
 戻ってきて以来、ミライはその力を全くと言っていいほど行使しなかった為に失念して
いたが、ウルトラマンは人間の姿の時でもある程度の力は発現できるのだ。ただミライの
場合、リュウの前で見せたことがあるのはテレパシーや透視など、本人が申告しなければ
見過ごしてしまう類のものだった。だから人間の姿のツヅキから、こういった一目瞭然な
異能を見せ付けられるとは予想だにしていなかった。今まで見る限り反射神経や身体能力
も抜群とはいえそれまでは人間の能力の範疇に納まっていただけに、地球人の姿のままで
こうもあっさり人外の力を示されるとは。
「総監からは?」
「迎えが来るから待っていろと。ワタルとミハルが来るらしい」
「それじゃ、その前には下りないといけませんね」
「ツヅキ。擬態したその姿で、ウルトラマンの力は使えるのか?」
「その気になれば。あ、今のはちょっと念力を加えただけです。身体能力自体は地球人の
範疇ですから、メディカルチェックにも引っかかりません」
 妙にずれた回答にリュウは呆れ、唐突に一つの可能性に気づいた。
「・・・お前、ひょっとしてウルトラマンとしての能力は高いのか? ミライより?」
「身体能力とか体力とかの数値は多分高いと思います。でも、身体能力メインの格闘とか、
あと念力とかはかなりましな方なんですけど・・・」
「はっきり言え」
「その、僕の場合は能力の無駄と言われました」


414 :万能の神はいない62:2007/02/12(月) 16:44:51 ID:4qynFoUE0
 へにょんと凹んだ様子で答える。なんとも情けない姿にそれまで微妙に感じていた何か
が急に萎えた。
「なんだ、その無駄って」
「使いこなせなければ、あっても役立たず。むしろ有害だそうです。ええっと、過ぎたる
は及ばざるより悪いでしたっけ? 僕は力の加減が下手なんです。いつもタロウ教官には
呆れられました。80教官にも頭抱えられるし、レオ教官には連座させちゃったし」
「なんだ、その連座って」
「特訓中にうっかり、校舎まで壊しちゃって・・・建物の間に障壁もあったんですけど、身の
危険を感じて無意識になんか一緒に色々やっちゃったらしくて障壁も役に立たなくって」
 思わずあんぐりと口を開いたリュウにますますツヅキは身を縮めた。
「取り壊し予定の古い校舎だったからまだよかったんですけど。流石に大問題になって
レオ教官まで監督不行き届ってことで一緒に叱咤と反省文まで書かされちゃって・・・後輩
からはなぜか感謝されましたけど。レオ教官の指導が穏やかになったって」
 リュウはしみじみとこの新人の教官だった連中に同情した。確かに使いこなせなければ
強い能力なんて危険だろう。ある意味、25年ぶりの怪獣出現に戦ったのがメビウスで幸い
だったかもしれない(こいつだったら町の壊滅があのレベルですまなかったことは確実だ)。
「何かと言うとイージスにはさんざん蒸し返されました」
「イージス?」
「あ、同期です。僕よりはるかに優等生で能力も戦闘スタイルもバランスがいいんです。
ただ僕と逆でパワーがもっと欲しいって言っていましたから、余計に僕の状態が腹立たし
かったらしくてよく文句言われました。僕は逆にイージスの10分の1でいいから、あの
抜群のコントロールが欲しかったんですけど」
「・・・うまくいかないもんだな」
 パワー不足に苦労していたミライ=メビウスとは違う苦悩があるらしい。そのツヅキが
さっきからちらちらと何かを気にしているのに気づく。
「どうした」
「ビルの壁に、あそこ、足跡ついちゃったんですけど・・・汚したままでいいんでしょうか」
「――ほっとけ。緊急避難だ。第一、本当のこといえねぇだろう」
 なんかどっと疲れた。力は人よりはるかに強いウルトラマン――だが中身は変なところ
でこいつは小市民すぎる。

 今回はここまででつ。

415 :名無しより愛をこめて:2007/02/12(月) 19:47:51 ID:jc3KE9Zj0
>>408-414
連投トンクス!!
「リュウがお姫様抱っこ」に吹いた・・・が、視覚化されると凶暴そうだww
それにしても、こちら側がカラーレンジャーなら相手は山の手レンジャーかよwww

416 :名無しより愛をこめて:2007/02/12(月) 22:40:27 ID:ZBfcO7iX0
イージスとか出てきてますねw
お姫様だっこ。視覚化してみようw

417 :名無しより愛をこめて:2007/02/12(月) 22:50:08 ID:eLpvAM2l0
>>408-414 いろいろ深いなあ。特に「運命」ってものについてのウルトラ族の
考え方とか面白いでつ。4コマさんの絵だとミライにツヅキがお姫様抱っこされ
てるわけだが。。本編だとミライがリュウをお姫様抱っこする場面もあるんじゃ
ないかと思ったりする。


418 :金的の鎖2 1/4:2007/02/12(月) 22:53:54 ID:eLpvAM2l0
本編にヒルカワ出てきて結構キーパーソンそうで困ったが、アイツはそう簡単に
善玉にならんと見たので続行しまつ。そいで、やってみた「いわゆる一つのコラボレーション」。
キャラに違和感があったらごめんして。やな人はスルーで。

**
一両日たって。フェニックスネストは大いに湧いていた。
「え、ほんとに明日人さんメイクしてくれるの?」「でかしたぜ、アミーゴ!」
「じゃ、土曜日は決まりですね」「テッペイも行くのか」「ウルトラマンをさえ
美しくしてしまう超絶技巧のメイクアップがどういうものであるのか、科学者
としては非常に関心のあるところです」「でも、土曜日の昼とはいえ、みんなで
出かけちゃっていいんでしょうか。こないだもコンサート行ったばっかりなのに」
「俺とミライは留守番しとく」ぼそりと無骨な口を挟むのはリュウだ。「な?」
「はい」にっこりするミライ。「皆さん、楽しんできてください」
「あんたはともかく、ミライ君は行かないと話になんないでしょーがっ!」マリナが
突っ込む。「この間のお礼ってこともあるんだから」「ミライは俺たちと行こう、で、
リュウ、お前一人で留守番な」ジョージの言葉にリュウの目が三角になる。「冗談じゃ
ねえ!またミライがメイクされたりしたら剣呑この上なしじゃねえか!!」クルーが
いっせいにははあん、といった表情になった。「…なんだよっ!」無骨な頬が紅潮し、
それこそ剣呑な様相を呈し始める。
「…まあまあ」苦笑しながら穏やかに割って入るのはやはりサコミズだ。「四時からの
祝賀会は、ガイズの食堂でスザキ君を招いてやるということだし、昼休みの一時間
くらいは、僕が詰めるから、とりあえず行ってきたら。…せっかくのご招待だしね」
「でもそれでは」ミライが申し訳なさそうな表情になる。サコミズはその肩にぽんと
手を置いてにっこり微笑んだ。「ミライが一生懸命書いた手紙に答えて引き受けてくれ
たんだから、ちゃんとお礼を言っておいで」「…はい!」


419 :金的の鎖2 2/4:2007/02/12(月) 22:55:07 ID:eLpvAM2l0
土曜日の正午より少し前。明日人のところへ持っていくお礼の品物を買うために、
一足早く私服に着替えて、目的地の事務所に近いデパートに来ているマリナとコノミ。
買い物を済ませ、休憩室の自動販売機で飲み物を買おうとする二人。その時、二人よりも
先に、飲み物を買って行った二人連れが、おつりをとり忘れているのにマリナは気づいた。
「ちょっと!おつり、忘れてるわよ」
二人連れ―ちょっと奇妙な二人だった。すらりとして上背のある、スタイリスティックな
若い男。ベージュの帽子がよく似合っている。その傍らにいるのは、十ばかりの女の子。
「あ、すいません。」男が会釈して小銭を受け取る。
「おい、ゴン、気をつけろよ。」
「あたしじゃないよ。大介でしょ。」
…ゴン?マリナはいぶかしげに眉を寄せたが、所詮は人様の事情だ。こちらも軽く会釈
してその場を去ろうとした、が…。
「美しい」「は?」「あなたですよ。まるでバラの花のようだ」
マリナの眉がさらに寄る。…何なの、こいつ。
「ちょっと、大介ってば。」連れの女の子があきれたように男の袖口を引っ張るも、
男は意に介さず、大仰にマリナの前にひざまずくポーズをとってことばをつづける。
「いかがです。このお礼に、あなたをさらに美しくしてあげたいと思うのですが。」
「はあ?…結構ですっ!」マリナは柳眉を逆立てて回れ右をした。「行こう、コノミ。」
「おお、こちらの女性も美しい方ですね。あなたがバラならそちらはユリの花のようです。」
「はあ…。」「あなたもぜひご一緒に、どうぞ。」男―大介は帽子をとって大仰な一礼をする。
「しつこいわね。あなた、何者なの。」「これは申し遅れました。ぼくは、これでもメイク
アップ・アーティストとして少しは知られている者です。名前は…。」


420 :名無しより愛をこめて:2007/02/12(月) 22:55:42 ID:TJMDgT6Y0
ツヅキの校舎破壊は前にもネタ振りされてましたっけ?
いや、あれは同級生に怪我させたとかそういう話だったかな。
しかしどうもお姫様抱っこのほうにw

>>417
ツヅキにリュウがじゃないっすか?
でもミライがお姫様してる側ってのも面白そうw
メビウスのヒカリのお姫様抱っこは明らかに無駄に絵になってたな…。

421 :金的の鎖2 3/4:2007/02/12(月) 23:04:29 ID:eLpvAM2l0
その時、店内放送が。
「…お客様にお呼び出しを申し上げます。カザマさま…」
マリナと大介とが同時に耳をそばだてた。「…カザマ・マリナさま。お連れ様が一階
カウンターでお待ちでございます。」
マリナは渡りに船とコノミの手をとった。「ジョージたちだわ。コノミ、行こう」
大介はひゅっと口笛を鳴らした。「同じ苗字とは。これはますますご縁がありそうだ」
「同じ苗字なんて山ほどあるじゃないの。…女を引っ掛けたいなら、もう少し言い方を
考えたら?メイクアップアーティストだなんて、胡散臭すぎるわよ」
「胡散臭いといわれても、それが本職だからしょうがない」大介はやや憮然として言い
返す。「だったらますますおあいにくさまだわね。あたしたちこれからカリスマそこのけの
メイクアップ・アーティストに会いに行くんだから」マリナはぷりぷりしながらコノミをせ
きたてて男にきびすを返した。

その後姿を見送ってやや考え込む大介。「馬鹿だねー。見境なく声かけたってダメに
決まってるじゃない」呆れ顔の相棒を見やりもせず、大介は立ち上がって帽子をかぶり
なおす。「ゴン、行くぞ」「行くってどこへよ」「あのお嬢さんたちのあとをつける」「はあ?」
「カリスマそこのけのメイクアップ・アーティスト、だってさ。どんなヤツだかとくと拝見
してやろうじゃん」「…やめときなよ。どうせ、ナンパをかわす出まかせだって」「それな
らそれでもいいよ。今日の午後はヒマだしな」「夕方から、映画女優さんのプライベートメ
イク、予定に入ってるよ」「それまでヒマだ」風間大介は傷つけられたプライドを取り返そ
うと躍起だった。「…アルティメッド・メイク風間流の施術者を、胡散臭いだなんて言った
こと、ゼッタイ後悔させてやる」


422 :名無しより愛をこめて:2007/02/12(月) 23:04:52 ID:veHgY7660
>>420
つ まとめサイトのお絵かき掲示板

423 :金的の鎖2 4/4:2007/02/12(月) 23:05:46 ID:eLpvAM2l0
同日同時刻。明日人の事務所のそばを徘徊する、若い男。イケメンだが、
身にまとう粘着質な雰囲気は、いやでも人を引かせずにはおかない。飢えた
蜥蜴のようなまなざしで、事務所の窓を睨みつけるその胸のうちは、罵詈雑言
に満たされていた。(畜生め。…間際になってキャンセルしやがって。せっかく
の稿料がパーだぜ。ちょっともてはやされてるからって、いい気になりやがって。
…マスコミをなめんなよな)一緒にするな、という声のほうが断然大きそうな
この業界での自分の評価は棚に上げて、ヒルカワは嘯いた。
(こうなりゃ、インタビューみたいなまどろっこしいことはやめて、追跡取材と
いくぜ。大体、あの明日人ってヴォーカリスト、謎が多すぎんだよな。きっと
いろいろ裏があるに決まってら。正攻法で攻めるよか、こうやって張ってる方が
いいネタがつかめるかもしれない。…へん、俺という人間を馬鹿にしやがった
報いだ。あとで吠え面かくなよ、明日人)
 やがて、彼の目の前を通り過ぎて行く若い男女六人。(あれは…ガイズの連中
じゃねえか…!)楽しげに談笑しながら、私服の彼らは明日人の事務所へと入っ
ていく。これは何かある、と目を光らせるヒルカワ。さらに、わずかに間をおい
て、その六人のあとをつけていくらしい、若い男と十ばかりの少女の二人連れ。
(あの顔も見たことがあるぜ!…そう、アルティメッドメイク、風間流奥義の
メイクアップアーティストだ。風間大介だ!おおう、これは面白くなってきたぜ!)
ヒルカワは携帯を取り出してコールする。「あ、もしもし、俺、ヒルカワ。今日の
キャンセルされた分を埋めるに値する特ダネだ!稿料弾んでくれよ、…大丈夫だって、
今度は絶対!じゃ、頼んだぜ」

**つづく(いいのか、これで!?)

424 :名無しより愛をこめて:2007/02/12(月) 23:07:57 ID:veHgY7660
割り込み失礼しましたorzorzorz

425 :名無しより愛をこめて:2007/02/12(月) 23:10:01 ID:TJMDgT6Y0
同じく、申し訳ないっ!
てか、ヒルカワまで本格登場だぁ;

>>422
すみません、もう一枚あったんですね…。No.92かと...orz

426 :名無しより愛をこめて:2007/02/12(月) 23:11:17 ID:eLpvAM2l0
いえいえ、こちらもリロードに失敗したでつ。。
ドレイクファンの方ごめんなさい。メビも出すのでごめんなさい。


427 :名無しより愛をこめて:2007/02/12(月) 23:48:20 ID:XX3jd3w50
万能>ツヅキの壁駆け上がりジャンプ格好良い!と思いきや、やっぱり凹んでるw
   そーゆーギャップが良いなあ。
金的>うお、ライダーvsウルトラ!?

ガラカメネタにレス下さった皆様、多謝です(わかる方がいて良かった;)
萌えのツボがズレた単発小ネタしか書けんので、またいづれ。。。

428 :名無しより愛をこめて:2007/02/12(月) 23:56:54 ID:ZBfcO7iX0
>>427
いずれと言わずに、またお願いしますw

429 :名無しより愛をこめて:2007/02/13(火) 00:03:36 ID:dE91bIL40
ガラカメ、面白かったっす!! ほんとまたぜひ!たけくらべ編とか紅天女編とかも見てみたい。。

>>421>>423 ×「アルティメッド」○「アルティメット」
さらに>>373 鎖、左ももの間違いっす。。。orzorz
ブラックホールの果てまで逝って来る

430 :The Hanged Man.10:2007/02/13(火) 01:32:58 ID:07nBEAox0
タロ「訓練生を貸せと?」
ゾフ「正確には、何人か見繕ってもう出発した後だね。80を付けた」
タロ「仕事をさせる、というわけではないのですよね。なら他に人材もいる」

ゾフ「ノアには・・・なんというのか人格に相当するものがないんだ、なもので
 どうも時折妙なことを言い出す。当人を問い詰めてもわかってすらいない」
タロ「なに言ってるんだかわかりませんよ、よくそんな相手に、」
ゾフ「本気になったあいつを止める方法が全くない」
タロ「それではまるで、人身御供を差し出したように聞こえますよ」
ゾフ「そうだ、だから少しでも食い止めたいんだな」

タロ「あとを追えってことですか」
ゾフ「いや、待機していてくれればいいはずだ、レオにも頼んだ」
タロ「養成所、空っぽになりますが」
ゾフ「そういやそうだね、父にでも頼むかな、教習」
タロ(まあ、やっぱりそっちになるな)


431 :The Hanged Man.11:2007/02/13(火) 01:35:11 ID:07nBEAox0
訓Н(エム)「(←レオ系、古参)こらー、あんまりはしゃがない」
訓Ι(イオタ)「(←タロウ系、中堅)なんで子ども二人と・・・」
エム「しかし我々より強いし」
イオ「そんなにあっさり言わなくても...orz」

80「ノアはどちらに行ったんでしょうかねぇ」

イオ「それより、この編成が正直謎なのですが、能力で選ばれたのならば
 マックスがいないし。にしちゃ、二番手のゼノン・メビウスだし」
エム「そもそも、私はメビウスにも敵いませんね。イオタもです」
イオ「だからそうさくっと言わなくてもっ」
80「任務に近いのか純粋に訓練なのかがはっきりしないんですよねぇ。
 どの道、そう全てを説明してくれるような気がしないんですが」

イオ「つーか、何者なんですかそもそもあの人は」
80「それがわかったら苦労は(嘆息)」


432 :The Hanged Man.12:2007/02/13(火) 01:36:12 ID:07nBEAox0
メビ「なんでマックスさんいないんだろうね(寒ーい)」
ゼノ「どうもお前がメイン目的っぽいし、そのせいかな。マックスいると
 どうしてもあいつが中心になるからな」
メビ「それにしても知的生命はいない星なのかな」
ゼノ「生物はいる雰囲気だけどね、とりあえず。ほら、葉っぱに噛み跡が
 ついてるし、虫か獣かはわからんけど」

メビ「雪、降らないかなー」
ゼノ「お前がもたないから希望却下、あ、そか、全員シルバーなんだ」
メビ「僕は混血ですけど」
ゼノ「でもどっちかというとシルバーだろ、身体特徴も。ゾフィー隊長が
 付けたはずの先生までシルバーだよ、おいおい・・・」

メビ「わー、偶然ー」
ゼノ「(←ちょっとだけ殴りたい)しかし、どういうことなんだ?」
メビ「養成所、最近シルバー族少なめだしね」
ゼノ「そこなんだよな・・・なんかあんまいい気は」


433 :名無しより愛をこめて:2007/02/13(火) 01:37:28 ID:07nBEAox0
萌えはどこだ萌えはと我ながら...orz

М(エム)はロシア文字、Ι(イオタ)はギリシャ文字です。
一応の見た目は、エムが初代系、イオタがちょっとエースが入った変り種。
性格をタロウとレオのコピーにしようと思いましたが失敗;
エムに「ミライ」の資質を突っ込みました、それに伴って、メビウスの性格が
ちょいと硬質になってます。

434 :すみません、修正;:2007/02/13(火) 01:48:22 ID:07nBEAox0
すみません、記号はР(エル・ロシア文字)で差し替えを...orz
極めてどうでもいいんですが。
名前もエルです;

435 :221:2007/02/13(火) 03:14:32 ID:tuHq+u4A0
>金的
おお! ほんとに大介でてきたヽ(´ー`)ノ
見てみたい気がしただけで、リクエストのつもりはなかったんですが
ありがとうございます!
wktkしながら続きを楽しみにしてます

>万能
ツヅキくんネットで「天使」でぐぐってケルビムに行き当たったのね
でもそれがよりによって怪獣のレジストコードに使われたことは、なにげに
スルーしてたね(・ω・)

436 :名無しより愛をこめて:2007/02/13(火) 05:19:53 ID:dE91bIL40
>>430-434 オリトラ出たー!ギリシア文字とロシア文字。どっちも神話っぽくていいですね。
面白い編成団。80先生また苦労しそうだし。神の真意はいかに。続き楽しみです!
>>221 こんなんですんません。 大介のキャラとかあんまり把握できてないので違和感あるな。
一応アイディア頂いて、ゲンとゴンを仲良くさせよかなとおもたりしてます。なんかご希望あったらいうてください。

437 :フィフストレーニング2-22:2007/02/13(火) 09:02:51 ID:+PEc/1Kt0
「そうかなあ・・・・」
タロウはまだ歯切れの悪そうな返事をした。
「でも、エース兄さんが居なくなったのは、確かに寂しかったかもな。僕が生まれる前から面倒みていたらしいし」
思い浮かべているのはエースの顔かゾフィーの顔か。タロウの顔からは読み取れないが、置いてけぼりを食らったような表情はしている。
メビウスは肩に置かれたタロウの手に力がかかるのを感じて、昨夜タロウに言った言葉を思い出す。
(やっぱり教官、寂しいのかな?弟とか、お兄さんとか、欲しいのかな?もし、昨日の言葉嬉しかったら、僕も嬉しいけど・・・・)
ゾフィーが4人の弟を喪失したのなら、タロウも4人の兄をなくしている。時折漏れる話からは、生きていることはわかるけれど。
タロウの表情を伺っていると、チャイムがなった。
「お、高学年の授業が終わったな」
「それじゃあ職員会議が始まるから」
「メビウス、ごちそうさま」
レオが真っ先に立ち上がる。80とアストラもそれに続いた。
「タロウ兄さん、会議に行きますよ」
「ああ。それじゃ行ってくるよ、メビウス」
「はい」
教官室を出て行く姿を見送って、メビウスはティーセットを片付け始めた。
(兄弟かあ・・・・僕が教官のおとう・・・妹になったら、教官のこと『兄さん』って呼ぶんだよね)
「・・・・タロウ兄さん」
試しに口にした言葉に、メビウスは見る見る赤面した。
(うわー、うわー!うわーー!!)
洗い物で濡れた手で、ぺちぺちと顔を叩く。
(言えない、言えない!無理無理!!『タロウ兄さん』なんて当分無理!!)
「メビウス」
(でも、やっぱり頑張らないとね!教官とかゾフィー隊長、寂しいままなのは可哀想だもの)
「メビウス」
不意に耳元で聞こえた声に、メビウスはびっくりして振り返った。
「ひゃい?!」

438 :フィフストレーニング2-23:2007/02/13(火) 09:04:44 ID:+PEc/1Kt0
だが、誰もいない。
「だ、誰?!」
テレパシーの類ではない。完全な肉声だった。
「ここだ、メビウス」
もう一回振り返ると、ウイングホエールのぬいぐるみが浮いている。
「え?え??」
「ここだ」
メビウスはウイングホエールのぬいぐるみを引き寄せると、その上を覗き込んだ。ミクロ化したゾフィーが得意気に手を振っている。
「ぞ、ゾフィー隊長?!どうして・・・・」
どうしてここにいるんですか?どうして小さいんですか?どうしてぬいぐるみの上に乗っているんですか?そのぬいぐるみタロウ教官にあげたんですけど。
一度に思い浮かんだ言葉のどれから言おうかとしていると、先にゾフィーが口を開いた。
「昼寝をしていた。このぬいぐるみは寝るのに丁度いいな。今度私の部屋にも買ってこよう」
足を投げ出して座り、ぬいぐるみを撫でる姿に、メビウスは隊長室の席の後ろにぬいぐるみが飾ってあるのを想像してしまう。
「あそこに?このぬいぐるみを、ですか?」
「そうだ。まさかあそこで寝ているとは誰も思わないだろう?」
「はあ・・・・」
ゾフィーが指を鳴らすと、小さくされたサイフォンやアルコールランプがメビウスの目の前に浮き上がってきた。
「コーヒーを淹れてくれ」
「はあ・・・・あの小さいままですよ?」
「君が小さくなればいい。ミクロ化は2年生の授業だったと思うが?」
メビウスはゾフィーの言葉に、昨日の事も思い出して、少し頬を膨らませた。
「わかりましたっ!」
メビウスは精神を集中させて徐々に体を小さくする。その間にゾフィーは念力でフラスコに水を入れた。
ぬいぐるみの上でコーヒーが滴る光景を見て、ゾフィーは懐かしそうに目を細めた。
「さっきは久しぶりにタロウとエースに圧し掛かられる夢を見たな。何か話しでもしていたのか?」
「レオ師範とアストラ師範代が、兄も弟も大変だって」
「レオの苦労は私とはまた違うだろうな。双子だから。だが兄というのは元来苦労するものだ。
タロウとエースには、しょっちゅうカラータイマーを点滅させられたな」
「ええ?!」

439 :フィフストレーニング2-24:2007/02/13(火) 09:05:53 ID:+PEc/1Kt0
「全部落ちたぞ」
ゾフィーに言われてメビウスはフラスコからカップへとコーヒーを移し変える。
「教官、子供の頃からそんなに強かったんですか?」
「子供の遊びにかける体力は相当なものだ。二人に怪獣ごっこを迫られて3時間ぐらい遊んでいたら点滅した」
「・・・・は、はあ・・・・」
「他にもゲームで負けると怒り出すとか、勝手に野良怪獣を拾ってきて暴れさせたり。本当に二人共やんちゃでな。なかなか大変だった」
ゾフィーはコーヒーの香りを楽しみながら啜る。
「タロウもやっと大人になったと思ったらまだまだ。
メビウス、兄というのは大変なんだよ」
そういってメビウスの額を突付く。子ども扱いだが、メビウスはなんとなく笑ってしまった。
「さて、そろそろ戻るか」
カップをメビウスに返し、ゾフィーが立ち上がる。ウイングホエールのぬいぐるみは音もなく定位置に戻った。
メビウスもミクロ化したまま宙に浮き、ゾフィーを見送る。
「そうだ、メビウス。友情を成立させる一番良い方法は、共通の秘密を持つ事だそうだ」
「そうなんですか?でも僕はゼノンやマックスとはそんなことしなくても友達ですよ?」
「互いに秘密にするのではない。まあ一緒に悪巧みをするぐらいで丁度良いということだ」
「悪いことはいけないことです」
「野良怪獣を拾ってくるようなこともな」
ゾフィーは笑って念力で窓を開けると、そこから外に出た。
「今日ここに来たのはタロウには内緒にしておいてくれ」
「はい」
窓ガラスが閉まり、鍵がかかる。ゾフィーからしてみれば、扉も窓も無いようなものだ。
手を振るゾフィーに振り返して、メビウスは体を元の大きさに戻した。
「また洗わないと。でも、コレ返ってきてるの見たら、教官にゾフィー隊長が来たってバレちゃうよね」
『友情を成立させる一番良い方法は、共通の秘密を持つ事だそうだ』
「え?」
メビウスは手の中のサイフォンを見た。
「まさか・・・隊長と僕、友達にって・・・・? ええーーーー?!」


END

440 :名無しより愛をこめて:2007/02/13(火) 10:06:42 ID:+PEc/1Kt0
とりあえず、トレーニング第二話「ゾフィー兄さんの優雅なコーヒーブレイク」をお送りしました。
メビのお相手がゾフィー兄さんにシフトしつつあります(笑)なんとかタロウ教官に良い目をみさせてあげたいけど?
24時間以内にバレンタインネタが書けるか心配。書けたところまで投下しまつ。

>>ガラスの仮面 キャスティング最高!茶吹いた!!サコミズ隊長、サリバン先生の口調がまったく違和感ないのはどうしたものか。
思わずコミックス見ちゃったじゃないですか。次は狼少女ジェーンの話で!

>>万能 とうとうリュウさんに魔の手が。総監へ向けさせた目が無駄になってしまいましたか。
ワンコ頑張れ。半纏着て!

>>金的 ゲンとゴンの会話、楽しみにしています。仲良くなったら明日人が嫉妬したりしてなw

>>Hanged Man ノアはメビ目当てで来たのかな?シルバー族の選抜というのが気になる。

441 :名無しより愛をこめて:2007/02/13(火) 15:48:56 ID:uo8xMqRe0
トレーニング終わっちまった・・・・ノД`)・゚・  
でも、この世界にはまだ終わりは来ないと信じよう
・・・・とりあえずバレンタインネタを正座で待とう(*´∀`)


442 :名無しより愛をこめて:2007/02/13(火) 16:53:08 ID:jans3Fxx0
日曜日にデパ地下の和菓子屋に買い物に行った
隣の洋菓子の並びは、見渡す限り女性で大賑わいだった
ちょっとビビりながら、あそこにミライを入れたらどうなるかと、ふと思ったよ
義理チョコ、本チョコ、友チョコ、マブチョコ、パパチョコと講義されながら、
コノミとマリナに連れられて、買いに行くのかな、とかね

煎餅屋にバレンタイン用のハート型煎餅があって笑ったな
チラシの裏スマソ

443 :名無しより愛をこめて:2007/02/13(火) 20:47:57 ID:07nBEAox0
ゾフィーさんナイス(*´∀`)ツカ、カワイイ
しかし、バレンタインをすっかり忘れてましたわ…ギャグで行くかなぁ。

444 :名無しより愛をこめて:2007/02/13(火) 22:03:44 ID:uo8xMqRe0
昨日近くで「メビウス&レオショー」やってたんで息子と逝ってきた。
話はまんまレオ登場回だったが、怪獣がマグマ星人とエレキング(マグマはともかくなんでエレキング・・orz)
ガワのショーだから空手着&焼き芋場面は当然なしだが(キリモミキックも無理w)レオがすげー強かったり、やっぱりメビが弱かったり・・・orz
最後は子供の声援で立ち上がったメビがエレキングを、レオがマグマ星人を倒して燃えた!(レオヌンチャクも登場!)
個人的には、メビとレオ中の人がガワにぴったりの体型でGJ!!そしてメビの倒れる姿がなんかエロくてさらにGJ!!!なショーですたwww

 微妙にスレちスマソ


445 :名無しより愛をこめて:2007/02/13(火) 23:17:52 ID:rAvozXwM0
>>444
いや、中の人の体型と技量は「萌え」に多大な影響があると思う俺。
メビがエロくなかったら、このスレは存在しないとさえ。

446 :名無しより愛をこめて:2007/02/13(火) 23:21:14 ID:8y6sMGok0
>>444
>メビの倒れる姿がなんかエロくて
ちゃんと写真に納めてきたか?
なーんて、写真撮ってる場合じゃねえかw

447 :闇の呼び声8 1/8:2007/02/13(火) 23:34:27 ID:vdFdcxd50
今夜は闇です。バレンタインイブなのに、暗いし萌えないしでスマソ。
****
街へと降りていく螺旋の階段は、まるで永遠に続くかのように長かった。
リュウ=タロウは、ミライにひたすらテレパシーを送りながら、階段を駆け下り続ける。
一方で、彼らは、不思議な会話を交わし続けていた。
…会話、というのも妙なものだ。二人は意識を共有しているのだから。
本当のところ、それは、会話、というよりも互いの意識の中の情報を、めまぐるしく
やり取りして共有のものにしている、といったほうが適切なのかもしれなかった。
しかし、二人の意識は、それを、あくまで会話として認識し、二つの人格が互いを
尊重しつつ交し合う対話として記憶づけようとしていた。そのため、現実に行われ
ている情報交換は、超高速で行われているのに、二人の意識は、それを、かなり長
い間にわたって交わされた対話として捉え、それを経ることで、二人は、互いを、
あたかも長い時間をともにすごした旧友のように親密なものとして認識づけていっ
たのだった。
(リュウ、きみには、家族はいるのか?)
(…いねえよ、今はな)リュウの父は殉職した警官だった。仕事一筋の実直な男で、
リュウは父を誰よりも尊敬していたが、母はそうではなかった。母は家族を省みない
父を嫌い、家を出た。リュウは、祖母に育てられたのだった。その祖母は、リュウが
高校生のときに亡くなっている。




448 :闇の呼び声8 2/8:2007/02/13(火) 23:36:17 ID:vdFdcxd50
(お母さんは、まだ生きておられるのかい?)
(たぶん。死んだって知らせはこねえからな)
(じゃあ、ますます、君を無事に帰さなければいけないな)
(関係ねえよ。女の考えることは、俺にはよくわからねえ)
…俺のあこがれるのは、親父のような生き方だ。信念を持つってかさ。お袋は最後まで
理解しようとしなかったけど、親父がお袋や俺をどんなに大事に思ってたかは、俺には
よく分かるんだ。ガイズに入って、そのことは改めてよく分かった気がする。セリザワ
隊長がそれを教えてくれたんだ。…どんなに一生懸命やったって、最後はウルトラマン
が怪獣を倒してしまう。俺たちの存在意義は何なんだって、隊長に聞いたら、一生懸命、
自分の力を俺たちが尽くしてはじめて、ウルトラマンはわれわれを助けてくれるんだって、
そのために俺たちは戦うんだって、そう言った。そしてこうも言った。そうやって、
俺たちが、命がけで戦うのは、笑顔で仲間に会うためだ。大切なもののところへ生きて
戻るためだってな。


449 :闇の呼び声8 3/8:2007/02/13(火) 23:37:21 ID:vdFdcxd50
(セリザワ君の言葉だったのか、あれは)
(そんなこといったくせに、自分は俺を助けるために怪獣に突っ込んでいったんだ)
だけど、隊長は帰って来た!…親父は一つだけ間違った。どんなことになっても、生きて
帰んなきゃいけなかったんだ。お袋と俺のところへ。お袋だって、親父が生きて戻って
きてたら、帰ってこれたのかもしれない。でも、親父は戻ってこなかった。戻ってきた
親父は、もう二度と笑うこともなかった。お袋は、親父の葬式にも出てこなかった。
出てこれなかったんだろな。意地っ張りな女だぜ。…
(セリザワ君には、家族はいなかった)
うん、そうみたいだ。だから俺たち部下の隊員が、自分の家族だって、いつも言ってた。
(そうか…。だからこそ、かれは、ヒカリと一緒に光の国へ行く道を選んだわけだ。…
最後に残した家族であるきみに、新しい仲間、新しい家族ができたことを見届けたから)
…あんたも地球にいたとき、誰かと一体化してたのか?それともミライみたいに、地球人
に変身してたのか?
(私はある男と一体化していた。今はわれわれは分離しているがね)
…どんな男だったんだ?
(セリザワ君と同じ、天涯孤独の男だった。母親の思い出をとても大切にしていたが)


450 :名無しより愛をこめて:2007/02/13(火) 23:38:47 ID:uo8xMqRe0
>>445>>446
メビ、腰も細め&声もなかなかデスタw
・・・カメラもビデオも忘れ毛布のみ持っていった(屋外ショー)へたれですまんorz(


451 :闇の呼び声8 4/8:2007/02/13(火) 23:40:15 ID:vdFdcxd50
…考えてみれば、われわれが一体化していた男たちは、みんな係累を持っていなかった
ような気もする。擬態をしていたセブンとレオ(だがレオは、本人が天涯孤独の男だった)、
80以外は、マンも、ジャックもエースも、両親も兄弟も持たない人間たちに命を預け
ていた。ジャックの場合は、その男の恋人や兄代わりまで死んでしまってね。だからこそ、
光の国に戻るとき、何の迷いもなく一体化したままでいられたのかも知れない。
(セリザワ隊長のように、その人たちも、融合したままウルトラの国へ行ったのか)
…そうだ。いろいろあって、今は地球へ戻ってきているがね。
(あんたが一体化していた男は、その後どうなったんだ?)
(地球で平和にたくましく暮らしているよ。われわれはジャックやエースとは逆だった。
防衛の任務が一段落したところで、地球人として生きることを選んだんだからな)
(あんたはウルトラマンの家族より、天涯孤独の地球人と生きていくことを選んだと
いうわけか)
(そうだ。しかしそれは楽しい日々だった。光太郎は――私の融合していた男は、
たくましく生き、恋をして結婚し、家族を作った。自分の妻子だけでなく、どんな
人間にでも手を差し伸べた。あいつが笑うと、なんかみんな元気になってた。
子供も、大人も、老いも若きも。動物ですらね。すごく無防備でドンと相手に
ぶつかっちゃうから、結構ひどい目にもあうのにめげないんだな)
(なんか、ミライみてえだ)


452 :闇の呼び声8 5/8:2007/02/13(火) 23:41:55 ID:vdFdcxd50
(そうだな、似ているかもしれん。光太郎のほうが豪快だけどな。年をふるごとに
慎重になったけど、基本的に無鉄砲のきわみのような男だった。メビウスは…
ミライは、もう少し繊細だろう。天然なのは似ているけれど。そうだ、もう一つ、
違うところがあるな)
(なんだ)
(いい男だったから、女性の反応が大変だったんだ。私は、実は結構彼を守るため
に苦労したんだぞ。本人はまったく自覚していなかったが)
(なんだ、そりゃ)リュウの意識が苦笑する。…でも、本人は自覚してないのに、
他人をひきつけてやまないってところは、ミライも同じだよな。
(そうだな。…光太郎は文字通り光のような男だった。ミライという名も、明るい
希望の光を連想させるな)…そうか、私にはあの子と光太郎を重ねて見ていたところ
もあったのかもしれないな。…光の子。純粋でまっすぐな、光の申し子。

(不思議だな。地球にいたことがある私には、メビウスの幻覚世界の風景を
見ても、違和感を感じなかったが。しかし、考えて見れば、ウルトラ人の心象
風景として本来あれは異例の光景なんだよな)
(どういうことだ?)
(本来は光があれば必ず闇が生ずる。しかし、われわれ光の国の生命体は、文字
通り光に包まれている。光の国には、闇がない。路地もない。だから地球へ行く
ことは、われわれにとって、闇というものをよく知るための経験でもあるんだ)
(だって宇宙空間は闇じゃねえか)
(ははは、そのとおりだ。しかし、宇宙に路地などはない。あるのはただただ
無限に広がる果てしもない空間ばかりだ。メビウスの心に路地への希求がある
のだとしたら、それは…)




453 :闇の呼び声8 6/8:2007/02/13(火) 23:43:19 ID:vdFdcxd50
(それは?)
(人の心の細やかさ― 一見マイナス要因に見えるような、悲しみや、やりきれなさや、
怒りや、罪悪感や、そんなものに共鳴し、理解するコードがあの子の中にできたという
ことになるだろう。リュウ、人の心は無限の闇に同化することもあるが、俺は思うんだが、人の心はもっとこまごましてて解体しにくい複雑な構造をしたものじゃないか。悲しさと
喜びとが、憎しみといとしさとが、そんなに簡単に切り離せずに、ひとつの模様のように
絡み合った世界なんじゃないか。メビウスは今その模様が形作る迷路の中を降りて行って
るんだよ。光の国に居っぱなしなら決して知ることのない緻密で精巧なミニアチュールの
ような世界をね。…それは、われわれが眺める地球、人類、そしてこの町の灯だ。
メビウスは、あの子は本当に地球と地球人が好きになったんだな。小さな、入り組んだ、
限りなくいとしいものの世界をね)
(そういえば、俺、最初にあいつが街を壊したとき怒鳴っちまった)
(そうか、でもそれで、メビウスはこの町の小ささや狭さ、ささやかさこそが
大切なものだと思うようになっていったんだろうな)


454 :闇の呼び声8 7/8:2007/02/13(火) 23:44:20 ID:vdFdcxd50
…メビウスの路地の奥には何がいるんだろう?あの子が自分の心の奥底に
持っている、自分の喜びや幸せと隣り合わせに組み合わさった悲しさや
せつなさの震源は何だろう?…それはあの子が地球へ来てから知ったものだ。
自分を奮い立たせてくれる幸せや喜びにいつも隣り合うようにしてその心に
複雑な悲しみや複雑な怒りを生じさせているのは何だろう?…案外、それは
君の姿をしているかもしれない、リュウ。
(なんでだよ?!)
…だってあの子は君を愛しているから。
(よせ)
…私にははっきり分かるよ。君だってあの子を愛している。
(よせったら!)
…じゃあ、言い方を変えよう。君はあの子を、本当に大切に思っている。心の底からね。


455 :闇の呼び声8 8/8:2007/02/13(火) 23:45:28 ID:vdFdcxd50
「よせやい。…もし俺の姿であいつをこんなところに引っ張り込んでるやつが
居やがるなら容赦しねえぜ!人間は、悲しいことも腹の立つことも、うれしい
ことも楽しいことも、みんな自分を支えてくれる思い出として心の引き出しに
しまってるんだ。そいつを勝手に持ち出して、それを使って罠を仕掛けるなんて、
冗談じゃねえ。俺は絶対に許さねえ!悲しいことも、腹立つことも、喜びも、
幸せも、みんな大切なミライの宝物なんだ。そういうの全部あわせて、あいつは
俺たちの大切な仲間なんだ。かけがえのない、俺の相棒なんだ。…あんただって
そうだろ、タロウ教官」
(…うれしいな、リュウ。)
「何がだよ。」
(きみもまっすぐだ。メビウスは幸せだな。)
「何言ってやがる。」
(いや。…さあ、路地だ。いくぞ、リュウ。)
「よっしゃ!」

**
今回ここまでです。

456 :名無しより愛をこめて:2007/02/13(火) 23:54:15 ID:vdFdcxd50
>>450 会話に割り込んでしまってすまん
倒れるエロメビ>「別れの時」の回で倒れたメビを思い出した


457 :名無しより愛をこめて:2007/02/14(水) 00:02:46 ID:Hos0ax950
>>456
うわ、リロし忘れた・・・すまん、レオヌンチャクに当たってくるorz

458 :名無しより愛をこめて:2007/02/14(水) 00:22:40 ID:oMv4zHDM0
>闇
俺は充分そこここで萌えとるよw
仲の良いリュウタロウ(今の状況では正しい呼び名じゃねw)が新鮮だし、面白い

459 :名無しより愛を込めて:2007/02/14(水) 01:01:06 ID:RlpOaFwp0
>>458 うれしいぜ、アミーゴ。サンクス!

トレーニング>ぬいぐるみに乗ったゾフィー兄さんに萌えた。
シルバニアファミリーウルトラ兄弟版。・・で、キングハンマー
持ったじっちゃんがあらわれたりしてw

460 :名無しより愛をこめて:2007/02/14(水) 01:23:57 ID:pva95K8O0
>闇
そういやこの組み合わせは初めてですね。リュウとタロウ。>>458
奥底にいるのがリュウかもしれないと指摘するところで充分じゃないかなぁ。

いやもう、SF設定萌えでまことにすみません...orzウチハホンモノ

461 :The Hanged Man.13:2007/02/14(水) 01:25:05 ID:pva95K8O0
イオ「また気温が下がったな、どうも妙だ」
ゼノ「にしちゃ、結構、植生が南寄りなんですよね。枯れてもないし」
エル「てか、日差しがあるわりには温まらないなぁ、さむ」

メビ「先生ー、南の葉っぱってどう見分けるんですか?」
ゼノ「緊張感ないよなぁ、お前・・・」

80「葉っぱが広いのがそうですよ(にっこり)」
エル「(思い切りよく端折ったなぁ)もうちょっと経ったら習うよ」
80「でもわりと低木ばかりですね、それにシダ系植物は全滅か」
ゼノ「あ、本当だ。難しいなぁ、なに食ってんだメビウス;」
メビ「苦いですー」
エル「味覚あるのか? すごいな」

イオ「つまり、暖かい時期はそう長くない、しかも少し前に終ってる?」
80「星単位か地域単位かわかりませんが、それが妥当でしょうね」


462 :The Hanged Man.14:2007/02/14(水) 01:26:07 ID:pva95K8O0
【記述者:メビウス
 ゼノン、僕、エルさん、イオタ先輩と別の星に来ました。
座標その他は「な・い・しょ」(ノアさん)とのことです、もちろん飛べば
星からは離れられるんですけど、そこまですべきかどうか・・・】

ゼノ「本気で迷ってなかったか? 先生てば」
エル「そのくらい大変なことってことかね。て、口調まで再現しなくても」
ゼノ「つーかなんで普通の文章なのにこうも幼いんだ」
メビ「そうですか??」

イオ「(付き合ってられん)80先生はどこに行ったんだ?」
メビ「君らを閉じ込めておいてちょっと偵察にー、だそうです」
ゼノ「そんな表現してたんかいΣ」
エル「やっぱりこれ、特殊な空間なんだろうね。まー、仕方ないかも」

イオ「弱い弱い言うな」
エル「まだ言ってないけどぉ、元々平均くらいなんだし諦めようってば」


463 :The Hanged Man.15:2007/02/14(水) 01:27:24 ID:pva95K8O0
――空間がひび割れる。

ゼノ「・・・ん?」
メビ「え、どうしたの、ゼノン。80先生?!」
イオ「どうかされたんですかっ!」

80「油断しました・・・吹雪です」

エル「あー、この白いの、雪ですか、こらそこ、一瞬でもわくわくしない」
メビ「ごごごめんなさいっ(;><)」
80「エル、空間閉じて下さい、寒くて動けない」

ゼノ「えーと先輩、腕貸して」
イオ「(ちょっとばかり脱力中)あ?」
ゼノ「系統的には出来るはず、エネルギー供給やってみまっす」
イオ「それはいい、が、そこで腕掴んでるのはどういう意味だーっ!」


464 :名無しより愛をこめて:2007/02/14(水) 08:52:25 ID:e8xGM4tO0
鎖キター、そうそうあれあれv
闇キター、リュウ・タロウ、はよ追いつけ!
Hangキター、ノアの目的いずこ?
トレーニング終わっちゃったorz ゾフィ兄さん素敵v つか、タロウ大丈夫か?

465 :万能の神はいない63:2007/02/14(水) 08:54:18 ID:e8xGM4tO0
「別働隊から連絡がきた。アイハラ・リュウが誰かに追尾されたらしい。撒いたらしいが」
「正体は? 何処かの国政関係者? イミュニスト?」
「詳細不明」
「・・・で、旦那さまには誰かつく? 誰かさく?」
「パレットから別働隊を出してらう。あとすでに1人、JAPANに潜入済みだ。出来る
かぎりアイハラ・リュウにつくように命令が出る。それにあの新人ウルトラマンがくっつ
いている分、旦那の方は簡単にどうかなるもんじゃないだろう。問題はこっちだな」
「ともかく保育園から帰り、ミライ君を無理やりナンパします。黒澤F、使える口実あり?」
「タイムセール、解凍マグロ5割引で行きます? ちょっと押しが弱いですけど」
「弱くても嘘でも、押し切るよ。基本的に好意の押しには弱い子だからね。ボス、青山F、
黄F、黒澤F、青山Mをお借りします」
 いつもの口調とは打って変わった『女房役』に赤塚Mはうなづく。だが異論が出た。
「青山Mのアシじゃ狭いぞ。私がワゴン車を出す。それに青山Mとあの子じゃあまり面識
がない。ついでに言っちゃ悪いが青山Mは私から見ても恐持て過ぎるぞ」
 緑川Mの言葉にやや、赤塚Mは考えた。
確かにMメンバーで唯一人ミライと親しく接触しているのは緑川Mだった。赤塚Mも
青山Mもごく数度挨拶を受けた程度だ。いくらFメンバーが揃っているにしろ、こちらの
誘導に少しでも自然に流れるようにしたほうがいいだろう。青山Mは(中身はともかく)
確かに外見が一歩間違えるとナニだ、迫力がありすぎる。ミライには与えなくても保育園
の関係者に無駄な警戒を与えかねない。同じ恐持てであっても年をとっている分、緑川の
方が警戒はもたれずらい。
「緑川M。身体は錆付いちゃいないだろうな」
「馬鹿言っちゃいかんよ。未熟な若造よりはましな動きは出来るさ」
「よし、緑川Mに代われ。向こうにも1人で帰さないよう旨く引き止めるよう伝えておく」
「GIG!」


466 :万能の神はいない64:2007/02/14(水) 08:55:54 ID:e8xGM4tO0
「場所的にはここら辺だが・・・」
「いた、あそこ」
 ミハルが指差す方に目をやり、ワタルは自分たちの隊長と後輩の姿を確認する。
 ワタルは感心した。リュウだけでなく、残り全員が車内に入りドアをロックした後も
ツヅキが油断なく周囲を探っていた。いつもこの調子ならヘタレワンコと呼ばれることも
なかろうに、と思う。普段ぼけぼけすぎだ。特に昨日の半纏姿の間抜けっぷり!
「すまねぇな」
「いいえ」
「ご無事で何よりです。ここ一月ばかりツヅキが隊長の側でぴりぴりしていると思ったら」
「・・・そんなにぴりぴりしていたか、こいつ」
 リュウの問いにミハルは少し笑った。
「我々とだけでしたらいつも通りでしたけど、部外者が入るエリア内だと空気が違いましたよ。
それも隊長の側にいるときだけ。よほど注意しないと分からないと思いますけど」
 現にチャコとヒデアキは気付いてませんよ、あの二人は理論から入る口だから、と
ミハルは言う。
「リョウスケは気付いているかもしれませんね。あれは空気に聡い男だから。隊長が口外
されないのは何か理由があると思いますが」
「すまん」
 短くリュウは謝った。部下に気遣いさせていた事、そして口が裂けてもいえない事情。
恐らく、生涯ずっと抱え続けるだろう後ろめたさ。
 サコミズやイサナだったらもっと上手くかわせるだろうに。
 不誠実な対応にもかかわらず、ミハルはそれ以上何も言わなかった。
 人間関係に恵まれたな、俺は。それだけはしみじみ思う。
 上官であったセリザワ、今の上官のサコミズ、かつての同僚、所属は違うが同じ隊長の
イサナ、部下たち。ミライ。あの手を離さずにすんだ、幸運。


467 :万能の神はいない65:2007/02/14(水) 08:57:40 ID:e8xGM4tO0
「アイハラ隊長、どんな相手だかお分かりですか?」
 それまで運転に専念し、口を挟まなかったワタルが問う。
「若い男だったな。服装は普通の、どこにでもいそうな奴らばっかりで」
「みな日本人だと思います。発音に変なところはありませんでした。体は鍛えていて、
身体能力は比較的高いのでしょうが殆ど素人でした」
「殆ど?」
「多分あの中でリーダー格の男と、あと一人。後ろの方にいた新橋とか呼ばれていた人が
何がしかの訓練を受けていた人間だと思います」
「・・・名前まで分かったの?」
 ミハルが驚いたように後輩を見る。ツヅキはちょっと反射的に首をすくめ、続けた。
「呼ばれていた4人は。リーダー格とあと一人は分かりません」
「名前は?」
「田端、上野、神田、それと新橋です」
「・・・本名かしら」
「分かりません。でも4人は明らかに素人でした。少しは訓練は受けたかもしれません。
でも本格的なものではないです。少なくともワタルさんみたいな感じじゃないです」
「俺?」
「正規の訓練受けてらっしゃいますよね」
「・・・まぁな。ただスペーシーにいた時より前の話だぞ」
「新橋、は何となくですがワタルさんの動きになんか似ていました。リーダー格はまた
タイプが違うものでしたが、何がしか訓練を受けていたと思います」
「系統は分かる?」
「・・・そこまでは分かりません」
「おい、ミハル。宇宙育ちの世間知らずにそこまで求めるなよ」
「アイハラ隊長。ちょっと甘やかしすぎです。使えるものは使わないと。ツヅキ、後で
アーカイブ出すから。そこで動きが似てると思うのがあったら報告して」
「あ、はい」


468 :万能の神はいない66:2007/02/14(水) 08:58:52 ID:e8xGM4tO0

災いだ。悪を善と言い、善を悪と言う者は。
彼等は闇を光とし、光を闇とし、苦いものを甘いとし、甘いものを苦いとする。
(旧約・イザヤ書5章20節)

「はぁい。分りました。アマガイ先輩、シュウ君のお母さんは30分遅れるそうです」
「了解しましたー。あ、ミライ君、そこ青ね」
「あ、はい。アリア様の服って本来青なんですよね」
「うん。マリア様の服の色は青って決まっているみたい」
 コノミがふと顔を上げると山吹がメールを確認している。以前恋人? と聞いた時は
違いますよ! などと焦っていたが。
「絵の具が天然の岩石から作られていた時代には高価なラピスラズリと使った青はマリア
様だけに許されたらしいですね」
「へぇ、ミライ君調べたんだ。そういえば天国はサファイアで敷きつめられているから空
の色は青い、って話があったなぁ」
「天国・・・人魚姫が行ったところですよね。それとはまた違うんでしょうか?」
「多分同じかな? アンデルセン――あ、人魚姫の作者ね。あの人はキリスト教徒だし」
「クリスマスってキリスト教の神様のお祭りなんですよね」
「うん。起源には色々諸説があるんだけど、基本的にクリスマスはキリスト教徒のお祭り。
日本人はあんまり深く考えていないけどね」
「考えていない?」
「うん。クリスマスイブを祝って、除夜の金を聞いて、神社にお参り。キリストのお祭り
をやって、仏教の行事をやって、神教の神様を拝みに行く。つまり宗教的にはゆるゆる・・・
って前にも話したっけ?」
「はい。昼はウルトラの父感謝祭で夜はクリスマス。でも感謝祭は宗教じゃないですよね」
「うん、まぁあれも基本的にはお祭り騒ぎなんだけど」
 少しコノミは言いよどむ。結局口にしたのは別のことだ。


469 :万能の神はいない67:2007/02/14(水) 09:02:37 ID:e8xGM4tO0
「日本って基本的に人様に迷惑をかけなければもうなんでもありだし」
「はい。だから僕たちも日本を選んで滞在するんです」
「ひょっとして、ミライ君たち・・・?」
「同胞の中には敵視された人もいます。ここの話ではないですが」
 けれど助かります、と小声でミライは告げた。場所によっては現地の人間でない、と
知られるだけで身の危険を感じる文化圏がある。たとえ多くの他の星と外交を持つ星でも
排他的な文化圏はあるし、全く他の星の生命を知らずとも自らと違う存在を受け入れる
文化圏もある。
 地球は侵略行為に晒されているせいで異星人に対する拒絶感が強い方だが、その中でも
ウルトラマンはそれまでの行動で受け入れられている。それでも地球の中でも濃淡がある、
ということは知っている。生活しにくい地域があるのも。
 日本に歴代のウルトラマンが多く足跡を残しているのは当然だ。特に都市部はルール
さえ守れば異邦人でも在留しやすい。多少言動がおかしくとも、ルールを遵守する限り。
 そしてウルトラマンが正体を隠しつつ住みやすいということは、異星人全般が正体を
隠しつつ潜みやすい場所でもある。日本が異星人銀座と呼ばれるのも理由があるのだ。
「僕はとりわけ運がよかった、と思っています。兄さんたちにも正体を明かしてその場に
残れたケースはないんです。僕が初めてなんです」
「そう、だったんだ」
 少し言葉に詰まった。あの時、タロウにミライを残すよう叫んだのは深い考えがあった
わけではない。コノミはただただ、この友人と別れたくなかっただけだ。
 ミライが残った事が、戻ってきた事がどれ程に特殊か、は今まで考えたこともなかった。
「・・・リュウさん、そのこと知ってる?」
「はい。戻ってきた日に色々話し合いました」
 ・・・ごく一部とは言え地球の現地組織に正体を明かした状況の長期滞在は本当に前例が
ない。外交が樹立していない惑星で現地人と家庭を築いた同胞もいないわけではない。
 だがそれも周囲に正体を隠したままのケースだった。

 今回はここまででつ。
 ・・・せっかくのバレンタインなのに時節ネタが思いつかねぇorz

470 :名無しより愛をこめて:2007/02/14(水) 10:02:54 ID:RU8u1+yB0
バレンタインネタ、3つ尾もついたが、二つがプロットのみという・・・・orz
とりあえず投下しまつ。

名前を書かずに誰が言っているかわかるように練習です。
そういうことにしておいてください。

471 :名無しより愛をこめて:2007/02/14(水) 10:25:30 ID:VYcKXkqr0
万能キター!!すっげ面白ええ!!スピーディで、いろんなキャラがどんどん動いて、どきどきはらはらっす。
ヘタレワンコも本領発揮。でも何てたって、相変わらず口下手で不器用なリュウが最高w

鎖&闇 またしばらく調整期に入ります。次は週明けごろ、本編エース祭りのあとで。

>>470 バレンタインネタ大期待。

472 :あなたにチョコレートを:2007/02/14(水) 10:48:21 ID:RU8u1+yB0
「エース兄さんからチョコレートが来たから、一緒に食べよう」
「ありがとうございます。
『試作品だけどやる』ってメッセージが入ってますよ」
「誰か好きな人にでもあげるのかな?」
(でもなんで男からあげるんだ?つーか兄さん、手作りってどうなんだ・・・・orz)
「美味しいです!チョコレートって好きな人にあげる食べ物なんですか?」
「好きな人には特定の日にあげるんだよ。
メビウス、貰い物だけど、はい」
チョコ山からハートのチョコを探してあげる。
「ありがとうございます。
えっと、それじゃ僕も。貰い物だけどどうぞ」
「ありがとう」
「僕も地球に行ったら、教官にチョコレートいっぱい贈りますね」
「楽しみに待ってるよ」

    数年後
「メビウス、チョコはチョコでもチロルチョコとかポッキーとかは・・・・orz
ん?」
『タロウ兄さんへ。エース兄さんに教わって作ったチョコです』
「・・・・ありがとう」

473 :チョコレートの日:2007/02/14(水) 10:58:45 ID:RU8u1+yB0

マリナ「義理チョコはお世話になった人。隊長とか、お世話してあげてるトリぴーとか。
本チョコは本命。一番好きな人ね。友チョコは今のメンバー。あたし達も一緒に食べられるから、自分の食べたいものでOK。
コノミ「マブチョコは一番仲の良い友達に、パパチョコはお父さんとか家族に」
ミライ「保育園の皆にあげるのは、何チョコですか?」
コノミ「うーん、友チョコかなあ?義理チョコじゃないと思うし・・・・」
マリナ「ねえねえ、友チョコ何にする?あたし、オレンジチョコレートがいいなー」
コノミ「チロルチョコを箱いっぱいに詰めて、コーヒーポットの横に置いておけば、皆で食べられますよ」
ミライ(義理チョコはお世話になった人、本チョコは一番好きな人、友チョコはGUYSのメンバーで、
マブチョコが一番仲の良い友達、パパチョコが家族・・・・)



2月14日になりましたv

ハヤタ「メビウスからチョコレートが来たぞ」
ダン「はは・・・義理チョコでも贈ってくれるとはありがたいな」
郷「しかし手作りですよ。大したもんだ」
北斗「だが・・・・『パパチョコ』ってなんだ?」

リュウ(ミライがチョコレート寄越しやがった。手作りで、でっかいハートでってベタ過ぎるだろ!
ったくよう・・・ヘンな知識ばっかり仕入れやがたってw)←嬉しい
(・・・・なんでチョコにマブって書いてあるんだ?)

タロウ「メビウスが私にチョコレートをっ!しかも手作り、大きなハート!!
ああ、メビウス、ホワイトデーは飛び切りのマシュマロを贈るからなーー!!
・・・・どうして大きく『義理』って書いてあるんだーーーー?!」
ゾフィー「タロウ、この義理チョコというのはなんだ?」
タロウ「知りませんっ・・・・ ノД`)・゚・ 」 

父「娘からパパチョコもらっちゃったぞー♪」


474 :百万本の花1:2007/02/14(水) 11:01:08 ID:RU8u1+yB0
「ミライ君、小包が来ているわよ」
「ありがとうございます」
「でも、送り人名が書いてないけど、大丈夫かな?」
「アミーゴちょっとX線センサー持って来てくれ」
「うーん、球根みたいな形ですね。タイマー音なし、爆発物でもなさそうです」
「毒ガスかも知れねえぞ。捨てちまえよ」
「でも、違っていたら送ってくれた人に悪いです。開けてみます」
     ガサガサ
「本当に球根だ・・・・」
「手紙が入ってるわ」
「えーと、『旅の途中で見つけた球根です。真冬の高山で咲くという伝説のチムブリルフラワー。
2月14日に君のところで咲く様に。注:決して暖かくしたり水をあげてはいけません』って」
「2月14日、バレンタインに咲く様にですか〜v ロマンチックですね〜」
「なかなか粋なヤツだ」
「けっ、何処のどいつだ、そんな怪しげなモン送ってきやがったのは」
「やーね、気の利かない男は。勝手にライバル視しちゃって」
「思い出しました!これは、この間会ったおじさんです」
「おじさん?」
「はい。この間の休みの日に、どうしたらいいのかわからなくて港に行ったら、そこで出航時間まで待っているおじさんがいて、色々お話を聞かせてもらったんです。
そうしたら、2月14日にプレゼントをあげるよって言ってくれて・・・・」
「だからってホイホイもらってくるんじゃねーよ。捨てちまえ!」
「そんな・・・・・」
「リュウさん、酷いです!」
「そうよ、お花の球根よ?!可愛いプレゼントじゃないの!」
「アミーゴ、それぐらい言うなら、100万本のバラを用意するぐらいじゃないとな」
「でも真冬の高山で咲く花なんて聞いたことありませんよ。ニセモノじゃないですか?」
「まあまあ、花の球根一つでそういきり立たずに。とりあえず、フェニックスネストの花壇に植えてみたら?何かあったらすぐに対処できるし」
「はいっ!ありがとうございます!」

475 :百万本の花2:2007/02/14(水) 11:02:36 ID:RU8u1+yB0
数日後

「芽は出たけど・・・・・」
「萎れちゃってますね・・・・」
「やっぱり水をあげないっていうのはヘンですよね・・・・」
「でも寒いのに芽が出たんだから、真冬に咲くってのは合っているみたいよね」
「このお花、咲く前に枯れちゃうんでしょうか?」
「う〜ん、ちょっとぐらいは、お水あげてもいいんじゃない?」
如雨露で水をあげる。
「あ、元気になってきたみたい!」
「葉っぱが青々としてきましたよ!」
「良かった!」
「え?え?ちょっと、これ何?!」
「元気にって、育ちすぎ・・・・」
「まさか、水をあげたからですか?!」
「きゃあーーーーー!!」

ブーブー! ブーブー!
フェニックスネストに緊急警報発令

「どういうことなのかね?!フェニックスネストから怪獣が出てくるなど!」
「やっぱり例の時空波ですかねえ?」
怪獣の攻撃でフェニックスネストが揺れる。
「うわああ!!」
「テッペイ、過去のデータに該当するものは?」
「完全に同じではありませんが、ドキュメントZATに似た姿の怪獣があります。
レジストコード宇宙大怪獣アストロモンス!」
「くそっ!だから捨てちまえって言ったんだ!ミライ!!」
飛び出しかけるリュウだが、ウルトラマンメビウス登場。アストロモンスver2を撃破。
「ごめんなさい、おじさん・・・・・」
人間の姿に戻ったミライの掌に、白い花びらがひとひら、舞い落ちた。

476 :百万本の花3:2007/02/14(水) 11:04:35 ID:RU8u1+yB0
「GUYSジャパン総監の東光太郎だ」
「いやー、総監!!我々一同、総監のご帰還を心よりお待ちしておりました!」
「こ、この人が・・・・」
「結構ステキなおじ様よね」
「でもなーんか軽そうだよな」
「失礼ですよ、リュウさん」
「全くだ。実に紳士じゃないか」
「お、おじさん!」
「え?」
「やあ、ミライ君。花はどうだった?綺麗に咲いたかい?」
「うっ・・・うう・・・・うわーん!!」
「あ、ミライ君?!」
「総監だったんですか?あの球根を送ってくださったのは」
「ああ・・・・一体どうしたんだ?」
「ちょっとこちらに来てくださいッ!!」

「ミライ」
「リュウさん・・・・」
「そんなにしょぼくれるな」
「だって、おじさん・・・総監が送ってくれた花を、僕が注意どうりに育てなかったから怪獣にしてしまったんです・・・・」
「へっ、あんなの総監の癖に怪獣だってわからない方がおかしいんだよ。
ほら」
「これは、球根・・・・?」
「チューリップっていうんだ。今度はこいつを育ててみろよ」
「リュウさん・・・・はい!ありがとうございます!」

477 :名無しより愛をこめて:2007/02/14(水) 11:43:48 ID:VYcKXkqr0
総監光太郎キターw(*^^*)
チョコレートの日>ミライの本チョコは光太郎おじ様のもとへ行ったんでしょうか。
あなたにチョコ>パティシエ北斗w企業提携すかっ!

このままのバトルが、3月14日火蓋を切って落とされるんだわな(爆)タロウガンバレ!

>>463 ヤプールも出てくる?吹雪で倒れた80先生に萌えたことを告白しまつ。



478 :名無しより愛をこめて:2007/02/14(水) 13:48:57 ID:RU8u1+yB0
闇>リュウとタロウ、すっかり仲良くなってww 
光太郎とミライが似ているというのは、新説ですね。でもイイ!!

吊るされた男>タイトル、タロットからなんだろうなーと今更に。
自己犠牲、苦境に希望を見出すのは、シルバー族の訓練生?

万能の神>ワンコの周りにも情報部いたんですね。後でわかってワンコの気も楽になるのかなあ。
神の色の青を纏っていないメビウス。これがヒカリならまた違っていたんだろうか?

479 :名無しより愛をこめて:2007/02/14(水) 17:23:16 ID:Hos0ax950
>>473
でかいハートチョコに「マブ」と書いてあるの想像して茶吹いたwww
しかし・・・友やパパはともかく、「義理」は書いてない方が・・・分かってても。orz


480 :名無しより愛をこめて:2007/02/14(水) 17:33:12 ID:ceU2pxp4O
舞台で思い出したが、ウルフェスのDVD出ないかなぁ。モチロンに地球の場所聞くやつ。

481 :名無しより愛をこめて:2007/02/14(水) 17:36:25 ID:pva95K8O0
前半がネット販売してるって聞いたけど。
詳しくは知らない;

482 :名無しより愛をこめて:2007/02/14(水) 17:56:37 ID:ObESrQBD0
>>473 だーっははははははwwwwww
>メビウスが私にチョコレートをっ!しかも手作り、大きなハート!!←天国
>・・・・どうして大きく『義理』って書いてあるんだーーーー?!   ←失墜
>ゾフィー「タロウ、この義理チョコというのはなんだ?」     ←塩塗り込み
ゾフィ兄さん、その突っ込みはワザとでつか?素晴らしすぎっス

北斗さんとリュウさんの困惑顔が、くっきりと頭に浮かんだよw

483 :名無しより愛をこめて:2007/02/14(水) 18:08:49 ID:ObESrQBD0
>>473
>父「娘からパパチョコもらっちゃったぞー♪」
浮かれまくりでスキップ
母「まあ、あなたったら…ホホホホ」
ペーン!!(CMウルトラマン倶楽部風に)

しょうもない風景を連想した

484 :名無しより愛をこめて:2007/02/14(水) 23:48:57 ID:P48tuwM50
チョコネタ笑いました。文字がどんと描いてあるチョコ。タロウはやはりオチになるw

総監東光太郎かぁ〜こっちも何かずれてる人たちがいっぱい!おもしろいです。

485 :名無しより愛をこめて:2007/02/14(水) 23:54:03 ID:tjCZ/yCwO
 
ターッタターッタッターッタターッ♪
「その顔は何だ…その姿勢は!その言葉遣いは何だ!!お前にはメビウスを託せない!!」
「僕には貴方とお付き合いすることなどできません」
「スワローキックだ!!」
「我々ウルトラ兄弟を倒してみろ」
「ウルトラマンメビウスの見合い話は…全滅しているんです」
次回、『浮いた話のない女』
チャチャチャチャチャーチャッ♪
「兄さん達はいつも、相手の人と戦うんだ」



時期ネタじゃなくてすまんです

486 :名無しより愛をこめて:2007/02/14(水) 23:57:34 ID:Hos0ax950
コーヒー吹いたじゃねえか!!GJ!!

487 :名無しより愛をこめて:2007/02/15(木) 00:00:14 ID:SGnKvua+0
吹いたww 久しぶりに振袖メビ見に行っちまったジャナイカ

488 :名無しより愛をこめて:2007/02/15(木) 00:03:39 ID:Z/LR7dik0
ターッタターッタッターッタターッ♪
くるしい〜〜www 涙がでるほど笑った。。。がははは

489 :名無しより愛をこめて:2007/02/15(木) 00:05:25 ID:maO9jwU/0
ひ、酷い、酷すぎる...orzホトホト

490 :金的の鎖3 1/4:2007/02/15(木) 07:28:23 ID:SGnKvua+0
調整してたらまた長なってきたんで、鎖のみぽつぽついれます。
**
「やあ!ようこそ。」サングラスを取ると、真昼の土曜日の日差しの中で、不可思議な
緑と青の瞳が楽しげにきらめいている。ステージでおなじみの黒革のジャケットとは、
打って変わって、ラフな白いシャツにブラックジーンズのカジュアルな明日人は、
少しばかり緊張している私服姿のガイズ・クルーに、気さくな調子で声をかける。
依然として指にも腕にも首にも耳にも、じゃらじゃらとしたメタルなアクセサリーが
ぶらさがっているが、舞台の照明とは違って明るい自然の光の中で見るそれらは、
着け手のおだやかな笑顔にマッチした、静かで柔らかい輝きをはなっていた。そして、
ブラックジーンズの左太ももには、トレードマークとも言うべき鈍い銀色のずしりと
した鎖が、今日も声高にその存在を主張している。…

「こんにちは、明日人さん」ミライがにっこりと会釈する。「今日は、お招きありがとう
ございます。それから、僕のお願いを引き受けてくださってありがとうございました!」

(…メビウス、俺の正体をガイズの諸君に伏せてくれているんだね)
正直すぎ、素直すぎる天然の妹が、いかに苦労して自分の正体を秘密にしようと努めて
いるかを想像すると、明日人はほほえましさでいっぱいになる。
(だって、アストラ兄さんは、レオ兄さんと二人で、この地球でずっと暮らしていく
ことが夢なのでしょう?…だったらガイズのみんなにも、今回は言わないほうがいいと
思ったんです)


491 :金的の鎖3 2/4:2007/02/15(木) 07:29:30 ID:SGnKvua+0
「無理なこと、おねがいしてしまって、すみません」コノミが頭を下げる。
「ヒビノ隊員には、随分お世話をかけたし、ご迷惑もかけてしまったから、お詫びと
お礼を兼ねてるんですよ」
明日人はにこやかにクルーのほうに目を向け、その一番端でひとり憮然とした面持ち
でたたずんでいる、目つきの悪い男に声をかけた。「アイハラ隊員、だね」
仏頂面のリュウが目を上げる。「後で聞いたんだけれど、特にきみにはずいぶんご迷惑
かけてしまったようで、申し訳なかった」売れっ子ヴォーカリストの思わぬ低姿勢に
やや戸惑って、リュウは鼻の頭をかきながら、もごもごと返事をする。
「別に、たいしたことじゃねえよ…」…どうも、やりにくいぜ。

 可笑しげにそのやり取りを見ていた他のクルーも、改めて自己紹介をする。…
「ええと、カザマ隊員、イカルガ隊員、クゼ隊員、アマガイ隊員、だね」明日人は
真面目な顔で確認する。くすぐったそうにそれを聞いているクルー。
意を決したようにジョージが口を開く。「あの…明日人さん」「うん?」
「あのですね、その俺たちはあなたよりはだいぶ年が下だと思うし、今日は一応、
私服でオフできているわけだし。…もう少しフレンドリーに、できれば、ファースト・
ネームで呼んでもらえればと思うんですが」
「そうなのかい、イカルガ隊員」
「…!!(だから、その名前で、俺を呼ぶなあっ!!)」闘牛士のひらめかす赤布のような
色合いに染まって目を白黒させるジョージに、クルーは一斉に吹き出した。
「…どうかした?」きょとんとする明日人。
「いえ、何でもありません!」ジョージは笑いこけるクルーに必死の目交ぜを繰り返す。
マリナが、笑いをかみ殺しながら言う。「明日人さん、あたしたち普段から下の名前で
呼び合ってるんです。だから、なんだか、くすぐったくて。ほんとにもしよかったら、
名前で呼んでください。今日はオフで、あなたのファンとして来てるんだし」
明日人はにっこりした。「よし、じゃそうしよう」


492 :金的の鎖3 3/4:2007/02/15(木) 07:30:33 ID:SGnKvua+0
その時ドアがノックされて、シンプルなスーツをぴしりと身に着けた、いぶし銀の
ごとくの渋いオーラを放つ男が、黒いサングラスをかけた顔をのぞかせた。
「明日人、準備ができてるぞ」「サンキュ、兄さん」
(…俺は席を外すぞ。ガイズの諸君には一度会っているから、下手をするとせっかく
のメビウスの好意を無にしてしまいかねん)(悪いな。…でもばれないような気もするけど。
この間の虚無僧姿とはぜんぜん印象が違うし)(プロの目を甘く見ないほうがいい。…また、
ほとぼりが冷めたら挨拶するさ)(了解)
レオ兄弟が短いテレパシーのやり取りを交わしている数秒の間、ガイズ・クルーも
不思議そうに、まったく印象の異なる二人の男を見比べていた。(…兄弟?)(似てねえ…)
「諸君、ごゆっくり」サングラスの男は、口元に、かすかに笑みを浮かべると、ドア
の向こうに消えた。ジョージが首をかしげる。(なんか、妙な既視感を感じたんだが、今…)

「今の、お兄さんですか」コノミがたずねる。「うん。…生まれついての兄弟だよ、
正真正銘のね」「ずいぶん年が離れてるんですね」「…そう見える?」明日人のオッド・アイ
がいたずらっぽくはじける。「見た目ほど、離れてないんだけどね。…兄貴は渋い好みだし、
俺はこの通りだから。…さて、昼食を取りながら、打ち合わせと行こう」
明日人は、一行をビュッフェ風にしつらえたミーティングルームに案内する。
「うわ、すっごーい!!」一行は思わず歓喜の声を上げる。白いテーブルの上に、
華やかに盛り上げられた、幾種類ものサンドイッチの山。ゴージャスにカットされた
さまざまな色合いのパンに、大胆なまでに贅沢に挟み込まれた具材。程よい照りであぶら
れた分厚い肉や、檸檬の香りをまといつかせた新鮮なカルパッチョ。彩りよく花を添える
みずみずしい野菜や果物。
「すごいすごい!」クルーはいっせいに食欲旺盛な若者の顔に戻って、卓上の饗応に
酔いしれる。そんなクルーを満足げに眺めて、明日人はサイドテーブルに置かれた
サイフォンを指差す。「コーヒーはセルフ・サービスだ」


493 :金的の鎖3 4/4:2007/02/15(木) 07:31:40 ID:SGnKvua+0
「美味い!」「おいしい!」見てよしのゴージャスなサンドイッチは、食べてさらに
よし、だった。「…だろう?」「明日人さんの行きつけのお店から取り寄せていただいた
んですか?」アンチョビの乗ったクラッカーを、明日人はしなやかな指でつまみあげて、
かじる。「兄貴のお手製だよ」
思わずサンドイッチを取り落とす一同。「…兄貴って…」「…さっきの…」「あの渋い…」
「お兄さんの…」「お手製!?」
ミライの驚きも他のクルーに勝るとも劣らなかった。
(レ、レオ兄さんに、こんな特技があったなんて…!!)

「以前に一度、サンドイッチカフェをやってたことあるんだよ、うちの兄貴は(注:
むかしの昼ドラネタですいません)」「そうなんですか…」「そのころ、もと暴走族
だった連中や学校で居場所のなかった子の相談によく乗ってたらしい。店にそういう
子供たちがよく遊びに来ててさ」…それはそれで似合う、と一同は思い直す。しかし、
不思議な兄弟だ。


494 :名無しより愛をこめて:2007/02/15(木) 07:34:39 ID:SGnKvua+0
いったん切ります。コラボは次の部分へ持ち越し。
昼ドラネタは、「キッズ・ウォー」3・4より。

495 :名無しより愛をこめて:2007/02/15(木) 11:14:13 ID:czwu/X8W0
バレンタイン>>473書き忘れ

アストラ「レオ兄さん、80、メビウスからチョコレートが届いたよ」
レオ「お、そういやバレンタインの季節か」
80「懐かしいなあ」
     がさがさ
アストラ「あ、僕とレオ兄さんのは、二つ合わせるとハート型になるね」
レオ「それはそれで問題があるような・・・・」
80「パパチョコ・・・・?」
レオ「待て、アストラ!このチョコには重大が欠陥がある!」
アストラ「なんだって? !! レオ兄さん、メビウスは・・・・!」
レオ「もう一度地球に行って特訓だな」
アストラ「今度は僕も行くよ、レオ兄さん」
レオ・アストラ「「双子だからって双子座のマークは要らない・・・・」」
80「メビウス、私は君に『パパ』と呼ばれる程年上では・・・・OTL」


たった一日で時期外れに・・・・orz

496 :名無しより愛をこめて:2007/02/15(木) 11:40:07 ID:czwu/X8W0
>>485 ワロタww 久しぶりに見合いネタ見たなーw

>>鎖 レオ兄さんの意外な特技がー! でも実際に相談に乗るのは上手そうだなあ。
苦労してきているし。北斗シェフよりも場所が近い?分、ミライはこっちに料理を習いに生きそう。

497 :ものは相談なんだが:2007/02/15(木) 22:31:41 ID:vyyET4gT0
>>302>>325-328で話が出てたけど、まとめサイトの件、誰か何かしてる?
萌える作品倉庫も利用させてもらっているわけだが、更新止まっているし、
前スレも落ちちゃっただろ
スレまたぎの長編を読み返すのが困難になってきしな
まだ、誰も新しいまとめに着手していないなら、
長編及び連続ネタの一気読み仕様なものでよければ、やってみようかと思ったわけだが
みんなの意見はどうだろうか

>>493
レオ兄さんお手製の食事とは、GUYSの諸君がウラヤマシス

498 :名無しより愛をこめて:2007/02/15(木) 23:04:19 ID:Z/LR7dik0
>>497
ぜひssはお願いしたい。読み返したい事多いですから。
mad、イラストはあのまとめサイトでいい気がします。

499 :万能の神はいない68:2007/02/15(木) 23:06:56 ID:NiyJeKZs0
「ずっと、守られてたんだ」
「ミライ・・・」
「知らなかった・・・ずっと守られていたなんて」
 泣き震える身体を抱きしめるしか、出来ない。どうしてこう、自分は無力なのか。
「リュウさん、知ってたの?」
「・・・すまねぇ」
 こんな時にどうして上手い慰めもごまかし1つも満足に出来ないのか。自分の言葉の
なさをリュウは自分で罵倒した。

「ユウちゃん、またね」
「またね。ミライせんせい、ばいばい」
 ミライが別れの挨拶に園児の頭を撫でている後ろで、最後のひとりとなった男の子が
勢いよくコノミと山吹の間をすり抜けた。
「ウサウサみてくる!」
「こら、シュウ君! もうすぐしたらお迎えが来るよ!」
 慌ててコノミが追いかける。わんぱくぶりに苦笑してミライも加わろうとしたところに
クラクションがなった。
「ミーラーイーくーん。加勢お願いしまーす」
「タイムサービス、しかもお一人個数限定なんでぇ、時と人手の勝負なんですぅ」
 黒澤と赤塚が顔を覗かせて言う。運転している緑川の苦笑。青山と黄までいるのを見て、
ミライは目をぱちくりさせた。
「あ、はい。コノミさんに挨拶して――!?」
 急にミライは顔色を変えた。ふわりとした表情から鋭い別の顔に。
「コノミさん!」
 わき目も振らず駆け出したミライにワゴンの中のメンバーは飛び出した。


500 :万能の神はいない69:2007/02/15(木) 23:09:15 ID:NiyJeKZs0
「黒澤Fはそこで待機!」
 赤塚Fは内心自嘲した。これまで自分たちはつい保護者の立場になりがちだった。純真
で繊細な――しかし守り戦うもの、なのだ。正体を知っていたつもりで、今まで分かって
いなかったことに気付く。
「コノミさん!」
 ミライは立ちすくんでいたコノミの肩ごしにそれを見た。とっさにコノミをかばう
ように自分の内に抱えこむ。
 がしゃんがしゃんと、檻の中で異様に暴れるそれ。いつもは大人しく餌を食んでいる
はずのウサギたちの無残な姿。床一面の赤。ただ一匹だけが血まみれで金網に何度も
体当たりしている。自らの体が負傷しようがお構いなしの、異様な行動。金網越しに
人を威嚇し噛み付こうとする。
「・・・まさか」
 皆が目を向けた先で、常の軽佻が消えた赤塚Fの顔があった。
「なんで宇宙ケシが投与されてんの・・・!」
「シュウ君! シュウ君は!?」
 コノミがミライを押しのけ叫ぶ。
「シュウ君、どこにいるの!」
「シュウ君!」
「シュウ君、返事して!」
 続けてミライも山吹も園児を探した。ウサギを見に飛び出したはずなのだ。
 コノミの前にその園児が姿を現した時、安堵のあまり泣きそうになった。
「シュウ君!」
「止めなさい、山吹F!」
 飛び出しそうになったコノミを後輩がエプロンの結び目をつかんで後ろに引き倒す。
何かがコノミの顔の前で空を切ったのはほぼ同時だった。
 刃物だった。
「宇宙ケシ中毒の攻撃行動確認! モードは麻痺に切り替えなさい!」
 赤塚Fの声にミライとコノミはぎょっとした。赤塚Fを含め全員が――コノミの後輩の
山吹もだ――銃を構えていた。小型化されているが、二人も見覚えがある。GUYS支給の
ショットだ。

501 :万能の神はいない70:2007/02/15(木) 23:11:30 ID:NiyJeKZs0
 ミライとコノミを背に庇い、赤塚Fは一同に命じた。
「宇宙ケシの効果が切れれば意識が切れるけど、それまで攻撃行動が続くわよ! 筋力の
リミッターが外れているから子供と思って対応するな!」
「シュウ君はどうなるの!?」
 悲鳴を上げたコノミに、赤塚Fは安心させるように優しい声で答えた。
「安心なさい。効果が切れれば、中毒時の記憶障害以外後遺症はないから。被害者の安全
のためにも身柄確保は慎重に行え!」
「GIG!」
 しかし、中毒者が幼い子供ということが確保を手間取らせた。
 大人なら安全でも、子供の心臓には麻痺モードでもショックが強すぎる可能性がある。
そう指摘したのは山吹だった。
 かといって麻痺の出力が弱いと、宇宙ケシで興奮状態にある中毒者には効果がない。
 出来る限り刺激しないよう遠巻きに、刃物を振り回す子供を囲むように動く。
「・・・効果が切れるまで待ちますか?」
「摂取の仕方と摂取量が分かれば持続時間が分かるんだけど・・・ウサギの方は?」
「大人しくなりました」
「多分、投与は同じやり口なんだろうから、後は量ね。・・・肺からの吸収なら効果が早い分、
効果の持続は短い。経口だと厄介だね」
「持久戦にならないといいんですが」
 赤塚たちの会話を聞きながら、コノミを庇うようにしながら、ミライは激しく混乱して
いた。
 宇宙ケシ? 赤塚さんたちがGUYS? 山吹さんも?
 なんで? 僕の知らないところで何が?
 かく、と子供が膝を突く。緑川が飛び出す。振り回す――勢いが弱くなった刃物を山吹
が取り上げ放り投げる。その時、緑川は気付いた。子供の上着を巻き上げ、確認した。
「ミライ君とお友達を非難させろ!」
 山吹と黄と共に緑川はまだ暴れる体からガムテープで巻きつけられた物をはがす。子供
の身体を仲間に押し付けるように渡し、緑川は叫んだ。
「伏せろ!」
 Fメンバーは反射的にミライやコノミ、子供を自らの体の下にして男の言葉に従った。
 次の瞬間、響いた音は、鈍くこもっていた。


502 :万能の神はいない71:2007/02/15(木) 23:13:38 ID:NiyJeKZs0
 苦笑じみた表情が赤塚Fの目元と口元に柔らかく落ちた。
 優先順位がまず自分だと全く考えもしていない。自分がまず優先されているとはつゆ
とも思わない。またこの男にはそれは理解できない理屈なのだろう。
 逆説的に言えば、そういう男だからあの子が惚れたのか。

 血相を変えメディカルセンターに飛びこんだリュウをまず迎えたのは、真っ赤に泣き
はらしたコノミだった。
「ミライ君、怪我はないよ・・・。だけど、目の前で緑川さんが亡くなって」
「そう、か」
「シュウ君・・・被害にあったうちの子だけど、ウサギ小屋の前にいた知らない男の人を見て
からは何も覚えてないって・・・不幸中の幸いなんて言っていいのかな。目の前で人が死んだ
ことも、可愛がっていたウサギが血まみれで死んだことも、みんな知らない」
「コノミ・・・」
「緑川さんが爆弾を自分の体の下に抱え込んでくれたから、周りに被害が広がらなかった
んだって・・・。おかげで私も、近くにいたシュウ君も無事だったけど・・・ミライ君が酷い
ショックを受けて」
「・・・ミライは奥か?」
「うん・・・」
「ツヅキ、悪いが皆とコノミを見ていてくれ・・・ミライと二人きりにしてもらえるか」
「わかりました」
 ツヅキの感覚に厳戒態勢に入っている警護の気配が幾重にも伝わっている。ここならば
自分が離れても大事には至るまい。それよりもミライの方がはるかに問題なのは確かだ。
 そしてそれはリュウの受け持つ領分だ。
 背中で同僚二人の何か問いたげな視線をツヅキは無視した。この程度の無言の圧力に
応じるような人材は、そもそも地球に派遣されない。


503 :万能の神はいない72:2007/02/15(木) 23:15:42 ID:NiyJeKZs0
 室内に入るまで恐ろしく厳戒だった。身分証の認証、指静脈・網膜・虹彩の生体確認。
リュウに対してもこれだけの確認を取るということは、いかに今回の事件を問題視して
いるか、またいかにミライ、ひいてはメビウスをどれほど重要視しているかの表れだった。
 サコミズのように『ミライ』を見てではない。メビウスというレジストコードを持った
『ウルトラマン』、地球人類の有益な戦力の確保のため、であろうと、今はそれがミライを
守るのなら――リュウは感じた不快感を飲み込んだ。
「ミライの様子は?」
「当初、興奮状態が続いていましたが――今は落ち着いています。あまり刺激なされない
ようにお願いします。・・・ミライ君を泣かせるのは『彼』も不本意だったわね」
 その物言いに、改めてリュウは先導中の相手の顔を見直した。そして気付く。
「・・・あんた」
「隣の赤塚。旦那役がいるから正確には赤塚F、が正しいコード名だけどね」
 ミライほど隣近所と顔を突き合わせていたわけじゃない。が、『お隣の赤塚の幼な妻』は
その女子高生張りのきゃぴきゃぴとした言動で強烈な印象をリュウに与えていたのだが。
実は随分と落ち着いた年上の女なのだ、と初めて気付く。表情ひとつで、女は化ける。
「気に食わないと思うけど、当面私たちが身辺警護につくことになります。特に現在は
GUYSに所属していないミライ君に私たちが。あなたにも情報部から誰かがまわることに
なるから承知してくれないかしら」
「承知しなくてもまわってくんだろうが」
「身も蓋もなく言うわね・・・でも協力してくれないかしら。貴方がどうかなったら、あの子
が受けるショックは緑川Mの時の比じゃないわ」
「・・・ひとつ聞く。ミライと俺、守る優先はどっちが先だ」
「順位は同格よ」
「俺が聞きたいのは建前じゃねぇ」
「なんとまぁ・・・無粋ねぇ。あんた野暮って言われない?」
「・・・言いにくいんなら俺が言う。ミライを優先しろ」


504 :万能の神はいない73:2007/02/15(木) 23:22:30 ID:NiyJeKZs0
「それはあんたの心意気、として心に留め置いとくわ」
 『最優先』の男に言われて赤塚Fが浮かべた表情とついた息の意味をこの男は知るまい。
また分からせたくない気分もある。
 この男は自分の愛する者を優先しただけだ。
 単純で、まっとうな感性だ。
 躊躇いもなく言い切れる、この男の在りようが羨ましいと思う。
 だが、結論から言えば、純然たる事実として、人類がウルトラマンをどうこうできる訳
がないのだ。ウルトラマンがどうにかなるような事態におちいったら、人類の方がまず
洒落にならない状況だろう。ウルトラマンを守るなどとのたまっているレベルではない。
 弱いのは人間だ。そもそも力が違うのだ。今回のように心を傷つける事態は起きても、
ウルトラマンの肉体を、その生命が係るほど害するなど、人の手ではまず不可能だろう。
 その肉体を、生命を脅迫など出来ない。
 だが人間なら話は違う。そう、ウルトラマンの弱みが一人の人間にあるなら。
 だからこの男を優先して守る。
 メビウスを引き戻した男。
 地球に留まる唯一つの理由である男。
 どれほど、この男の存在を隠蔽することに腐心していることか。
 知ればこの男を欲しがる人間は多かろう。
 ウルトラマンを意のままに操るための手段としてこの男の命の掌握を望むだろう(実際、
一部とはいえGUYS内にも似た意見があるのだ。もっと有効に使えとか)。
 だが、上層部が最も恐れるのはそんなことではない。
 この男が人間の手により失われた時。メビウスが地球を去る――それだけならまだいい。
 大切な者を奪った人類そのものに憎悪と敵意を抱くのではないか。
 これまでの最良の守護者が最悪の敵になるのではないかという、その恐れ。
 ウルトラマンは愛する心を持つ。
 愛する対象を失えば傷つき、そして奪った者を憎む。復讐の塊となることもある。
 ――ヒカリ(ツルギ)の事例を我々はすでに知っている。

 今回はここまででつ。

505 :名無しより愛をこめて:2007/02/15(木) 23:24:01 ID:NiyJeKZs0
 >>497
 まとめ、やっていただけるなら、激しくありがたいですよ。
 それにしても萌え倉庫のまとめさん、ほんとどうなされてるんだか、心配だ。    

 >>493 あああ、レオにーさんの飯くいてーっ!

506 :名無しより愛をこめて:2007/02/15(木) 23:38:17 ID:Z/LR7dik0
とうとう来ましたか。。。この時が、急展開です!
宇宙ケシがお笑いネタじゃない事態、イサナがにやけてもってたやつが。。。

507 :名無しより愛をこめて:2007/02/16(金) 00:11:25 ID:c5L6egXI0
緑川さん・゜・(>_<)・゜・
傷ついたミライが痛ましい。シュウ君が無事でよかったけど。。けど。。
どうなっていくんだろう。リュウとミライ。自分もSSで相当ミライを追い詰めてるのにあれだけど、
激しく胸が痛い。。。

>>497 ぜひぜひおねがいします!


508 :The Hanged Man.16:2007/02/16(金) 00:14:50 ID:lo+4cAPl0
80「いや、心配と迷惑を掛けたね」
エル「そんな軽い話でもないですよ、我々に雪なんて一発ですし」
80「正直、擬態しようかと思ったんだけどね、戻るほうが少し早かった」

イオ「しかし、エネルギー吸収難しくなってしまったような・・・わかった、
 お前は失敗してない、しかし私の消耗のほうが激しいのはどういうわけだ」
ゼノ「(メビウスの後ろ)いや、一人じゃ心細いかなーって」
イオ「そこまでいちいち台詞を体現せんでもいいんじゃないか?」

メビ「ノアさん、大丈夫でしょうか」

イオ「(←忘れてた)正直、どちらかというとそれどころでは」
80「むしろ、この星の状況を知っていた可能性があります。私たちの役目は
 訓練ではないのかもしれない。いやまあ、ノアの心配はいらないから」

エル「お人よしってか、図太いってかすごいよね、メビウス(なでなで)」
ゼノ「目の前で攻撃してきたらさすがに反撃するレベルですね」
イオ「そりゃもう鈍いって言うだろ・・・」


509 :The Hanged Man.17:2007/02/16(金) 00:15:51 ID:lo+4cAPl0
――レオは知らないと言う。
いや、それは“ノア”という存在のことであって、演習のことはむしろ私より
詳しいくらいだったが。なんだか少し妙な按配だ。
【外宇宙の探索】という但し書きがなければ特に引っ掛かりもしないような、
逆に無難すぎて内容がはっきりしない題目で彼らは出掛けて行ったという。

タロ「結局、僕のところから二人、レオのところから二人か」
レオ「ウチのは手堅い調整役だったんでちょっと辛いですね」
タロ「メビウスがいないのは楽と言えば楽だ」
レオ「はっきり言いますね、まあ、あの子は強すぎてまだ加減が出来ない」
タロ「マックスはどうだい? ゼノンいないと浮くだろ」
レオ「私が直接相手してますよ、喜んでるようですが」

タロ「しかし、メビウスじゃないほうがどうにも思い出せない・・・」
レオ「まあ、訓練生は皆わかってますから。顔は覚えたじゃないですか」
タロ「そのレベルで褒められるとかえって切ないんだが...orz」
レオ「正直、入れ替わりも激しいんですよ、割り切らないと」


510 :The Hanged Man.18:2007/02/16(金) 00:16:52 ID:lo+4cAPl0
――昼過ぎにメビウスから質問の通信が入る。どういうわけか文章。
何度読んでも特に文面に問題がないのに妙に幼い。一体なにから直せば、と
考えたが止める。80辺りの役目なんだろうこれこそ。
地球の植生に関するデータが欲しいという。だから何故。

ゾフ「・・・なにをやってるのかな、タロウ?」
タロ「データライブラリの使い方がわからなくて!」
ゾフ「そんなもの、誰か人を呼べばいいのに」
タロ「副教官職はただでさえ80がいなくて大変そうでしたし」
ゾフ「訓練生でもこのくらいなんとかなるよ。いや、落ち込まなくても」

タロ「メビウスももう少しテーマを絞ってくれてもなー」
ゾフ「まあ、まとめて送ればあちらで選別するだろう」
タロ「読破しかねないですけどね、ペーパーはいつもすごい点出しますよ」
ゾフ「ところでその紙の山は一体どうする気だったのかな、宅配便?」


511 :名無しより愛をこめて:2007/02/16(金) 00:18:02 ID:lo+4cAPl0
>>497
申し訳ない!
ちまちま調べてはいたんだけど、正直やったことなくて;
もし可能ならお願いしたいです...orz

>万能
わりと初期に出てた緑川さんの死ですね、ご冥福を。。。

>金的
昼ドラネタの嵌まりっぷりにww(知らないんですがなんかわかるw)
兄弟かと聞かれるくだりがちょっと好きです。

512 :497:2007/02/16(金) 00:33:28 ID:Fc5M4PbX0
とりあえず、長編とシリーズ物ss一気読みだけの、暫定的なものでいいよね?
後さ、前スレの過去ログをhtml化して置こうと思ってるが、要らない?
とにかく、これから取りかかるから、何日か待っててくれな(仕事遅いんよorz)

いずれ、作品倉庫の方に取り込んでもらえれば、有難いと思ってる
まとめサイトは一カ所の方が利用しやすいし、作品倉庫は機能も充実しているから
(ssまとめから勝手に作品倉庫にリンク貼ったらダメかのう?)

513 :名無しより愛をこめて:2007/02/16(金) 01:42:19 ID:c5L6egXI0
>>517 お手数かけます。過去ログも、自分はぜひお願いしたいです。
倉庫へのリンクは、やはりあちらの管理人さんのご意向を聞かないと無理かと。。
本当に、管理人さん、どうなされてるのでしょうね。。お元気だといいのですが。。


>>495 レオ兄弟がハートを分け合うとじっちゃんの思う壺です。
80先生、父性強いキャラなので納得しますが、本人はヤだろな。

>>吊るされた男 八甲田のニュースと脳内で重なってしまった自分です
        レオとタロの会話が好きだ


514 :金的の鎖4 1/7:2007/02/16(金) 01:45:01 ID:c5L6egXI0
ヘタレコラボ、作動!
**
(ここは、音楽関係の事務所じゃないか)風間大介はいぶかしげに六人の入っていった
建物を見上げる。(まあ、たしかに、アーティストのメイクを担当するやつの中には、
腕のいいのがいることがあるけどな)
「ねえ、大介。ここって、あれだよ。今、人気の、明日人っていう人の所属する事務所
だよ」ゴンが脇から声をかける。売れっ子の大介のスケジュールを管理することもある
ことから、芸能界の事情には、そこそこ詳しくなっている。「明日人って、自分のメイク
は絶対に他人に任さないって評判だよ。それで結構凝った仕上げになってんの。さっきの
人たち、明日人に会いに行ったんじゃない?」「なるほど」
「明日人が相手じゃ、大介があの人たちを口説くのはまず無理だね」「なんだとぉ?」
「メイクの腕は大介のほうが上だろうけど、それ以外で勝てるとこって全然ないじゃん」
大介は肩をそびやかす。「男前は俺のほうが上だぜ」「…ほんとにそう思う?」ゴンも
肩をそびやかす。そのまま同じポーズでにらめっこをする二人。…ややあって、大介が
ぷっと吹き出した。ゴンも破顔一笑、二人は仲のよい兄妹のようにしばらくともに
笑いあった。
「…おうし、ここで下手に乗り込んだら男前がすたるってか」「分かればよろしい」


515 :金的の鎖4 2/7:2007/02/16(金) 01:46:19 ID:c5L6egXI0
ゴンはほっとする。実際のところは、かなり牽制の意味をこめて投げたせりふだった。
カリスマ・メイクアップアーティストとして大介の人気は結構なものだ。メイクの腕は
文字通り一流だし、ビジュアルも悪くない。気障な割に語彙が少ないというのか、表現
が下手というのか、相手を引かせることもままあるが、根は気のいい青年で、誠実な
人柄は、付き合いが長い相手にほど深い信頼を寄せられていることからもわかる。その
腕と人柄を愛する人々の支持は高く、長期にわたって彼を指名する多くの固定客がいる。
雑誌の取材などでも引っ張りだこだ。…だが、短期間しか付き合いのない人間には、
かれは往々にして誤解されやすいところがあった。軽いノリと、すぐムキになる単純な
性格が災いしているのだ。今回の件も、たぶんにそういう彼の短所が前面に出たために
起こったのだ。ここで引き下がる分には特に何の支障もない。あの女性たちだって、
風間大介の名を聞いたこともないということはおそらくないはずだから、あとになって、
惜しいことをした、と話の種ぐらいにはするかもしれない。…しかし、明日人の事務所に
乗り込んだりすれば、面倒なことになる。


516 :金的の鎖4 3/7:2007/02/16(金) 01:47:32 ID:c5L6egXI0
9歳になったゴンこと高山百合子は、平日の昼は小学校に通い、放課後以降大介の
仕事を手伝う毎日を送っている。当初は不審がられたりもしたが、カリスマメイクアップ
アーティストのなくてはならぬ愛らしい助手として、今では世間での認知度も高い。母も、
心配はつねにしているものの、おおむね理解をもって見守ってくれるようになっている。
ただ、近頃、ゴンのほうが少し大介に対して弱気になっているところがある。知り合った
ばかりの頃のように、ずけずけと物を言ってその行動を完全に操作する、といったことが、
できにくくなったというか。以前の自分なら、大介にさっきの二人を尾行させることなど
決してさせなかっただろう。やはり、あそこで止めておくべきだった。大介に変化はない
から、これは自分の問題なのだろう。どうしたものか。



517 :金的の鎖4 4/7:2007/02/16(金) 01:48:40 ID:c5L6egXI0
「おい、ゴン」大介の声が再び鋭くなる。「どうかしたの?」われに返るゴン。
「ヒルカワだ。…目的のためには手段を選ばない、名前の通り、ほんとに蛭みたいな
腐れライターだ。…あいつ、この事務所を張ってるな。しかも俺たちのことも見てたぜ」大介は、厳しさを増した声や表情とは裏腹に、何気ないしぐさで愛用のギター・ケース
―中身は風間流秘伝のコスメグッズだ―をとりあげた。まるで、探していた場所はここで
はなかった、とでも言うように軽くかぶりを振って明日人の事務所を見上げると、その
ままきびすを返す。「ゴンの言うとおり、ここで乗り込んでたらあいつの思う壺だったな」
歩き出しながらゴンの頭に手をやって、低くささやく大介。
「…だけど剣呑だ。ゴンはこの先のショッピングセンターで待ってろ」「大介、どうすんの」
「お嬢さんたちが気になってきた」「…ちょっと!」
「あのヒルカワは、女や子供に対して特になめたまねをするやつだからな」
「明日人の客なんだから、任せておけばいいじゃない」ゴンは頬をふくらませる。
「係わり合いになって変な記事書かれたら困るでしょ」
「…一度書かれた事があるんだ」「え?」「それにあいつはな…」
風間大介はそこで言葉を濁した。「まあ、今度話してやるよ。夕方の予約までには戻るから」


518 :金的の鎖4 5/7:2007/02/16(金) 01:50:05 ID:c5L6egXI0
土曜日の昼食時。ショッピングセンターの賑わいの中に一人残されたゴン。
(まあったく。…レディに一人、ここでさびしくお昼を食べろってか…?)不思議な
痛みが胸をさす。それは、もう一年ほども前になるが、大介が、間宮麗奈に本気の恋を
したときに、それを見守るしかなかったときの痛みに似ていた。(…歌う人が絡むと、
ろくな展開にならないから、いやんなっちゃう)ため息をひとつつくと気を取り直して
センター内の食堂街に足を向ける。(鯖味噌汁の定食とか、ないかな…)

食堂街に隣り合った、嗜好品・ギフト売り場のカウンターで、ぴたりと身についた
シンプルなスーツにサングラスの渋い男が、珈琲豆を選んでいた。隣が小さな珈琲バー
になっていて、豆を煎る良い香りがしている。
(怖そうなおじさん…)バーのはじの、カウンターに隣り合わせの狭いボックス席で、
オーダーしたイチゴ牛乳をぼそぼそと吸い上げながら、ゴンはサングラスの男の横顔
をぼんやりと見ていた。結局、あまり食欲がなく、ふと覗き込んだバーのメニューに
イチゴ牛乳を見つけてふらふらと入ってしまった。(なんか、しまらないなあ、土曜日
の午後なのに) 
突然、ハプニングが起きた。ギフト売り場へ商品の搬入にやってきた若い店員が、
つとバランスを崩してよろめいた、と、カウンターの横でうなりを立てていた営業用
のガラス張りのコーヒーミルにぶつかって、そのふたがわずかに開く。たちまち中で
旋回していた珈琲の豆と粉とが、勢いよくぶちまけられ、ちょうど真正面にいたゴン
めがけて直撃してくる。「キャーッ!!」


519 :金的の鎖4 6/7:2007/02/16(金) 01:51:45 ID:c5L6egXI0
サングラスの男は、重厚な印象からは予想もできないほどの俊敏な動きでカウンター
から身を乗り出すと、傾いたコーヒーミルを片手で受け止め、すさまじい勢いで飛び
はぜる豆と粉から、その背中を盾にゴンをかばった。…
「!?」ミルの中の豆と粉が、飛び散るだけ飛び散ってしまい、さいぜんまでの
耳を劈くような音はやんでいる。代わりに、周囲の人々のどよめきがだんだん大きく
なってくる。売り場の店員たちがあわただしく駆けつけてきてうろたえた声を上げている。
あたりに漂う強烈な珈琲のにおい。しかし、ゴンは、顔を上げ、自分が珈琲の飛沫の
被害をまったく受けていないことに気づいて驚く。…
「あの、すみませんでした。どうもありがとう」
サングラスの男は、口元に意外なほどあたたかい笑みを浮かべ、ゴンの頭をぽんぽんと
なでると、立ち上がった。その左手は、コーヒーミルのガラスの本体をしっかりとつか
んでいる。おかげで、床に飛び散っているのは珈琲の残骸とわずかの水ばかりだ。ゴンは、
男が自分をかばってくれただけでなく、とっさに倒れ掛かったミルをも支えて、ガラスが
割れることによる被害を未然に防いだのに気づく。(…すごい、このおじさん…)
 「お客様、お怪我はございませんでしたか?!」恐縮しながら声をかけてくる売り場
の主任に軽く手を振って、男は手にしたミルの本体を彼に預けた。「…さっきの珈琲、
いつもの場所に配送しておいてくれ」注文品を確認しながら上着を脱ぎ、珈琲豆だらけ
のそれをざっとはたいて小脇に抱えると、男は少しネクタイを緩め、何事もなかった
かのように歩いていく。ゴンは急いでそのあとを追った。


520 :金的の鎖4 7-1/7:2007/02/16(金) 01:52:58 ID:c5L6egXI0
ゲンは、ショッピングセンターの構内にある公園のベンチに腰を下ろし、一息ついた。
天気のよい土曜日の昼下がり。サングラスを取って、温かな日差しに顔を向ける。
…平和だな。平和であるということは、何と素晴らしいことなんだろう。
ゲンは、小脇に抱えた上着を、改めてはたく。よい生地で仕上げられたものは、汚れ
を取り込まない。クリーニングに出せば、元のとおりだろう。…なんとなく、メビウス
のことを思い出す。無邪気で、素直で、一生懸命だ。上等の生地でできた汚れ知らずの魂。
…上着から立ち上る珈琲の香りで、ゲンは、さっき自分がかばった少女のことを考えた。
十くらいだが、しっかりしてそうな子だったな。
…あのころのカオルやあゆみとおなじくらいか。
ゲンは、再び地球に来ることになって、美山家の人々のことや、弟分のようだった
トオルのことを、一通り調べてはいた。心強く自分を支えてくれた美山家の女性陣は、
今もそれぞれたくましく人生を生きていて、ゲンには心強かった。そしてトオルも。…
トオルは、登山家になって、随分多くの山を制覇したという。今は引退して、日本アル
プスの高原でペンションをやっているという。…しかし、ゲンは結局、今に至るまで、
美山家の人々にも、トオルにも、直接会おうとはしないでいた。…いつか、会うこと
があるだろうか。父を重ね、兄と慕ってくれる少年に、会えない弟を重ねたこともあ
ったけれど。きっと、たくましい、いい漢に生い育ったことだろうな。
 不意に後ろに近づく気配を感じて、ゲンはぼんやりとした物思いからはっとさめる。
ぱたぱた…という軽い子供の足音。ゲンはかすかに微笑んで、ゆっくりと背後を振り返る。


521 :金的の鎖4 7-2/7:2007/02/16(金) 01:54:12 ID:c5L6egXI0
「サングラス取ると、いい感じだね、おじさん」さっきの少女が立っている。両手に
ソフトクリームを持って。「バニラとチョコとどっちがいい?」
ゲンはあっけに取られる。「…どっちでもいいけど。なんでまた」
「さっき助けてくれたお礼。…じゃあ、あたしはバニラにしよう」ゴンはにっこり
笑って、チョコレートのソフトクリームをゲンに差し出す。「もうすんじゃったけど、
こないだはバレンタインだったし」
ゲンは目をぱちぱちとさせて、ソフトクリームを受け取った。「…どうもありがとう」

 のどかな土曜日の公園で、五十がらみの渋い男と、十ばかりの少女は、並んでベンチ
に座ってソフトクリームをなめる。

「あたしは、ゴン」「ゴン?」ゲンは目を丸くする。「…愛称ということかな?」
「まあ、そうだね。相棒がつけてくれた名前でね、身も蓋もないってよく言われるけど、
あたしは結構気に入ってんの」ゲンは微笑んだ。「そうか。…おじさんの名前はゲン」
「ゲン?」「そう、おおとり・ゲン。…おじさんも自分の名前は結構気に入っているんだ」
…地球をふるさととして生きようと決めたときに、つけた名前。今では、この名前こそが
俺の本名だ。
「ゲンとゴン、か。あたしたちってよく似た名前だったんだね。…ゲンさん、改めて
よろしくね」「こちらこそ」ゲンはにっこりする。そうやって笑うと、白いきれいな歯が
こぼれて、渋い印象から一転して人なつこい、おだやかな表情になる。

**今回ここまでです。


522 :名無しより愛をこめて:2007/02/16(金) 02:37:56 ID:hbexX1RE0
獅子兄弟にはまってる鎖さん、ゲンの格好良さをしみじみ感じています。
ゴンって、さっき検索して初めて知りました。
大介と良いコンビだw

523 :名無しより愛をこめて:2007/02/16(金) 06:47:45 ID:0GhZR8MK0
ゲンテラカコヨス(*´Д`*)

ゴンとゲンのいる公園を訪れた通行人
「あれ、ここ日光東照宮か?・・・ゴンゲン様がいる」

524 :名無しより愛をこめて:2007/02/16(金) 11:46:46 ID:10ksk89C0
ゲンの格好良さにクラクラしますww

525 :名無しより愛をこめて:2007/02/16(金) 13:08:53 ID:10ksk89C0
>>497 まとめお願いします。前スレのhtmlは欲しいかも。

526 :497:2007/02/16(金) 20:13:49 ID:zqmnGP3D0
とりあえず、形だけ稼働してみた
中身はこれから作るけど、前スレは読めるようにしといた
カテゴリ分けとか適当でスマンけど、勘弁しといてくれ
仕事が忙しくなるんで、後はぼちぼち更新する予定 orz

♀メビウス萌え〜シリーズ総集(仮)
ttp://burningbrave.web.fc2.com/mebi/
ユーザーmebius パスburningbrave

527 :名無しより愛をこめて:2007/02/16(金) 21:54:26 ID:fi+kHGgl0
>>526
激しく乙

528 :名無しより愛をこめて:2007/02/16(金) 22:29:04 ID:rodUTUXw0
>>526
乙!多謝!

529 :名無しより愛をこめて:2007/02/16(金) 22:39:17 ID:c5L6egXI0
>>526 まとめサイト乙っす!!最初のスレからなつかしいのが一挙に読めてウレシイww

530 :The Hanged Man.19:2007/02/17(土) 00:35:57 ID:GJDUxiRF0
【記述者:エル
 タロウ教官から返答が来たよと言うとメビウスが喜んだ。今ももう一台の
端末でずっと調べごとをしている。ゼノンは飽きたのかその横で寝ている。
イオタは寒いのか体を動かしているが、多分温まらないと思う。
先生は吹雪になったら嫌だなーと呟きながらお出掛け、お疲れさま。】

イオ「日誌じゃなくて観察日記になってないか?」
エル「ここでなにか書けと言われても。メビウスのデータも難しいし」
イオ「あれ、すごい勢いで消化しているがなにをしてるんだかもわからん」
エル「一つのキーワードをまず引いて、その中の疑問を更に調べて行くって
 感じにやってるみたい。頭いいよね、あの子」
イオ「地球ので役に立つのか?」
エル「先生に聞いたら少なくともこの星なら参考になるだろうって」

イオ「で、なんで履修前なのにそれがわかったんだ」
エル「多分・・・80先生が“シダ”って口にしてたからかな?」
イオ「(ぼそ)頭まで人並み外れてるのか」


531 :The Hanged Man.20:2007/02/17(土) 00:37:02 ID:GJDUxiRF0
80(寒い・・・訓練生でなきゃ言い包めて誰かに行って貰うのに)

【空気清浄/極めて寒し
高等生物の姿は無し/昆虫類を極少数発見、衰弱気味】

 トン
80「ふぅっ、鳥も体温奪われるのが速すぎていまいちか」
 (しかし、光の強い成層圏上空だと様子がわからないし・・・困ったな)

――引き上げるのが最善と勘は告げる。それは寒さのせいかもしれないが。
いやまあ・・・むしろ寒さのせいか。
けれど、星を離れて戻れるかどうかが実は判然としない。
通信は届いたらしいものの、音声に対する反応はなし。あるのかもしれないが
少なくともまだ届いていない。

80(あの半日近いタイムラグをどう捉えるかが問題、正直怖いな)


532 :The Hanged Man.21:2007/02/17(土) 00:38:11 ID:GJDUxiRF0
80「多分、この星に見つけ出さなくてはならない対象があるはずです」
メビ「訓練生の僕らが、ですか?」
イオ「いや、それは関係ないのではないか?」
メビ「ただ独自権限が少しですがあるんです。例えば生命の保護」

エル「ああ、そんな項目あったね、知的生命体に限るんだったっけ?」
ゼノ「こないだ習いましたね、妙に細かい規定があったような・・・」

80「微知性体ですね、文明を持っている場合は許可がいります。もちろん
 一時危機から救う場合はまた別ですが、この際それは省きましょう」
イオ「つまり、例えばその微知性体がいる可能性があると?」
80「可能性の一つですが、一番ありうる展開でしょうね」

ゼノ「都市があるのならともかく、野生に近いとどう探せばいいんだろ;」
エル「小さい建築物を探せばいいのか、ねぐらを探すべきかか・・・」

80「手掛かりも確証もありません、探索と平行するのが無難でしょう」


533 :名無しより愛をこめて:2007/02/17(土) 00:39:17 ID:GJDUxiRF0
適当に設定こしらえました。>微知性体
一応は筋が通るようにしたつもりですがどうだろ。
人間の、「どこまで救うか」に近いものがあるかなと。
80先生は生徒以外にはわりと容赦ないです(個人設定)。

>>526
ありがとうございます! ピンクww
あと、大きな文字がすごく嬉しい年寄りですみません...orz

>金的
ゲンさん渋♥

534 :名無しより愛をこめて:2007/02/17(土) 00:44:45 ID:Fd0cf//H0
The Hangedさん、正直、俺みたいな馬鹿には理解できない世界です。。。。
そんな色々知らなきゃいけないとかと自問自答します。
どうしたら、この台詞がわかるか教えてください。

535 :名無しより愛をこめて:2007/02/17(土) 00:47:04 ID:GJDUxiRF0
ぶっちゃけ、読み流しでごー。
必要ならあとでまた出てきます。「それっぽい会話してるな」で。

536 :名無しより愛をこめて:2007/02/17(土) 01:04:47 ID:Mo27DiQD0
微知性体>>人類も見ようによったら「微知性体」なんだろな。「こんな救うに値しない者たち」
マックスの「氷の美女」の回だったかを少し思い出しだ。

>>534 あんまり深刻に考えなくても。ストーリーが進行するにつれていろいろ明らかになってくのを楽しめばいいのでは?


537 :526 報告&業務連絡:2007/02/17(土) 07:36:32 ID:Ni3y+X9D0
少しばかり、更新しますた
目に付いたところ、やりやすそうなところから作ってるんで、順番ぐちゃぐちゃでスマンです
長編「ふわふわ」「闇の呼び声」「キョウ」「鎖」「The Hanged Man.」一気読み出来まつ
「6番目の男」「インパクト」「万能」「報告」はこれから…orz
あと、にょたコレとかスタイルネタ、ヤプール文化放送あたりをまとめる予定
気長にお待ちくだされたく…

職人さんへ
訂正とかありましたら、連絡用掲示板にお願いします

>>533
ピンクでよござんしたかw ちと安心

538 :名無しより愛をこめて:2007/02/17(土) 09:56:28 ID:Mo27DiQD0
>>537 更新乙です。早々にまとめていただき感謝感激っす!ピンク可愛くてイイ

539 :名無しより愛をこめて:2007/02/17(土) 11:26:13 ID:D1OVh93D0
>>537 まとめ、乙です。更新も!!
ピンクはおにゃのこらしくてGJ!

540 :名無しより愛をこめて:2007/02/17(土) 13:51:53 ID:M8azi+tt0
 まとめ、GJ!
 助かります!
 訂正の時はお世話になりますorz

541 :万能の神はいない74:2007/02/17(土) 13:54:12 ID:M8azi+tt0
 ずっとリュウが立ち去った方に体を向けたまま微動すらしない。
 ・・・内心荒れ狂っている。一見表面は静かだがこの青年が怒っていることを感じた。
 当然だろう。今、心傷ついているのは彼の同胞だ。彼らがどれ程に同胞愛の深い種族か、
あの一年を通じてコノミは知っている。
「ツヅキ君、ミライ君の弟さんだっけ?」
「・・・『遠縁』です」
 律儀にツヅキが訂正する。残念そうな響きがあり、少しコノミは笑った。彼らにとって
『兄弟』という呼びかけが特別な意味合いを持つことを思い出したのだ。
「早く『弟』になれるといいね」
「・・・はい。同じ学び舎で卒業しましたので、僕は先輩と呼んでいます」
「ミライ君、喜んでたよ。故郷から離れて、ずっとここに一人だったしね。リュウさんが
側にいても、やっぱり寂しいことは一杯あったと思うの。これからも二人をお願いね。
私はアマガイ・コノミ。元GUYSJAPANでミライ君とリュウさんの同僚だったの。ツヅキ君の
姓はミライ君と同じヒビノ?」
「はい。ヒビノ・ツヅキです」
「コノミ!」
「サコミズ隊長・・・!」
「サコミズ総監!」
 思わずかつての呼びかけを上げたコノミと、敬礼した現GUYSJAPANの隊員たち。
 リュウの部下たちには素早く敬礼を返す。サコミズは自分の顔を見て、また涙ぐんだ
コノミの肩に手を置き、なだめるようにその顔を覗いた
「よかった。無事だったと報告は届いていたけど。子供は?」
「今検査中です。念のためって。お母さんが来るまで山吹さんが付き添ってます。
それよりも・・・」
「・・・リュウはミライのところか?」
「はい」


542 :万能の神はいない75:2007/02/17(土) 13:56:39 ID:M8azi+tt0
 テレビ電話の視界の外から、血の気の引いたミサキから報告のメモを回された時、血が
逆流するかと思った。よくぞ顔に出さずにすんだ、と思う。あの後に画面越しに続いて
いた、もはや恒例と化した不毛なやり取りは殆ど覚えていない。
 リュウが追跡された件はそれなりに脅迫もあり、サコミズも動揺はしなかった。きたか、
と苦い感情が走った。が、当たって欲しくないとはいえそれは予測の範囲だった。
  しかし、よもやその直後、ミライが。
 甘かった、と臍をかんだ。
 GUYS情報部がミライを警護しているのは承知していた。だが頭のどこかで、根本的に
ウルトラマン本人へ攻撃が行く、とはついぞ思わなかった。
 無意識に高をくくっていたのは確かだった。
 文面をから窺う限り、狙いは『ウルトラマンを地球に留めている男』が対象だと思って
いた。だが、もう少し深く考えるべきだったのだ。
 リュウに尾行がついたのも目をそらす陽動であったのか。
 人間がウルトラマンの命を攻撃する。
 あの光の巨人に、とは想像の域を超えていたし(巨象にネズミが立ち向かうより無謀だ)、
ウルトラマンに人間体がある、と彼らに知られているとは考えていなかった。
 GUYS情報部も確かに身辺警護もあるが、それ以上に情報の秘匿に神経を尖らせていた。
 身体的な危険より心や社会的立場の保護。流言の方がむしろ高い危険、と。
 ウルトラマンに人間体がある事実はGUYSでも特AAA級の極秘事項に該当する。まず、
彼らはそこをどこから知りえたのか。そしてどうやってミライに行き当たったのか。
 ミライ=メビウスが地球に戻ってきた件は極秘中の極秘だ。その理由――リュウの側に
いるためであることはことさら。
 いや、落ち着け。ウルトラマン自体への攻撃ではなく『ウルトラマンを留めている男』
と見なされているはずのサコミズ(あるいはリュウ)の周辺への攻撃になる可能性もある。
 ミライの誘いに乗って家庭を訪問したのが悪かったのか。・・・あの時一緒に鍋をつついて
から一週間もたっていない。
 リュウを尾行した男達が殆ど素人だ(少なくとも情報部など、その手の国家権力ではない)、
と報告を受けた時点で少し甘く見すぎたか、とサコミズは苦く思う。
 だが、しかし。妙に腑に落ちない・・・。


543 :万能の神はいない76:2007/02/17(土) 13:58:53 ID:M8azi+tt0
「あの、失礼します、総監」
「リュウの部下だね」
「アイハラ隊長のお世話になっています。ツカモト・ミハルです」
「同じく、クリハラ・ワタルです」
「二人とも詳しい説明無しで差し向けてすまなかった。説明できない、というかまだ真相
が不明なんだ。いずれ話が出来る状況になったら君たちにも伝えるよ」
「ありがとうございます。それで、不躾で大変個人的な質問になるのですが・・・アイハラ
隊長の奥方とは個人的な面識がおありなのですか?」
 ミハルの質問にサコミズは微笑した。今のリュウの部下たちは、リュウが隊長就任直後
の面子ではない。当時の事情も知らないのは当然だろう。
「ミライの後見人をしている。生まれも育ちも地球じゃない。ここにはあの子の親族が
いないんだ」
「ツヅキの遠縁だそうですね」
 ちらり、とミハルに目をやられてツヅキはいささか居心地悪げだ。
「うん、だからリュウが今ツヅキの面倒みてるでしょ。ミライの時も世間知らずも程が
あるって思ったもの。あれじゃリュウとしちゃ危なくてほっとけないよね」
「・・・もしかしてツヅキ並に天然なんですか?」
「素直で物覚えがよかったけど最初はツヅキより凄かったんだよ。でもあの子がいたから
チームが1つにまとまった。・・・あの子が隊員だった時に僕が隊長を兼任していてね」
「隊長兼任、ということはメビウスの時の話ですよね」
「そう。ああ見えて歴戦の勇者なのよ、リュウの奥さん。コノミもね、マケット獣の扱い
が上手かった」
 ハルミの注意がコノミに向かったのはいざとなれば彼女がメインとなってマケット獣を
扱うことになるのが自分だからだろう。
 うまいな、とワタルは感心する。
 アイハラ隊長は愛すべき人柄だと思うが、こういう点は極めて不器用な男だ。
 この人の場合、さぞ人を食った隊長振りであったことだろうと推測する。


544 :万能の神はいない77:2007/02/17(土) 14:01:31 ID:M8azi+tt0
「・・・帰りたい」
 腕の中でずっとリュウの胸に顔を押し付けて泣き続けていたミライが、ぽつりと呟いた。
 その言葉にリュウは身体を硬くした。
 連想したのはミライの口から聞いたことのある、その故郷のこと。
 善意と愛情、いたわりに満ちた光満ち溢れる国。今も変わりなくミライを愛する人々の
いる星。自分の側にいることを選んだために、ミライが捨てた平穏な世界。
 だが、ミライが続けたのは別のことだった。
「おうちに帰りたい・・・僕たちの家に帰りたい。ここはヤダ・・・なんか寒い」
「そっか・・・」
 がんぜない言葉遣いに、やるせない気分になる。
 幼いと言われるミライだが、こんな子供じみた言葉遣いは聞いたことがない。
 こんな我侭じみた言葉など、出会ってこの方、聞いたことは一度もなかった。
 しがみついたままのミライの髪を撫で、リュウはわざと砕けた口調で肯定した。
「そうだな。帰りてぇな。聞いてみるか。今すぐは無理かもしんねぇけど」
「・・・ごめんなさい」
 落ち着いた口調が返って来た。その頭をぺし、とリュウは力なくはたく。
「ばか。あやまるんじゃねぇよ」

 OKは簡単にでた。拍子抜けするほどだった。それが思いっきり顔に出たのだろう。
リュウに対して赤塚Fは苦笑いした。
「あのね、何のために私たちがあそこに住み込んでいると思っているの」
「・・・いや、その・・・すまん」
「そりゃ戻ってもかなり行動は不自由だけどね」
 でもこんな辛気臭い部屋に比べればマシでしょ。ここは窓一つないんだから。幾ら安全
性がいいって言ってもねー、と文句をたれると、一転、彼女は『あの』状態になった。
「それじゃぁ、お家に帰る前にぃ、サコミズ総監たちとぉ、打ち合わせないとぉ」
「・・・あんた、それ疲れないか」
「えー、でもぉ、すでに第二の本性っていうかぁ。今更やめろと言われてもぉ」
 ミライが微かに苦笑する気配がした。きゃぴ、と擬音がつきそうな態度も、彼女なりの
気遣いなのだろう。そう、リュウは思った。・・・多分。


545 :万能の神はいない78:2007/02/17(土) 14:04:50 ID:M8azi+tt0
「すいません、サコミズ総監」
「いいや」
 開口一番、リュウに陳謝され、サコミズは首を振る。
 サコミズの前でミライは一見平静を戻していた。だが、動揺はあちこちから窺えた。
 人が目の前で、しかも自分を守るために命を落とす。この子にはどれ程の衝撃だったか。
 それも今まで自分を秘密裏に守り続けていた人間――そう表現すれば美しい。だが裏を
返せばずっとミライを欺いて生活していた隣人。
 抱きしめながら――こんなことを気付かせたくなかったな、とサコミズは思った。
 話し合いの最中、ミライは別室に控えさせた。リュウはこの状態のミライから離れる事
をかなり躊躇した。が、今のミライにきつい話も多すぎる。
「イサナ隊長には僕から後で話す」
「イサナも加えるのですか」
「加えないとあの男は暴れるよ、リュウ。賭けてもいい。今更外すなってね。オーシャン
には本部から融通させるように通達が行くからイサナの行動もかなり自由になるはずだ」
「しかしオーシャンは宇宙ケシの捜索でてんてこまいなんじゃ」
「海上捜索は打ち切られる。情報操作の可能性が高いと判断された」
 赤塚Mと名乗った男は一枚の検死結果のコピーを回した。
「今朝がたから消息不明だった職員と判明した。例のアヒルから宇宙ケシを発見した男だ」
「世界中のGUYSをペテンにかけやがったのかよ」
「同時に研究所に保管してあった合成ものが台帳と数量が合わないらしい。例のアヒルに
突っ込まれた分を除いても、だ」
「使用されたものと成分は一緒だそうです。また頻発していた小動物の惨殺のうち幾つか
は宇宙ケシの投与の可能性が高いと現在再調査中です――効果を試していたのではないか
という指摘があります」
「・・・すでにルビコンの川は渡った、というわけか」
「ルビコン?」
 ツヅキの声に、ああ、とサコミズは返答する。
 この純朴な異星の若者に、怪獣よりも先に地球人の暗部を見せることになるとは。
「サイは投げられた、とも表現するね。もう引き返せない一線を越えた、という表現だ。
――彼らは人を殺したんだよ」


546 :万能の神はいない79:2007/02/17(土) 14:09:49 ID:M8azi+tt0
 仲間であったのか、強要していたのかは不明だ。これからの捜査で分かることだろう。
 ・・・人が人を殺した。その意味。
 少なくとも日本において、これは相当な心理抵抗のある一線なのだ。その道徳的・社会的
な禁忌を1つ、彼らは破った。1つ破ればその次。一度経験したことを繰り返す。そして
抵抗が弱まっていく。
 子供が巻き込まれたのは偶然だったのだろう。爆弾は一度別の所に設置されかけた形跡
があった。子供が握っていた刃物も日常に使われていた果物ナイフで、果汁が痕跡として
残っていた。その場の突発事項。――だが、彼らは子供を使った。
 それは口封じの意味もあったのかもしれない。取り押さえる側の心理抵抗を狙ったかも
しれない。だが、そこに潜む原因は、超えてしまった一線の存在だ。
 明確な殺意。緑川が身を挺して防がなかったら、周囲の人間に相当な殺傷力が及んだ。
 恐らく、いや確実に彼らはもっと過激化する。
 ツヅキは信じられない表情で首を左右に振る。彼ら種族には理解し難いことなのだろう。
 同席させなかったほうがよかったか、とも考えたがツヅキなしでリュウの警護は難しい。
そして、何から守らなくてはいけないのか、ツヅキが知らずにすむわけがない。
「ツヅキ、認めたくないがこれも地球人だ。自らを犠牲にしても同胞を守る者がいれば、
同じ人間の命を奪う者もいる。・・・どちらも事実だ」
 天使の顔と悪魔の顔が同居する、地球人。
 彼らの目にはなんと野蛮に映ることであろう。なんと愚かであろう。だが同時に彼らを
惹きつける何かを持つ・・・それが幻滅に繋がらなければいいが。
「人の命を奪うことを躊躇しない人たちが、先輩や隊長を狙っているのですね」
 言葉の内容を噛みしめるように、ツヅキは俯き唇を噛む。いたわる様にリュウはその背
に手を置いた。
「ツヅキ」
「・・・大丈夫です。人間は、それだけではない。すでに僕は知っています」
 知っています、と今一度繰り返す。
「僕は、馬鹿だけど、世界が美しいだけでないことを知っています。でも、優しいことも
たくさんあることを知っています。それで十分です」

 今回はここまででつ。

547 :名無しより愛をこめて:2007/02/17(土) 14:13:32 ID:Mo27DiQD0
>>541-546 泣いた。。。
ミライが切なくて、抱きしめてやりたい。サコミズ隊長の大きさに救われる。。


548 :名無しより愛をこめて:2007/02/18(日) 01:00:35 ID:I3Q29ByH0
本編見てからここに来て>>541-546読んだ。
今日のヒルカワと、子供にクスリ使ってまで攻撃する相手に、共通項を感じた。
「ヒルカワヌッコロス」とか思いながら存在の全否定を出来ない自分が怖かった。
自分の中にもいるんだろうな、ヒルカワが。本当に守ってもらう価値があるんか?とか・・
予告見て更に鬱・・・こりゃ一週間ひきずりそうだ。  ・・・スマソ、独り言だ



549 :名無しより愛を込めて:2007/02/18(日) 01:14:48 ID:2bHjUghv0
今日の本編見て、ヒルカワの印象変わった。何かもっと目的のために手段を選ばない強気の
「ヒール」なんだと思ってたが、ある意味それよりたちが悪い。ミライを「化け物」といって
はばからない辺り、自分を悪いとは露ほども思ってない、「常識のある一般市民」のつもりでいるんだなと。
常に自分が常識側にいると思ってる小市民。結構自分の身内には親切だったりして。。。ヤプールの方が善人に見えたな。
やっぱ人類って「微知生体」なんだな。 。。

550 :The Hanged Man.22:2007/02/18(日) 01:22:13 ID:TTcag7DU0
エル「晴れたなー、寒いけど。まあ、膨れないで」
イオ「あれ、習ったことがない・・・訓練生の権限とか」
エル「てか、僕らもわりと最近だよ? 希望出しておいたらきっと、」
イオ「なんでメビウスが知ってるかということだ」
エル「嫉妬は僕らの身を滅ぼすよ?」
イオ「まあ、それは少しあるが純粋に不思議なんだ」

エル「ゼノンから聞いたんだろうね、そんな話をしていた」
イオ「けど、明らかにゼノンやお前より早く反応していたじゃないか」
エル「うーん、そう言われてもね、そういう子なんだと思うよ? てかホラ
 今もまた葉っぱ食べてる」
イオ「あれ、なにしてるんだ? 新しい種類ごとにやってるから、さすがに
 意味があるんだろうが」
エル「しかもね、なんか齧られてる葉っぱが優先なんだ」
イオ「・・・餌としての価値か」
エル「僕らの味覚じゃわかんないみたいだけどね、とりあえず試したいって」


551 :The Hanged Man.23:2007/02/18(日) 01:23:14 ID:TTcag7DU0
メビ「食料、水、寝床」
ゼノ「なんで頭いいのに使う単語が適当なんだお前。寝床じゃ意味が狭いよ」
メビ「あとは大きさ、移動速度。そして本来の適応環境」
ゼノ「絞り込めそうなのは水くらいかなぁ、以外と乾いてるし」

メビ「夜はわからないけど、昼はほとんど雲がないんです」
ゼノ「そういえば・・・吹雪はどっから」
メビ「多分ですが、あちら」
ゼノ「山か、つーことは、向こう側が海ということになるのか」
メビ「可能性として、先生が地図を作ると言ってたので確認出来るかな」

80「熱心だね、二人とも」
ゼノ「あれ、いつお帰りだったんですか」
メビ「さっきだよ、猛禽類を選ばれたんですねっ」

80「うん(しかしこの子たちと一緒だとプレッシャーだろうなぁ・・・)」


552 :The Hanged Man.24:2007/02/18(日) 01:24:20 ID:TTcag7DU0
エル「先生の写真を光の国に送って3Dで地図起こしてもらった。残念ながら
 過去の記録はないってさ」
イオ「通信時点で座標はわかったんだからその時点でなきゃないだろ?」
80(とも、限らないわけだ)

メビ「海が狭いですねー」
ゼノ「だな、地球と比べるのはなんだけど、他と比べてもなんかいまいち」
イオ「・・・まあ、言われてみれば」
エル「メビウス、ゼノン、君らならその辺はどう見る?」
メビ「これ、細かいところは再現出来てないんですよね」
ゼノ「氷河化してるんじゃないかって? 両極が海じゃないから見ただけでは
 ちょっとわかんないかもね」
メビ「でもそれだと植物と枯れ具合と噛み合わない気もしますけど」

エル「問題ないよ、ここは現地だ、すぐに調べられる。ね、イオタ」
イオ「明日にでも行って来てみる、多分先生除くと俺が一番寒さに強い」
エル「それでいいかな、二人とも?」
ゼノ・メビ「「はい!」」


553 :名無しより愛をこめて:2007/02/18(日) 01:25:21 ID:TTcag7DU0
>>548
ま、しゃあないです。弱いんだから。
一旦認めて、気長にコントロールしてくしかないです。実際。

>>537
つくづくとありがとうございます...orz
って、全然仕事遅くないじゃないですか! 残りは大長編ばかりだし;

>万能
皆さんが言いたいことはすでに言っているので。
赤塚Fに萌えておきます、むしろ燃え。
この状況下でも「多分」と付けられてしまうタフさが素晴らしい!

>>549
「微知性体」については話の中で触れることにします。
まあそれまでは読んで下さった方の解釈で(そんなに早く進まないし)。

554 :名無しより愛を込めて:2007/02/18(日) 01:54:07 ID:2bHjUghv0
>>550-552
この感覚。何かを思い出すと思ったけど、昔読んだ「火星探検隊」とかの
宇宙探検隊物だー!!この先の展開、すごい楽しみです。

80先生が相変わらずイイ。

555 :金的の鎖5 1/4:2007/02/18(日) 02:32:21 ID:2bHjUghv0
ヒルカワがどう出るか気になるが、こちらはそのまま続行。
**
明日人の事務所。楽しい午餐会が進む中、クルーの緊張も次第にほどけている。
「明日人さんの鎖は、普段もそのままなんですか」何の他意もなく素朴な疑問を向ける
ジョージ。思わず明日人のほうを見るミライ。明日人はそんなミライに穏やかなまなざし
で軽くうなずいてみせる。「そう、こいつは俺の、いわばアイデンティティそのものだから」
「お風呂入るときとか、どうするんですか?」「企業秘密、だよ」いたずらっぽく片目を
つぶって見せる明日人。困ったように表情を逡巡させているミライに、軽く念波を送る。
(気にしなくてもいいよ、レディ)(でも…)
(よくある質問、てやつさ。慣れてるから大丈夫)
「明日人さんは、レオ兄弟のファンなんですか」これはテッペイだ。ミライの表情は、
さらにその動揺ぶりに輪をかける。明日人は噴出しそうになるのをこらえて、テッペイ
のほうに二色の瞳を向けた。そして、少年の面差しを残したこの並々ならぬ怪獣&ウル
トラオタクの医大生の、生真面目な好奇心に満ちたまなざしを、面白そうに見つめながら、
意味ありげな笑みをその頬に浮かべた。「ウルトラマンレオとアストラのこと?…うん、
大好きだよ」「やっぱり。…じゃあ、その鎖は、アストラへのオマージュなんですね」

明日人はミライのほうをを見る。絶望的な表情で半泣きの顔になっているミライが
目に入るなり、もう我慢ができなくなって、明日人は盛大に噴き出すと、そのまま
ソファに突っ伏して爆笑してしまう。「く……あっはっはっは…」
「明日人さん?」あっけにとられるクルー。明日人は涙を拭きながら、まだ身をよじ
って笑っている。「…ごめんごめん」ようやく笑いを収めて、明日人は深呼吸をする。
「…さすがはガイズの諸君だな、と思ってさ。…俺の鎖がレオ兄弟の、アストラへの
オマージュだなんて気づくやつ、絶対居ないと思ってたからね。いやあ、餅は餅屋だな。
まいったまいった」言いながら目の端でちらりと見ると、ミライはほっとしたように
ため息をついている。明日人はまた噴出しそうになるのを必死でこらえて、言葉を続けた。
「レオとアストラ。君たちは見たことある?」「ええ。アストラはこの間初めて。レオは
しばらく前に」


556 :金的の鎖5 2/4:2007/02/18(日) 02:34:31 ID:2bHjUghv0
「そう。…俺は子供のころ、レオ兄弟を見たよ。」明日人は真面目な表情になって言った。
「…MACが全滅して、次々に円盤生物が来て、レオは必死に戦うけれど、円盤生物の
恐怖におびえた人々は、疑心暗鬼に陥って、レオが居なくなれば、地球は襲われなくなるんじゃないかとまで言い出す。レオはそれでも必死で戦った。地球の人が好きだったから。
地球が好きだったから。レオが孤独に戦って、でもどうしようもないとき、アストラが
来る。でも、戦いが終わるとどこかへ行ってしまう。じっとレオがそれを眺めてる。…
俺は、思ったよ。どうして、いつもいっしょにいられないんだろう。どうしていつも一人
で行ってしまうんだろう。レオがさびしそうで、悲しかったよ。でも、きっと、
アストラもさびしかったんだよ。一緒にいたかったけど、いっしょにいられない。
だから、戦いが終わると、さびしくなる前に、飛んでいってしまうんだ。
飛んでいくときいつも、足についた鎖がじゃらんと揺れた。さびしい音だった。
ずっとずっと、それが、その光景が忘れられないんだ。…」
クルーの誰もがはっとするほど、明日人の口調は切実で真剣だった。
「明日人さん…」
振り返った明日人の顔には、穏やかな表情が戻っている。「はは、まいったな。
とっときの企業秘密を話しちまった」


557 :金的の鎖5 3/4:2007/02/18(日) 02:37:01 ID:2bHjUghv0
(ふ―ん、面白い話を聞いたぜ。出自不明のヴォーカリストの正体を暴く手がかりに
なるかもな) 事務所の敷地内に入り込み、隠しカメラで事務所の様子を動画撮影しながら、
中での会話に聞き耳を立てているヒルカワ。(気色の悪い目玉はカラーコンタクトだと
聞いたことがあるが、やっぱり日本人てわけか。MACが全滅したころ子供だったというと、
見た目よりだいぶおっさんてわけだな。…裏を取ってみるか、明日人の正体。地球防衛隊
の集団サボタージュの決定的瞬間もばっちりだし、大収穫だぜ)
「なにやってんだ」
突然後ろから声をかけられてぎくりとするヒルカワ。「…あんたは」
「久しぶりだな、ヒルカワさんよ」風間大介はきついまなざしで「腐れライター」をにらみ
つける。「相変わらずやることが姑息だな。不法侵入に盗撮と盗聴。…立派な犯罪だぜ」
ヒルカワは肩をすくめる。「道に迷ったんだよ。カメラはこの辺の景色を撮ってたんだ。
道を聞こうと思って人声のするほうへ来ただけだよ」「こんなところで仮にもフリーライ
ターが迷うもんか。つまんないことたくらんでないで、さっさと退散しろよ。当然その
フィルムは没収な」「…なんであんたに命令されなくちゃいけないんだ?大体、不法侵入
てんならあんたもご同様じゃねえか」ヒルカワはにやにやと大介の顔を覗き込む。
「さっき、あんたこの建物をうかがってたろう。俺をごまかしていったん離れたが、
やっぱり気になって戻ってきた、と」
「気になったのは、あんたがいたからだよ」大介のまなざしがますますきつくなる。
「俺はあんたを許したわけじゃないんだ。いつでも名誉毀損で訴える準備はできてる」
「どうぞご勝手に」ヒルカワは肩をそびやかすと、大介を押しのけて事務所のほうへ
行こうとする。「待てよ!」「うるっせえな!」もみ合いになる二人の男。騒ぎの気配に、
事務所の窓が開いて明日人とガイズ・クルーが顔をのぞかせる。
「あいつ!ヒルカワじゃねえか!」ジョージが声を上げる。「あ、あの人…さっきの…」
マリナが大介を見て眉を寄せる。ヒルカワは、そんな一同に、今度ははっきりとカメラ
のレンズを向ける。「優雅ですねえ、ガイズの皆さん。おそろいでおしのびですか。人気の
ヴォーカリストと自由に会えちゃうのも職業上の特権ということですかあ?」


558 :金的の鎖5 4/4:2007/02/18(日) 02:38:36 ID:2bHjUghv0
いやみを振りまきながら、次々にシャッターを切りまくるヒルカワ。大介が止めようと
するが、その顔に向けて強烈なフラッシュを焚いて目くらましをかけ、へらりと蜥蜴の
ように身を翻す。…最初にキレたのはミライだった。窓から庭へといきなり飛び出すと、
ヒルカワに飛び掛ってカメラを取り上げようとする。「やめろ!」
「…またお前さんかあ。まったく若いのは一般人に対する礼儀作法がなってませんねえ。
暴力はんたあい!!」にやにやしながらミライを挑発し、カメラで殴りかかるように
しながら、怒りで紅潮したミライの顔のアップを撮っていく。そのたびにフラッシュで
目をくらまされ、壁際に追い込まれていくミライ。「…こんのヤロウ!いいかげんにしろ
ってんだ!」体勢を立て直した大介が、後ろからヒルカワを羽交い絞めにするようにして
取り押さえる。「ちっくしょう!」
 「ヒルカワさん」明日人が静かに声をかける。「今日の取材はお断りしてあるはずですよ。
ガイズの皆さんには、この間個人的にお世話になったので、今日は俺のほうから無理を
言って来てもらっているんです。思い込みで勝手なことをされるのは困りますね。…
急なキャンセルでご迷惑をかけたのは確かですから、今日のところは目をつむります。
フィルムとテープをおいてお引取り願いたい。でないと、今後はあなたと、あなたに
仕事を委託しているところとのかかわりは、一切御免こうむります」
明日人の情報を求めるだけでなく、仕事上の提携をも求めているメディアは多い。
明日人が本気で動けば、ヒルカワはたちまち多くの取引先を失うことになる。ヒルカワは
舌打ちしてフィルムとテープを足元に投げつけ、肩をゆすって去っていった。
しかし、うつむいたその顔がほくそ笑んでいたのを、誰も気づかなかった。(ふん。必ず
吠え面かかせてやる)
一方で、ヒルカワの影の中に、目にも留まらぬ速さで、不審な緑の影が一瞬だけひらめ
いてまた消えたのを、大介とミライだけは目撃していた。「見たか?」「ええ」


559 :名無しより愛をこめて:2007/02/18(日) 02:40:31 ID:2bHjUghv0
今夜はここまでです。

560 :名無しより愛をこめて:2007/02/18(日) 07:00:37 ID:pZ/K/tyO0
>>556
明日人の言葉、泣ける・゚・(つД`)・゚・
空に向かって「アストラー」と呼びかけるゲンの声が蘇るよ

さて、業務連絡
インパクトさん、このレスを御覧になったら、>>526の連絡板までお越しください
デパートの呼び出しみたいなことして、すいませんorzorz

561 :526更新:2007/02/18(日) 19:19:44 ID:KTemeUoh0
「インパクト」一気読みできるようになりました

562 :名無しより愛を込めて:2007/02/18(日) 20:48:54 ID:2bHjUghv0
>>561
更新GJ!土日フル回転での作業、本当にお疲れさまでつ。
>>インパクト 久しぶりに通しで読んで、堪能させてもらっています。
ぷはーー!!
あと、通しで読んで改めて面白いなと思った。>>ふわふわ

ほんとありがとう、まとめ管理人さん!

563 :名無しより愛をこめて:2007/02/18(日) 23:25:31 ID:I3Q29ByH0
>>561
ゾフィ「仕事が速いな、私のところで秘書のアルバイトしてみないかね?」www

564 :名無しより愛をこめて:2007/02/18(日) 23:35:09 ID:IjOYe/Wg0
ふわふわ、サグラダ・ファミリアは、連載中から一気読みしたかった〜
独特の雰囲気っつーか、文体が個性的だよね
さあ、インパクト読むぞ〜〜〜!w

565 :金的の鎖6 1/6:2007/02/19(月) 00:31:16 ID:trLEEG570
「お騒がせして申し訳ない」風間大介は帽子を取って、一同に頭を下げる。
「いや、助かったよ。ろくでもない記事を書かれるのはたまらないからね」
明日人はにっこりする。「それに、一度会ってみたかったんだ、風間大介君」
「俺のこと、ご存知ですか」「そりゃ、まあ。…アルティメット・メイク風間流を
この業界で知らないヤツはいないでしょう。せっかくだから入ってください」
明日人はミライにちらと目をやる。「ミライ君も。…ちゃんと玄関回ってね」
「あ…はい、すみません」少しばかり頬を赤らめる妹が可愛くて、明日人はまた
笑いをかみ殺すのに一苦労する。

「うはっ!こいつは美味そうだ!」事務所の中へ招き入れられた大介は、テーブル
の上の彩りに唾を飲み込んだ。
「よかったら食べてってくれ」明日人は穏やかに笑んだ。「兄貴が久しぶりに腕を
振るえるといって…作りすぎだ」…兄貴がいるのか。大介は、プロモーションビデオで
見たことのある妖しい迫力に満ちた容貌とは、まったく印象の違う温厚そうな明日人の
素の顔に当惑していた。「…すこしもらっていってもいいですか?」無理に先へ行かせた
ときの不満そうな相棒の顔が浮かぶ。「喜びそうなのが若干一名いるんで」
「さっきの女の子?」マリナがたずねる。大介はあわてて再び帽子を取ってぺこりと
頭を下げる。「先ほどは、失礼」
「ほんとにカリスマだったわけね」腕組みしながら大介を「検分」するマリナ。
「まあね」帽子をかぶりなおすとやや胸をそらせる。「俺は、第一印象がいつも悪いらしい。
相棒に言わせると、言い方が下手なんだそうだ。…だけど、美しいと思ったのは本当だよ」
帽子のひさしの陰で黒い情熱的な瞳がきらめく。「アルティメットの名にかけてもいい」
「…気障」眉をしかめるマリナだが、さすがにその頬はほんの少し赤くなっていた。(…な
んか、ジョージとキャラがかぶるし…変なヤツ)
 「何、あれ口説いてんの?」「ここへ来る途中で会ったんです」「風間大介っていえば
イケメンの神業メイクで超有名ですよ」遠巻きにしてささやきあうクルー。
「けっ、気障だね!」感に堪えないように首を振るジョージに、他のクルーはいっせいに
心の中で叫んだ。(…お前が言うかー?!)


566 :金的の鎖6 2/6:2007/02/19(月) 00:33:06 ID:trLEEG570
「しかしガイズの隊員とは思わなかった」大介はサンドイッチを皿にとりながら言う。
「あのヒルカワに俺は以前煮え湯を飲まされたことがある。特に女性や子供になめた
まねしやがるんだ。表面上はフェミニスト気取るくせにな」
「俺たちも何度かむかつく目にあったぜ」とジョージ。「目的のためには手段を選ばず。
それでいて、自分はいつも常識側にいるようなつもりでいやがる。最っ低の野郎だ」
「その通りだ。…だがもう一つ、気になることがある」大介はミライのほうを見た。
ミライがうなずく。「さっきの緑色の影ですね」
「…ガイズの人なら知っていると思うが、一年ほど前に解散した、ゼクトという組織がある。
ワームと呼ばれる地球外生命体と戦うための組織ということだったが、実際はいろいろ
裏事情があったらしい。…実は俺はそのゼクトに少しかかわったことがある」
クルーは意外なものを見るような眼で改めて大介を見る。
「あんまり公になってないけど、ワームは人間に擬態して結構地球に入り込んでいたんだ。
一年前のごたごたで、そのうちの剣呑なものは討伐され、そうでないものは今も地球で
人間として暮らしてる。まあ、宇宙からの難民を受け入れてると言うのかな」
 ミライは思わず明日人のほうを見る。明日人も穏やかなまなざしを向けたが、その表情
は真剣そのもので、大介の話を興味深そうに聞いている。
「…で、ヒルカワがそのワームの剣呑なほうの残党と結託してるって噂があるんだ」


567 :金的の鎖6 3/6:2007/02/19(月) 00:35:17 ID:trLEEG570
「ではさっきの緑の影が…?」ミライの問いかけに大介はうなずく。「おそらく」
「ワームというのは、いわば総称です」テッペイが説明し始める。「隕石に内包されて
地球に飛来したとされる地球外生命体で、昆虫や甲殻類に似ていて、共通した特有の
生態を持っているものです。ガイズの通常ドキュメントに残っている記録では、ワイ
アール星やバーミン星のものがあがっていますが、これら以外の星出身のものも勿論
あると考えられます。…ゼクトが持っていた資料はかなり超法規的な形で収集された
データですが、解散後に防衛軍が入手できたものについては特殊ドキュメントとして
管理されています。…ただ、今風間さんが言われたように、公にしにくい話が多いようで、
閲覧するのには結構な手続きを必要としますが」
「地球人に変身して人間に混じって暮らす宇宙生命体…か」ジョージがため息をつく。
「メイツ星人のときのこと、思い出すな」リュウは黙ってその横で唇を噛んでいる。
「公にしにくい話が多いのは、おそらくは人間の側がむしろ加害者側に加担している
ケースが多いからでしょう」テッペイが続ける。「侵略するものもいればそうでないもの
もいる。しかし、人間から見ればそれは一様に異形の存在だ」「よせや」黙っていたリュウ
が突然大声でテッペイを制した。テッペイもはっとなって口をつぐむ。憤りとも悲しみと
も当惑ともつかない複雑な表情で、唇を震わせているミライに気がついたのだ。
(…メビウス。みんな心配してるぞ)
明日人はおだやかなアストラの声音の念派で妹に語りかける。ミライは、はっと気づいて
表情を引き締める。大介は一座の不思議な雰囲気を感じ取ったが、あえてそれには何も
触れないことにした。こと、ワームと人間の関係、と言うようなことになると、自分自身
もかなり辛酸な目を見てきたので、日々異星人や怪獣との対戦に追われているガイズ・ク
ルーが、外部のものにははかり知れない重い経験の記憶を抱えているだろうことは、充分
察しがついたからだ。


568 :金的の鎖6 4/6:2007/02/19(月) 00:37:26 ID:trLEEG570
「けど、ちょっと納得できないな」そういったのはジョージだ。「ヒルカワってまさに
そういう男だよ。自分はいつも常識側で、大勢と違うものはあいつにとっては何でも
異様なもの、変なもの、だから何をしてもいいって理屈だろ。異形であるワームを
取材して徹底的に攻撃するというのはありえても、そういうやつがワームと結託する
というのは、どうなのかな」「うん、それは俺も思わないでもない」大介がうなずく。
「自分が結託してるのがワームだって気づいてない可能性もあるし、すでにあいつ
自身が擬態されちゃっているのかもしれない。…どっちにせよ、あいつにワームの
影がくっついているのだけは確かだ」

「とりあえず、この話はしばらくおかないか」明日人が静かに口を挟んだ。「今日の本題
にそろそろかからなくちゃな」その言葉で、重く垂れ込めていた一座の雰囲気が少し
明るくなった。「そうでしたね!」


569 :金的の鎖6 5/6:2007/02/19(月) 00:39:04 ID:trLEEG570
「本題?」大介がぽかんとクルーの顔を見る。マリナが事情を説明し、コノミと明日人は
隣室に入って作業にとりかかった。食事をしながら話題にでた、コノミの人柄や、雰囲気
や、嗜好などについて、明日人は時々メモを取っていたが、すでにそれなりのコーディネ
イトの構想を立てていたらしく、楽しそうにコノミを鏡の前に座らせて、必要なコスメグ
ッズを卓上にそろえていく。「リラックスしててください」

ミーティングルームでは、コノミの友人のスザキのことが話題になっている。彼の主演
する話題の映画のことも。「俺、あの映画のメイク担当するんだよ」「へえ」「今度の日曜日、
撮影がある。大掛かりなセットを使った舞踏会の場面で、大正期の軍人とか社交界の令嬢
とか踊り子とかスパイとか、盛りだくさんだ」「面白そうね」「エキストラが足りないんだ
けど、よかったらでてくれない?」大介はマリナにウインクする。「うんときれいにしちゃ
うからさ」引き気味のマリナを、ジョージが面白がって煽る。「アミーガ、やってもらえよ」
「あんた、スペイン語できるのか」大介が突然ジョージに向き直る。「ジョージはもとスペ
インリーグの名キッカーよ」「そいつはいい。実はスペイン大使の随行員が足りないんだ。
二人でぜひ来てくれよ」
 ドアが開いて明日人が顔をのぞかせる。「マリナさん、ちょっとだけ手伝ってくれるか
い?」渡りに船とマリナは大介を振り切って隣室へ消える。…ほどなくミーティングルー
ムに三人が戻ってくる。マリナに手を引かれて入ってきたコノミを見て一同は息を呑んだ。


570 :金的の鎖6 6/6:2007/02/19(月) 00:40:59 ID:trLEEG570
カラーリングで少し赤茶を入れて、外向きにはねさせ、動きをつけた髪。耳には小さな
星とウサギの金の揺れるイヤリング。トレードマークである赤いフレームのめがねに合わ
せて、上品に抑制の効いた金のラメが入った赤いキャミソール・ドレス。しなやかな細い
かかとのストラップシューズも赤。肩には白のふわふわしたモヘアのストールを引っ掛け
て、少し眺めのレースの手袋も赤。キュートなめがねの顔を引き立てるアイメイクはオ
レンジとゴールド。そして唇は甘い木の実の赤。
「コノミちゃんの名前にふさわしく、真っ赤な冬の木の実の色でね」明日人はにっこり
する。「それと、ウサギが大好きだと言うのは、ミライ君からもだいぶ聞いてたから」
イヤリングだけではなく、モヘアのストールの端にも、コノミの好きなウサギのマス
コットが、ストール止めの金具をかねてついている。
「すっごく可愛いよ、コノミ!」親友の肩を抱くようして微笑むマリナ。
「なんか、はずかしい…」頬を染めるコノミ。「ほんとに、すごく、可愛いです、コノミ
さん」ミライが感嘆の声を上げる。「…とっても、コノミさんらしいし。素敵です」
口をあんぐりあけたままの三人のガイズの野郎どもは文字通り絶句している。「…すげえ」

少しはなれて、一同を眺めていた大介は、そのできばえを見て、この不思議なヴォーカ
リストの、メイクとコーディネイトの技量に、正直うならされていた。
…この男、一体何者なんだ?

**今回ここまで。
今日はいい一日でした。長編堪能したw 

571 :名無しより愛をこめて:2007/02/19(月) 06:04:37 ID:wgz+KEFl0
>>563
「隊長、バイト代はウラーじゃなくて円でお願いします」www
いや、冗談ッス
ゾフィ隊長にお声をかけていただけるとは、光栄の至り_|\○_ヒャッε= \_○ノホーウ!!!

>>565
>他のクルーはいっせいに心の中で叫んだ。(…お前が言うかー?!)
ワロタw 連日GJ!

572 :名無しより愛をこめて:2007/02/19(月) 07:01:11 ID:7IqS4QeT0
確かにジョージと大介はキャラ被ってると思ってたけど
そこもちゃんとフォローされててGJ!

コノミタンかわいい(*´Д`*)
元が本物の女の子だけに、ミライ(つーか五十嵐君)程には脳内補正を必要としない分
ありありと目に浮かびます
大介のメイクは、後日撮影に訪れたマリナに披露ですな

573 :名無しより愛をこめて:2007/02/19(月) 09:06:49 ID:h83jyAFF0
>>ミライ(つーか五十嵐君)程には脳内補正を必要としない分
・・・最近脳内補正かけてる自覚が無いんだがwwwこのスレの真の住人になったということか?orz

いや、正直大介&ゴンだけ登場と思い込んでたんで、緑色の影と言われてもワームと思いつかなかった
まあ確かに残党いそうな終わり方だったな


574 :名無しより愛をこめて:2007/02/19(月) 10:26:05 ID:dfEMXARs0
まとめ管理人様>インパクト系列のまとめ、ありがとうございます。
いっぱい直したいところ出てきましたが(特に改行と誤字脱字orz)
自分でも一日一レス分しか書いてなくて消してしまっているので、まとめてみると壮観です。
ゾフィー隊長の秘書室はお給料いいですよw

>>鎖 ヒルカワのブン屋としてのアレとかアレとか、楽しみになってまいりました。
メイク対決よりも(笑)

575 :4コマ ◆nL.tEAkRlc :2007/02/19(月) 23:58:33 ID:zSOeAItg0
[No.106]
ひさびさにオリジナル、お絵描き掲示板です。

576 :名無しより愛をこめて:2007/02/20(火) 00:44:12 ID:PgYUmQRk0
インパクト一気読みしたよw
追っかけ読みしているときは、タロウ兄さんに目が行きがちだったけど、通して読むと、
レオ・アストラ・80三人の兄さん達が、実にいい味だしてる
特にそれぞれとタロウのスタンスが面白い

>>574
俺の淹れるコーヒーは不味い(自分で我慢できない程不味い)
ゾフィー隊長の秘書室アルバイトには失格だ…orz
ボスがああだと、秘書の採用条件に、コーヒーの入れ方があるんじゃなかろか?
追記:訂正はお気軽にいつでもどうぞ

577 :名無しより愛をこめて:2007/02/20(火) 01:51:30 ID:nAYP7law0
>>575
パンチが当たったのはサコかと思ってしまった。テッペイだったか‥‥
リュウのヤキモチもいいが、はたしてメビに解るかどうか。

マリナ「もー、リュウがヤキモチ焼いて大変だったのよ」(苦笑)
ミライ「ヤキモチ…お正月に食べたやつですね!」

578 :フィフストレーニング3-1:2007/02/20(火) 11:03:48 ID:/hSLyzyX0
「では各員の配置に関しては以上だな?」
「まだ会場の飾りつけが終わっていないので、当日に変更をする場合もありますが、それは実行委員会との打ち合わせと、現場の下見を毎日することで微調整します」
「よろしい。では本日はこれを以って解散とする」
会議は定刻に始まり、定刻に終わる。獅子座の双子は欠伸をかみ殺しながら、隊長の持論をありがたく享受していた。
たまに顔を出す養成所の会議では、年長者の保守的な意見にイライラしたり、若い教師ばかりの集まりだと別の盛り上がり方をしたりするが、本部の会議は隊長の性質が強く反映されていた。
「二人共私の部屋へ来い」
ゾフィーはレオとアストラの側にくると、軽くプレートで二人を叩いた。
「はい」

ジャスミン茶の優雅な香りが隊長室の来客スペースを満たしていく。
「にしても調印式まで一週間もないなんて」
「仕方がない。クーデターが起きる前になんとかしたいというところだろうな。連邦に加盟すれば援助を受けられる。
ドルファス星の政府も綱渡り状態だ」
「でも、勝手に80を王女の護衛に回していいんですか?」
「レオ、私にだって恐いものはあるんだよ」
ゾフィーは笑って二人に月餅を差し出した。
「まあ、当時学校は休みだし、なんだったら生徒にこれも仕事の一つだと見学でもさせればいいさ」
「あはは・・・・」
堅物の80もゾフィーと王女にかかれば哀れな玩具だ。
「そういやゾフィー兄さん、明日休みを取るんですか?秘書の人達が騒いでましたが」
「ああ、300年ぶりに代休を取ることにした」
ゾフィーは嬉しそうに湯飲みから顔をあげた。
「そんなに取ってなかったんですか・・・・」
「でもなんだってまた急に?もうすぐ調印式なのに。今日だってその会議で・・・・」
「ふふふ・・・実はデートをすることにしたのだ」
「「は?」」
声と表情がユニゾンで長兄の前に疑問符を投げかける。
「で、デート?!」
「一体誰と?!」
「メビウスだ」

579 :名無しより愛をこめて:2007/02/20(火) 11:51:22 ID:nAYP7law0
ソフィー兄さん いきなり爆弾発言Σ(゚д゚lll)

580 :4コマ ◆nL.tEAkRlc :2007/02/20(火) 14:52:40 ID:Uf62DYMx0
隊長大胆!w

581 :名無しより愛をこめて:2007/02/20(火) 17:01:13 ID:2an9htSs0
 トレーニング>>
 た、たいちょw
 タロウの逆上がくるか! あ、コレ兄さんの仕返しか?

 鎖>>
 コーディネイト系の話、よく思い浮かびまつな。
 メイクアップとくると、思いつくのがまず
ごーじゃすあいりーん ワタクシザンコクデスワヨー
 な自分にはぜってー書けんorz トシバレルナ


582 :万能の神はいない80:2007/02/20(火) 17:06:49 ID:2an9htSs0
「コノミさん・・・ごめんなさい。シュウ君と保育園には、ちゃんと謝りに行くから・・・」
「・・・ミライ君が悪いんじゃないよ。悪いのは犯人だよ。それにうちの保育園で起きた事件
に巻き込まれたのはミライ君の方かもしれないんだよ?」
 首をふるミライをぎゅっとコノミが抱きしめた。まるで幼い子供に対するような抱擁だ。
「ちゃんと、またうちに来てね?」
 ミライは黙ったままだ。相変わらずその場しのぎの嘘すらつけない・・・インペライザー
襲来前のミライを思い出し、コノミは身震いした。あの時、ミライは何も答えなかった。
 また?
「絶対にきてね。私たちずっと仲間だよ? キエテコシキレキレテ、だよ」
 辛抱強く、コノミは返事を待った。長い沈黙の後、呻くようにミライは返事を口にした。
「僕は・・・行けない・・・」
「なら、私が行く。私がミライ君のところに行くのは駄目じゃないよね」
「山吹さんとご一緒にどうぞ」
 ごくさり気なく、赤塚Mが助け舟を出した。後輩の山吹が情報部の人間だと言うことは
もうコノミも知っていた。監視されていたことに腹立たしいのも確かだが、同時に拒絶
すべきでないことも分っていた。今、自分の身を守る事は絶対だった。もし万が一の事が
あれば、自分の生死に関わるだけではない。ミライの心が大怪我を負う。
「遊びに行くからね。絶対、行くからね」
 行けないとミライは言う。そう、行かない、じゃない。だからコノミとしてはこの友人
の手を離すわけには行かない――ミライが今、その手を引っ込めようとしているなら尚更。
 苦しい時に私たちを守ってくれたメビウス。今度は――私達の番だよ、ミライ君。
「来い。いつでも押しかけていいぞ」
 リュウの承認にコノミは「うん」と大きく返事をした。ミライは一瞬口を空け、だが、
結局は否定の言葉は出なかった――。
 サコミズはほっとした。ミライがかつて似た行動――帰還命令が来たあの時だ――を
とった事がある。この子は周りの苦痛には献身的に手を差し伸べるが、自分の事について
は逆だ。助けも求めず、密かに1人で全てを飲み込む。あの時、うかつにもサコミズは
ミライが身辺整理をしだしたのは帰還命令に従っての事だと思っていた。実際は形見分け
だったと気付いた時はもう遅かった。メビウスはインペラザーの前に立っていたのだ。

583 :万能の神はいない81:2007/02/20(火) 17:08:31 ID:2an9htSs0
 彼の神経がドアの向こうのうちのたった二人――上官と自分の遠縁に集中しているのが
分る。言葉にする以上に彼がどれだけあの二人を大切に思っているのが理屈なしで分る。
 同時に立ち入れない何かもミハルは感じた。今回の事件だけではなく――今までさして
気にしていなかったが以前から上官とこの新人は何かを共有している。何かは分らないが、
それが今回は露呈した形だ。・・・いつかちゃんと自分たちに理由を話してくれるのだろうか。

 コノミが今奥に行っている――ミライと話しているらしい。
 ミハルとワタルは二人残された。部下の内、新人のツヅキだけが呼ばれた。最初から
警護をしていたのが彼であったこと、リュウの配偶者が彼の遠縁であることが絡んでいる
のだろう。そう推測しながらミハルは僅かに眉をひそめた。
「ねぇ、ワタル。どう思う?」
「・・・さぁな」
「考えてみると、よく知らなかったのよね」
「どっちのことだ」
「両方。隊長は嘘が出来る人じゃないし、ツヅキは頭に馬鹿がつくぐらい素直よね。でも
考えてみると自分のプライベートは自分から表に出してないのよ、あの二人。そりゃ、
隊長の奥さんなら何度か拝見してます。GUYS感謝祭でもすごく熱々であてられたし」
「・・・可愛いって感じだったよな。すげぇ大当たり掴んだなって」
「あんなに口下手で野暮天なのにね。大金星?」
 同じ若い女でもいわば体育会系のミハルと異なりチャコ――同僚の一人に対しては勤務
を離れると時々まごついた様子を見せることがある。頭はいいが良くも悪くも女として
意識が強い部下にどうしたらいいか困惑するらしい。どうみても女の取り扱いに長けて
いる男とは対極だ。


584 :万能の神はいない82:2007/02/20(火) 17:10:20 ID:2an9htSs0
「・・・でもなんなのかしら。なにか、ことが大きすぎるような気がする」
「上が聞くなって言っているんだ。あまり突っ込むな。サコミズ総監も仰っていただろう。
後で説明できることはするって。アイハラ隊長も話せることは話してくれるさ」
「・・・そうね。ああ見えてツヅキは滅法口が堅いから隊長の方が口を割りやすそう」
 追及の矛先が隊長に行きそうだ、とワタルは天を仰いだ。
 同僚の女二人――いかにも勝気で舌鋒も鋭いチャコに比べればミハルの印象は地味で
大人しめだ。だが度胸は相当な上に、粘り強さと冷静さはチームでも屈指だ。
 ワタルは心中、リュウに向かって手を合わせた。
 すいません、アイハラ隊長。俺ではこいつを制止できません。
 その時、ざわめきが伝わり、二人は弾かれたように閉ざされたドアに顔を向けた。
 最初に現れたのはツヅキだった。
「隊長は?」
「今、せ・・・奥さんのところです。自宅に帰ることになりました」
「・・・OKが出たの?」
「護衛つきで許可が出ました」
 それっきり口を閉ざす。顔はドア向こうに向いている。
 こうしてるとイケメンね、とミハルは思う。
 極端な寒がりで着膨れしてようが、時にみょうちくりんな半纏を着て廊下をうろつこう
が、今目の前にあるのは精悍な男の横顔だ。
 車の中で連絡を受けてから、ずっとこの調子だった。ここ一ヶ月も妙にぴりぴりして
いたと思っていたがこれに比べれば――料理にちょっと振りかけた胡椒にも及ばない! 
 今まで気付いていなかったチャコとヒデアキもこれは流石に一目で異常に気付くだろう。
 先輩、とツヅキの口が動き、同時にリュウがミライを伴って姿を現した。
 リュウと反対側にコノミが立ちミライに話しかけている。そのコノミの後ろにサコミズ。
 彼らの周囲に護衛になるのかちょっと一見はごく普通の男やご婦人方が――いつもなら
謀られるだろうが今回は流石にこれは見かけだけだ、とミハルは分かった――さり気無く
取り巻いている。


585 :万能の神はいない83:2007/02/20(火) 17:19:01 ID:2an9htSs0
「ワタル、ミハル。すまなかった」
 再度リュウは部下に向かって謝った。帰ってもいいと言われたはずなのに二人は残って
いた。この部下たちに対してろくに説明していない。自分が尾行され、ミライが事件に巻
き込まれた。それだけしか二人に伝えていない。伝えられない。ぎりぎりと良心の痛み。
申し訳なさ。だが、絶対に言うわけにはいかない。この程度の痛みはこの手をつかんだ時に、
最初から覚悟していた。そして、実際分らないことの方が多すぎた。犯人も――分らない。
疑惑対象はあっても先入観は禁物だ、とサコミズは言う。それは確かに真理だった。
 謝罪から言葉に詰まっているリュウの横合いから、サコミズが部下の片方に声をかけた。
「クリハラ君、君、スページーの前の所属は本部だったでしょ。最高議長直属だったよね」
「何、ワタル、あんたエリートだったの?」
 ワタルは「最初だけな」とミハルへ小声で答えた。そしてすぐにサコミズに向き直った。
「ご指摘の通りです。・・・すぐに宇宙に放り出されましたが」
「――そう。でも鍛えられたでしょ。あいつ、昔気質だし」
 GUYS本部のトップをあいつ呼ばわり・・・目を白黒させる二人にサコミズは笑う。
「クリハラ君――非公式な超過勤務になるけどリュウの送迎頼めるかい?」
「サコミズ総監」
「はい。ワタルさんの技量なら安心だと思います」
 いささか非難の感情が混じったリュウと対照的にツヅキの冷静な確信を持った声。
 そういえば、とミハルは思い返した。車の中でもツヅキはワタルのことを言っていた。
その判断に間違いはないだろう。格闘技では、何処の流派か不明だが――何せ当の本人
が「僕の所ではこれしかありませんでした。一体なんでしょうね」などと随分ボケた事を
ほざき、それ以上突っ込みようがなかった――使えるというレベルではない。車内の会話
から観察眼もかなり鋭いのも分った。あれでなぜ日常ではヘタレワンコなんだか・・・謎だ。
 さて3人の同僚にどう説明するか。リョウスケはいいがチャコとヒデアキ――どっちも
気短だし気も強い。しかも納得できないと不機嫌――やっかいだ。申し訳なさそうな上官
の顔を思い出し溜息をつく。今回は何とかしますけど、お代は高いですよ、アイハラ隊長。

586 :万能の神はいない84:2007/02/20(火) 17:21:12 ID:2an9htSs0

おおきなさかなはおおきなくちで
ちゅうくらいのさかなをたべ
ちゅうくらいのさかなは
ちいさなさかをたべ
ちいさなさかなは
もっとちいさな
さかなをたべ
いのちはいのちをいけにえとして
ひかりかがやく                       谷川俊太郎『黄金の魚』

 暖房の入っていないひんやりした空気に慌ててリュウはスイッチを入れた。暖かい空気が
流れ出すと軽く息をついた。
 ミライと向かい合って、桃山Fから差し入れられた雑炊を食べた。
 ミライに表情がない――この状況に、食欲などなかったはずだった。それがさじを口に
つっこめば猛烈に胃袋が動き出す。食べることに対する要求がわく。
体は正直だ。思い返せば、昼から何も食っていなかったのだ。
「・・・風呂はいるか? ん?」
 返事はなかったが否定がないことを受けて、急いでリュウは湯をはる準備をした。埃や
泥を落としてやりたかったし、何より体が冷えている。
 だが部屋に戻った時、一時でも一人にしたことを後悔した。
「ミライ・・・」
「・・・まだ返してなかった」
 ミライが表面をなぞっている、金色の魚の表紙の絵本。
「緑川さん」
 初めて、ミライはその名を呼んだ。それまで不自然にミライが口にしなかった名前。
「緑川さん・・・」
 名前を呟き、ミライは嗚咽した。そして嗚咽を飲み込む。
 だが滂沱と流れる涙もそのままに、ミライは天井を仰いだ。


587 :万能の神はいない85:2007/02/20(火) 17:23:13 ID:2an9htSs0
「なんで、お腹すくんだろう。緑川さんが亡くなったのに。シュウ君が酷い目にあって、
コノミさんを巻き込んで…それどころじゃないのに、僕のせいで、でもなんで・・・」
「お前のせいって決まったわけじゃねぇだろ。それに、そういう風に体が出来てんだよ」
生きている限り、どんなことがあっても飯は食わねばならない。確実に腹は減る。
 自分にとっては今更のことだが――ミライは。光の国じゃ、飲み食いは嗜好だったな、
とリュウは価値観の違いに臍をかむ。
 今、ミライは地球に留まっている。故郷のように光だけで生きられない。だから腹が
減る。ものを食う。当たり前の自然の摂理。自分ですらなんと現金だ、と思うそれを今、
ミライは突きつけられて苦悩している。リュウに出来るのは
「それが人間だ。当たり前だ。だから、ちゃんと飯食って、身体をあっためて、休むんだ」
 いささか強引にミライを湯船に入れた。
 リュウは服を着たまま、袖をまくってミライの髪を洗った。
 ミライの髪を濯いでいる最中、なぜかおかしくなった。コノミんところの園児を風呂に
入れてるみてぇだな、と思った。あまり変わりないかもな、と思う。
 今のミライの知識は――時々でかい穴ぼこがあいているが、多分地球人の成人レベルを
クリアしている。勉強熱心で、リュウには分りづらい難しいこともすらすらとそらんじる
ことも、結構ある。感受性も豊かで、多分そっちの面ではリュウなど足元に及ばない。
だが、経験は子供以下だ。
 ずっと、悪意のない光の国に生きてきたミライ。地球に戻ってからも、殆んど悪意と
いうものに晒されずにすんだ・・・それが随分と幸運だったことをリュウは認めた。
 確かに人間の悪意に晒された経験もある。だが、それはミライ自身に集約されていた。
物理的に周囲に及んだことは、なかったはずだ。
 風呂から上がって、タオルで髪を拭いてやっていると、ミライは泣き出した。やがて堰
を切ったように、わんわんと小さい子供のように声を上げて泣かれた。
 リュウは泣きたいだけ泣かせた。
 ミライは何かに憎しみをぶつけるということを知らない。それだけに、このまま感情を
飲み込まれたら、ミライ自身を押しつぶしかねなかった。それが何より怖かった。
 だから盛大に泣かれて――むしろほっとした。


588 :万能の神はいない86:2007/02/20(火) 17:24:50 ID:2an9htSs0
 痛みさえ覚える強い感情の波が放出された後ゆっくりと落ち着いた。感知は出来なく
なった。――もう大丈夫だろう。
 衝撃をやり過ごした後、ふっとツヅキは息を吐いた。かなりエチケット違反だが(同期の
イージスに知られたら確実に折檻フルコースだ)、こういう時は無駄に強い、といわれる
自分の能力はありがたい。
「よ。この寒がり。さっきから足踏みしてるぞ」
 目の前に缶コーヒーを突き出されてツヅキはマンションの一室から視線を移す。
「お帰りになられないんですか、ワタルさん」
「一人お前を置いてけるか」
「すいません。でも置いてかれても、僕はかまいません」
「俺を薄情者にする気か。皆に俺が締め上げられる」
「アイハラ隊長のところに泊る、って言ってくだされば大丈夫ですよ。口裏は合わせます」
 ワタルは認識を改める必要を感じた。馬鹿正直なくせに、存外に嘘をつくのが上手い。
 その表情を読んだように、ツヅキは微笑した。
「僕はミライ先輩のような純真な優等生じゃないです。寮を抜けだしたし、規則違反も
よくやりました。それに教官を悩ませた問題児でした」
「あー? 何やった? 男は何かしでかすもんだが。バイク盗んで暴走か?」
「校舎壊しちゃいました」
「・・・そりゃやりすぎだ」
「はい。不可抗力だったんですが・・・他にも色々教官たちにも迷惑かけちゃって」
 缶コーヒーで暖を取りながら身を縮める。そのしょんぼりとした姿にワタルは笑った。
問題児といっても、本人に悪気も悪意もなく、ただ何かと大きいことを引き起こす、と
いう口だろう。この図体のでかい新人は猛獣の爪と牙は持っている。が、日常においては
むしろ大人しい草食獣といったところだ。
「――心配か?」
「はい。正直、怖かったです。かなりまずい、と思いました。でも、もう大丈夫です」
「そうか・・・」


589 :万能の神はいない87:2007/02/20(火) 17:26:29 ID:2an9htSs0
 しばらくそうやって一角を見上げている二人に一組の男女が近づいてきた。
「一晩中そこにいるつもり?」
「はい」
 あまりにも当たり前のようにツヅキから即答が戻ってきて、青山Fは溜息をついた。
「お馬鹿さん。こんなところに立たれたら不審人物よ。それに凄い寒がりだってミライ君
から話は聞いてるわ。今も凍えちゃってるじゃない。うちに来なさい。寝床ぐらいなら
提供できるから。お隣だから、二人に何かあったらすぐ駆けつけられるでしょ?」
「そうしてもらえ。俺も安心して帰れる」
 ツヅキが答えるより早く、ワタルは言った。
「じゃ、この坊主は俺がそこまで送るよ。お前は先に彼を連れてあがんな」
「ええっと、クリヤマ君だったかしら? あまりうちの人の話が長くなりそうだったら、
とっとと置いて帰りなさいよ。この強面で随分とおしゃべりだから」
 青山Fはそうワタルに告げて背を向けた。ツヅキは戸惑ったが、ミライとリュウの隣の
家で待機できるのは魅力ある提案だった。それに現金な話だがミライの精神状態が最悪を
脱した、と感知した途端代わりにどっと寒さがツヅキを襲っていた。
 ツヅキは決断を下してこの女性の後に従った。
 二人の姿が完全に消えるとワタルは息を吐き、隣の男を見た。
「うちの人、ね」
「馬鹿言え。配役だ。あんな物騒な女を女房に出来るか」
 青山Mは渋い顔で年下の青年にぼやく。
「ま、元気そうでなによりだ。あのワンコロはどうだ?」
「ああいう性格ですから周りに可愛がられていますよ。そっちも似たようなものでしょう」
「赤塚Fといっしょにせんでくれ」
「あの人はモード入った時との落差が激しいですからね・・・緑川Mは」
「入れあげすぎだ、と桃山Fと赤塚Fが勧告したばかりだった。ミライ君――メビウスも
かなり彼に懐いていたからな。それこそ目に入れても痛くねぇって感じで」
「この仕事に向きませんでしたね。人格者すぎましたよ、あの人は」
「メビウスもな。あんな子とは全く想像もしてなかったよ。もうちっとご立派なもんかと
思ってたんだがなぁ――あんな可愛い生きもんだとは想像もしてなかったよ」


590 :万能の神はいない88:2007/02/20(火) 17:28:20 ID:2an9htSs0
 サコミズ総監が若いウルトラマンの人間体を手元に置いているという情報は比較的早く
GUYS情報部に上がっていた。ミライという名も。怪獣来襲前からだ。
 戦うためではなく、地球という異文化を学びに来たという――いうなれば留学生。
 何事も起こらなければ、そのまま人知れず地球での生活を経験し、そして彼らの星に
帰ったであろう、まだ少年期と青年期の過渡期にあった実習生。
 人類にとっては幸運と言える。怪獣の来襲に未熟とは言えその場にウルトラマンがいた
のだから。メビウスにとって過酷な話であっても。
 言われてみれば確かに初めは弱っちろいウルトラマンではあった。そりゃ初めての実戦
なら仕方ないのかもしれないが――怪獣はそんな事は構っちゃくれないし、人間も知った
ことじゃない。勝てば歓声を上げて次の防衛を当然のように期待する。下手な戦い方を
すれば罵声を浴びせた男もいた――そう、アイハラ・リュウだ。
 メビウスの正体を知った時、アイハラ・リュウのうけたショックは凄かったらしい。
守っているつもりの後輩が実は彼らの守護者であったこと――そしてごく普通の、いや、
むしろ純朴で繊細な心の持ち主であったこと。自分を慕っていた相手であったこと。
その横で八つ当たりの様にメビウスの悪態をついていた自分の行いを含めて彼の受けた
衝撃の深さは相当なものだった、と報告書からだって読み取れる。
 その時までは自覚がなかったらしいが――知らなかったとは言え、惚れた相手が目前で
常に命を危険に晒していたってのはどんな気持ちだろうな。知った後は死地に送り続け
なきゃならねぇ。人間じゃないって問題は、知った直後に目の前で死に掛けられた事で頭
から吹っ飛んじまったらしい。ある意味あの旦那らしい話だ――それでも壮絶な自覚だ。
 俺なら御免だよ。惚れた女を危険に晒すのは。おまけに常に別れがちらつくような恋は。
 メビウスが戻ってきた時、GUYSの大部分のお偉いは喜んだらしい。ウルトラマンを
地球に繋ぎ止める手段があるなんて今まで全く思いもしなかったんだ。俺だって思いも
しなかったさ。ウルトラマンが人間と恋をする、なんて。(サコミズ氏はそれまであの二人
の関係を隠匿していた。情報部のセリフじゃないがそれは正解だと思う)。


591 :万能の神はいない89:2007/02/20(火) 17:31:41 ID:2an9htSs0
 それから上の態度の露骨なこと。
 そのままアイハラ・リュウに最高議会委員の椅子だって用意しかねない勢いだった。
 幸いあの旦那は現場一線主義で、地位や権威に興味ない男だったから現状維持だったが。
 そういう気質、セリザワ氏と似ているな(そういえばセリザワ氏も今はヒカリの融合体か。
なんかウルトラマンにやたら縁のある男だよな。今、1人を後見している状態だし)
 今まで地位も権威も財も、人間だったら考え付く歓心を得るためのあらゆる手管が通じ
ない――ウルトラマンには無用なもんなんだからしゃーないわな――諦めかけていた所に
この話だ。上が浮かれまくった理由は分るぜ? 愛だぜ、愛! 理由が色恋! 
 俺はツヅキの坊やが来た時、嫌なこと考えちまったよ。上にいる馬鹿がろくでもない事
をしやしないか――ぶっちゃけあれだ、ハニートラップだ――を仕掛けやしないかと随分
冷や冷やした。俺もこういう部署にいる人間だからオキレイな人間じゃないぜ。でもよ、
やっぱり人類としてウルトラマンに見せたくねぇ部分とか見栄とかがあるじゃねぇかよ。
そこいらへんは最高議長が分った人でよかったぜ。最もあの坊やも堅物――ちゅうか
あれは天然の域だな――変な女に引っかかりそうもないからひとまず胸をなで下ろしたが。
 今日のケースは、本当なら見せたくない事例のトップクラスだった・・・。
「送迎を命じられたって?」
「・・・総監には正体がばれてる気が激しくしますね」
「好都合と思っておけ。アイハラ隊長とツヅキ隊員には気付かれていないんだろう?」
「あの二人にばれるのは正直きついです・・・俺はただのクリハラ・ワタルでいたいんです」
 甘い。そして若いと思う。だが気持ちは分る。任務が終わればそこで自分たちは名と
経歴を捨てる。正体を明かして、今まで通りの付き合いが出来るはずもない・・・。
「そうだな。俺もアイハラさんちの奥さんの前では青山さんの旦那さんで通したかったよ」
「何事も、起こって欲しくなかったんですけどね」
「任務がこんなんでいいのか、と思ったりしたんだが・・・一瞬でも思うんじゃなかったな。
楽しんだ分、まわってきた請求書はしっかり支払わないとな。取り立てもせにゃならん」
「香典代も毟り取ってください」
「利息付でな――お前はうまくやれよ」

592 :万能の神はいない90:2007/02/20(火) 17:36:32 ID:2an9htSs0

しあわせはふしあわせをやしないとして
はなひらく
どんなよろこびのふかいうみにも
ひとつぶのなみだが
とけていないということはない                谷川俊太郎『黄金の魚』

 朝目覚めた時、リュウに抱きしめられたままだった。
 頭が痛い。泣きすぎた。まぶたが重く腫れぼったい。きっと充血して熱を持っている。
 あんなに盛大に泣いたのは地球にきてから初めてだった。
 台所には昨日食べ終わったままの食器が放置されたまま。
 すぐにミライは湯船に突っ込まれたし、その後、盛大に泣いて、そのまま二人でひとつ
布団に包まって寝た・・・洗ってる暇なぞミライにもリュウにもなかった。
 更にリュウがお風呂にはいってないのに気付く。あのままミライが泣きついたため、
上着脱いだだけで着替えてもいない状態だった。
 そして、恐らくお風呂の蓋は開けっ放し。リュウは換気スイッチも入れていない。
 脈略もなく、変にこまごまとした所が頭に浮かんでくる。
 緑川さん。ごめんなさい。
 リュウの手のひらに頭をなでられて、申し訳がないのに――ミライは幸せをかみ締めた。
 そして随分と自分の髪がごわついていることに気付いた。昨日、リュウが自分の髪を
洗った時、更にトリートメントをかけることまでは分らなかったらしい。それが極めて
リュウらしい話で、自然にミライは笑えた。そしてほろりと泣けた。


「君たちの目的はなんだね」
 悠然と語る、論敵であるはずの男。
 ウルトラマンが怪獣の出現が治まってもなお地球にいるという情報を教えてきた男。
「ウルトラマンをこの地球から排除することだろう。何も本人の抹消に固執しなくても、
目的は達成できる。あの男が死ねばメビウスが地球に留まる理由もなくなる。違うかね?」


 今回はここまででつ。長々スマン。

593 :万能の神はいない:2007/02/20(火) 20:14:30 ID:qSUFRazR0
 まちがい訂正。
 青山じゃない。青木だ青木orz
 自分で設定していて何やってる。ちゃんぽんになってるorzorzorz

 以前の赤塚支店でも間違えていたら、
 回収時に『青木』で訂正お願いします、管理人さんorz モウジブンデモイヤ

594 :名無しより愛をこめて:2007/02/20(火) 22:14:31 ID:6fvp9ccQ0
>>582-593
連投dクス!リュウがミライの洗髪・・・想像するとグルーミングに脳内変換・・・orz
>>578
ゾフィー隊長なに企んでるんだ?wktk

595 :名無しより愛をこめて:2007/02/21(水) 00:30:59 ID:F88NCmYz0
The Hanged Man.です。

推測の途中経過をすっ飛ばしたシーンの解説を一応入れてみます。
(しかし、面白いもんではないですが;)

>>552で「海が狭い」と言ってるのは惑星全体が緑に覆われている前提です。
惑星全体に雨が巡るのかな? というのがメビウスの疑問で。
ゼノンが「氷河化」と言ったのはそれで水量が減るからです。
(太古の氷河期でもそんな話がありますね、逆パターンが地球温暖化。)
極は南極北極(地軸が傾いてない場合がわからないのですが;)、氷河が
出来るまでにかなり時間が掛かることを指して「噛み合わない」です。
植生の状態との比較ですね。


話に必要あるかと言うとこれはないです、単にこういうの好きなんで。
あと、キャラクタで説明やってみようと思ったんですが難しい...orz
質問→回答、という形じゃないと会話として妙なんです。説明は。
とどのつまり、人物配置や造型時点から気を使わないとならないという。
少し進むと会話の組み合わせが変わるのでその辺は多少解消されるかな?


596 :The Hanged Man.25:2007/02/21(水) 00:32:01 ID:F88NCmYz0
80「(くすくす)君は柔軟で強いなぁ」
エル「だって、頑張らなきゃ負けちゃうじゃないですか。二人とも」

イオ「エル。・・・あ、すみません、お話中」
80「大丈夫だよ、こっちにおいで」
イオ「勝手に探索に行くって言い出してすみません、正直、体力が持つかも
 わからないってのに」
エル「じゃあ、謝るのは僕も一緒だ、そもそも言い出したしね」
イオ「気ぃ使わなくていいよ・・・お前はレオ代行にも頼りにされてるし」
エル「うん、だから君も頼りにしてくれていいんだ。メビウスもゼノンも。
 それが僕のプライド」

80「メビウス辺りには出来れば君のようになって欲しいなぁ」
エル「えー、だってあんなになんでも出来るのに、必要ないですよ」
イオ「そんなことないぞ! ・・・いやあの、すみません」

80「君たちはそもそもなんでも可能なんだ、負けちゃいけないよ。むしろ
 あの子たちのためにもね」


597 :The Hanged Man.26:2007/02/21(水) 00:33:01 ID:F88NCmYz0
イオ「メビウス、一旦エネルギー補給するから途中までついて来い」
メビ「いいんですか、僕で?」
イオ「どう見てもお前が一番先に潰れるだろう。現地に下りるのは俺がやる。
 まあポイントを特定してくれると一石二鳥だな」

エル「じゃゼノン、僕らは棲息不可能地域の塗り潰しだ。僕とでいい?」
ゼノ「えええっ、なんでそんな、もちろんっす」

80「イオタは大丈夫かな、メビウスには少しエネルギーを別けておきます」
メビ「先生は無作為探索を続けられるんですか?」
80「マニュアルでは通用しない世界はたくさんあるんだよ(くす)」

【記述者:メビウス
 明日は晴れますように。】

イオ「だから日誌なのだと何度言ったら...orz」
エル「まあまあ、イオタ、押えて押えて。晴れなきゃ困るしさw」


598 :The Hanged Man.27:2007/02/21(水) 00:34:03 ID:F88NCmYz0
メビ「・・・ふぅっ」
イオ「(メビウスを抱えて)ちったぁ落ち着いたか? 上がるまでが寒いな」
メビ「小さな恒星ですね、遠いんじゃないな、これは」
イオ「(可愛くねぇなぁw)ああ、恒星の火力が弱まってる可能性もあるか」
メビ「・・・」
イオ「どうした?」

――

ゼノ「先輩、海消しますー? 中間色でもいいのかな」
エル「条件付きにしておこうか、なかなか絞れないなぁ」
ゼノ「生物ってどこでも棲息してますしね、知的となると大きさがあるけど」
エル「あれ・・・」
ゼノ「どうしました、先輩」
エル「なんだろう、今ちょっと違和感が。説明出来ないんだけど」

ゼノ「地形、ですよね。なんだろう、俺じゃわかんないなぁ」


599 :名無しより愛をこめて:2007/02/21(水) 00:35:05 ID:F88NCmYz0
>>582
とても深刻な話なのに、「ハニートラップ」が頭から抜けず。
リュウを前提(+何人かのウルトラヒロインを入れると混迷度がさらにw)に
好みのタイプをシュミレートして、計画書を投げ捨てていただきたいなと。
人選がただごとじゃなさそうです、心配しなくても。

ところで>>593でSTを思い出してしまいました。ご存知の人いるかな?

>>578
ちゃ、着々と進展されてますね、タロウ教官ーww


えーと、次で既存キャラクタ一人増えます。
教官ズが動けないので、その代理。

600 :名無しより愛をこめて:2007/02/21(水) 00:35:21 ID:B4pXZsKt0
>>578
隊長、そんな場所でそんなことしたら連邦宇宙中で超「ロリコン」
扱いされるのでは・・・。
奪還に現れるだろう教官共々・・・。

601 :名無しより愛をこめて:2007/02/21(水) 00:43:13 ID:DG1iVRd00
容量が470KBになったから、そろそろ次スレの季節じゃないかw

602 :名無しより愛をこめて:2007/02/21(水) 00:51:23 ID:F88NCmYz0
テンプレ案はすでに先行して下さった人が。
うーん、いつくらいに立てたらいいですかね?
前の時は確か450KBオーバーで立ててしまったような…、長篇の関係だったかな?
それ考えるともう行ってもいいのかな。

603 :名無しより愛をこめて:2007/02/21(水) 00:57:02 ID:DG1iVRd00
後1人2人くらいは、長編の投下があっても大丈夫じゃないかと思う
その間に、ここでスレタイ決めようよ

604 :名無しより愛をこめて:2007/02/21(水) 01:03:56 ID:F88NCmYz0
スレタイ忘れてました...orz
可憐・健気、天然・純真で来てるのでパターンを変えるか単語を選ぶか。
ペースが速いので少しパターンを変えるのもありかなと。

ただ、あんまり内容に特化したのはこのスレは避けたほうがいいかな?

605 :金的の鎖7 1/3:2007/02/21(水) 03:13:39 ID:K0C2xA0V0
次スレの話が出ているときに投下申し訳ない。今夜は短いので。。
**
スザキ・ジュン氏のための祝賀会ですか。大盛り上がりでしたよ。祝賀会以前に
コノミちゃんのドレスアップがフェニックスネスト中の注目の的になりましてね。
トリヤマさんやマルさんもなんかとろけちゃって。祝賀会の料理を特別に手がけて
くれたヒノデさんも、大ニコニコで、「いいねえ、可愛いねえ、トマトみたいだねえ」
なんて上機嫌で、盛り付けていたサラダのトッピングにミニトマトを山ほど載せちゃ
ったりして、僕の気分は戦々恐々でしたよ。サコミズ隊長でさえ、終始目を細めて
なんかすごおく慈愛のこもったまなざしで見つめてましたね。娘を見守る父、と言う
より、幼い孫娘の晴れ姿を見守る若き祖父、みたいな趣きさえあったのは正直意外でした。
ミサキ女史は風間大介さんに会ったことをきいてすごくうらやましがっておられました。
実は大変なファンでいらっしゃるんだそうで。いつもはクールなのに、やはり妙齢の女性
なんですね。
 スザキさん本人の反応もすごくよかったです。前のときより、ずっとコノミちゃん
らしいコーディネイトで、無理がなかったですしね。可愛らしいのに、あでやかで。
二人でずっと楽しそうに話してましたよ。僕とジョージ、リュウさんは少しはなれて
その様子を見守りながら、もっぱら食べるほうに熱心でしたがね。
「上首尾だな、アミーゴ!」「女って、すげえ化けるよな…」「女性は神秘的な生き物ですね」
そんな僕たちの隣で、ミライ君はすごくうれしそうにニコニコと二人を見つめていました。
メイクと言えば、ミライ君のこの間の変身振りも見事でしたけれど、可愛らしい女の子の
姿でも、ガイズ・クルーの大切な仲間であるミライ君本来の姿でも(本来と言うのは、正確
じゃないのかもしれないけど、僕たちにとっては、それが、彼との最初の出会いでしたか
ら)、ミライ君はミライ君で、変わらないものがあるな、とあのとき思いましたよ。それは、
あの笑顔です。それは最初に僕たちをガイズに引っ張ってきて、「俺たちの翼」を塗ろうと
言ってくれたときからずっと変わらない、あの同じ笑顔なんですよね。…


606 :金的の鎖7 2/3:2007/02/21(水) 03:15:57 ID:K0C2xA0V0
雰囲気がすごくよかったので、このまま二人で二次会に突入するんじゃないかと思って
いたんですが、スザキさんは、このあと約束があるということで、予定の時間が終わると
帰ってしまいました。でも、風間さんが言っていた次の日曜日の撮影会に、コノミちゃん
正式に招待されることになったようで。この撮影会、ジョージとマリナも風間さんの依頼
を受けてエキストラとして参加するらしいです。マリナは正直まだ渋ってますが、ジョー
ジが大乗り気なんですよ。僕も見に行きたいのは山々ですが、そうしょっちゅうガイズ本
部を留守にするわけにはいきませんからね。

フェニックスネストの廊下。携帯で電話しているマリナ。「…そう、あたし。うん、それ
でね、一つ条件というか、検討してもらいたいことがあるんだけど。…うん、実はね。…」

祝賀会の片づけを終えて任務に戻ったクルーを、待ち構えていたように、奇妙な反応
をレーダーが捉えた。「ポイントD、成分不明のガス体の発生がわずかですが見られます」
「青山墓地の近くですね」「実はさっき、この辺りで次々に人々が意識不明になる事態が
起きた。直ちに現地へ向かい調査してほしい」「GIG!」コノミ以外のクルーが現場へ。
被害者を病院へ運び、現場を封鎖してガス体の採取と分析に当たる。
「…地球上に存在するガス体ではありませんね。…ただ、この分析表には見覚えがあり
ます」とテッペイ。「ドキュメントMAC、バーミン星原産の植物から排出される催眠効果
のあるガスです」「バーミン星?それって、今日の話の」「偶然にしては…ですよね」クル
ーにうなずいて見せたテッペイは、ふと、封鎖された現場を遠巻きに見ている群集の中に
知った顔を見つけた。「あれ?あれは…」その眉がみるみるひそめられていく。「テッペイ?」
「…いえ」(今のはスザキさんだ。その腕に取りすがっていた女性は、確か映画女優の颯木
クロア…)


607 :名無しより愛をこめて:2007/02/21(水) 03:16:04 ID:H5cSShoW0
【幸福】♀メビウス萌え〜4【祈願】
スレタイ案ていうより、言ってみたかっただけ…だって、このところ放送が鬱展開なもんだから
早くリュウさんとの2ショットが見たい
最終回まで待てとか言われた日には_| ̄|○illi

避難所見てきた
あれでいいと思うよ

608 :金的の鎖7 3/3:2007/02/21(水) 03:19:12 ID:K0C2xA0V0
「怖いわね、何かしら」「さあ。でもガイズも来てるし、大丈夫でしょう。あんまり
そばによらないほうがいい」スザキ・ジュンは、さも怖そうな顔をしながらその実
好奇心たっぷりに封鎖された空間を覗き込もうとしている颯木クロアをその場から
引き離すようにしながら歩き出す。クロアは美しい顔にしてやったりといった笑み
を浮かべて、スザキに取りすがるように絡めた腕にいっそうの力をこめる。
「…いい加減に放してくれませんか」
「だって怖いんだもの。…ねえ、気分直しに買い物に付き合ってくれない?」
「僕は、仕事の打ち合わせと言うから出てきたんです」スザキはクロアの手をやんわり
とふりほどく。「あなたの個人的な用事に付き合う気はありません」
「せっかく共演することになったのに、つれないわね。…そこがまた魅力的なんだけど」
肩をすくめる美女の姿は、ガス騒ぎでおびえる人々にもひと時恐怖を忘れさせるほどに
あでやかでなまめかしい。「じゃあ次のお店で打ち合わせを存分にしましょう。手加減し
ないからそのつもりでね」切れ長の瞳が軽く睨むように、妖艶な視線を投げた。「…ちょ
っと待ってて頂戴」
 周囲の羨望のまなざしをよそに、ロビーに残されたスザキはため息をつくと、携帯を
取り出してその待ち受け画面を見つめた。そこにあるのはキュートな赤に彩られた可憐
なめがねの少女の笑顔。不機嫌な表情がたちまちほころぶ。「…アマガイ。日曜日、待っ
てるからな」
 すれちがう人々の一様に恍惚とした視線を意にも介さず、やや眉を寄せた颯木クロア
は化粧室の鏡で己の姿に見入る。(…悪くないと思うんだけど。今夜はあなたの腕をもっ
てしてでもだめみたいよ、大介君)しなやかな指の先にからめた純白のシガレット。
ほんの一瞬間、薔薇の唇がため息とともに紫煙をくゆらせ、携帯用の銀皿を開いて
つけたばかりの火を押し消すと、クロアはプロフェッショナルな女優の表情になっ
て、ロビーへと戻っていった。

**
今回ここまでです。

609 :名無しより愛をこめて:2007/02/21(水) 03:20:56 ID:H5cSShoW0
割り込み申し訳ないorz
夜中だからって油断したス

610 :名無しより愛を込めて:2007/02/21(水) 03:26:33 ID:K0C2xA0V0
颯木クロアはサツギ・クロアと読んでください。関連の某女優さんの名前のアナグラムです。

>>607 こちらこそ失礼。いいスレタイだと思います!同感です。

>>フィフス ゾフィー兄さんの魔の手がついに!?
>>万能 やっぱりミライの洗髪に萌えます。ああ、せめて頭拭いてあげたい。。。
>>つるされた男 エルやイオのキャラも立ってきましたね。今後が楽しみです。

611 :名無しより愛をこめて:2007/02/21(水) 04:07:10 ID:H5cSShoW0
今夜の更新はないと思ってたのに、闇さん、ホントお疲れさんです

「鎖」は獅子座兄弟にいつも禿萌えなんだが、
GUYSクルーもよく動いてくれるところが、実は結構楽しみにしてるス

612 :フィフストレーニング3-2:2007/02/21(水) 10:06:20 ID:WfMM0go20

双子はそろってジャスミン茶を膝に零した。
「「メビウスとーーーー?!」」
「熱っ!」
「そうだ。いいだろう」
「いいだろうって、ゾフィー兄さん!」
「メビウスはタロウ兄さんと!」
ゾフィーは抗議の声を無視して席を立ち上がると、布巾と雑巾を持ってきた。
「床もちゃんと拭いておけ。
二万歳は普通に射程内だがな」
「そりゃうちの両親も二万歳ぐらいでしたけど!」
「レオ兄さん、ずれてるよ!」
「案ずるな。私はちゃんとタロウの為を想って、事前リサーチをしてやろうというのだ」
「想ってるならしないでくださいよ!」
「そういうのは余計なお世話って言うんです!」
「第一、タロウ兄さんは知っているんですか?!」
「さて、私から言ったつもりはないが」
そのタロウは一週間程前からサバイバル実習の引率で他の惑星に行っている。おそらく事前に知っていたらとんでもなく大暴れしたか、果てしなく落ち込んでいたかの、どちらかだろう。
「何を企んでいるんですか?!」
レオが凄んで見せるが、雑巾掛けをしながらなので余り恐くない。
「別に企むことなどないが。純粋な弟思いだ。母からも相談に乗ってくれと言われているしな」
レオとアストラの耳には「純粋に弟をからかいたいだけだ」と副音声が聞こえてくる。
「ああ、そろそろ次の会議の時間だ。すまないが後片付けを頼むぞ」
「ちょっ、ゾフィー兄さん!!」
パタンと閉まる扉を前に、二人は顔を見合わせた。
「レオ兄さん、どうしよう・・・・タロウ兄さんに知らせた方がいいかな?」
「いや、引率の最中にいきなり戻ってきかねないし、ここは俺たちで何とかした方が・・・・」
「でも、どうやって?メビウスを止める?ゾフィー兄さんを不意打ちで襲う?」
「後ろのは無理だ。今から寮に行って、なんとかメビウスを行かせない様にするしかないだろう」

613 :名無しより愛をこめて:2007/02/21(水) 11:26:12 ID:K0C2xA0V0
>>612 ぶははははwwwwコーヒー吹いたーーww
雑巾掛けしながら凄むレオ、副音声、でも一番は
>ゾフィー兄さんを不意打ちで襲う?
ってアストラーオイ


614 :名無しより愛をこめて:2007/02/21(水) 12:23:05 ID:WfMM0go20
>>万能 申し訳ないと思いつつ幸せをかみ締める〜というくだりが泣けてきた。

>>鎖 クロア、ワームの側か?!緊迫してまいりましたー!

>>つるされた 説明系のセリフで設定はきちんと抑えたほうがわかりやすいと思う。
必要はないかもしれないが、読んでいる側としては人物の会話しか世界を見る術がないから。
形式としては自問自答としてもいいし。

615 :名無しより愛をこめて:2007/02/21(水) 12:44:57 ID:F88NCmYz0
>>614
説明を加える自体はともかく(わかりにくいのは申し訳ないんですが;)。
それが不自然な形ででもいいから、と言われたら読まないで欲しい、というふうに
お願いするしかないです。たかが茶菓子程度のものですが。
自分の好きな味を食べるために作ってるんです。

偉そうで申し訳ない...orz

616 :名無しより愛をこめて:2007/02/21(水) 13:20:48 ID:ubLZH0RI0
>>612
かの国では2万歳は射程内なのか。(メモメモ)。。。て、感心してる場合じゃねえええw

617 :名無しより愛をこめて:2007/02/21(水) 17:14:16 ID:IwhjTUxV0
ゲンの姿で雑巾掛けしても変じゃないけど、レオの姿で雑巾掛けはシュールだなあwww

618 :名無しより愛をこめて:2007/02/21(水) 18:15:56 ID:qQekWlrt0
少し時期的には早いですがCMが流れ始めたので…。

―幼稚園にてー
ミライ「コノミさん、この御人形はなんていうんですか?」
コノミ「これって…御雛様のこと?そっか、ミライくんは初めて見るかもしれないね。」
ミライ「おひなさま、ですか。」
コノミ「ひな祭りっていう女の子の成長や幸福をお願いするお祭があって、その時に飾るんだよ。」
ミライ「豆まきとかバレンタインデーとか、地球には面白い習慣が沢山あるんですね!」
コノミ「折角だし、ディレクションルームにも御雛様飾りたいけど
    そんな訳には行かないよね…。」

〜後日〜
リュウ「…で、なんなんだよこれは!」
ミライ「神戸の兄さん達に先日こんなことを教えてもらったんです
    って言うウルトラサインを出したら…」
マリナ「宅急便で雛人形が送られてきたって言う訳ね。」
ジョージ「しかし…だからって8段も有るような大きな奴を送ってこなくても…」
テッペイ「これだけ大きかったら飾り付けるのも片付けるのも一苦労ですね」
マリナ「そういえば、3月3日に御雛様を片付けないと
    お嫁に行き送れたり行けなくなったりって昔よく聞かされたっけ」
リュウ「女の祭って奴も面倒なんだな…。」
コノミ「地域によって色々言われてるみたいですけど結局のところはどうなんでしょうねぇ」
ジョージ「で、結局この荷物どうするんだ?アミーゴ」

―同時刻・光の国ー
タロウ「そうか…3月3日にあの人形をしまわせなければ
   メビウスをお嫁に行かせなくて済む訳か…」
ゾフィー「変なこと呟いてないで手を動かせ。お前が溜めた仕事はまだ残ってるんだぞ!」

先にネタを考えていた人がいたら申し訳ない。
 

619 :名無しより愛をこめて:2007/02/21(水) 18:49:11 ID:53Bp+w1y0
ははははっwww
久々に「仕事しろ」のオチが来たね

>タロウ「そうか…3月3日にあの人形をしまわせなければ
コノミとマリナまで嫁に行けなくなるから止めれ

620 :名無しより愛をこめて:2007/02/21(水) 18:51:40 ID:F88NCmYz0
【純情】♀メビウス萌え〜4【無垢】
http://tv9.2ch.net/test/read.cgi/sfx/1172051119/l50

ちょい早めなんですが避難所よりの要請にて次スレっす。
闇さんや万能さん辺りはこちらがよろしいかと(可能性半々でしょうし;)。

621 :名無しより愛をこめて:2007/02/21(水) 19:00:18 ID:w7x1Y1vX0
>>620


622 :4コマ ◆nL.tEAkRlc :2007/02/21(水) 19:33:44 ID:/DdWMjCJ0
The Hanged Manさん、私でもやっと見えてきました。
おもしろいです!w こういうssぜひ続けてください。
先週「2010年〜」って奴を観たんだけど、
なんだかそれをイメージにして、自分勝手に読んでます。

623 :名無しより愛を込めて:2007/02/21(水) 23:48:50 ID:K0C2xA0V0
>>620 乙です!今日はお休みしますが、投下するときはあちらにしますね。
鎖が絡まってきたので少し調整します。もう一人オリキャラでる予定です。

>>618 季節物GJ!それにしてもここに限らずウルトラと人形は縁があるなーww



624 :まとめ2号から報告:2007/02/22(木) 05:49:42 ID:CDLIJQXD0
「万能の神はいない」 うpしますた

625 :名無しより愛をこめて:2007/02/22(木) 07:38:27 ID:81zWvBtEO
次スレ立ったのは喜ばしいんだけど、一部で叩かれてるよこのスレ・・・
板にそぐわない、って。

626 :名無しより愛をこめて:2007/02/22(木) 07:47:37 ID:kOv8Uyfy0
釣りでない事を祈りながら聞くけど、どこで叩かれているんだ?

627 :名無しより愛をこめて:2007/02/22(木) 08:28:39 ID:QZY3MqHl0
新スレの>>10>>11の事なら、叩いてるわけじゃないだろ
それとも、他スレでなんか言われてんのか?
それよか携帯の人が来てあげてったぞ

628 :フィフストレーニング3-3:2007/02/22(木) 10:25:11 ID:+5nRT+bF0

「ここ、何処ですか?」
「アニマル星の入国管理ステーションだ」
「そうじゃなくて!どうしてこんな所に居るんですか?!」
「今日はたまの休日だから、外に出ようと思ったのだが」
「だからってなんで僕まで!」
「おや、君は休日に友人と遊びに行かないのか?」
「コーヒーはどうしたんですか?!」
メビウスは入国管理局の待合所で、思わず怒鳴ってしまった。慌てて口許を押さえて辺りを見渡すが、幸いにも大勢の人の雑談に掻き消された様だった。
ゾフィーがその仕草に面白そうに笑っているのを見て、メビウスは深い溜息をついた。この間、すこーしだけ見直したのが間違いだったかもしれない。
休日の朝、掃除をしてから市民プールと図書館に行こうという計画は、ゾフィーのテレパシーで無残にも一歩踏み出す前から終わってしまった。
「コーヒーを淹れにきてくれ」
と、たった一言である。これでメビウスは自分の部屋に隠してあったサイフォンやアルコールランプを持って本部の通用口に行くハメになった。
通用口でしばらく待たされ、やっと来た呼び出し人は、メビウスの腕を掴むとそのまま大気圏脱出。数時間の飛行の末、とある惑星の衛星軌道上にある入国管理ステーションに連れ込まれた。
「もちろん飲むとも。ああ、そういえば」
ゾフィーは立ち上がって売店の方へと歩いていった。戻ってくるとメビウスの前に衝撃吸収材で出来たウエストポーチを差し出す。
「持っているのは邪魔だろう」
「あ、はい」
(隊長が持って来させたのに・・・・)
何を言っても無駄なことは分かっているが、なんだかやりきれない。サイフォンやカップはゾフィーの手の内でみるみる小さくされていく。メビウスはポーチを腰につけると、そこにコーヒーセットを押し込んだ。
「隊長は動物が好きなんですか?」
「何故そう思う?」
「だって、アニマル星って政府の指定自然公園じゃないですか。休みの日に来るぐらいだから・・・・」
「君は動物は好きなのか?」
「はい」
「そうか。ならば丁度良かったな。私は格別好きというわけではないが、付き合いがあってな。
たまには校外実習もいいだろう」

629 :名無しより愛をこめて:2007/02/22(木) 17:37:19 ID:7z2wZO020
隊長!これはデートではなく、もはや拉致ですwwww
これからもあちこち連れまわしてくれそうな予感。

630 :The Hanged Man.28:2007/02/22(木) 21:12:42 ID:XaxRFgHo0
メビ「一箇所だけ一緒に降りても構いませんか?」
イオ「体力が持つならだが、調べることがあるのなら言えばやってくるぞ?」
メビ「いえ、ちょっと口にするのが馬鹿馬鹿しくて・・・」
イオ「妙な表現だな、まあそれでいいならいいが。行くぞ」

――
エル「この“海”ひょっとして浅くないかな、ずいぶん」


【記述者:イオタ
 結論から言うとそれであっさりと生物の痕跡は見つけることが出来た。
“海”は塩水ではなく、地球でいうところのほぼ真水。そして、水はほとんど
海にしか存在しない。少なくとも地表面上は。
従って生物棲息は海の周囲に(水中も可)限定される。
ただし、「餌として齧られていた葉」の問題があり、それは後日に譲る。】

エル「“推測”の部分は書かないの?」
イオ「・・・私ではなんと書けばいいのかもわからんからな」


631 :The Hanged Man.29:2007/02/22(木) 21:13:42 ID:XaxRFgHo0

 ジジジジ

アストラ「いでででで。やっぱ駄目か」

――どんな状況だ?
アス「レオ兄さん。んー、古いものという気はするけど穴はないっぽい」

――80からの報告では古い文明の痕跡もなかったようだが。
アス「てーことは? なんかの利用をされてたか、それとも後始末まで完璧な
 レベルの存在があったかってことになるのかな」
――まだ見つけてない可能性もないではないだろうな。
アス「まー、それなら惑星防衛網なんて片して行くだろうしね」

――いずれにしろ壊せば侵入は可能なのだろうが、判断つきかねるな。
アス「なんかの外敵がいるんだと困るしねぇ・・・あれ」

――アストラ? どうした、おい、アストラ?!


632 :The Hanged Man.30:2007/02/22(木) 21:14:49 ID:XaxRFgHo0
エル「イオタ、イオタ」
イオ「・・・んあ? そろそろ朝か」
エル「しー、二人はもう少し寝かせてて。ごめん、先生が戻ってなくて」
イオ「(がば)半日か、判断が微妙なところだな、通信機は?」
エル「呼びかけてるけど反応がない。でもバッテリーも怪しいし」
イオ「この空間を維持してるのも先生だから、無事ではあるんだろうけどな」

エル「探そうにも、ルートを聞かされてないんだ、僕ら」
イオ「大丈夫だ、本国への通信を入れれば往復で半日、その半分でなんらかの
 手を打ってくれる。大袈裟にはなるかもしれないがな」
エル「あ、救難信号・・・」
イオ「そう、俺らだけだと数日でエネルギーが尽きる。妥当だろ」

ゼノ「せんぱーい、おはようございますぅ...orzねむ」
イオ「おはよう、ついでにメビウスも起こせ。つーか、気ぃ使わんでとっとと
 起こしていいから、心配しすぎて目ぇ真っ赤じゃないか」


633 :The Hanged Man.31:2007/02/22(木) 21:15:54 ID:XaxRFgHo0
エル「子どもたちの睡眠時間が長くなってますね、お父さん(くすん)」
イオ「正直、ちょっと嬉しい自分が怖いから止めて;」

エル「やっぱりこの環境キツいのかなぁ、体小さめだし」
イオ「まあ、寝かすより大気圏外に連れ出すのがいいんだろうけどな。純粋な
 疲労もあるからそうそう何度もというわけにも」
エル「君の体力だって持たないでしょ」
イオ「考えてみれば頑丈さが取り得だからな。数日ならなんとか・・・こら、
 ちょろちょろするんじゃない、メビウス、落ち着きのない」

メビ「ごめんなさい、なんだか、体が動きにくくて」
ゼノ「お前も寒さに弱いからなぁ・・・大丈夫か?」
イオ「昨日より寒くなってるしな、戻ったほうが良さそうだな。エル?」
エル「ご、ごめん、なんでも」
イオ「消耗が激しいだけで病気じゃない、そう心配するとお前の体に毒だぞ」


634 :The Hanged Man.32:2007/02/22(木) 21:16:57 ID:XaxRFgHo0
イオ「今度はちょっと失敗したかな、半分は流れたっぽい(わきわき)」
ゼノ「すみません...orz」
イオ「いや、これだけシルバーがいて治療術使えるのが一人ってのがそもそも
 情けない話だしな」
ゼノ「てか、エル先輩大丈夫ですか、なんか」
イオ「クラス違いで、付き合い自体は短くもないがあんなのは始めてだな」

ゼノ「心配性なのかなぁ」
イオ(けど、あれでは共倒れしかねない)
ゼノ「そういや、メビウスも時々あんな感じでテンパるかも」
イオ「テンパ・・・?」
ゼノ「すみません、パニックになるというか、頭で考えるタチなのかなぁ」

イオ「しかし、生命体探しどころではなくなってしまったな。ふぅ」
ゼノ「ここにいてやれる分だけでもやっときますー?」
イオ「やることないし、まあ、それもありか」


635 :The Hanged Man.33:2007/02/22(木) 21:17:58 ID:XaxRFgHo0
――

レオ「人選が奇妙と言ったら奇妙なんですよね」
タロ「僕のところのイオタのことか?」
レオ「彼は体も大きいし頑丈ですよ・・・あ、えーと」
タロ「やっぱり把握してるんだ...orzいじいじ」

レオ「えっと、とにかく成績よりもむしろ実戦向きなんですよ。いやちょっと
 話を聞いて下さいよ、タロウ;」
タロ「・・・むー、ゼノンやメビウスのことじゃないよな、となるとエル?」
レオ「実はあれはワケありなんです。それに今更ながらマックスがいないのも。
 レッドは寒さに弱いというのが定説ですが、彼には当て嵌まりまらない」
タロ「え、そうなのか?」
レオ「貴方も混血のせいでしょうが、そうでもないでしょう」

タロ「なら、そもそもこの話は一体どういうことになるんだろう」
レオ「エルは、下手をすると足枷として選ばれた可能性があります」


ここまで。
えーと、揉めててすみませんでした。諦めます。

636 :名無しより愛をこめて:2007/02/22(木) 21:24:00 ID:zZej2SsS0
よかった!Hangedさん、もう来てくれないんじゃないかと心配しました。
エルのわけありなキャラ、どうなるのでしょうか。もっと気になるのは獅子座弟ですが。
おいしいお菓子を少しずつ楽しむように展開を楽しませていただきますw


637 :名無しより愛をこめて:2007/02/22(木) 22:49:41 ID:Dt19/l+e0
 よかったー! お待ちしてましたよ!
 エルって名前、もしかして・・・って意味かな、とアホなかんぐりしてみたり
(でも外れている確率高しorz)
 ここの教官ズの微妙な凸凹振りが好きだ。


638 :新任実習生の日記 保育園日誌1/2:2007/02/22(木) 23:05:12 ID:Dt19/l+e0
 穴うめ恒例?一発馬鹿ネタで。フライング気味だけど季節ネタ。

×月×日
 力仕事がいる、ということで今日はメビウス先輩とコノミさんの保育園を訪問しました。
 3月3日のひな祭りのための準備です。女の子のためのお祭です。
 男の子は不公平じゃないですか? と聞くと男の子のためのお祭が5月にあるんだよ、
とコノミさんが教えてくれました。それにどちらのお祭も男の子女の子関係なく楽しめる
ように取り計らうそうです。さすがみんなの先生です。
 でもなぜかコノミさん、寂しそうです。何故だろう、と思ったらメビウス先輩が教えて
くれました。3月は保育園の卒業式があるので寂しいのだと。お別れの月なのだと。
 僕たちが卒業するときも、教官たちは寂しかったのかな?
 今度タロウ教官に聞いてみようかな。でも、なんかはぐらかされそうな気もする・・・。

×月×日
 保育園にお手伝いです。職員にダウンした人が続出で、コノミさんが一人で大変!
 たまたまお休みの僕とメビウス先輩とで緊急出動です。
 子供たちって元気一杯です。エネルギッシュで一生懸命で小さくて可愛いです。
 メビウス先輩がよくコノミさんの所に訪問される理由が分かるような気がします。
 ずっと構っていると大変だけど。
 鬼ごっこしたり、おんぶしたり、抱っこしたり、肩や腕にぶら下げたまま走ったり、
高い高いしたり、肩車したり、ぐるぐる振り回したり、一人一人は短いけど、流石に40人
全員を連続して構っていると疲れます。最後には息切れを起こしました。
 あれを毎日、コノミさんって凄い。僕はウルトラマンなのに情けないですorz
 そうアイハラ隊長に漏らすと笑われました。どれぐらいで根を上げた?と聞かれました。
大体10時間ぐらい?と答えたら呆れられました。・・・ちょっと過大報告だったかな? 
お昼の時間とおやつの時間は除外してなかったから実質9時間弱?
 帰りぎわ、コノミさんに真顔で「うちに就職しない?」と聞かれました。
 無理です。地球防衛へ費やす体力が残りません。


639 :新任実習生の日記 保育園日誌2/2:2007/02/22(木) 23:08:06 ID:Dt19/l+e0
×月×日
 どうしよう。
 今日は卒園式でした。お休みをとってメビウス先輩とお見送りに行きました。
 コノミさん、涙をハンカチで拭いていました。メビウス先輩も泣いていました。
僕もしんみりしました。
 最後にわーっと子供たちが寄ってきてくれました。懐かれるって、嬉しいですね。
 そこで大問題発生です。
 シュウ君が、僕のこと『ツヅキお兄ちゃん』と呼んだんです。
 シュウ君いわく、卒業したから先生じゃない! っていう主張です。
 えーっ! と思っているうちに『お兄ちゃん』の大合唱になってしまいました。
 タロウ教官・・・どうしましょう。いきなり40人も兄弟が出来てしまいました。

おまけ
80 「相変わらずボケなんだかマジボケなんだか・・・」
レオ 「ま、なんだかんだと上手くいっているみたいだな」
タロウ「だといいんだが・・・ん? 通信?」
ツヅキ『タロウ教官! レオ教官! 80教官! 助けてください!
    僕、一体どうしたらいいか分りません!』
タロウ「どうした! メビウスに何かあったのか!?』
ツヅキ『メビウス先輩は大丈夫です。問題は僕なんです!
    今日コノミさんの保育園の女の子にお嫁さんにしてねって言われて・・・
    教官方、何故そこで突っ伏しているんですか! お体が何処か悪いんですか!?』 


640 :名無しより愛をこめて:2007/02/23(金) 00:01:59 ID:j803sEB20
裏で愚痴っているのはお互い様ですね。
読まないで欲しいって位なら、メルマガや会員制のサイトでも良いと思いますよ。
わざわざ、此処でやる意味って何?

641 :名無しより愛をこめて:2007/02/23(金) 00:14:22 ID:wJl8gQGC0
フィフス>>獅子座兄弟間に合いませんでしたね。どーなる、メビ?!
Hanged>>まとめで通しで読んだ後、もう一度読むとイメージがつながっていって面白いっす。
新任実習生>>久しぶり明るいはなしーwwうん、ツヅキは女児にもてそうだ。

えー、自分は今埋め草の手持ちがないので、あとで、新しいほうに投下してきます。今夜は久しぶりに闇のほうっす。

642 :名無しより愛を込めて:2007/02/23(金) 02:17:59 ID:wJl8gQGC0
>>640 せっかく面白くなってきたので今メルマガや会員制に行かれると困る。
読まないで欲しいというのは文字通りの意味ではなく、どう書くかは書き手に
任せて欲しいというような意味だと思う。
せっかく新スレもたったしまとめサイトも充実の更新ぶりなので、本編もここも
楽しんでいこうよ。

闇投下してきた。

643 :名無しより愛をこめて:2007/02/23(金) 09:01:08 ID:oByUsy220
読む読まないは個人の勝手だし、いちいち書き手にいう必要は無いと思う。

ただ、養成所に比べると分かりづらいネタばかりになったな。
よその作品のキャラやメアリースーみたいなオリキャラが出張るようになると
そのジャンルは末期だとは聞いたことあるけど、
もう本来のメビウスである必要があるネタってほとんどないよね。

644 :名無しより愛をこめて:2007/02/23(金) 11:08:05 ID:VpQQPbqW0
・・・優しさを忘れないでくれ、たとえそれが何百回裏切られようと

スレを楽しくしようとする気持ちは同じだ、表現が違うだけで。

645 :名無しより愛をこめて:2007/02/23(金) 12:18:51 ID:bIToSFx5O
>>643
同意。独自設定が多過ぎて、しかもほとんどが書き手固定の長編だし。
それなりに面白いのかもしれないが、申し訳ないと思いながらも
疲れてる時にはスルーしてしまう。
ていうか、以前より書き手さんも減ったよね。


646 :名無しより愛をこめて:2007/02/23(金) 12:31:09 ID:FnGQ3/z+0
確かに初代スレみると、単発ネタで面白いのがいっぱいあったなあ・・・・

647 :名無しより愛をこめて:2007/02/23(金) 12:45:57 ID:P3NoLHRY0
と言うか、養成所スレで自分が誰かにしたみたいな事をここでされて
言葉は悪いけど逆ギレ気味になってまで投下する理由はなんなんだろ?
オリトラ自体は又別問題

648 :名無しより愛をこめて:2007/02/23(金) 12:59:12 ID:jKhduasZ0
職人が居心地良くスレに定着できるかどうかはスレ内の人間次第だと思う。
勿論職人だけでなく、ロムも「スレが落ちないように頃合を見て支援sageようか?」と
いう気になるしなあ。
ネタや流れに関して一気に意見が噴出したかのように取られそうだが、書かなかっただけで
そんな風に思ってた人間も実は多かったんだな。<自分含む

「良ネタスレ」の良い部分を是非いっちょ学んでモノにして欲しいと思う。

あと、一部職人の本文以外のカキコにある言い回しなんだが・・・
無理に語尾に「でつまつ」とか使いどころの間違った「wwww」は変なんでもっと自然体で良いですよ?
あれはある意味2ちゃんの中でも特殊な言い回しなんでなw

649 :名無しより愛をこめて:2007/02/23(金) 13:11:47 ID:12bolzn40
>>648
確かにそうなんだよね。うん。
ただ、今回水入りにしようよって後でこんなん見たらガックリも来ます。
同板なんて見つけてくれって感じだし。

◎●ふと思ったことを書き込むスレ●◎ in特撮板
http://tv9.2ch.net/test/read.cgi/sfx/1168234675/171

650 :名無しより愛をこめて:2007/02/23(金) 13:50:02 ID:oByUsy220
>>649
そんなの、タロウのスレで、無差別にタロウファンを見下した書き込みをした人が、
このスレに書いてる人と同じIDだったのと比べたら、ずっとマシに思える。

425 名前: 名無しより愛をこめて [sage] 投稿日: 2007/02/12(月) 23:10:01 ID:TJMDgT6Y0
同じく、申し訳ないっ!
てか、ヒルカワまで本格登場だぁ;

【お仕置きに】ウルトラマンタロウ10【ストリウム光線】
113 名前: 名無しより愛をこめて [sage] 投稿日: 2007/02/12(月) 08:36:15 ID:TJMDgT6Y0
>>109
いや、スレの流れやメビウススレを見てるとどうも最近な。
つーか、110-112を見てるとさすがにちょっと…。自覚くらいはしたら…。



651 :名無しより愛をこめて:2007/02/23(金) 14:12:52 ID:GWzzlzCF0
>>649
>>650
どっちも同じ人じゃん・・・
こないだの本スレは知っていたけど、タロウスレ迄は知らなかったわ

652 :名無しより愛をこめて:2007/02/23(金) 14:26:54 ID:jKhduasZ0
>649
なるほど。
自分に余裕あるなら構っても良し、ないならスルーで良いって。
2ちゃんの良さと怖さと踏まえて、実生活に響かない程度に各自が楽しむ位で良いんじゃね?
職人サイドからしたら色んなダメ出し意見を一遍に受けて凹む事もあるんだろうが、
それこそ全部己で飲みこまんでも良い訳だし。

まあその何だ。色んな意味で強くなってくれ。
あとはウルトラ好きとして恥ずかしくない自分(自分の好きなものを誉めるのに
他を貶めたりしないとかな)で、いりゃあ良いさ、みんな。

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